---アインズ・ウール・ゴウン---
十字軍の旗を先頭に、アンデッド軍団がロシア成教徒達を蹂躙していく。幽霊狩りに特化した教会のようで、アンデッド対策は為されていないようである。捕虜にした物たちは実験に使ったり、アイテムの材料にしたり、使えない部分は食料にしている。
「デミウルゴスよ!無垢なる者には手を出すなよ」
「えぇ、わかっております。主様の躾は受けたくないですから」
冷徹なデミウルゴスすら恐怖する、アイツの躾。それぞれにあった躾だという。興味はあるが、そんなことを口には出せぬ。体験させられるのは、困るからだ。
「大変です!空中に浮遊要塞が現れました」
アウラが走り込んできた。浮遊要塞だと…目視すると、デカい…これはマズいなぁ。アイツへ連絡をした。
---シュウ---
アインズからの連絡で現地へ飛んだ。これはデカ過ぎるだろう…上空5000メートル辺りに半径数十キロ規模の要塞が浮かんでいた。ドラン君でもこれは無理だな。その要塞へ潜入した。これ作った奴はバカだろう。目立つぞ、地上からでも…それに上下左右が非対称って、バランスが悪そうなデザインである。よくこれで、バランスが取れているなと感心したり。
浮かんでいる原理がよく分からない。う~ん、不思議だ。どう壊すかな?どこかに術式でもあるのかな?って、金属で出来ているようである。ネウロイ君と、トライ君を召喚して、ネウロイ君には金属を、トライ君には生物を補食してもらう。僕は、これ自体をどうにかすることを考える。試しに『アトミック・ボム』を叩き込むと、大きく破損するが自動修復されていく。なんか、むかつく…
『シュウさん、核が中央部に見えます』
チームウィッチの孝美から念話が届いた。彼女は、固有魔法の魔眼で、敵の弱点を見つけることができるのであった。
『サンキュー、孝美♪』
中央部へ向かう。そこにはお城がある。まずは、これを破壊だな。生半可の火力では自動修復されてしまうしなぁ…あぁ~、星を粉砕する火力ならどうだ?空中だから星自体には影響は無さそうだな。
久しぶりに星霊剣グロスポリナーを呼び出した。こいつの難点は鞘が無いので、居合い斬りには向かないことだが、破壊力はダントツである。
「グロスポリナーよ、力を貸してくれ!」
「任せろ!俺様に壊せない物は無い」
グロスポリナーを手にして、城を斬りつけていく。大きく破損させているのだが、自動修復をしている。核を破壊すれば、修復が止まるのかな?少し不安であるが…
『術式を見つけたけど』
って、ネウロイ君から念話が届いた。その地点へ術式解体チームを送り込む。メンバーはインデックス、達也、ガードはミリム、クルムである。
核を目指して斬り刻んでいる時、金属のへしゃげる音が聞こえ、音源の方を見ると、自重でへし折れていく要塞の一部。ネウロイ君が、その辺りの柱を食べ尽くしたようだ。自己破壊の場合は修復されないみたい。ネウロイ君にお任せで破壊できそうであるが、負けた気分になるので、核を目指す僕。
術式解体チームが解体を終えた頃、ようやく核を破壊出来た。徐々に高度を下げていく要塞。僕達はそこから離脱した。
---ファルコン---
バチカンを制圧し、ローマ正教の本拠である、聖ピエトロ大聖堂へ乗り込んだ。そこで、神の右席となのる集団と交戦になった。相手は4名、こちらは俺、アイリス、フレイ、ジムで応戦をしている。
「まだ、終わんないの?」
団長の声…バトルハイ状態と思える声…アインズ様の方に参戦してきたのか?
