※この作品はR-18です。

神器なき男3   作:もっち~!

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魔術と科学の未来

 

---土御門元春---

 

教室中にアルコール臭が漂っている。発生源は、教壇の上に立っている。一体、どれだけ呑んだんだ?

 

「ビールと同じペースで呑んだからねぇ」

 

って、紅が呆れている。

 

「全種制覇したそうだよ」

 

って、緑も呆れている。エロ神の家の傍にある酒蔵で、試飲コーナーの全銘柄を呑んだらしい。その上、ヨッパ運転で教員資格が無くなるとマズいので、エロ神が学校まで送ってくれたらしいし。何をしているんだ?原因は結標淡希で間違いはないだろう。はぁ~。

 

エロ神だからだろうか?なんで、こんなにも簡単に女が堕ちるんだ?

 

「あぁ、それは、師匠の女難の相のせいだな」

 

って、兵藤。なんだ、その能力は…エロ特化すると、そんな落とし穴が付与されるのか。

 

まぁ、アイツらしいな。女体の神秘を追い続けた為に、全知であることを拒否したアイツらしい。それよりも、授業にならんと思う。窓を全開にして、この臭いは…

 

 

 

---御坂美琴---

 

う~ん…想い出すだけでも恥ずかしい。全裸で彼に身体を預けて…

 

「お姉様、大丈夫ですか?お顔が赤いですよ。熱でもありますか?」

 

黒子が額同士を重ねたついでに唇を重ねようしていた。咄嗟に、はね飛ばす私。

 

「油断も隙もないわね~」

 

「熱は無い様ですね。一安心です」

 

いや、安心は出来ない。飾利も狙っているようだし。何よりも、母までも…ライバルが増えていく。どうしたものか?

 

「君、初春飾利さんだね。一緒に来て貰おうか?」

 

「えっ!誰?」

 

何?飾利を攫おうとする集団。何かおかしい。

 

ドサッ!

 

飾利を強引に連れだそうとした男の首が落ちた。だけど、まだ生きている。なんで?

 

「コイツらはドールだよ」

 

うん?兵藤に似ている青年が声を掛けてきた。手には剣を持っている。

 

「貴様!おい!皆殺しにしろ~!」

 

『ホーリーニードル』

 

彼の声だ。ドールと言われた奴らが灰になっていく。

 

「イッセー、飾利を頼む」

 

「了解です」

 

彼の気配が遠くへ行く。それを追おうとした私。

 

「ダメだ!行くな!ドールは、君の手に負えない」

 

イッセーと呼ばれた青年に止められた。

 

「君がドールにされたら、団長が哀しむ」

 

団長?誰のことだ?

 

 

 

---シュウ---

 

大漢の魔法師が入り込んでいたとは…リーダー格のドールを追跡する。雑魚は一誠達に任せてある。どこに逃げ込むのだ?角を曲がった処で、羊皮紙を手にして、それを発動した。転移系か。一瞬見えた魔法陣を解析する。なるほど、そこと手を組んでいるのか…

 

関係先に連絡をしていおく。新発田家が大漢と組んでいることを。新発田家は四葉家の分家の1つで、次期当主は防衛省へ入省している。軍部は新発田経由で大漢と組んでいるってことか?四葉家本家を手にするために…

 

飾利が襲われた場所に戻った。イッセーがガードとして、周囲を警戒してくれていた。

 

「イッセー、助かったよ」

 

「いえ、団長の手伝いが出来て嬉しいです」

 

「ねぇ、団長ってどういうことですか?」

 

美琴に訊かれた。

 

「自警団ってことですよ」

 

って、イッセーが答えた。僕が嘘を吐けないスキル持ちなので、イッセーが代わりに嘘を吐いてくれたのだ。

 

「自警団?」

 

「団長の知り合いの女性を護る為ですよ」

 

「後、兵藤さんと似ているのは?」

 

「従兄弟だからです」

 

いいなぁ、嘘を吐けて…うらやましい。

 

美琴と飾利を沢井のアジトに連れ帰り、イッセーと共に都市内を散歩する。

 

「ドールがいるのは厄介だな」

 

