幻想の約束 ~魔の蜜に蕩かされる気高き貴婦人~ 作:ねりうす
「・・・・・・・・、わかった。その勝負、受けるわ」
「それはなによりの朗報だな。・・・・・さて、会議の時間に少し遅れるな、急ぐか。・・・・ほらっ、いくぞグリーンベル」
軍師役のグリーンベルを起こし、会議用のゲルへと向かうことにした。
それから、悪びれた様子のないままゲルに着いた私たちを待っていたアース君に申し訳ないキモチをいただき、顔を見れずにいた。
そんな私を弄ぶように、会議中にも関わらず隙をみてはローターのスイッッチを入れてくるソドム。
「――――」
「――――――」
「・・・・ひぅ・・・んっ・・・・ぁ♥・・・・ゃ♥」
アース君に気づかれないように声をおさえようと力を入れる度にローターの刺激を強く感じすぎてしまう、そんな矛盾にも似た行為を何度も繰り返しながら、集中できないまま会議を終えた・・・・。
「・・・、リュウゼツラン!」
ゲルから出ようとする間際、アース君に名前を呼ばれ振り向く。
どうやら、さっきまでの私の挙動が可怪しいことに気づいていたようで、午後の戦闘を心配してくれた様だった。
そんな優しいアース君に心が暖かくなるのを感じつつも、眼の前の想い人とは違う男に弄ばれている自分に不甲斐なさを感じながら、罪悪感が心を半分以上占めていた。
私は、心配させないように平静を装いつつ返事を返そうとした途端・・・・。
ヴヴヴヴヴ ヴヴヴヴ
突如として、ローターが振動する。
「・・・・ッ!!」
歯を食いしばり声を出さずにすんだが、身悶えたことによってアースに不審感を抱かせてしまう。その場はなんとか誤魔化した私は、彼の視線から逃げるようにソドムの背中を追った。
――――。
―――。
「ど、どういうつもり・・・んっ」
「ん?なにがだ?」
一足先に自分たちの専用ゲルに戻っていたソドムに詰め寄るリュウゼツラン。
「な、なにが・・・って。その、会議中や、ましてや、彼の前で、お、オモチャを動かすなんて・・・」
恥ずかしさに耐えながら、自分の膣内に入っているローターについて言及する。
「クククク・・・ッ、すまないすまない、ちょっとしたイタズラ心が過ぎたみたいだな」
悪びれた様子のないまま彼は私の肩に手を置く。
「午後の戦闘も期待してるぞ、リュウゼツラン。もっと俺を期待させてくれよ?」
「言われなくても、平和のために尽力するのは花騎士としての使命よ。がんばるわ」
彼がどんな悪辣な事を考えていたとしても、気持ちで負けてないと言わんばかりに背筋を伸ばす。そして、愛用の弓を手に取ると私は戦場へと駆けていった――。
そんな彼女の後ろ姿を笑みを堪えるように眺めるソドム。
「・・・・ああ、その調子だリュウゼツラン、そんなお前を【モノ】にしてこそ楽しみが増えるというものさ。クククッ・・・・」
✿
「ギュウゥゥゥウウウアアアアアアアァオオ・・・・ッッ!!」
地を踏み荒らし、野花を蹂躙しながら襲いかかってくる害虫―スコルピオンベーゼから繰り出される爪牙がリュウゼツランへと牙をむくが、彼女はいとも簡単に躱していく。
その様はまるで、風に舞う花びらの様
「ギュウウウァァァアアォォォ!!」
「リュウゼツランさん、サポートします!」
「わきゅ~~!足止めは任せてください~!」
執拗までに繰り出される爪牙に、リュウゼツランがただ避けていくだけかとおもいきや、示し合わせたように出てきたブルーロータスとフリージアが害虫の注意を分散させ混乱させる。
「ありがとう、二人とも・・・!、・・・それじゃあ、覚悟しなさい!」
サポートのおかげで一気に距離をとると、すぐさま魔力を練り上げ、弦に矢を番え、渾身の一撃を放つ準備をする。
明鏡止水。一意専心のキモチを持って、一条の矢を放つ。
「貫きなさぁぁあああいっ!」
はちきれんばかりに引き絞られた弦から一拍の気合を吐く。
―解き放たれた矢は、閃光にも似た軌跡を一瞬に残すと、目標の害虫であるスコルピオンベーゼを貫いた。しかし、それだけでは収まらず、ソニックブームが巻き起こり害虫の身体をバラバラにしていった。
『ドラケンスフリッサー』
それが、彼女―リュウゼツランの必殺技である―。
「・・・・ふぅ~」
彼方の先まで飛んでいった矢を見つめながら、残心を解いていくリュウゼツラン。
そんな彼女にブルーロータスとフリージアが近づいてくる。
「お見事でしたわ、リュウゼツランさん。さすが、短期間で副団長の任を任される、おチカラですね」
「わきゅぅ~、すごかったです。フリージアもいつか、・・・がんばります」
優しく労ってくるブルーロータスとフリージア
「いえ、お二人のサポートのおかげですよ」
「ふふふ、ご謙遜を。・・・・団長様に聞いていた通りの人柄ですね」
「ぇえっ!?・・・あ、アース君が私のことを?」
予想だにしなかった名前が突然でてきて、動揺してしまう。
「(そういえば、ブルーロータスさんはアース君の部隊の副団長代理なのよね・・・・。プライベートの事を話し合う間柄なのは見ていてわかるし・・・・、あの『約束』があるからといって・・・別に、他の女性と関係をもっちゃいけないってわけじゃないし・・・・・・チラッ)」
「???・・・、どうしました?」
「わきゅ??」
「(やっぱり、男の人ってこういう優しくリードしてくれるお姉さんが好きなのよね、きっと。それとも、フリージアちゃんみたいに庇護欲がそそられる後輩みたいな娘がいいのかしら・・・・)」
二人のことをチラチラみながら悶々と考え込んでしまうリュウゼツラン。
【アースだって、こういうことをやっているはずさ】
瞬間、ソドムから言われたその言葉が頭の中を過ってしまう。
「(アース君は、あんな淫らな人じゃないっ!・・・・でも、アース君も彼と同様に男の人なのは変わらないんだよね。・・・やっぱり、ブルーロータスさんやフリージアちゃんとシてるのかな、ああいうこと。・・・・もし、してるとして私の想いは・・・・・・・。)」
「あ、あぶないっ!リュウゼツランさん!」
えっ?!
声を出す暇のないまま、考え込んで俯いていた顔をあげた途端、巣穴から飛び出してきた一匹の害虫の突進によって、私の意識は闇へと落ちていった。
最期に聞いた声は、フリージアちゃんの悲痛な声が草原にこだまする様だった。
次に私が目覚めた時、目の前にいたのは―――。
次回、彼女の純潔が・・・、