R18の内容はとりあえずここには書きません。書かないか、短編として別物にするか、R18タグを増やしてこの連載に載せるか迷ってます。
月山が言うに第3アジトがやられたらしい。
襲撃したのは「黒い子供たち」。その日に暴かれその日にアジトを壊滅まで追いやった。
問題は―――
「リゼの赫子の他に、青い、夜空のような色合いの羽赫を使っていたそうだ」
「!」
「覚えはあるか、アヤセ」
蓮示さんに言われてコクリアにいた時のことを思い出す。
「……ある。前にコクリアにいた時、いきなり部屋に入ってきたかと思ったら赫包一個持ってかれた。……研究者たちの会話を盗聴したら私の体はRc細胞の濃度が濃いらしくて制御しきれないって、だからおそらくその子たちに埋め込まれてるのはクインケ同様に私の赫包一個を分割したものなんだと思う」
「なるほど……次世代Qsか……」
でも、カネキから施術の仕組みは聞いていたけど……大丈夫なんだろうか。私は自分でRc細胞を生成できる特異体質で、そのせいで赫包も特別製だとあの研究者たちは言っていた。そして濃すぎる―――強力過ぎてクインケ鋼そのものが耐えきれず暴走するか壊れるかクインケ鋼すら食い尽くすか、だったらしい。そんなものをいくらQs技術が安定しているからといってもそのまま施術なんて、してないよな。
その後、アジトは解散し、集合場所を決めることで指揮を執るという形になった。
姉さんたちは必要な備品だけ持って直ぐに出て行った、カヤさんも古間さんも先に出ていくなかで私とカネキだけが残った。姉さんいわく「元々あんたたちの居場所としての店だったんだから最後に目に焼き付けとけ」だそうで、気を遣われてしまった感が否めない。
「短い間だったけど、結構好きだった、かな」
「アヤセちゃん」
ぽつりとこの店の事をこぼしていると、カネキに呼ばれた。
「僕と一緒に来てくれる?……」
「うん……準備しないとね」
「じゃあ僕、店閉めてくる」
「お願い」
そしてカネキが扉に触れる前に扉が開くとそこにいたのは――――――あの時の、男装捜査官だった。
「せんせ♡」
どうやらここを嗅ぎ付けたらしいそいつは、カネキにCCGに戻ってくるよう迫ってきた。
でも、こいつQsのわりに臭いすぎる――――――喰種、動物、そして人間の多種多様な血の臭いが。そいつはカネキが応じないと分かると私を一瞥しカネキに攻撃を仕掛け店の前にふっ飛ばした。
「カネキ!!」
私が助けに行こうとすると男女からの蹴りが飛んできたので避けた。
「避けんな、ブス」
「は、人の店荒らした強盗未遂がよく言う、な!」
避けたのは天井だったのでそのまま結晶を弾幕のように射撃する。
「は?……あぐぁあ゛あ゛あ゛ぁうぅ゛!?」
こいつ、片目しか出してない割に目いいのか。初撃は躱されたがそれ以外は全弾命中したので奴は血塗れだった。
「ふざけんなこの泥棒~」
「!」
「猫ネコネコネコネコ猫猫ォ猫猫猫ねこねこねこ猫猫猫猫ねにゃこ猫ねこねこね猫猫猫」
カウンターに降りたところをナイフ型のクインケで奇襲されたのですべてかわす。
「るせぇんだよ黙ってろ、男女が!!」
「がぁっぱ!」
蹴りで男女の土手っ腹に風穴を開け床に叩きつけた。
「なん、な、なで私、がっ、つよぉなったはずなに」
「知るかよ三下。……さて、私はアイツのとこに行かないとな」
「まだお話終わってませぇんよぉ霧嶋、アヤセさぁん」
「……なに?お前に構ってる暇ないんだけど」
「これ、誰の手かわかります?ああ、写真も持って来ましたよ―――ご結婚されるそうで、あなたのお姉さんのご友人、小坂依子さん」
「!」
奴の持ってきた手にはシルバーの指輪がついており、一緒に持っている写真に写っているヒトはたしかに姉さんとその親友である小坂依子だった。
「これは確保する時ちょっと暴れられたのでそれ」
「ふん」
「ぶぁ!?」
男女をおもいっきり蹴り飛ばした。血塗れどころかゲスか、救いようねえなこいつ。
「知らねぇよ小坂とか。そんなに自慢したけりゃ余所でやれ、私たちを巻き込むんじゃねえよ」
するとよろよろと相手が起き上がり体はぼろぼろなのに私を見る目には剣呑な眼光が宿ったままの姿で赫子とクインケを構えなにかを呟く。
「私「たち」、私たちィ?ふざけんな先生は私のあんたみたいな薄汚いハイエナ泥棒猫先生なんで、今すぐこいつ片付けてなんで勝てない、なんでなんっ、で私だってつよぉ強くなって先生にほめてもら、お前さえいなければお前さえ、お前さええぇえぇぇえ!!」
「いい加減、うぜぇんだよ!」
また蹴り飛ばした。今度は店の前に転げて行ったので私もカネキのもとへ――――――待て、この妙な臭い。
その時、店内に自転車に乗った黒服の子供たちが突っ込んできた。それと同時に私も店から飛び出し、カネキを見つけた。その近くには背中の上の方を血で真っ赤に染めた男が倒れていた。
