※この作品はR-18です。

神器なき男3   作:もっち~!

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もう1つの迷宮都市

---フィン---

 

振り返ると、レフィーヤが呆然としている。肉が焼ける香ばしい香りが立ちこめ始めた。

 

「ガレス!水だ!」

 

「おぉ、そうじゃな」

 

ガレスが数人を連れて水を汲みに向かった。

 

「もう、手遅れのようだ」

 

モモンの言葉で振り返ると、あの三人は灰になっている。燃焼スピードが早い。業火系か?モモンとナーベラルが、灰に向かって手を合わせている。

 

「生き証人は殺す方針なのか?」

 

モモンに訊かれた。

 

「いや、そんなことはしない。それに、あれはレフィーヤの魔法では無い」

 

「そうか…」

 

フルフェイスの兜の為、モモンの表情が見えない。俺達を疑っているのか?現状では、疑われてもしかたない状況であるが。

 

◇

 

地上に戻ると、主神のロキにドヤされた。

 

「何をしてんのや?路上で女を襲った挙げ句、焼き殺したって、噂になってるで!」

 

目撃者は多かった。地震で建物から逃げた者達が沢山いたし…うん?まさか、あの地震すら罠か?目撃者を作る為の…

 

「なぁ、あの誤報騒ぎは、誰に情報をもらったんだ、ロキ?」

 

「忘れた…覚えておらへん。なんで、今更や」

 

「あのファミリアの残党が絡んでいるようなんだ」

 

いや、絶対に絡んでいるはずだ。

 

「あのファミリアの眷属は、もうおらへんでぇ~。主神も送還されたしなぁ」

 

いない?では、知り合いだったのか?彼らは一体、何者だ?

 

「今夜は神会なんや…少し探ってくるわ」

 

悪そうな笑みを浮かべるロキ。

 

 

 

---ヘルメス---

 

アスフィが消えた。神隠しにあった感じで、痕跡も無く消えていた。

 

「アイズたん達と一緒やな」

 

ロキが囁いた。

 

「どこが関与していると思うの?」

 

フレイヤが訊いてきた。

 

「「お前のところだ!」」

 

俺とロキが同時に答えた。こんなことが出来るのは、フレイヤ・ファミリアしか無い。

 

「私の所?ご冗談を言わないでね。メリットが無いわよ」

 

そう、フレイヤがするメリットは無い。

 

「あのな、あの件はどこからの情報やったんや?」

 

あの件とは、無名に近いファミリアのホームを、襲撃した件だと思う。得た情報により、人身売買をしていた闇ファミリアのホームに、押し入ったのだが、誤報だったのだった。

 

「そういや、死体が1つしか無かったなぁ。残りの死体はどうなったんだ?」

 

翌日の現場検証の際、そのファミリアの団長の死体しか残っていなかった。もっと、沢山あったはずなのだが…

 

「フィンが言うのはなぁ、その時の関係者が動いているようだよ」

 

あの件に関わったのは、俺の処とロキの処だったな。辻褄は合う。問題は、あの偽情報はどこから出たのかである。たぶん、その関係者も分からないのだろう。

 

「それより、アストレアはどういうつもりかしらねぇ」

 

この街を一度追放された主神が、舞い戻って来たのだ。タイミング的には、今回の件に絡んでいそうだが、眷属達は未だ18階層すら到達していない。とても、アスフィやアイズ達を連れ去ることは出来ないレベルである。

 

そう言えば、タイミング的に考えると、ウラノスが消えたのも謎だ。その原因と思える、あの建造物の出現もかぁ。う~ん…

 

 

 

---シュウ---

 

神会帰りの女神様を襲った。お付きの者の意識を狩り取り、女神様だけお持ち帰りをした。

 

「あなたは何者…」

 

銀髪の女神様。薄いお召し物を奪い、ヘルメスの部屋へ転移させた。彼女の肌は透き通るような白い肌である。

 

「その魂って…まさか…」

 

この女神は魂の色が見える。足首を掴み、大きく足を広げた。僕を驚愕な表情で見つめている。その表情は、恐怖に染まっているようだ。

 

「止めて…お願い…」

 

前置き無しで突っ込んだ。その衝撃で白目を剥いた女神様。あんまり興味無いし。アインズとディアブロに喰わすかな。大墳墓に転移して、今日のお仕事は終了。リヴェリアとアイズを枕と布団にして、安眠だ♪

