---リムル・テンペスト---
シオンだけでなく、シュナもアイツに寝返ったそうだ。あのヤロ~!
目の前のモニタ画面では、迷宮の最下層でゼギオンと冒険者パーティーとが、迷宮コンプリートを賭けて戦っていた。
「アイツら、何者だ?」
強い…ゼギオンの体力が少しずつ削られている上、ゼギオンの攻撃が一切効かないときている。配下にしたい。あのヤロー対策でだ。
「僕の弟子達がどうした?」
え!あのヤローの声…振り向くと、アイツがシオンとシュナを侍らせて、ラミリスを手懐けていた。
「お、お前…どうしてここに」
ここは関係者以外立ち入り禁止の、迷宮の管制室である。
「シュナがいれば、大抵の場所に行けるが」
いや、そうだけど…そういや、コイツの弟子だって?!
「そうだよ。今3チームを潜らせている。あぁ、コンプリートしたようだな。2周目はパーティーの構成を変えて、4チーム潜らせるよ」
って…弟子がそんなにいるのか…
《解 たくさんいます》
って、シエル先生。
「あぁ、便利な相棒だな。説明してくれるのは助かる」
「お前の目的は何だ?もう、いいだろう?俺は罰を受けた」
「それはそれだよ。ここを愉しもうと思ってね」
愉しむ?何をする気だ?
「新たな女体パトーナー探しだ」
ソレって結婚相手探しか?
「結婚相手では無い。俺の隣で戦える女体探しだ」
シオンとシュナがそうなのか?
「この二人か?弱すぎてダメだ。死線の先にある戦闘では、使えない」
シオンが弱いだと…
「シオン狙いなのか?じゃ返してやる」
シュナと一緒に消えたアイツ。
「え?!私を置いて行くなんて…リムル様を恨みます!」
シオンが俺に殺意の載った視線を送ってきた。おいおい…
---シュウ---
シュナから情報を聞き、良い女体をスカウトしに来た。
「この化け物がぁ~!」
剣を手にして僕に襲い掛かってきた女性、ヒナタ。
「なぁ、それで本気なのか?」
16連撃くらいして欲しいんだど…
「うっ…やめろぉぉぉぉ~」
隙が出来たので、かわいい乳首を見えざる舌で舐めていく。
「この化け物がぁぁぁぁ~!」
剣撃を透過して、後に回り込み、両手で胸を弄る。装備している物は総て透過して、生身の感触を愉しむ。おぉぉぉぉ~マシュマロ胸。
「やめてぇぇぇぇぇ~!」
「ここはどうかな?」
指を股間に這わす。ビクッと仰け反り、得物を手から落とした。元勇者からメスになったようだ。
「じゃ、服従の意志があるなら、股を開け!」
口元から体液を垂らし、開脚するメス。
「ちょっと、待った!」
はぁ?これからって時に誰?振り向いた拍子で、ヒナタとドッキングした僕。
「あ?リムル君か?何か用か?」
ヒナタが僕の下で蠢き、腰を小刻みに振っている。
「ヒナタに何していやがる、このド変態ヤロー!」
「まぁ、ド変態だから、問題無いでしょ?あぁ、羨ましいのかな?スライムではヒナタと出来ないから」
目の前の龍種スライムは人化姿になり、剣を手にして、僕に斬り掛かってきた。一刀両断されるヒナタ。
「何?ヒナタ…」
床にはヒナタの内臓が、飛び散っている。
「なんてことをするんだ、このスライムは…無抵抗の人間を斬り殺すとはな」
ヒナタを殺し、動揺しているリムル。
「イビルアイ、ヒナタと共に戻っていろ」
「はっ!」
僕のガードに入っていたイビルアイに命じ、ヒナタに蘇生3連コンポを掛けて、二人を強制転移させた。
「シュナ、今のスライム君の行動はどう思う?」
「浅はかな行動だと思います。主様のスキルを知らずに、斬りつけるなんて…」
シュナには、僕の主なスキルに関して、教えてある。『透過』『蘇生』『吸収』『安堵』『嘘が吐けないがハッタリは言える』などだ。
「貴様!シュナを返せ!」
「シオンだけじゃ不満なのか?それともシオンでは不満なのか?」
「シュナは俺の仲間だ!」
「シュナ、お前はリムル君の物らしいぞ。どうする?」
「主様に着いていきます。シオンのように捨てないでください」
僕に抱きついてきたシュナ。
「シュナを洗脳したのか?」
「じゃ、シュナを2,3日預ける。心ゆくまで検査しろ。シュナ、またな」
「迎えにきてくださいね♪」
笑顔で手をふるシュナを見つめながら、転移した。
---リムル・テンペスト----
シュナを検査していく。だけど、洗脳の痕跡は無い。じゃ、どうして…
「リムル様…シュナは心底惚れたのでは…」
シュナの兄であるベニマルが、そう言って来た。惚れた…俺がスライムだからか?
