※この作品はR-18です。

黒兎の円舞曲   作:紗代

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オークション編です。ほぼオリジナル展開。注意です。


囚われの黒兎

オークション当日。大勢のマダムや金持ち共がオークションの品に注目し興奮する中、ちょうど隻眼の―――いやよく見たらあの時ハイセと一緒にいた男の恰好をした女だった。それとほぼ同時に足音や人の気配を感じ取る。まさか―――まさか嵌められたのか?CCGの奴らに。

その嫌な予感は女が落札された時に当たることになった。次に出てきた人形みたいな奴はCCGのポープと名高い准特等捜査官・鈴屋什造だったのだから。

鈴屋が攻撃を始めると同時に阿鼻叫喚の起こる会場。依頼者のビッグマダムの護衛を他の奴に任せ、私は鈴屋の相手をすることにした。しかし奴は途中で見失ってしまったので、私も他の手こずってる奴の救出に向かう。あちこち飛び回って救出するとそのまま人目に付かない屋上へ引き上げた。周りの音や気配を探り、捜査官の有無を確かめ、より安全な脱出経路を探って――――――

 

『ぐああああああッッ!!』

「!」

 

聞き覚えのある、聞きたくない大きな悲鳴を感知した。間違いない。アイツだ!

 

「……悪い。ここ任せたよ、ヒナ」

「!、アヤセちゃん?!」

 

ヒナが制止する前にアイツの声と一緒に聞こえたタキザワの声を追って割れた窓から中に入った。中にいたのはボロクソにやられたハイセとハイセをいたぶるタキザワ、喰種と人間が混ざった匂いのする子供だった。

アオギリにアイツが誘拐された時のことを思い出し、タキザワを襲撃する。躱されたがハイセから離れたので良しとしよう。私はハイセの前に立ってタキザワと相対する。

 

「アラララ?なーに捜査官助けちゃってんの?アヤセちゃん!!」

「……」

「ラビ、ト……なん、で」

 

後ろから聞こえるアイツのだけどアイツじゃない声に反応することなくタキザワに向かって結晶を放つ。複数のそれはオウルの全身を貫き奴に重症を与えたが、ダメージを与えただけで殺してはいない。

 

「いッッッッッッッッテェェェェェ――――――!!……さすがァあんなのと違って効くねぇ……っ」

「……ビッグマダムの反応が消えた。捜査官も多い、今日はもう撤退だオウル」

「なんだよせっかく一番くんに会えたってのに、シラケるわ~。いやいあ!なら尚更ここでこいつの首取った方がよくね~?」

「今はそんな命令は出ていない。行くぞ」

「つれねーなぁ、とぉ!スキありー!!」

 

私との会話を切り上げたオウルは再びハイセに飛び掛かったが私の硬化した赫子で貫いた。

 

「あびゃ、ビュヤァあァァ!!」

「ふん」

「ゲホ、げぇ!てめ、あ、んた、おま。そんなに奴が大事なのかよ……」

「……」

「まあイイヤァ、じゃ、反撃決ー定ぃぃいイイイィ!!」

「!!」

 

そう言った奴が振り返ると赫者化した姿でこちらをギョロりと見て即座に突進してきた。私は受け止めるがやはり相手は半喰種の半赫者。圧倒的にパワーが足りず、衝撃を殺しきれなかった。

 

「ぐっぅ!」

「ヒャハ!!」

 

けど――――――私だって羽赫としては負けてねえんだよ!!

 

小出しにしてた赫子の出力を上げ羽を広げた。タキザワを蹴飛ばし吹っ飛んだ奴に向かってさっきより大きめの結晶を放ち、傷を負わせるとともに磔にした。

 

「きれい……」

 

子供の言った一言に、揺らいだ。

―――いま、何て言った。「きれい」?この赫子が?おまえらの命を摘むかもしれない殺人器官を?正気か、こいつ。

その一瞬の隙を突いてタキザワが私に迫っていた。もうタイミング的に避けられない。ならば―――

私はそのまま、両目と喉を切り裂かれた。

 

「ご、ぁっ」

 

私はそこで膝をついた。もうダメだ、捜査官たちがこの会場に集まって来ている。前なら今のうちに撤退できたかもしれないがこの分だと脱出は不可能。調子が悪いうえタキザワの攻撃は重いものが多かったし赫子でも攻撃されたので傷が治りにくい。当のタキザワは私を置いて退避して行った。まあ元捜査官だし顔合わせづらい奴もいるだろう。扉が開くとそこには有馬貴将をはじめとする喰種たちの間でも話題になる歴戦の捜査官たちが揃っていた。

とりあえず、どうするか。射撃は出来てもあいつらに効きそうなのはあと1、2回打てるかどうか。その分を逃走に回したとしても傷が治らず血も流し過ぎた。そのうえ味方が一人もいないこの場で逃走は戦うよりきつい。まあいいか、こいつ死なずに済んだし。

コクリア行きか、ここで殺されるかどっちにしても処分される。その前にこいつを見ることができたのは不幸中の幸いだった。

ハイセはある程度回復したのか後ろから歩いて私の前に出た。何をするつもり……

 

「彼女をここまで追い詰めたのは僕です。彼女の所有権を主張します。」

 

こうして、私は処分されるまでの間、ハイセの所有物としてコクリアへ囚われることになったのだった。

 




ヒナミちゃんではなく、アヤセちゃんがコクリア行きになりました。ここから色々クインクスとかいろんな人たちを引っ掻き回していけたらな、と思います。
ちなみにアヤセちゃんは素でハイセと会っていますがたぶんバレていません。バレる前に「わざと(「ならば―――」のくだりから)」両目と喉やられてますから。自分の正体がバレることでハイセ(カネキ)が苦しむ可能性を考慮した結果です。
アヤセちゃんのいう「子供」はもちろん米林ちゃんの事です。
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