「!カネキ」
「行こう!」
「待て……「彼女」を返せ、返せ返せ返せかえせ!!俺の「彼女」を返せえぇえぇぇえ!!」
カネキの、血がついてない方の手を取って一緒にその場を去った。
*****
:Reからそれなりに離れた廃墟に私たちは身を隠していた。
私はカネキを休ませて周りを探知したけど、とりあえずさっきのイカれた捜査官も黒い奴らもいないようなので一先ず胸を撫で下ろした。
「うん、とりあえず追っ手はいないみたいだから大丈夫」
「そっか、ありがとう」
私はカネキの横に座った。
「傷、大丈夫?」
「なんとか、抑制剤の効力もそろそろ切れる頃合いだしね」
「よかった……カネキが無事で」
私がほっとしているとカネキがぼろぼろになったくすんだシルバーっぽい小さな箱(?)を差し出してきた。
「なに、これ?」
「Qsのインプラント。たぶん、この中に入ってるのはアヤセちゃんの赫包の一部だと思う。」
「!……私の」
「うん、彼が君の赫子を使ってたからほぼ確実だよ……ここまでぼろぼろになってるのは初めて見るけど」
「そう……とりあえず開けるね」
「うん」
もう既に箱は壊れかけていたせいか案外簡単に壊れた。中から赫包の欠片が出てきた。
「じゃあ、いただきます……」
「……」
カネキの視線を浴びながら、口を付ける。あ、あれなんか凄く食べ辛い気がする。カネキの視線を感じながら食べているせいだろうか。ていうかいつもの視線よりも物凄く刺々しいんだけど……
「あのさ」
「何?」
「何でもない、です」
有無を言わせないというか取り付く島もないっていうか……とにかく私は視線から解放されるために早めに食べきることにした。
食べ終わってから、カネキは無言で私の隣にいる。雰囲気も刺々しいままで、いい加減にしてほしい。私は自分の赫包を食べただけで何もしていない。
「ねえ、なんでそんなに機嫌悪いの」
「そんなんじゃないよ」
「ならなんでそんな刺々しいの」
「……アヤセちゃんはさ」
「うん」
「僕の血液飲んでって言ったら、飲んでくれる?」
「うん」
「ごめん、やっぱり気持ち悪いよね……ってええ!?」
自分から言ったくせに何驚いてんの。
「あのさなんで言った本人が一番驚いてるの」
「だって、自分からこう言う人って、気持ち悪いかなって思って」
「確かに普通に言われたら引くけど……あんたになら全然いいよ。むしろ……歓迎、する」
「え」
「じ、自分で言っておいて何その反応」
「まさかそこまで言ってくれると思ってなかったから」
「……」
困り顔のカネキにキスをした。
「……アヤセちゃ、ん」
「……あんた、私のあんたへの気持ち、これだけやっても伝わらない?どうすれば分かってもらえる?私はね、あんたが好きなのよ。ずっと一緒にいたいなって、わがままきいてやりたいなって思ってる。まあ、無理なものとかダメなものは否定するけど。……だから、もっとわがままになって。私はあんたに全部あげるって決めてるんだから、もっと私を欲しがって、その分私も応えられるようにするから」
目を見開くカネキの両頬を手で包むようにしてまた口付けた。すると今度はカネキが私を抱きしめてきた。
「わっ」
「……バカだ、僕は」
「馬鹿じゃ、ないよ?」
「ううん、馬鹿だよ。君の赫包を埋め込まれて、さも君を自分のものみたい話す彼に嫉妬したんだ。だから、彼から君を剥ぎ取った。アヤセちゃんは僕ので彼のじゃない。それを頭ではわかってるのに、物凄く嫌だったんだ。ごめんね、君は悪くないのに八つ当たりまでして本当にカッコ悪い」
「……そう?私は嬉しいけど、嫉妬とかカネキがしてくれるなんて想像できないし」
「たぶん君が思うほど優しくないよ、僕。独占欲強いし、前ほど我慢強くもなくなったと思う。今だって、その……君がほしくてたまらない、し」
モゴモゴと言いづらそうにするカネキにまたキスをした。
「いいよ、もっと欲しがって」
「本当にいいの?」
「?いいよ、あなたになら」
「……分かった」
それから私はカネキから深く愛されていることをこの身体と心を通して実感することになる。
大好きよ、カネキ
原作のトーカちゃんと違って圧倒的な実力を見せるアヤセちゃんが書きたかった結果、むっちゃんはボコボコにやられてしまいました・・・
晋三平の方はアヤセちゃんの分割された赫包の一部を施術されているので安浦さんのこともあってカネキに対する憎しみとアヤセちゃんへの依存と執着で行動しています。カネキはそれが気に入らず、赫包を奪う暴挙に出ました。
アヤセちゃんと両想いになったこともあって独占欲凄いと思います。無印の頃から好きだったし。ちなみにこの一夜を過ごしてから更にお互いへの想いが加速して甘くなっていけばいいな、とも思います。