「貴様は、何者だ!」
教皇に訊かれた団長。
「僕?僕はファントムドラグーンの団長で、シュウ・ヨハネ・鬼門だ」
「何?ヨハネだと!あの一族は、粛清されたはずだ」
「はぁ?粛清したのは、お前らか?」
団長にとっての禁忌なる言葉『粛清』…団長の声が激変していく。どこまでも冷たく、どこまでも鋭く。空気の質も一変していく。どことなく死を予感出来るものに変質していく。俺達はこの空気に慣れているが、相手は戸惑い、膝が笑い始めている。
『ウルティマウエポン』
団長の必殺技が炸裂して、全身から煙を上げて倒れ込む相手方の皆さん。
「粛清だと!ふざけるな!何様だ!」
あぁ、キレているし。すかさず、メテオラが団長に抱きつき、怒りをクールダウンさせていく。そして、二人はどこかへ転移した。
---神裂火織---
ローマとロシアの本拠地が堕ちたそうだ。イギリスの上層部が混乱している。攻め込んだ勢力の情報がまるで無いからだそうだ。まして、ロシアの浮遊要塞である『ベツレヘムの星』が、撃墜されたことも衝撃的に、私達を襲った。
「あれが撃墜だとぉぉぉぉぉ~!」
土御門ですら驚いている。
「超巨大な要塞だぞ。それが簡単に撃墜って…アイツだよな?なぁ、神裂」
たぶん…他に浮かばない。なので頷いた。
「アイツ、どんだけ火力があるんだ?」
「おいおい、僕をガスレンジの様に言わないでくれるかな」
って、彼がいつの間にか、私の胸の谷魔に顔を埋めていた。
「あ?帰ってきたのか?」
「あぁ、火織の香りが恋しくてなぁ」
うっ!Tシャツとブラを透過して、ダイレクトに彼の鼻息を感じる。秘所が濡れていくのが分かる…
「で、どの位の戦力で攻めたんだ?」
「1チームずつで攻めていたんだけど、あのバカデカい要塞は反則だよな。応援に行ってきたよ」
「あれをどう倒したんだ?」
「企業秘密だよ。後はイギリスと学園都市だけだな」
イギリスにも攻め込むのか…彼とは戦いたくない。
「イギリスか?」
「あぁ、インデックスを物扱いした奴らに、天罰を与えないとな。学園都市は、ミサカシスターズの受けた業を、天誅として与えないと」
「俺はお前と戦いたくない。それは神裂も同じだと思うにゃ」
土御門が私の心を代弁してくれた。
「それは僕も同意見だ。ツッチーと火織ちゃん、五和とは戦いたくない。なので、戦場で出会ったら、速攻で無力化するから」
無力化…
「簡単に俺は無力化できないぜ」
「それも企業秘密だよ。無力化なんか、簡単だよ」
って、目の前で土御門が倒れた。何をしたんの?無詠唱だったし。
「ほら、簡単だろ?さてと、火織ちゃん、遊ぼうよ」
◇
今日も服を着たまま、彼と…口で彼のモノが頬張り、私のモノに顔を埋めている彼。あぁぁ~、気持ちが良い。少し前には考えられないことだ。こんなにも私は、淫らに身体を男性へ預けられるとは。
あっ!彼の舌先が体内を舐めている。感じる彼の蠢きを…彼の唾液が体内に流れ出し、奥へと流れて行く。胸が苦しい…悶悶としていく。もっと、壊して欲しい…戦いたくない、今ここで私を壊して…
自ら大股開きをして、彼を受け入れた。背中に彼の腕が絡み付き、彼の舌は私の乳首を味わったいる。上半身は彼に任せ、私は下半身で彼を愉しませる。あぁ、こんなにも幸せな行為があったとは…
---シュウ---
火織で性欲を抜き、すっきりとした表情で、美琴の元へ転移した。転移した先で、バツの悪そうな顔の美琴。転移した先はトイレだった。
「なんで、こういうタイミングで、来るんですか?」
「不可抗力だって…」
トイレから出ると、黒子がいた。
「なんで、二人で、トイレから出てくるのです?」
「臭い仲なんだよ」
「私って臭い?」
自分の臭いを嗅いで確認している美琴。
「まぁ、この前は助けてもらったから、大目にみましょう。でも、次回は許しませんよ~」
って、黒子。悪いが、次回は無いんだよ。
「なんで、黒子がいるんだ?」
「あぁ、私と同室なんだよ」
ここって、自宅で無く、女子寮なのか?
「で、どこへ行っていたんですか?」
美琴に訊かれた。
「ロシアとローマだよ」
絶句している二人。ニュースで流れているのかな?