「リムル様に内緒で、俺とソウエイ、ハクロウで討ちに行ったのですが、瞬殺されました」
え?!聞いていないぞ…
《告 内緒ですから言っていないんですよ》
あぁ、そうか。動揺しまくっていて、冷静な思考が出来ない俺。
「ベニマルは、アイツをどう見る?」
「化け物です。鬼人である俺が言うのもあれですが、化け物で間違いないです」
化け物?俺よりもか…
《告 レベルが違いすぎます》
竜種スライムである俺より化け物って何だ?
《解 化け物です》
シエル先生の解が的確すぎる件…
《解 彼には鬼、ドラゴンの因子があります》
はぁい?鬼龍なのか?
《解 種族は違います。あの方の種族は●●です》
おい…伏せ字かよ…言えない存在かぁ…
◇
シュナを尋問していく。
「アイツのスキルはなんだ?」
「…」
黙秘かぁ。そうか♪シュナを取り込んで、記憶を読み取ればいいのか?俺は、直ぐにシュナを取り込み、シエル先生がシュナの記憶の解析を始めた。
《分析結果…対象人物の名前はシュウ、種族は元ハーフな鬼、スキルは、『透過』『蘇生』『吸収』『安堵』『嘘が吐けないがハッタリは言える』、行使できる系統は光闇聖魔禁、使える魔法はほぼ総て、独自設計の魔術多数…》
分析結果は驚くものであった。アイツには鬼の血が入っているようだった。だから、シュナは…スキルに関しては、『透過』が厄介だ。ヒナタを殺してしまったのは、アイツの身体を攻撃が透過したからのようだ。
行使出来る系統の禁って何だ?
《解 禁断の魔術、所謂禁術系です》
危険な予感…
《解 とても危険です》
戦うとマズいのだな。
《解 再三再四警告は出しましたよ》
そうですね…だけど、負けるのは悔しいのも事実だ。俺は負けず嫌いであるから。
《告 戦った場合、勝率は0%です。これも再三再四お伝えしましたけど…》
そのようです。だけど、一矢報いたいんだよ。
《解 この世界を終わらせる覚悟があれば…》
そこまで大規模な戦いになるのか?う~ん…
---シュウ---
目の前に、ギィ・クリムゾンとレオン・クロムウェルが、倒れている。
「ふん!口ほどでも無い」
アインズが二人を見下ろしている。ケンカを売って来たので、アインズに転売をしたのだ。
「まぁ、この世界では最強のツートップらしいぞ」
「これでか?」
「まぁ、これでだ。そうそう、迷宮鍛錬に、モモン姿で行ってくれるか。ナーベと共に」
「いいのか?」
「何かあったら、呼び出すよ。デミウルゴス達は、腹黒狩りをしてくれている?」
「あぁ、仰せの通りにだ!」
「そうそう、ナザリックに水洗トイレを導入の件はどうなった?」
ナザリックのメイド部隊であるプレアデスが、この世界で水洗トイレの有り難みを知ったようだった。
「デミウルゴスに指示してある。離脱までに、ここのシステムを盗むように言ってある」
「そうか」
最強の魔王を放置して、この場から転移した。
---リムル・テンペスト---
ギィとレオンがやられたそうだ。それもアイツの配下に…ミリムもアイツの陣営に入ったらしい。そのミリムがクルムという友人と共に、俺の目の前にいる。
「ミリム、クッキーは無いのか?」
「ちょっと待ってね。リムル、クッキーはどこかな?」
クッキー?