「そうですね。術師を消せばいいんですよね?」

 

「新発田家が匿っているのだろう。暗殺はヤマトに依頼してある」

 

「なら、安心ですね」

 

「そうでも無いよ。今までに作られたドールは倒さないとダメだ」

 

術師が死んでも術は解けないから。

 

『エロ神!助けてくれ!』

 

海原の心の叫びをキャッチした。イッセーと共に、海原の元へ転移した。

 

◇

 

一方通行と誰かが戦っていた。

 

「エロ神、彼女を救えるか?」

 

大怪我を負った女性。修復術と治癒術、回復術を掛けていく。

 

「これでいい。アイツがやったのか?」

 

頷く海原。一方通行は暴走していた。心臓を鷲掴みにして潰すと、ソイツは地面に倒れた。問題は、能力の暴走した一方通行である。黒い翼を発現している。あれ、マズいだろう。

 

「イッセー、カオスモードだ」

 

「了解です」

 

『『カオスブレーカー』』

 

僕とイッセーには魔人の力を覚醒した。これで、闇系の攻撃は無効化できる。二人で一方通行を抑え込み、『癒やし』の力を意識的は発動して、アイツのささくれた精神をクールダウンさせていく。

 

「うん?エロ神か…彼女は?黄泉川は?」

 

「治癒したよ。安静にしていれば大丈夫だ。お前が傍にいてやれ」

 

カオスモードを解除して、一方通行を彼女の元へ連れて行った。

 

「今のはなんだ?」

 

海原が詰め寄って来た。

 

「あぁ、僕達の覚醒モードだよ」

 

「覚醒?覚醒して、何になったんだ?」

 

「この世界には無い物だよ。気にするな」

 

「無い物?お前ら、何者だ?」

 

「知る権利はお前には無い。じゃ、危なくなったら、呼べよ」

 

イッセーと共に転移した。

 

 

 

---土御門元春---

 

アジトで、海原に詰め寄られている。

 

「アイツ…あのエロ神って呼んでいる奴は、何者なんだ?」

 

う~ん、有り得ない姿を晒したらしい。人間には見えないそうだ。

 

「いいじゃねぇか、仲間なんだから」

 

「得体の知れない奴とは組めない。序列2位の垣根帝督を瞬殺したんだぞ」

 

「何をいっているんだ?序列1位のアクセラレータだって、瞬殺だったぞ」

 

「そもそも、蘇生とか、修復とか、人間が行使して良い術では無いだろ?!」

 

それはそうなんだが…

 

「お前はどう思う?」

 

結標に訊いた。

 

「私は彼が何者であっても、付いていく。私を一般人として扱ってくれるし」

 

それは価値があるよな。この街のキーパーソンなお前を、一般人に見てくれるなんてな。

 

「アクセラレータはどうなんだ?」

 

「あ?借り2って感じだよ。今回は助かった」

 

海原だけ、異を唱えているようだ。

 

「3対1ってことで、納得してくれないか?」

 

「だがな!これは重要な問題だぞ!」

 

「宗教感が壊れるか?」

 

「あぁ…」

 

「端的にしか言えないが、人間では無い」

 

「お前は正体を知っているのか」

 

「あぁ、聞いているよ。その上で協力して貰っている。それだけの能力を持っているからな」

 

たぶん、本当の事を言っても、信じて貰えないと思うんだにゃー。アイツの正体が、全知全能なる神になることを拒否したエロ神なんて…

 

 

 

---シュウ---

 

ヤマトのアジトに来た。

 

「どうだ?計測されたか?」

 

カオスモードになった時に、窓の無いビルにエネルギーが計測されたかを、確認しに来た。

 

「未知のエネルギーとして計測されています」

 

なるほど、計測されたのか。で、ビルの主は、どう動くかな?排除か?会話か?