 

 

 

---フィン---

 

ティオナだけ戻って来た。その目は虚ろで、生きた屍のようだった。

 

「朝起きたら、廊下にいました」

 

と、レフィーヤ。話し掛けて、無反応だったらしい。

 

「酷い…」

 

姉のティオネが優しく抱き締め、呟いた。全身に鞭を打たれた痕が残っていた。

 

「ティオナ…ねぇ、何があったの?アイズはどうしたの?」

 

ティオネが話し掛けるが反応が無い。高レベルの戦士をここまで追い込むとは…相手は残虐なようだ。

 

「どうする?」

 

ガレスに訊かれた。どうするって…相手がわからない。もしかすると、これは警告かもしれない。リヴェリアとアイズの精神が心配である。

 

 

 

---兵藤一誠---

 

当初の目標は18階到達だったが、ミノタウロスの肉の取得が目標になった。殺さずに、喰えそうな部位だけを切り取るのが目的である。

 

「足と首はダメよ。片腕なら大丈夫そうね」

 

って、セーラ。しかし、肉が固い。鍛え上げた腕の筋肉は固すぎた。

 

「内臓まで抉らなければ、腹の肉もいいみたいですよ」

 

って、イッセー。霜降りであり、旨そうな肉であるが、戦闘中に、内臓に到達しないように切り取るのは、至難な技である。剣士組が、試行錯誤で挑んでいる。

 

「バカイッセー!剣士だけを出して、アシストしなさいよ!」

 

って、セーラから指示が飛んできた。剣士だけ妄想って、難しい。まして、具現化した後の指示も上手く出来ずに、殺しまくっているし。

 

「肉が灰になるでしょ?お前は飯抜きでいいか?」

 

セーラがキレてきた。これでも努力しているんだよ~!

 

 

 

---シュウ---

 

アミッド、ナァーザ、シャクティと有名処の女性を強奪しまくり、街は大騒ぎのようだ。ヘルメス達が、アストレア・ファミリアを疑い出したので、アイツらを撤収させた。そして、空気と同化して、街中で情報を収集していく。

 

「何?アストレア・ファミリアの全員が消えたって?」

 

ヘルメスが驚いている。しかし、ガセネタの元が見付からない。どうするかな?

 

ヘルメスがフレイヤの元へ向かい、フレイヤすらも消えた事を知り、愕然としている。アイツの部屋にフレイヤの衣服を捨てたのに、気づいていないのか?

 

「どうして、フレイヤが…何者の仕業だ?オッタル、何か気づいたことは無いか?」

 

「俺よりも強い奴だ。この俺が意識を狩り取られた隙に…」

 

この街の最強者のオッタルが、悔しそうである。

 

「オッタルの意識を狩り取ったのか…そうなると魔法使いか?」

 

ヘルメスとオッタルが連れ立って、ギルドへ向かっている。魔法使いを探すのか?いや、違った。この街の冒険者全員で、ナザリックに殴り込みをするように依頼をしているようだ。どうするかな…あぁ、殴り込みに参加しないファミリアが、臭いかな。正義を司るファミリアがいない隙に、何かをするかもしれないし。

 

方向性が決まったので、ナザリックの僕の部屋へ転移した。アイズ、リヴェリア以外は、同化吸収済みである。

 

「どうでしたか?」

 

アスフィに訊かれた。

 

「ここにオラリオ全軍で攻めるらしい。なので、進軍を始めたら、ここは撤退する」

 

「この世界のヘルメス様は、腹黒く無いんですか?」

 

「そうだな。淡泊だな。もっと裏で蠢いていて欲しかったかな」

 

お気に入りの枕と布団を使い、まったりとする。

 

「この二人はどうします?」

 

「同化吸収はさせない。ここを撤退するときに、このまま返品だな」

 

お昼寝を終えると、オラリオの街へと戻った。大規模な戦闘の用意をしている感じだ。そうか、用意をしてないファミリアを探れば良いのかな?主な裏ファミリアを巡り、当たりを付けた。

 

探ってみると、消された理由がわかった。取引の現場を、あの主神に見られたと思ったらしい。そこで、口封じで…主神を殺すことは出来ないが、眷属を皆殺しにすれば、主神は天界へ帰ると思い、実行したようだ。結果は、彼らの思うとおりになったし。

