貪るように舞園さんの唇に食らいつく。
いつの間にか浅いものだったのが深い口づけへと変わっていた。
舌を絡め、唾液を送り合うようなディープキス。
経験なんて無いのに、本能の赴くままに動いていると不思議と経験の少なさなんて感じない。
僕は僕に跨がる舞園さんの背中に手を回し、ゆっくりと押し倒していく。
一瞬の静寂。
「舞園さん……いいの?」
更に頬を紅潮させた舞園さんに覆いかぶさり僕は尋ねた。
舞園さんはふっと笑うと、僕の首に手を回して来た。
「いいんですよ……」
そう言って首に回した手に力を入れ、僕の顔を自分に近付けようとする。
僕は片手でパーカーのファスナーを下ろしながら、再び彼女の唇を戴こうと目を閉じた……が。
「……?」
首から解かれた舞園さんの手が僕の口を押さえて動きを止めたのだ。
舞園さんは僕じゃなくてどこか違う方を怪訝そうに見ていた。
視線の先に何が……? と気になった僕は舞園さんの視線の先に目をやった。
「――――あっ!?」
視線の先に立っていた人物に僕は驚愕した。
「騙されてはダメよ、苗木君」
凛とした声を発するその人物は、どんな才能を持ってこの学園に来たのかが明かされていないミステリアスな女性。
霧切響子さんだった。
「私がいつ苗木君を騙したと言うんです? 霧切さん」
「どんなに演技が上手かろうと私の目は誤魔化せないわよ、舞園さん」
不敵に笑い合う女性二人……舞園さんと霧切さん。
「それにしても鍵を閉めないなんて不用心ね」
部屋の入り口近くの壁にもたれてこちらを見ている霧切さん。なんだろう……口調や声音はいつも通りっぽいけどどこか彼女らしからぬ感じがする……。まぁらしくないといえば舞園さんもなんだけど。
「邪魔しないで下さいよ霧切さん……苗木君は私と寝るんです。そうですよね? な・え・ぎ・君……」
舞園さんは身体を起こし僕の身体にしがみつく。そして顔を僕の耳元まで近づけて……カプっと耳たぶに噛み付いた。
「ひゃっ……」
つい変な声が出た。
そんな僕の様子に舞園さんはクスリと笑って再び僕へキスをする……しかもいやらしい感じのものを。
舞園さんの舌が僕の歯列をなぞりながら口内へ押し込んでくる。
この攻勢に僕は必死になって応えようとするけど、舞園さんの激しい舌使いに僕は息が上がりそうになった。
舌をじゅるりと吸われ、ちゅっちゅっと扱かれる。この感じはまるであれをあれされているようなやり方だ。
「はぁっ……はぁ……っ」
ゆっくりと舞園さんが離れていくのを頭がクラクラする中ぼんやり見送る。
涎が糸を引いて僕と舞園さんの口元を結んでいるのが官能的で――エロい。僕の僕がぶるりと震えた気がした。
「苗木君」
ふと霧切さんに呼ばれる。
そういえば霧切さんもこの場にいたんだったと存在を忘れていた。
僕と舞園さんのキスシーンを黙って見ていたのかなと、僕はゆっくりと振り返る。
「ほえっ!?」
また変な声を上げてしまった。それほどに今目にした物が衝撃的だったからだ。
だって霧切さんが……霧切さんが!!
「据え膳食わぬは男の恥……苗木君、ここまで言えば分かるわね?」
――――それは霧切さんを押し倒していいってことですか!?
大胆な事を言ってのけた霧切さんは、お尻を突き出す様な格好で壁に手をついていた。片手はスカートを摘んで裾を上げており、見えそうで見えないスカートの中につい目が行ってしまう。
安産型の……いいお尻です霧切さん。僕は思わずゴクリと生唾を飲んだ。
その時僕のある部分をギュッと握られた。
「あうっ!?」
「ダメです、これは私の物なんですから」
ギュッと握ったのは舞園さんだ。な、なんてとこを触るんだ……!!
舞園さんの挑発に霧切さんもベッドに乗り込み僕の身体に身を寄せる。
「あら、独り占めはよくないわよ舞園さん。私にだって権利はあるわ」
「ひゃぁぁ……」
僕にピッタリと身体をくっつけて来た霧切さんはファスナーを下ろしたパーカーの中に手を滑り込ませ、シャツの上から僕の身体を弄り始める。
対する舞園さんもカチャカチャとズボンのベルトをいじりながら、僕のシャツの中へ顔を潜りこませようとする。吐息がお臍の辺りにかかって擽ったい。
もう僕は二人にされるがままになる事にした。
二人の女の子――しかも美少女と美人――に迫られるという夢のようなシチュエーションだ。
僕の超高校級の幸運が発動したんだろう……こんな事一生の内に何度も体験できない。
それなら今堪能したっていいじゃないか。軟禁生活中だろうが関係ない。
校則という制限はあるけど基本自由なもんだ……束縛は少ないし、不純異性交遊だって禁止されてない。
二人はもう口には出せないような事をどんどんしてくる。どちらの手が僕の身体を触れ回り、どちらの舌が僕の身体を舐め回しているのか分からない。
甘くとろけるような時間に思考が追いつかない……とても気持ちいい。
しかしこの甘美な時間は長くは続かなかった。
そう、乱入者だ。