「あっれー? もう始まっちゃってるじゃん!」
「やっば、ホントだ! ちょっとあたしも混ぜろし!」
甘い雰囲気をぶち壊すような明るい声が部屋の中に響いた。どうやら誰かがまた来たようだ……しかも二人。
どちらかの身体の隙間から入り口を見やると、超高校級のスイマーである朝日奈葵さんと超高校級のギャルである江ノ島盾子さんが服を脱ぎながらこちらにやってくるのが見えた。
朝日奈さんの宝満な胸と江ノ島さんの控え目な胸が対照的だな……と思っていたら二人も舞園さんと霧切さんと同じように僕の身体をいじり出す。
「うふふ、皆さんお盛んですこと。私も仲間に入れて下さいな」
また一人、人数が増える。
「あ……あああたしだけ除け者にしようたって……そうはいかないんだからぁ!」
ちょっとツンとした匂いが僕の鼻に届くけどあらゆる事をされるがままにされていて脳みそが蕩けそうな僕はそんな事を気にしていられなかった。
四方八方から手が伸びてきて僕の服を脱がしていく。
パンツはちょっと待ってと手で押さえるも抵抗も虚しく破り取られてしまった。
「ちょっとそれ貸してくださいな」
「あっ、ダメだよー今から挟むんだから!」
「……ズルい、あたしだって……」
ガジリ。
「ああああああっ!?」
一瞬だけ思考が現実に引き戻された。
同級生の女の子達が……僕の部屋にほぼ勢揃いしている。
まさにここはパラダイス……。
だけど流石にこれはおかしいと僕は思い始めていた。そんな時だった。
「ただならぬものを感じて来てみれば……なんという事だ」
そこへ低く威圧感のある声が聞こえそっちを見やると、腕組みをして立っている超高校級の格闘家・大神さくらさんの姿を誰かの股の間から確認できた。
ぷにっと何か柔らかいものが僕の顔に押し付けられる。
「おおひゃみしゃん……」
「とんでもない事になっておるな……」
まさかまさかの大神さんも参戦!? かと思ったら違うようだ。失礼だけど少しだけ安心する……握られたらそのまま握り潰されそうなんだもん。
険しい顔をした大神さんの視線が突き刺さる。思っていた事がバレたかな……。
「苗木よ……お前は色情霊に取り憑かれているようだ……」
「ひきひょーれい?」
顔に何かを押し付けられたまま僕は聞き返した。
幽霊とかそんな馬鹿な。突然の現実離れした話に僕は戸惑う。この状況も現実離れしているなんて言わないで下さい。
「色情霊とは……色欲に凝り固まって死んだ人間の霊だ。苗木にそれがなんらかのきっかけで取り憑き朝日奈達を狂わせたのであろう……」
大神さんの言葉を信じるなら僕に取り憑いた幽霊のせいでハーレム状態になっているという事か。
僕の能力が発揮された訳では無いんだね……いやそれでも幸運と言えるのかな。
「おそらくモノクマが仕掛けたのであろうな。……しかしあ奴も甘いな、まさか我が掛からぬとは思わなかっただろう」
「おおひゃみしゃん……?」
不敵な笑みを浮かべる大神さんを不思議に思う。
「我にはもう一つ呼ばれている名があってな……その筋では広く知られている」
大神さんは胸元に手を入れ何かを取り出し、柔らかいものに包まれぼーっとする僕へ言い放った。
「その名も……ゴーストスイーパー大神ッ!」
――――何その少年漫画のような名前。
取り出したのは三枚の札、それを掲げるように大神さんはポーズを決めていた。
大神さんらしからぬその行動に僕はこれは夢なんじゃないかと思い始める。
札を僕の方へ突き出し大神さんが口を開く。
「我ならばそ奴を祓う事が出来よう……」
大神さんにそう言われた時、僕の脳内に選択肢が浮かんだ。
A.大神さんに除霊を頼む
B.もうしばらくこの状況を堪能する
僕が選んだのは――――勿論、Bだった。
僕も男だ、この状況を堪能しなくてどうする。
そりゃ幽霊に取り憑かれているなら除霊してもらった方がいいのは分かるし、この状況は女性陣にとっても良くないのも分かる。
それでも僕は……!!
「ごめん、大神さん……僕はもう少し楽しみた、いぃぃぃぃぃっ!?」
誰かの何かが何かしてものすごい感覚が僕の身体を走り抜けた。
「何……? そのままでいいと言うのか?」
「いいというか良くないけど、どうせならもう少し堪能したいなと思って……ああああああっ!?」
経験した事の無い感触が、ある所からびんびんと感じる。
「あっ……くぅ、ダメ……ダメだよ!」
「駄目……? 苗木よどっちなんだ」
「いやそっちの駄目じゃなくて……――ああ、やばいやばいやばいっ……くぅぅっ!」
このままではとんでもないものが飛び出してそれこそとんでもない事になってしまう。
戸惑いつつも僕は解放したい気持ちになる。
「……もう我は知らぬ。好きにするがよい」
そんな僕の様子に呆れてしまったようで、大神さんはそう言い捨ててこの部屋から出て行ってしまった。