 

 

「ハッキングは悟られていないか?」

 

「問題無いです」

 

 

 

---土御門元春---

 

垣根帝督がやられたことは、暗部達に激震を与えた。序列2位の人物である。それが、外傷無しで心臓だけを握り潰されていたのだから。

 

これで序列が動く。現状、3位の御坂美琴が2位に浮上するはずだ。そうなると、序列1位と2位は同じ勢力にいることになる。あのエロ神の勢力である。まぁ、俺もそうだけども。

 

都市の上層部から、残存している暗部に対して、新しい勢力のボス格と話がしたいと、持ちかけられた。どこかが偽物を出すのか。見極める上で、俺達は沈黙することにした。

 

案の定、偽物が現れ、上層部との話し合いの場に現れたのだが、その場で心臓を握り潰されたそうだ。アイツ、やることがエグいからな。男相手だと。

 

 

「どうするんだ、エロ神よ」

 

アイツに訊いた。

 

「うん?話は着いたよ。ビルの主とね」

 

はぁ?何時の間に…

 

「願いを叶える代わりに、この街を貰ったよ」

 

おいおい…

 

「まぁ、願いを叶えるのは、もう少し後になりそうだ。膿を出し切った後だよ。それまでは、友好条約に留めるそうだ。後、友好関係にあることも秘密にする。敵対しているように見せるのが肝だよ」

 

「どの位、制圧したんだ?」

 

「それは教えられない。企業秘密だ」

 

イギリスの動きは無い。ローマとロシアの動きは不明である。

 

「ツッチーは誤解しているのかな?単なる宗教戦争では終わらないよ」

 

どういう意味だ?

 

「意外にツッチーの視野は狭いんだな」

 

コイツ、何を見据えているんだ?

 

「ヒントを上げるなら、魔法科高校も探ってみなよ」

 

魔法科高校?八王子にある学校か?確か、国立…そうか、この国は魔法師を作っているのか。魔術師を消した後に座る奴らを…それはビルの主の考えに通じるが。

 

「そう、人間が神に成り代わろうって言うのは、お門違いだろ?」

 

コイツの敵は、魔法師の方か…いや、魔術師と魔法師の両方か?

 

「そう、それらを解除するって、世界大戦規模になると思う。アメリカなんか、力を入れて、育成しているからね。例えば、人間魚雷ならず、人間ICBMとかね」

 

核弾頭の代わりに、魔法師を入れるのか…操縦士としての役割を与えて…コイツ、そこまで先を見据えていたのか。

 

「色々な世界で、今までに見てきた中で最悪だったのは、能力者の脳ミソを取りだし、平気に転用する技術だ。例えば、この街だと発火系が多いだろ?その能力者の脳ミソを並列に円球状に並べて、中心へ向けて発動させ、火力発電装置だ。僕の見たのは、核融合装置だったけどね」

 

能力者の脳ミソで…行く着く未来はそこか?可能性は大である。

 

「そんな世の中は間違っているだろ?生き物を道具として使い捨てるって、どう思う?」

 

でも、牛とか馬はそうやって使い捨てていた次代はあったし。

 

「そう、人間だからダメってことにはならない。でも、同族はアカンと思うだよ。同族で平気で殺し合えるには人間だけだよ」

 

コイツの視点は人間では無いってことなのか…

 

「そうだよ。僕は人間の味方では無い。そもそも、人間は愚かで醜い生き物だと思っているからね。だからこそ、無垢なる人間は貴重なんだよ。僕はその僅かな無垢なる者の為に戦うんだ」

 

コイツの護るべき者は、俺達の護るべき者とは違うのか。

 

「違うよ。だって、そうだろ?どの世界へ行っても、黙示録の作者の家系は、人類の敵だったからね」

 

黙示録の作者の子孫なのか…コイツは…元々…

 

「それは違うよ」

 

知らない奴が現れた。

 

「初めまして…兄さんの弟です」

 

「お前を弟だと認知した覚えは無い」

 

「もう、兄さんは照れ屋なんだから」

 

エロ神の弟?

 

「僕は兄さんの双子の弟の方だよ。人間と神との間に産まれた兄弟なのさ」

 

人間と神の間に産まれた…

 

「兄さんが許しても、僕は十字教を許さない」

 

それは…十字教が手に掛けた十字架に磔にされた男が…コイツなのか。身体中をゾクゾクする物が駆け巡る。俺達は、敵にしていけない物を敵にしたようだ。

 

◇

 

その夜、ステイルに呼び出された。

 

「どうしたんだ?」

 

「事態が動いたぞ。ロシアは皇帝が代わり、バチカンも教皇が代わったそうだ」

 

アイツらが動いたのか?

