---土御門元春----
学園都市序列1位のアクセラレータが、病院送りにされた。それも重体だという。誰がやったのかの話題で持ちきりの学園都市の暗部にある組織達。たぶん、アイツだろうにゃ。
序列1位がやられた事で、序列2位が息巻き始めていた。
「アクセラレータをやったのは、俺だ」
と…な、訳があるか。お前ら二人が戦えば、その痕跡は残るだろうに。
「で、どうなのかな?ツッチー…」
目の前にいるアイツに訊かれていてる。捜査結果だ。相変わらず俺達の目の前で、神烈にAV真っ青の奉仕させているし。
「まだ、分からない。この学園都市にいるのか?」
「いないなら、いない確証をみつけてくれ。他の都市にも捜索の範囲を広げてはいる」
他の都市?問題がデカくなりそうな予感だ。
「そうそう、神のウザイってなんだ?」
ヤバそうな組織の名前を出してきた。
「神の右席のことか?」
「う~ん、そんな感じだったかな?」
「人の限界を超えた神・天使クラスの魔術を行使できる者達で4名いる。所属はローマ正教だにゃ」
「ローマ?バチカンか…神とか天使とかぁ…僕は、どちらも嫌いだけどな」
「なんかしたのか?」
「左方のテッラって、やつが絡んできたから、シマシマ男のように瀕死にして、置いてきたよ」
シマシマ男?アクセラレータか?って、テッラを倒したのか?
「後、前方のヴェントっていう女を試食して、内部被曝させてあげた」
「内部被曝って?」
「聖なるオーラをぶち込んだ竿から放射しただけだよ。天使や神なら問題は無いけど、身分を偽った奴らには死のカウントダウンが始まるんだ」
世間話のように話しているが、相当惨いことをしてきたようだ。
「死のカウントダウンってなんだ?」
「徐々に汚染された部位が灰になっていくんだよ。ジワジワとねぇ」
内臓を灰にするのか…それは助からないなぁ。
「微量なら、気持ち良いらしいけど。こんな風にね」
「いい…痛いけど、いいわ…」
神烈が喘いでいる。う~ん、こんなにも、エロいお姉様キャラではなかったんだが。ステイルは、今日も黙りで、息を飲んで神烈をロックオンしている。
「仕返しに来るんじゃにゃいかな?」
「まぁ、返り討ちにするよ。後2名だろ?」
「後、シマシマ男を倒したって風潮しているヤツがいるんだが」
「あぁ、あの白い翼持ちか?仲間に危害を加えたらしばくよ」
倒すのか…
「ソレより、調べる気はあるの?妹さんとやっている暇があるなら、調べてくれないかな?」
え?!見ていたのか?って、監視されているのか?それはマズい。コイツの行為を試していたりするから…
---御坂美琴---
温浴施設に来ている。中々スタンプ帖が埋まらない。後、何回来れば、埋まるんだ?まぁ、ここなら黒子に襲われる心配はないし、のんびり入れるので、たまに来ている。
湯船に身体を付けようとすると、
「湯船にタオルを入れるのはマナー違反ですよ」
って、注意された。コイツ…アイツと一緒にいたシスターでは無いか。身体に巻いていたタオルを、湯船の脇に置き、全裸で湯船に浸かり、シスターの傍に寄った。
「アイツは男湯にいるのか?」
「アイツ?あぁ、シュウさんかな。そこらにいると思うよ」
そこら?ここは女湯なんだけど…ひゃぁ~!股間に誰かの指のような物が這った。いや、指よりも太くて長い…これって…胸を手の平で捏ねられ始めた。なんで、女湯にいるんだ?
「空気と同化して、透明人間になっているからだよ」
って、耳元で、アイツの声がした。えぇぇぇぇ~!透明人間になれるのか?
「あっ!」
軽く達してしまった。アイツの胸に身体を預ける体勢になった。
「ここでは止めて…」
「いいなぁ~。その恥ずかしそうな顔は…」
乳首を咥えられ、敏感な部分も咥えられている。一体、どんな体勢なんだよ~。
「分身の術も使えるんだよ」
って、耳元で囁き、耳タブをハムハムされた。のぼせた感も加わり、天国にでもいる気分である。
◇
個室の休憩所で横になっている。のぼせたのだ…アイツとシスターと、知らない女性とで、飯を食べている。
「美琴、上条の部屋なら、転移させてやるぞ」
って、衣服を着てはいるが、下着をつけていないんだけど…目の前のアイツが着せてくれたのだが、下着が面倒だったので、省略されたのだった。
「あそこは嫌だ」
「そうか…じゃ、黒子の部屋は?」
「もっと嫌だよ」
私にとって、一番のケダモノは黒子であるから。
「後、安全そうな場所だと…上条の隣の部屋…ツッチーの部屋だな」
ツッチー?誰だ?