 

ロキ・ファミリアの援軍で現場へ向かい、抜き打ちの捜索時に抵抗したとして、殺したらしい。惨いことを…

 

 

オラリオからの進軍を確認し、ナザリックを撤退させ、アイズとリヴァリアをそれぞれの部屋のベッドへと返却し、アインズ達も撤退させ、今回のターゲットを消し去り、僕も離脱をした。

 

◇

 

次の案件が厄介である。相手は過去へも未来へも飛べる能力者である。コイツの罪は重い。本来死ぬ運命だった自分を、別の世界で転生した後、過去の自分の死を回避したらしい。これはパラドックス的におかしいのだ。死を回避したのであれば、別の世界で転生するはずが無いのだが、転生したソイツは存在し、その世界の主となっているらしい。

 

まぁ、初めての世界である。堪能してから、容疑者を捕獲するかな。まず、一人で視察である。必要な人材や設備を見極めないとなぁ。

 

降り立った世界は、中世ファンタジーな世界のようだった。目的の奴は、森の中に作った。国にいるらしい。

 

その森はジュラの森といい、多種族が共存していた。目指すはジュラ・テンペスト連邦国の首都リムルだ。目指す相手は魔人で、リムル・テンペストと名乗っているらしい。東西南北に門があり、魔法結界で護っているようだ。入る資格が無い者は弾かれるらしい。

 

ここは後回しで、近くに迷宮都市があると言うので、そちらへ向かう。弟子達の鍛錬場所にと考えていたのだった。

 

入場料を払うと、迷宮内で死んでも生き返るアイテムが、初回だけ無料で貰えた。死んで生き返るなら、鍛錬場所として最高だな。ダンジョンを中心として、街は発展しているようだった。どこかの迷宮都市のようだ。

 

試しにダンジョンも体験してみた。ゲームでよくある、下層へ行くほど強い魔物が出るタイプであった。10階層ごとに、フロアボスがいるのも良い。弟子の鍛錬場所にするか。

 

次にナザリックの設置場所を検討する。地図を買い、広い空き地を探す。う~ん、森の中は難しいか?うん?ほら穴があるなぁ。ここに隠すのも手か?

 

ナザリックを洞窟内へ転移させ、洞窟を結界で囲んだ。オーラが漏れて、警戒されないように。

 

「今回はこの世界か?」

 

アインズに訊かれた。

 

「そうだ。相手のデータが不足しているので、迂闊には動けない。聖属性だと、ナザリックは撤収させる」

 

「わかった」

 

「取り敢えず、弟子達を迷宮街に住まわせて、迷宮を鍛錬場所にしてもらう。それと並行して、モモン、ナーベラル組と、ディアヴロ単独、僕単独で、周辺及び、首都テンペストを内偵する」

 

皆に指示を伝えた。

 

◇

 

視察すればするほど、中世ファンタジー世界のはずが、現代日本を思い越されるのは、転生者の主のせいか?水洗トイレが存在し、鉄道で各国が繋がっている。空には飛行機が飛んでいるし。キャッスルドランの持ち込みはきついかな。

 

各国を巡り歩いていると、1枚の貼り紙が目に止まった。『リムル杯闘技大会』と書かれている。これに出れば、魔人リムルの顔が拝めるのか?早速、参加の申し込みをした。この世界の戦力を知ることも出来るし、強い女体が見付かるかもしれないし。一石二鳥かな。

 

予選会場へと向かうと、バトルロイヤルで優勝者が本戦へ出場だという。名の売れていない戦士は、勝ち抜けってことか?会場に入るなり、ディアヴロとモモンと目が合った。その瞬間、二人からリタイヤするって念話が飛んで来た。なんだよ~、戦おうよ~!