「シュナに言えば、作ってくれるだろ?」
「シュナがいないんだよ」
いない?あれ?俺が尋問した後、どうした…あぁあぁぁぁ~!胃袋に取り込んだままだ。
「ミリム、無いのか?」
「う~ん、ごめんね…無いみたい…」
「うむ、シュウに強請ろう♪ココナツサブレを出して貰おうぞ。ミリムは食べた事あるのか?」
「それは、無いわねぇ。じゃ、リムル、またね」
ミリム達が部屋から出て言ったので、胃袋からシュナを取り出した。そして、シュナの部屋のベッドに寝かして、自分の部屋に戻った。
しかし、あのクルムって少女はマズいだろう…種族が魔王って表示されたし。根っからの魔王なんだろうな。あの無邪気な少女二人が、暴れただけで、この世界は消えそうだよ。
「リムル様、シュナが見付かりました」
って、ベニマルが駆け込んできた。
「そうか…」
無表情スキルで乗り切る。いや、スライムに表情は無いかもしれないが。
「ほぉ~、面白いマネをしてくれたね」
って、アイツが現れた。身構えるベニマル。
「面白いとは?」
「僕が迎えに行けない場所に、シュナを幽閉したんだよ、スライム君はね」
コイツ、見ていたのか…まさか、あの無邪気な二人は罠か…
「どういう意味だ!」
ベニマルがアイツを問い詰める。
「スライム君の胃袋に納めていたんだよ」
「何?」
うっ!ベニマルの視線が痛い。シュナがいなくなり、心配したんだろうな。
「スライム君の胃袋の中じゃ、迎えに行けないよ。あぁ、シュナは連れ帰る。衰弱しているようだし、彼女にはクルム達にクッキーを焼いて貰いたいからな」
そう言い残し、アイツは消えた。
---シュウ----
目の前でプリンが二つ揺れている。上にはサクランボが1つずつ載っているので、それを舌で味わう。
「いい…もっと、虐めてください」
では、プリンの谷間に顔を埋めて、ヒナタ産の汗の結晶である塩を舐める。
「あぁ…いいっ…です…」
パンパンと肉同士が叩き合う。メスに目覚めたヒナタの下半身は力強い。貪欲に打ち付けてくる。
「あぅ…」
達したようで、僕に身体を預けてきた。
「はぁ…はぁ…」
ヒナタの息遣いが荒い。
「もう少し、耐久力があるといいな」
感想を伝えた。
「努力致します」
振り返ると、無邪気そうな少女が二人、行為を終わるのを待っていてくれた。
「じゃ、これ、今日の分だよ」
ココナツサブレを二つ取り出して、プレゼントした。
「ありがとうなのだ」
「ありがとう」
「シュナが元気になれば、クッキーを焼いてくれるよ」
「はいなのだ」
「うん」
クルムとミリムは素直でいいなぁ。さて、あのスライム君はどうしたものか?シュナを、あんな場所に監禁するなんて…
---リムル・テンペスト---
シュナの記憶から得た情報を元に、幹部会を開いた。
「それは、勝ち目は無いでしょ?」
って、ベニマル。うん、俺もそう思う。透過と禁術系が厄介である。
「ゼギオンとディアブロを瞬殺した術も、脅威です」
って、ソウエイ。あぁ、あれは脅威だな。ディアブロの方は聖属性による浄化だろうけど…
「いや、脅威なのは、配下の者達もだな」
って、ハクロウ。あれも脅威である。現在4周目らしい。最下層を護るゼギオンを、屠れる弟子が数名いる事実…これを脅威と言わず、なんというのだ?
「ギィとレオンがボコられたし」
最強の魔王2名が、アイツの配下にボコられたそうだ。魔王2名で戦ったのにである。
「どう考えても、勝ち目無いよな~」
ミリムとラミリスが主様って呼んでいる時点で、俺は詰んだ気がする。特に、ミリムと一緒にいるクルムって魔王が危険だ。あのミリムが気を使っているように見えたし。あれって、本能的にミリム自身よりも危険だと判断したんだろうな。
「あぁ、配下に魔王クラスが数名います」
って、シオン。俺への怒りは解けていないようだ。俺の言葉により、返品されたと思っている節がある。
「魔王クラスとは?」
ベニマルが訊いた。
「直接、面通しして下さったのは、一人だけですが、異世界の魔王が数名いるそうです」
異世界の魔王か…って、魔王を配下に置けるって、アイツは何者なんだ?
「後、戦力はわかるか?」
ベニマルが再度訊いた。
「後は知らないです。私は戦闘要員として、扱われていなかったですから」
シオンが戦闘要員未満だと言うのか?この世界では準魔王クラスなのに。
「あくまで、私はお側要員です。それなのに…」
また、俺を睨むシオン。
「わかったよ、シオン。最悪、シオンは差し出す方向にする」
「証文を書いて下さい」
シオンに信用されていない俺。
「大変です。天使の集団が天から攻めてきました」
この展開で、天使まで舞い降りて来たのか?俺達は外へ出ると、天使の大群の前にアイツがいた。
「悪いけど、僕は天使と神が大嫌いなんだよ。消えろ!」
アイツの言葉に反応して、空は魔法陣で埋め尽くされ、天使達が燃えて落ちていく。そして、アイツは何事も無かったように俺達の前に舞い降りた。って、いうか、アイツの背中には天使の翼がある。コイツ、はぐれ天使なのか?
「違うよ。僕は天使と鬼のハーフな化け物だよ♪」
《告 この方は、地獄と天国を統べる王です》
シエル先生から、驚愕な情報がもたらされた。