「面識ないのか…困ったなぁ」
「お前の部屋はどうなんだ?」
「僕の部屋?危険が一杯だと思うけど…」
危険な場所に住んでいるのかな?
「のぼせは恋の病と同じ系列だから、回復術でも治らないんだよ。のぼせる前に出なきゃダメだよ」
って、のぼせさせたヤツが言うなよ!
食後、私とアイツだけでお外を散歩…股間は涼しいんだけど…こういうプレイが好きなのか?
「人通りも車の通行も無いなぁ?」
そういえば、ここって、結構車の通行があるんだけど。
ズッドーン!
いきなり、道路が陥没した。敵襲か?
「雰囲気を重んじないのは、いただけないなぁ」
って、アイツが話し掛けた方向に、男性が一人いた。バカでっかい金属棍棒を手にしている。
「仲間を二人も倒したヤツが言うセリフでは無いなぁ」
二人倒した?
「で、お礼参り?」
「貴様は何者だ?」
「おいおい、僕は襲われた方だよ。正体を知らずに襲ったのか?」
「不審人物だからな」
「で、どうするんだ?」
バカでっかい金属棍棒を素早く振ってきた男性。だけど、それを指一本で受けたアイツ…え!道路を陥没させる威力の棍棒を、指一本で制圧って…
「こんな武器で、僕を倒せると思うなよ。しかし、この世界の聖人って、聖なるオーラを感じないのは、どういう訳だ?」
この世界…その言い回しに違和感を感じた。違う世界から来たのか?
「聖なるオーラ?神のいないこの世界に、そんな物が有る訳ないだろ?」
え!神はいない…どうして?
「じゃ、聖なるオーラの恐怖を経験しな」
「何!」
金属棍棒が溶けていく。チーズを熱したように…
「なら、これでどうだ?」
棍棒を投げ捨て、今度は剣を手にして襲って来た。
ガッキーン!
鈍い金属音…アイツも剣を手にして、相手の剣を防いだ。その衝撃で、相手の剣が折れた。
「何…アスカロンが折れただと…」
「そんな紛い物の聖剣に、真なる聖剣が負ける訳無いだろ?」
真なる聖剣?
「まさか…エクスカリバーか?」
「他に、真なる聖剣を名乗れる剣があるのか?」
「どうして、それを…」
「僕は聖者だからね。聖人と一緒にするなよ!」
ボトン!
相手の首が斬り落とされて、道路の上を転がっていく。
「美琴…恐いと思うなら、僕に近づくな」
「恐い以上に、興味がある。あなたは何者なの?」
「通り縋りのエロ好きだよ」
って、私に抱き付き、股間を押し当ててきた。剣はどこかに閉まったのか、今は手にしていない。
「これ、後方のアックアだけど…」
って、シスターの少女が、生首を手にして、彼に言った。
「男は興味無い。その辺に捨てておけよ」
「うん」
道ばたに生首を放り投げた少女。
「じゃ、帰るか」
◇
翌日、制理に調べてもらっていた。昨日、耳にしたワード。『真なる聖剣』『聖者』『聖人』などだ。
「う~ん、教会関係者かな?」
「聖人と聖者の違いは?」
「聖人って言うのは、神とか天使の能力を扱える人の事のようですが、聖者はわからないです」
「う~ん…ねぇ、異世界ってあるのかな?」
「異世界ですか?どうなんでしょうね。並行世界は存在しているとは、思いますけど。あの国民的猫型ロボットも、未来という並行世界から来た設定ですよ」
未来、過去は並行世界なのか。彼は未来から来たのかな?
「そうだ!エクスカリバーって剣だったよ」
「エクスカリバーですか?元々1本だった剣を7本の剣に精錬し直して、ローマ、ロシア、イギリスで分けて持っているそうです」
「真なる聖剣って、7本を1本に精錬したとか?」
「う~ん、そうなると、教会で保存しているのは、ダミーになっちゃいますよ」
そうなるよな。どういうことだ?
「お姉様の彼氏って、未来人なんですか?」
黒子に訊かれた。
「どうなんだろう。そこがわからないんだよ」
---シュウ---
都心に来てみた。この世界には魔法師はいない。なので、八王子には何も無いだろう。ある可能性を見極める為に、東都工業大学の卒業者名簿に目を通していた。
あっ、いたいた。コイツがいるのか。そうなると…過去に行った世界での出来事を思い返し、敵の正体を考察しつつ、自分の獲物を思い浮かべていく。
そうなると、電脳世界にもダイブしないとダメなのかな?
