※この作品はR-18です。

神器なき男3   作:もっち~!

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狙撃からの復活

---鷲尾ヤマト---

 

団長がソウル・トランスレーターで、狙撃されたそうだ。狙撃手と兵器は抑えたそうだが、団長の身体から魂の息吹を、全く感じないそうだ。僕が現場に着くと、団長のいた場所から、キノコ雲が立ち昇り、団長の魂に宿っていた者達が解放されていた。それは、団長が死んだってことだ。嘘だろ…

 

この世界の人間の術、兵器程度ではダメージの入らない奴らが街に解き放たれ、街は混乱を極めていた。

 

『ヤマト君、亘の魂を探して…どこかへ強制転移させられたみたい。連絡が出来無いよ』

 

半狂乱の綾香様。

 

『ヤマト、爆発は問題無い。制御を失ったオーラが混ざりあって爆発しただけだ。後、私達も問題は無い。敵以外にあえて攻撃はしない』

 

って、リヴァさん。その声には怒りが纏っていた。

 

「緊急事態だ、ナヴィ!全軍スクランブルさせてくれ。団長が狙撃された」

 

「また、ですか?了解しました。スクランブル指令を出します」

 

ファントムが狙撃兵器を持って来た。ベースに戻り解体して、中に入っている術式を読み取っていく。

 

「ファントム、インデックスさんを呼んでくれ。同化吸収させていいから」

 

「了解です」

 

この世界独特な文字が入っている。僕だけでは読解は難しそうだ。

 

 

 

---土御門元春---

 

空気が鳴動し、地面が震動している。視界にキノコ雲が見え、異形なる生物たちが現れた。恐怖で身体が動かない。何が起きたんだ?

 

「団長が狙撃されて、団長に宿っている仲間達が、現れただけです」

 

俺達の前に、金髪の少女と青髪の剣士が現れた。

 

「シュウがやられたのか?」

 

神裂が詰め寄るが、動じない金髪の少女。

 

「ソウル・トランスレーターで狙撃されて、魂がどこかへ行ってしまいました。あなた達には、まだ、あの狙撃兵器が無いかを探して貰いたいのです」

 

「それより、アイツらは何だ?」

 

ステイルが訊いた。

 

「十字教ですよね?あなた達は…なら知っているでしょ?獣の数字って」

 

ステイルの口から、咥えていたタバコが落ちた。おい…獣の数字だと…

 

「三位一対もいますよ。十字教は愚かですよね。団長が封じ込んでいたのに、自らパンドラの筺を開けるとは」

 

それは、アイツが十字教に狙撃されたってことだにゃ。って、言うか、アイツが封じていたのか…

 

「人間が勝てる相手では無いですよ。赤い竜と白い竜もいれば、黄色い竜もいます」

 

やたらにデカい赤いドラゴンがいるし。100メートルくらいは有るんじゃ無いか?

 

「あれも聖典に出ていたでしょ?グレートレッドですよ」

 

マジかぁ~。旧約聖書に出ていたドラゴンや魔物のオンパレードでは無いか。

 

「彼は何者だったんだ?」

 

蒼い顔のステイルが訊いた。

 

「十字教の皆さんならよく知っているはずですよ。十字架に磔にして殺したんだからね」

 

金髪の少女が怒りを纏った。少女の後に金色のドラゴンが現れ、その後方には黒いドラゴンが数体現れた。ドラゴン使いかっ!

 

「まさか…彼って…」

 

神裂すら蒼い顔である。俺はどんな顔やら…

 

 

 

---上条当麻---

 

逃げ惑う俺達…って、どこへ逃げればいいんだ?

 

「兎に角街から退避よ!」

 

って、小萌先生。って、街から出るためのゲートは閉まっている。なんで?

 

「悪いけど、ゲートからは出せないよ。狙撃手がまだいるようだからね」

 

銀髪の少女と黒髪の男子が、俺達の行く手を遮った。俺は右手で、男子に殴り掛かるが…

 

「無駄だよ。僕は無価値持ちだ」

 

え!簡単に制圧された俺…

 

「君の能力は僕達には無価値だ」

 

無価値?無能力にされているのか…

 

「私が相手をします」

 

って、小萌先生。

 

「学校に戻った方がいいわよ。私達は学校は襲わない。意味、わかりますよね?」

 

それは学校を襲った奴らは、コイツらでは無い勢力ってことだ。

 

「ゲート出るには、一人ずつ検査をします。団長を襲った勢力の者は、皆殺しにしますから」

 

コイツら、襲われた勢力なのか。

 

「誰に襲われたの?」

 

小萌先生が訊いた。

 

「十字教団ですよ。一般市民に紛れている。そこだ!」

 

グサッ!