 

「後、アメリカと連絡が付かないそうだ」

 

「イギリスは?」

 

「問題は無いそうだが、そこが問題なんだ」

 

はぁ?問題が無いのが問題だって?

 

「イギリスは、ローマとロシアを異教徒として、認可したそうだ」

 

「それは十字教の総本山は、イギリスだと言うことか?」

 

「そうだ。そして、同盟国としてアメリカ、日本、大漢の名前を挙げたそうだ」

 

大漢?たしか、随分前に滅んだ国だよな。

 

「大漢は、この都市に攻撃を仕掛けている組織だよ」

 

エロ神が現れた。

 

「魔獣騒ぎの大元か?」

 

「そうだ。そして、同盟国に入れる代わりに、日本へある物を供物として、差し出せと行っている。『幻想殺し』『禁書目録』『超電子砲』『質量爆散』だ」

 

「その4つがあると、どうなるんだ?」

 

ステイルが訊いた。

 

「世界を思い通りに出来ると、幻想を抱いているのだろう。発案者のバカはな」

 

「なんで、この時期なんだ?」

 

「僕達と窓の無いビルが手を組んだ事に気づいたのだろう」

 

スパイがいたのか。

 

「で、どうするんだ?」

 

「4つのうち1つは、もう無い。で、残りの3つは保護下にある。渡す気は無い」

 

全面戦争か?

 

◇

 

翌日…日本は要求を拒否した。いや、そんな物は無いと宣言したのだ。だからと言って、何も起きることは無かった。アイツらが裏で動いているのだろう。

 

放課後、アジトにステイル、神裂、それにイギリスから戻った五和が合流した。

 

「イギリス清教のトップが代わりました。自称神の子であるロズワール・L・メイザースです。彼は死に戻りの能力を持っているそうです」

 

「実際に死んで戻ったのか?」

 

「いえ。死に戻ると、死んだ時点でリセットされるそうです。彼は何度も同じ時を歩んでいると、説法しています」

 

まぁ、持っていたら、供物に差し出せとは言わないな。

 

「じゃ、唯一神はソイツか?」

 

「そうです。生き神様として君臨しています」

 

「そいつは黄金の夜明け団の創設者であるサミュエル・リデル・マグレガー・メイザースだよ。アイツの能力は同族憑依だ。死ぬと同族の肉体に憑依して、自我を自分の物にして、死なないで生き続けているんだ」

 

エロ神が現れた。

 

「この世界に転移してきたロズワールは、まずサミュエルの子供時代に憑依したようだ。憑依する際、元々持っていた魔術や魔法も持ち込めるので、子供にしては天才的な魔術師だったろうな」

 

「じゃ、今振るっている奇跡の力って…」

 

「禁書に書かれている古典魔術だよ。禁書にあるくらいだから、現代の魔術師には使えないだろうな。それだけに、奇跡に見えるだろう」

 

見て来たような事を言うエロ神。

 

「今後、どうするんだ?」

 

ステイルが訊いた。

 

「取り敢えず、五和を供物に貰おうかな」

 

「え!」

 

五和が腕で胸をガードしている。無駄だと思う。

 

「供物に対する加護はなんだ?」

 

「この世界から、元凶の排除でどうだ?あぁ、そうそう。ロズワールの信仰は魔女教だ。女王、王女は魔女の可能性がある。注意しろよ」

 

魔女教だと…

 

「ロシアはアンデッドの王と手を組んだようだ。アメリカは悪魔、ローマは天使だ。この国はどこと手を組むんだろうね?」

 

五和を舐める様にみているエロ神。

 

「五和、悪いが供物になってくれないか?」

 

「どうして?私なんですか?神裂さんは?」

 

「既に供物だよ」

 

「えっ!」

 

って、エロ神は五和を置いて、消えた。手を組まないのか?

 

 

 

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