◇
ダイブした先は、未知の世界だった。う~ん、想定外だ。ここは、何の世界だ?魔法も剣も銃もあるようだ。電脳世界の都市で、装備屋やアイテム屋を見て回る。世界感に溶け込むことは大事である。目立つと潜入捜査がしづらいし。
アバターでは無いので、モニタ画面も開けないので、何をどうするかも、わからない。こういう時は酒場かな?酒場へ向かいながら、小銭を『強奪』して、無銭飲食防止の準備をしていく。
酒場は、繁盛しているようだ。って、今何時なんだ?この仮想世界では?プレイヤーでは無いので、システム系がまるでわからない。困ったものだ。知り合いの思念波が無いかをチェックしていく。ソウルトランスレーターで送られた者は、思念波があるらしい。まぁ、脳波がリンクしている以上、ヘッドギアタイプでも思念波は観測出来るけど。
いた。ブラッキーを見つけた。相棒はいないのか?う~ん…相棒は男か。あれは、クラインか。空気に同化して、奴らの会話でも聞くか。
---キリト---
ザ・シードを使ったシステムの新しい世界。剣も魔法も銃も使えるオールラウンダー系のMMO-VR世界である。ここは『キングオブモンスターズ』、通称KOMの世界である。ファンタジー世界を模した世界に、アインクラッド城や、地下迷宮があり、魔物の王を見つけて、倒すことが目的のゲームだそうだ。
「手がかりはあったか?なぁ、キリの字よ」
「大森林地帯が怪しい気がするんだよ」
「あぁ、あそこは樹海並の方向オンチ発生地帯だよな。マップ機能がまるで機能しないし」
「そうなんだよ。だから、怪しいと思っているが、迂闊に踏み込めば、二度と出て来られない気がする。まず、空を飛べる能力を手に入れないとダメだな」
「おぉ~、そうか!迷ったら、空に浮かんで、街を目指せばいいのか」
「問題は、飛行術の習得が難しいことかな?」
浮遊術なら魔法使いの呪文にあるが。飛行術は無い。どこで習得出来るのかだ。
「飛行出来る種族を仲間にすれば、いいんじゃねぇ?」
「それも手だけど…」
プレイヤーは人間である。その為、人間以外の種族はNPCのはずなのだが、ここの世界のNPCはNPCでは無いようだ。その辺りを探ればいいのか?
---シュウ---
ブラッキーは何かを探る為に、クラインとここにいるようだ。そうなると依頼主を叩けば、いいようだな。現実世界に戻ることにした。
現実世界で、目的の人物を探してみた。だけど、中々見付からない…その時、脳裏に閃きが舞い降りた。そうだ、アイツは死んでいるはずだから…招魂をしてみると、目的の魂が手に入った。次に魂の記憶から身体を創造して、入魂をし、着衣をさせてから、心臓を再起動させた。
「ここは、どこだ?」
「新宿の安ホテルだよ。お前は僕の相棒にする為に、甦らせた」
「甦っただと?」
天才物理学者は、学者なりに確認をして、事実を事実として受けとめてくれた。
「で、私に何を望むんだ?」
「ソウル・トランスレーターの開発を消滅させ、培った技術は闇に捨てたいんだよ」
手に入れた情報を話して訊かせた。
「なるほど…暗殺手段に使おうとしているのか」
「危険を冒さず、暗殺が出来るって、ダメだろ?」
「あぁ、イエスマンばかりになり、世界は衰退するだろうな。で、私はどうすれば、いいんだ?」
KOMの話をしたあげた。
「NPCがNPCらしくないそうだ。それって、暗殺した奴らの魂を使って、モンスターにしているってことは無いか?」
「仮想世界で、死刑にするのか。エグいヤツがいたもんだな。で、容疑者は浮かんでいるのか?」
「クリスハイトこと菊岡 誠二郎が、何らかのことを知っていそうだよ。コイツは軍部の関係者だ。もしかすると、開発しているのは、軍部かもな」
「で、手を組んでいるのは、宗教団体か。厄介な案件に、呼びだしてくれたなぁ」
茅場の顔は嬉しそうだ。
「で、救いたい魂は、私みたいに甦らせるのか?」
「簡単にはいかない。魂を量子化データにして、電脳世界へと送り込んでいるので、現実世界で召喚は出来ない。そこをどうクリアするかは、僕の仕事だよ。茅場は、装置を開発できそうな研究施設を探してくれないか?」
「わかった。やれるだけやってみよう。で、その世界へ遊びに行ってもいいのか?」
「あぁ。但し、ヘッドギアで頼む」
こうして、相棒をゲットした。
懸案事項であったトランスレートされた魂の復活手段は既にあった。なんのことは無い、アルフガンへ送れば蘇生出来るようだ。アルフガン自体が仮想世界みたいな物だから…