 

投げたナイフが額に刺さった男、倒れる時に教典が手から零れ落ちた。その倒れた男を摘まみ口に放り込むドラゴン…

 

「さぁ、学校へ戻りなさい」

 

俺を解放してくれ、小萌先生は頷いて、俺達を学校へと引率していく。

 

「いい?学校を襲う奴らを、撃退する」

 

アイツらを信じた先生。根拠は?

 

「根拠?私のボーイフレンドを襲った相手だから。彼らは彼の弟子だわ。

思いだしたの…無価値持ちがいるって」

 

はぁ?アイツらのボスと、付き合っていた小萌先生。頬を赤らめているし…

 

 

 

---御坂美琴---

 

得体の知れない集団に襲われていた。こいつら、何者だ?くそっ!数が多すぎる取り囲まれた。

 

「もう逃げられないぞ。まぁ、可愛がってから、殺してやるよ」

 

ボトン!ボトン!

 

何かが地面で飛び跳ねている。これって、生首では?

 

「彼女達はお前達には差し出せない」

 

鎧を着込んだ騎士達が、私達を助けに来てくれた。

 

「貴様!十字教に刃向かうのか?」

 

敵は十字教団か…序列3位の私狙いのようだ。

 

「それがどうした?あいにく、異教徒な者でね」

 

あれって、彼と同じ色の剣だ…聖剣使いなのか?

 

「どんな邪神を信仰しているんだ?」

 

「名の無き神だよ」

 

名の無き神?その言葉を訊き、十字教の集団の顔色が変わっていく。

 

「貴様ら、まさか…」

 

「ファントムドラグーン所属の親衛隊だ。私は隊長の『神殺し』ファルコンだ」

 

神殺し?ファントムドラグーン?

 

「伝説の騎士団だと…いいや。まやかしだ!やってしまえ!」

 

二人のナイフ使いが集団の中に入り込み、相手と交差した瞬間血柱が上がっていく。分厚い書籍を持った少女が何か呪文を唱えている。集団の周囲に炎の壁が出来、集団を燃やし始めた。

 

「御坂美琴さんだね。一緒に来て貰うよ」

 

馬に乗った女性騎士さんに抱き抱えられると、馬は天空を駆け上っていく。え!どうして、天馬って、おとぎ話の生き物じゃ無いの?そして、天空に浮かぶ城へ連れて行かれた。

 

 

 

---ファントム---

 

インデックスが術式を解読した。その結果、団長の飛ばされた世界を特定できたのだが…VR世界のようだ。どうするよ、これ…アルフガンへ戻り、団長の装備品などを量子化データに変換していく。う~ん、アルフガンの処理能力では追い付かないようだ。団長を一旦救い出して、アルフガンから送り出した方が効率が良さそうな。

 

「どう救い出すの?」

 

ブラウンに訊かれた。

 

「アルフガンからハッキングするしか無いだろう?」

 

異世界へのハッキングは想定していない為、技術開発に時間が掛かるらしい。どうするかな。

 

『不思議な袋だけ、届けて』

 

って、綾香様から念話が届いた。あの袋って量子化出来るのかな?

 

「隊長、救難信号をキャッチしました」

 

団長からの救難信号である。取り敢えず、現状を見てくるか。僕は団長の元へと転移した。手土産を持って…

 

◇

 

「団長、こんな場所にいたんですか」

 

救難信号で見つけたと思わせる。

 

「ここって、どこの世界のサーバーだ?」

 

「リムルとサトゥーとキリトが産まれ育った世界ですよ」

 

仲間が調べてくれた情報を、知らせた。

 

「リムルとサトゥーの本体は?」

 

「リムルは荼毘にふされ、サトゥーは脳溢血で、キリトは脳の酸欠状態でソウル・トランスレーターのお世話になっています。ちなみに高杯光子は、危篤状態です」

 

「誰が、管理しているサーバーだ?」

 

「通称メタボ氏である保田芽衣です」

 

ニヤリとした団長。

 

「菊岡は絡んでいるのか?」

 

「えぇ、VR世界の構築を保田に依頼したようです」

 

「で、学園都市のある世界との関係は?」

 

「十字教がソウル・トランスレーターに、異世界追放の術式を組み込んだ為、同じ発想から作られたもう1つのソウル・トランスレーターにリンクしたようです」

 

「で、状況は?」

 

「学園都市のある世界は、世紀末へ進んでいます。団長と一緒にいた奴らが、現世に現れて、混乱していますよ」

 

「ここに持ち込めるかな?」

 

団長も懸念していた事態のようだ。

 

「今、副団長が思案しています」

 

副団長から命じられたのは僕だけど…どうするかな。出来ませんって、言えない雰囲気である。

 