「それは、攻め込んだ側ってことですか?」
「まぁ、そうなるな」
「で、何を得たんですか?」
「何も得てはいないよ。そもそも、何かが欲しくて、戦っている訳では無いし」
意外って顔で僕を見る黒子。
「僕はガード専門だからね。売られたケンカを買っただけだよ」
僕を真っ直ぐな目で見据えている美琴。
「あとは、こことイギリスだけだ」
「ここ?」
黒子が驚いたような表情をしている。
「そう、ここ、学園都市だよ。ケジメを付けないといけない。彼女達の恐怖と悲しみのね」
「それって、私の?」
美琴の目に涙がうっすら浮かんでいる。
「あぁ、美琴にした仕打ち、きっちりとケジメをつけさせる」
「えっ!お姉様、何かされたんですか?」
黒子の問いをスルーする美琴。
「生きて帰って来てください。2年後…忘れないでくださいね」
忘れていました。すみません。
---土御門元春--ー
う~ん…簡単に意識を狩り取られたようだ。神裂は余韻に浸っているし。
「ここが先か、イギリスが先かだな」
「あぁ…そうだな…」
「ここは簡単にはいかないと思う。演算型・衝撃拡散性複合素材っていう特殊装甲で覆われているからな」
核兵器の直撃を受けても破れない装甲だと言う。
「そこに黒幕がいるの?」
乙女要素が入った感がある神裂。アイツの影響か?
「あぁ…だが、下手に破壊すれば、この国は無くなる。そんな施設だよ」
内部には、この星の物理法則が効かないエリアがあるそうだ。重力、力場も、この星では有り得ないらしい。そんな物を破壊したら、どんな影響が出るかわからない。
アイツの行動を阻止するのが、平和ってものだと思う。だけど…
「後方支援出来ないかな?」
「下手な手出しは、アイツのジャマだ。静観するのが一番だろうな」
アイツには、理不尽なことは、どうしても許せないんだろう。インデックスにしても、シスターズにしても。
---シュウ---
魔王リアスとシルキーを呼び出した。この街にある窓の無いビル対策である。窓も入口もない不思議なビル。そこが重要拠点なんだろう。内部構造がわからないので、迂闊に転移しり、透過したりして侵入すると危ない。なので、正攻法で破壊することにした。
ビル全体が常にピンク色のオーラのような光芒を纏っている。フェイクの可能性もあるが、何かがあると思い、綿密に探査をしていた。
ビル全体を覆う特殊な装甲。向かってくる衝撃のパターンを計測して、自動的に「最適な振動」を生み出し、その衝撃を相殺して無かったことにするようだ。インパクト時に発動する物理攻撃は有効であるが、相殺する速度によっては、ダメージが入らないかも知れない。なので、不規則な振動を与え、隙を作り、滅の力で外壁を抉ることにした。不規則な振動に関しては、シルキーのダイヤモンドダストと僕のダイヤモンドダストで、微妙にタイムラグを与えて打ち出し、深雪のコキュートスで振動幅に変調を与えさせる方向だ。何かしらの術式が発動した場合は、達也とインデックスで術式解体をしてもうらう予定ではある。これで大丈夫かな?あと、2、3枚手立ては必要かな?
イギリスに関しては、アインズ、ディアヴロのチームに任せた。
そして、最終確認の為、ツッチーの元へ転移した。
◇
「今更、俺に何の用だ?」
ツッチーのご機嫌は斜めのようだ。
「なぁ、プランってなんだ?」
顔色が変わったツッチー。
「どうして、お前、ソレを…」
やはり、重要なことなんだな。
「電脳網で情報を集めていて、見つけたんだよ」
「簡単には、見つけられないはずだぞ」
「仲間にビジョネイラーがいて、電脳空間へ直接入れるんだよ」
「何?そんな能力者がいるのか…」
この世界にはいないのか…
「ドラゴンってコード名が気になってね。この世界にはいない生物だろ?」
「それは、天使という存在を術式化した物で、プランの中核だからな」
「で、プランとは?」
溜息をついたツッチー。意を決して話出した。
「この街の黒幕であるアレイスター・クロウリーの計画で、あらゆる位相を破壊して、魔術を絶滅させ、人間が位相の生み出す悲劇に、振り回されることのない、まっさらな世界を作ることだよ」
なるほど…これが帰還条件かもしれない。
「だが、このプランは破綻しているんだよ。お前のせいでな」
僕のせいで?
