※この作品はR-18です。

黒兎の円舞曲   作:紗代

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オリジナル回。カネキくんの体を見たアヤセちゃんからの提案。


劇薬は口に甘し

あれから一夜明けて、膝枕をしていたケンが起きた。

 

「おはよう、ケン」

「おはよう、アヤセちゃん」

 

ちょっとはみ出してる寝癖が可愛い。癖付きやすいのかな、それとも猫っ毛とか?とりあえず寝癖は直しておこう。

 

「ふふ、寝癖ついてるよ」

「あ、ありがとう」

「よし、直った。」

「体調悪いところとか痛いところとかある?」

「えっと、今確認す、るぅ?!」

 

立ち上がろうとしたら立てなかった。腰の感覚がない。内股に力が入らない。何これ?

 

「ごめん、やっぱりやり過ぎた」

「ううんいいの。それだけケンが私を求めてくれたってことでしょ?嬉しいよ、私。ね……キス、してくれる?」

「!……うん」

 

ケンは微笑むと私に口付けてくれた。唇を合わせて触れるだけなのに満たされた気分になる。この状況で言えることじゃないと思うけど……幸せだな。

 

*****

私が動ける状態ではないのでもう少しここで休んでいくことになった。ごめん、でも私だけのせいじゃないから!

ということで今は私の方が研に膝枕してもらっている。

 

「ねえ、昨日私たちを襲撃してきた二人組の眼帯の方、ハイセの時一緒にいた奴だけど……」

「ああ、六月くんね。」

「あいつ、ひょっとしたら私たちよりまずいよ」

「……え」

「あいつが店内に入って来たとき、あいつ自身から喰種、動物……人間の多種多様な血の臭いがした。相当殺してるよ、あいつ。一応隙をついて血液取ってきたから月山とか前の医者とかにでも頼ってRc値を調べた方がいいかもしれない。何もでなければ私の杞憂で済むし」

「……そっか」

「ごめん、元はあなたの仲間なのに」

「ううん、いいんだ」

「……あと、あいつは一際あなたに執着してるみたいだったから、気をつけて」

「?何か言った」

「……何でもない」

 

あいつ、研を見た時に感じた狂気―――

あいつは研に近寄らせない方がいい。私たち以上にまともじゃないぞ、あいつ。

 

全く、リゼといい私といいあいつといい女運ないな、こいつは。

 

「?どうしたの」

「あのさ、昨日私に「血液飲めるか」って言ったでしょ」

「う、うん。言ったけど」

「逆に聞くけど、ケンは私の血液飲める?まあコクリアの時は急いでたから勢いで渡しちゃったけど、残ったのに手え付けてないまま終わったみたいだし……で、飲める?」

「飲めるけど……なんで?」

「コクリアの時渡した薄めた私の血液あったでしょ。あれを飲んだ半人間の有馬貴将と半喰種のエトは死ななかったし驚異的な回復を見せてる。だからそれをあなたに飲ませれば腕とか脇腹の傷の治りが早くなるかなって思ったの」

「でもあの残りって僕有馬さんの点滴分にしちゃったんだけど……」

「だから今回は、薄めてない原液の血液を飲んでもらうことになる」

「薄めてない原液……」

「ただ、これははっきり言って賭けに近い。あの捜査官の様子から私の赫包が人格や体に影響を与えてるかもしれないし、それより薄いかもしれないけど血液も何かしらの副作用があるかもしれない。本当は進めるかどうか、迷ったんだけど……私は、ケンに生きていてほしいから。ごめんね、こんな方法しか思い浮かばなくて」

「ううん。ありがとう……飲むよ」

「本当にいいの?」

「うん―――君の血を僕に頂戴」

 

こうして私の血液をケンに飲ませることになったけど……

 

「っぁ―――ケ、ン」

「っ―――っ」

 

首筋に噛み付いて、そのまま離さなくなった。どうなるかわからないから一口だけって約束したのに、なんかそれ以上に飲まれてる気がするんだけど……というか夢中になってないか、こいつ。

なんでだ?私も共食いしたことあるけど喰種の肉とか赫包ってすこぶる不味いはずだ。下手すると小さい時お父さんから近所付き合いで食わされた人間の食べ物以上に最悪の味のはずだよな?体が受け付けるだけで。

大丈夫なのか?未だに吸い続けてるけど……というか私も貧血で動けなくなるのは嫌なので、そろそろ声をかけないといけないかもしれない。

 

「ケン、そろそろ……」

「ん……」

 

私が声をかけてペシペシとケンの肩を叩くと締めと言わんばかりに傷口の周りを舐めた後強く吸われてやっと離された。

 

「いくらなんでも飲みすぎ!!一口って言ったのに。もし何かあったらどうするの!?」

「ご、ごめん、美味しくてつい……」

「はあ!?喰種の血が美味いわけないでしょ!?舌からおかしくなったの?!」

「ほ、本当なんだって!!」

 

顎触ってないし違和感もないから嘘は言ってないんだろうけど……私の血が美味いなんてそんなことあるわけないだろうに。

 

「それは置いておくとして身体は大丈夫?見たところ腕は治ってるみたいだけど脇腹は?」

 

私の言葉に答えるようにケンはシャツをめくって確認する。

 

「うん、綺麗に治ってる。身体の方も今のところはなんともないよ、むしろなんだか調子がいいんだ」

「ほんとに?なんかあったらすぐに言ってね」

「うん」

 

本当に大丈夫なんだろうか?そんな一抹の不安を抱えつつ私たちはその場を後にした。




ちょっとネタばらし。
アヤセちゃんの血はカネキくんに一切悪影響は与えてません。悪影響は、ですが。
次もほとんどオリジナルにしようと思ってます。
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