「で、戦力はファントムだけ?」

 

「僕じゃ出来ないでしょ?出来る人材を持ち込みましたよ」

 

自信満々で、御坂美琴を差し出した。団長のお気に入りのはずだ。

 

僕だけ、一旦離脱した。団長に言われたことをする為だ。

 

◇

 

だけど、量子化データにならない。アルフガンだけでは無理であった。副団長からリアさん、ヴァリさん、ドランからハニーさんを借りて来て、再度挑戦したが、全然足り無いし…

 

「次に行く時に、私を持ち込んで下さいね」

 

って、ハニーさん。まぁ、戦力にもなりますよね。

 

「って、言うか、団長を連れ戻した方が速いのでは?」

 

って、リアさんの指摘。そうなんだが、魂だけを連れ歩けるのだろうか?ここまでは量子化データとして持って来られるはずであるが。

 

『ファントムに命じる。亘をアルフガンで連れてきなさい』

 

綾香様の裁定が下った。では、連れ戻るかな…ンサーバーのある世界へ転移して、そこからサーバーへと侵入したのだが、あの世界への通信ソケットが見当たらない。嘘だろ?切り離したのか?アクセス方法を探すが、あの世界との交信出来る通信ソケットが1つも無くなっていた。マズい…取り出せない。

 

菊岡達の会話を傍受すると、過負荷だからって理由で、ソケットモジュールをすべて削除したらしい。バカか?システムモジュールだぞ!どうするんだ?システムを止めないとモジュールを新たに入れられないはずだ。だけど、VR世界へのアクセスが出来ない今、システム自体を止めないとモジュールを追加出来ない上、システムが認識するには、システムリセットも必要なはずだ。

 

稼働していうプログラムがあるのに、システムを強制停止するのか?保存されないデータはロストするはずだ。マズい事態だ。

 

アルフガンに戻り、善後策を練ることにした。

 

 

 

---鷲尾ヤマト---

 

アルフガンへ行くと、事態は想定の範囲外の悪い方向へと傾いていた。

 

「何…」

 

僕を絶句させる事態が待ち構えていたのだ。サーバーの稼働状態が過負荷気味だから、過負荷の原因である通信ソケットモジュールを全部削除しただと?!システムエンジニアだったら、絶対にしない行為である。

 

「コンソールから、アクセスもモニタリングも出来ない状況です」

 

この事で、治療器具として利用していた桐ヶ谷和人、鈴木一郎、高杯光子は死んだそうだ。関わっていたプログラマが全員死亡ってマズいだろう?メンテ出来る要員がいないのか。いや、いないから、そんな素人のようなメンテなのだろう。

 

「強制的に団長を取り出すぞ。時間の猶予は無い」

 

ファントムと共に、問題のサーバー内へと侵入した。システムコンソールにはエラーメッセージの山が吐き出されている。

 

マズい。賭けに出た僕。『強奪』を発動して団長の魂の量子化データを抜き取り、急いでアルフガンへと戻り、復元作業に取りかかった。

 

『ヤマト君、魂の状態に戻せたら、学園都市に強制転移して』

 

綾香様から指令が出た。あの都市に魂を戻せばいいのか。作業を慎重にスムーズに熟す、僕とファントム。

 

『手が空いている者達は、聖堂で祈りを捧げてくれ』

 

念話で仲間全員へ指示を出した。祈りは神に取っての元気になる源である。団長!戻って来てください。僕を一人にしないでください…

 

魂状態に戻った団長をあの街へ強制転移させた。

 

 

 

---シュウ---

 

魂仲間達が戻って来た。空気中に散らばったオーラも戻って来て、僕の身体を作り上げてくれている。生き返った気がする。身体の機能が再構築されていく。ソウル。トランスレーター対策をする僕に宿る仲間達。

 

反撃開始だな。

 

『ヤマト、サーバーのある施設を手に入ろ!』

 

『おかえりなさい、団長。了解です。直ぐに手に入れて来ます』

 

『ファントム、詳しい仲間を集めておけ』

 

『了解です、団長』

 

『ファルコン、十字教団は殲滅しろ!あと、菊岡を含む関係者は消せ!』

 

『了解です』

 

『ハニー、ホムンクルスを数体用意してくれ』

 

『了解です』

 

次々に仲間達に指示を出していく。完全に回復したら、すぐに行動できるように、下地を作り上げていく。

 

地上へ降りると、火織と五和が抱きついて来た。さて、どうするかな。ファントムが連れ込んだ美琴をまず救出しないと…あいつ、僕の駒の入っていない美琴を連れ込んでいたのだ。パニッていたのだろうな。気遣いが仇になっているのだった。

 

 

 

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