カネキと一緒に走り続けると感じたことのある胡散臭くて今にも切り刻んでやりたい気配がいきなり現れた。
「どこに行くんです?上官。彼女はSSSレートのとーっても危険な喰種なんですよ?処刑も明日に控えてるっていうのに」
「旧多さん……」
「本当に参っちゃいますねえ!!」
奴の持っているチェーンソー型のクインケが振り下ろされ、カネキはそれを避けつつ赫子で捌いていく。あの一見ひ弱そうに見える面でここまで戦えるとは、やっぱり半人間の中でも一物抱えてそうだ。
というかこいつは半人間、なのか?怪しいと思っていたのは前からだけど、Rc抑制剤の効力が切れた今は二重に匂いを感じる。どういうことだ?
「……おまえ半人間の半喰種か」
「!」
私の呟いた言葉に旧多が反応し、その隙を突いてカネキが旧多を串刺しにして動きを止めた。
私の方もこれで準備が整った。後は、放つだけ!!
「カネキ!」
「!」
私の声に反応してカネキは避け、串刺しで動けない旧多のみが斜線上に取り残される。
羽赫のエネルギーを集中させ、光をイメージする。全てを焼き払い絶命させる圧倒的且つ純粋な力――――――
「え、え?……ちょ、」
「消え失せろ」
私は力を光線に変え、奴を撃ち抜いた。
残ったのは胴体のほとんどを失い、焼け焦げている旧多だった。
でも本当に驚くべきはゴキブリ並みの生命力だ。さすが半喰種。こんなになってもまだ生きてるか。もうほぼ内臓吹っ飛んで赫包のとこも無くなってんのに。どんだけイカれてんだ。
「行こう、みんなが待ってる」
「……うん」
カネキは殺生を嫌うから、トドメを差すか悩んだけどやめた。本当にこいつ甘いな。それは時として優しさになると思うけど、殺さなきゃならないものが出てきた場合ちゃんと殺せるんだろうか?
こいつの進む道が少しでも軽くなるように、私もこいつを支えていこう。そうすれば、どんな時もお互いに寂しくないはずだから。そう思いながらカネキの後を追いかけた。
*****
たどり着くとそこでは壮絶な戦いが繰り広げられていた。首切られて重傷なのに……あーあ、なんで私の周りってこんなのが多いんだろう。四方サンは間一髪のところでカネキが赫子で庇ったことで難を逃れた。私はそれと同時に元凶に射撃する。
「ちっ」
手応えがなかった。それにあまり音や気配の移動がなかったのできっと全て最低限の動きで躱したんだろう。
私はカネキの傍に降り立つとトーカとヒナミと四方サンを見る。
「…………久しぶり」
そういうとヒナミが駆け寄ってきて凄い力で何回も叩かれた。
「おいてかないって言ったのになんでおいてくの!もっと私を頼ってよ!!もっとわがまま言ってよ!!」
「うん」
それから叩くのが止み、ヒナミは私を力いっぱい抱きしめた。
「もう、おいてかれるの、嫌だよぉ……」
「……ごめん」
「アヤセちゃんが無事でよかった……」
「……ありがとう、ヒナ」
「このバカ妹」
「!あね……姉、さ、ん」
「大きくなったね、あんたも。……行くよ、もう時間がない」
「うん」
皆が去る中、私は足を止めてカネキの方を見る。
「カネキ――――――あとでね。言い逃げなんて、赦さないから」
そのまま返事を聞くことなく私はみんなに付いて行った。だってアイツ、こういう約束でもしておかないといなくなりそうだから。
さて、|ここに着く前に
名残惜しいが無事再会するためにも私たちは先を急いだ。
実は書いてませんがアヤセちゃんはみんなと合流する前にカネキくんにあるものを託しています。これが原作とオリジナルの分岐点、かな?