最後辺りはギャグ。
旧多の奴の作戦のせいで地上に居続けることが難しくなって私たちは地下に来た。環境的には確かに地上より劣ってるかもしれないし、全てを把握できているわけではないが住めば都とはよく言ったもので、すっかり馴染んでしまった。とりあえず、走り回る生活からは一旦解放されたのでコクリアの時と同じように日記を付けていこうと思う。
○月○日
地下に移ってから、ケンは今まで以上に忙しくなり、会議に出たり、地上の捜査官たちを無効化したりしていて会う余裕がない。
とりあえずここの体制がある程度整うまではこのままかもしれない。
アイツ、この頃動き回ってる姿しか見てないけどちゃんと休んでるんだろうか?
○月□日
私の血を飲ませてからとても調子がいいらしいアイツは、地下に来る前となんら変わりないように見えるが本当のところどうなのだろう。よく一緒にいる月山に注意して見てもらうように言っておこう。
話したら二つ返事で了承された。「まさしく愛だね!」とか言われたので「うん、そうかもな……ってこの事アイツには言うなよ!?」って答えたらその話を聞いてたらしいニシキが飲んでたコーヒーを噴き出した。きったねえな。
×月○日
先月くらいからだろうか、なんだか熱っぽい。あと月のものが来てない。環境が変わったことへのストレスだろうか。ヒナミと姉さんに今日の読み聞かせを代わってもらって休むことにした。
×月△日
熱っぽいのはまだ治らない。おかしいなけっこう多めに睡眠とってる気がするんだけど……と思っていたら腹に感じる違和感。……もしかして……なのか?
×月□日
確信した。私は妊娠している。父親は言わずもがなケンだ。だってアイツ以外とそういうことしたことないし、まずアイツ以外受け入れたくないし。そもそもアイツとそうなるまでそっち系は全く知らなかったし……
カレンダーと向き合って日数を照らし合わせて確認したらほぼちょうど当たってた。どうしよう。アイツはずっと働き詰めで言えるような状態じゃない。ヒナミや蓮示さんも情報収集や解析で忙しそうだし……
というかまず、アイツは元が人間なのだからやっぱり喰種の私の胎内で子どもが吸収される危険がある。だから私は肉を食べながら人間の食べ物も食べなきゃいけないわけだけど……でも一番の問題はその人間の食べ物をどうやって調達するか。
ニシキと姉さんに相談……でも姉さんも今上の方に食料調達と偵察に行ったから話せない。とりあえずニシキの奴を当たってみよう。
ニシキに当たってみたら驚かれたけど察したみたいでこれまた二つ返事でOKだった。
△月□日
ナキと一緒に地上に出たら追われている子どもがいた。両目は赫眼だけど、匂いは違う。半喰種の匂い―――オッガイだ。あの子ども。
そのうえ「作戦通り」とかって会話も聞こえたし、捜査官たちも本気で追っているように見えない。罠だ。
ナキが先行してしまったので捜査官を倒すだけにとどめ子どもを放置しそのまま去った。その事を報告して地上に出る時は必ず鼻の効く奴とバディを組むことになった。
△月○日
そういえば思い出した。姉さんが持ってるお父さんとお母さんの形見の指輪、あれの真似して私もアイツにあげようと思って買ったのがあったんだった。
シンプルな飾り気のない指輪。内側に柄にもなく名前を彫って、アイツが帰ってきた時に渡そうと佐々木琲世の情報にすがっていた時のものだ。いつ渡そう、これ。
△月×日
ニシキに今日も「食べ物」をもらうのとケンの状態を聞かせてもらいに行った。「食べ物」は普通にくれた。でも恒例の報告になるとかなり言い辛そうにしてた。ケンに何かあったのだろうか……?
しかし私が思っているようなことではなかった。
今日も上で捜査官たちを無効化していた時、運悪くクインケの一撃を喰らった……かに見えた。
ペキンという軽い音、破れるケンの服、折れたクインケ……その場にいた全員が「え……」って感じになったらしい。恐怖と怒りで興奮した捜査官たちが一斉に飛び掛かり、何度もクインケで攻撃するがダメージを受けているのはケンの服と自分たちのクインケだけで結局ケンが全裸になるのが早いかクインケが砕けるのが早いかみたいなことになってしまったらしい。ちなみに僅差でクインケの方が折れた。もう修理不可能なくらい粉々に砕けたので持って帰ってくることはできなかったんだとか。
ちなみにさすがにほぼ全裸の姿で帰るわけにはいかないと殺さない代わりに追い剥いだらしい。だから長めの白コート着てたのか……。というかそれって泥……いや正当防衛?
最後辺りは次の話への布石です。ここからいろいろおかしくなっていくかも。
少なくとも悲劇にはならない。
その代わりカネキくんはキャラ崩壊するかもしれないです。