 

 

 

---リムル・テンペスト---

 

秘書のシュナに予選会の勝ち抜けした戦士のデータを見せて貰った。うん?どういうことだ?『名前はシュウ、ジョブは戦士、種族不明、レベル計測不能、能力不明…』とまるでわからない。

 

「コイツ、どんな奴なんだ?」

 

「印象に薄い感じの人物で、好戦的って感じではなかったですよ」

 

う~ん…トーナメント表によると、一戦目はゼギオンが相手のようだ。ゼギオンは、たぶん俺の配下でトップクラスの戦士である。可哀想に、一戦目で消えるだろうな。

 

 

 

---シュウ---

 

決勝の出場権を得て、首都リムルへの出入りの権利を貰えた。いや、貰う前から出入りはしていたけど。『結界無効』スキルで、出入り自由だったし。

 

そして今、宿で攻略中である。街で目が合った女剣士。倒したら好きにしていいってことで、意識を狩り取り、宿へお持ち帰りをした。彼女はクールビューティー系の鬼族だったので、元ハーフな鬼である僕と相性が良い。

 

「うっ…ダメ…」

 

と、言いながら、身体を僕に預け、抵抗せずに、刺激を愉しんでいる。エムかな?胸も大きすぎず、なかなかの美形である。舌で乳首を味わう。柔らかさを纏っていたそれは、じょじょに固さを得て、起立していく。

 

「いい…うっ…もっと…」

 

ゆっくりと腰を動かし、奥の方に僕の印を刻み込んでいく。彼女の魂を読みと、一度死んだ後に、甦ったようで、不死身の半精神生命体のようだった。なんて、中途半端な蘇生なんだ?完全精神体にすれば、彼女は、もっと強くなれるのに、もったい無い。

 

「なぁ、僕の仲間にならないか、シオン」

 

「もっと、愛してくれますか?」

 

僕の目を真っ直ぐに見つめている彼女。愛に飢えているようだ。

 

「努力する」

 

「傍に置いてくれますか?」

 

「強ければな」

 

「いつまでも、隣にいたい…強くなりたい…」

 

「その願いを叶えよう。供物はお前だ。どうする?」

 

「お願いします」

 

彼女の望みを叶えて上げた。再生能力有りのホムンクルスに、完全精神体にした彼女の魂を入魂していく。魂の情報を読み取り、ホムンクルスが、シオンの身体へと調整されて行った。

 

「どうだ?新らしい身体は?不具合は無いか?」

 

「もっと愛して下さい。でないと、不具合がわかりません」

 

笑顔のシオン。そのまま、彼女の身体を堪能しつつ、彼女の不具合を調整していった。

 

 

 

---リムル・テンペスト---

 

決勝戦の会場へ向かうと、シオンが知らない男と仲睦まじく歩いていた。

 

「シオン!」

 

「あぁ、リムル様」

 

なんか、いつものシオンと違う感じがする。いつもより、堂々としている上、俺が眼中にないようだ。

 

《解 彼女は完全生命体になりました》

 

《告 彼を敵にしてはいけません》

 

シエル先生からメッセージが届いた。コイツ、シオンに何かをしたのか?

 

「そうか…お前がリムルか…なるほど、竜種スライムかぁ…それは、珍しい」

 

人化した俺の正体を、言い当てた男性。コイツ、何者なんだ?

 

《告 彼を敵にしてはいけません》

 

シエル先生から、警告のメッセージが届く。俺よりも強いのか?

 

《解 彼と戦った場合の勝率は0%です》

 

0%だって…歯が立たないのか…なんだ、コイツ…

 

《告 彼を敵にしてはいけません》

 

シエル先生からの警告が、俺に危険を知らせていた。

 

「シオン、セコンド席にいてくれるか?」

 

「はい。私が戦う時は、セコンド席にいてくださいね」

 

俺は見てはいけないものを見た気がする。あのシオンが、あの男の唇に自分の唇を重ねた。その姿は妖艶な乙女にも見える。コイツ、こんなに色気があったっけ?

 

「リムル君、女性は恋すると色気を纏うんだよ」

 

って、あの男に言われた。なんか、腹が立つ男だ。心が読まれているようだし。

 

《告 彼を敵にしてはいけません》

 

敵意を見せたら、即死なのか?

 

《解 簡単には殺さないと思います》

 

いたぶった挙げ句なのか?

 

《解 精神は破壊されると思われます》

 

精神いたぶり系か…サディストか?

 

「じゃ、そろそろ時間だ。リムル君、また後でね」

 

って、シオンと試合会場に向かうあの男…相手はゼギオンのようだ。じゃ、アイツが勝ち抜けしたのか。ゼギオンとの試合で、アイツの実力でも拝むか。

 

 

 




web版転スラの最終回後の時間軸です
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