「どうして?」
「そのプランに必要な物は3つ有るんだが、その内の2つをお前が、台無しにしたんだよ。一方通行は無菌室に隔離され、未だに意識不明だし、ミサカネットワークをお前は奪っただろ?」
なるほど…だから、代わりに僕がすれば良いのか。
「わかった。僕がその世界を作るよ。約束する」
「はぁ~?何を言っているんだ?簡単に言うなよ」
「簡単だよ。その程度なら。これで平和な世界へ帰れるな♪」
「ちょっと待て!どうやるんだ?」
「この星をリセットして、数回歴史に介入すれば、問題は無いと思う」
「おい…何を言っているんだ、お前は…」
混乱しているツッチー。そうなると、最高神のチームを呼んだ方がいいなぁ。新たに赴任するまで、弟子達にやらせるかな。
「それでいいなら、現状の計画より楽だよ。僕の本業だし」
「お前の本業?お前は何者だ?」
「単なるエロ好きだよ♪」
◇
最高神の間に篝と瑚太朗のペアを呼びだした。あぁ、後、姉ちゃんもだ。4名で設定を弄っていく。ヤマトはアカシックレコードを読み、介入するノードと時期を割り出している。
「師匠、珈琲は?」
あぁ、珈琲メーカーを設置していなかったな。急いで創造して、設置した。
「ありがと、師匠」
嬉しそうに、珈琲を淹れ始める篝。
「兄さん、だいたい書き出したよ」
って、ヤマト。
「俺は、お前の兄では無い!」
「もう、兄さんは照れ屋なんだから」
いや、照れている訳ではなく…僕が僕でなかった頃、僕は救世主だったらしい。そして、ヤマトはその双子の弟だったのだ。でも、僕が僕でなかった頃のことで、僕は納得はしていない。
「設定は、これでいいと思うわ」
って、姉ちゃん。
「で、お持ち帰りはどうするのかな?」
あぁ、ミサカは置いて行くか…本来存在しちゃダメなやつだし。異世界に連れて行くと、ネットワークは機能しなくなるしなぁ。インデックスだけかな。
「うん?火織ちゃんはいいの?」
姉ちゃんが僕の心を読んだようだ。
「あぁ、どうするかな…」
「連れておいでよ」
姉ちゃんの言葉で、背中を押された気がする。
◇
学園都市に舞い戻った。ツッチーの部屋へ行くと、火織とステイルが待っていた。
「なぁ、この世界は後、どれくらい続くんだ?」
ツッチーに訊かれた。
「最短で2日だな。最長でも半年くらいかな」
「まさか、お前が…」
ツッチーにだけ、正体を話した。情報を貰ったお礼である。
「で、神裂はどうするんだ?」
「火織にまかせる」
火織は僕をまっすぐに見ている。『一緒にいたい…』彼女の心の声が聞こえた。
「私だけ逃げる訳には行かない。ここで、世界の終わりを…うっうぅぅ~」
強気でいた火織が泣き始めた。まぁ、これでもう逢えない訳だし…
「なぁ、連れて行ってくれるか、コイツをさぁ」
って、ツッチー。
「インデックスの古い知り合いなんだよ」
そうなのか…
「火織、どうするんだ?お前の意志に反することはしたくない」
『一緒にいたい…』って、心では叫ぶ火織。
「だから…私は最期の時まで…この世界で…」
「ツッチー、連れて行けないや。じゃ、行くよ」
転移した…ように見せて、空気と同化した。
---神裂火織---
一緒にいたい…だけど、私は天草式の責任者である。
「行っちゃったぜい。いいのか?お前は…」
「う…」
肯定できない。自分に嘘を吐いたから…
「一緒に生きたいよ…だけど…もう遅い…」
って、次の瞬間、転移した。ここは、彼の城…
「素直な女は好きだよ」
って、彼が私を引き寄せて、唇を重ねていく。
◇
窓から見える私の産まれ育った星が、目の前でリセットされた。一瞬で出来たての星になってしまった。私とインデックス以外は、その生を閉じたようだ。
「死があるから生があるんだよ。不死な僕に言わせると、死ねるのは羨ましいよ。まっさらな魂でやり直しが利くんだからね」
笑顔で私を見つめる彼。
次はどこの世界にするか…(・・;;