「スケアクロウ……なぜここに」
『カネキのお礼と協力を願いに』
「とりあえず、いちいち書くの面倒臭そうだから飲め」
「え、でも
「いいから飲め」
『いただきます』
髭丸が止めようとする中でスケアクロウは一言書くと顔の下の方の布を少しずらして一気に飲んだ。さてと話は数分後だな。舌がないのか顎がないのかわからないけど運が良ければもう出来上がってきているはずだし、Qsのキッチン借りて人数分のコーヒーを淹れることにした。
*****
「うーん、アヤセちゃんの淹れるコーヒー上手いな!」
顔を覆っていた案山子ルックを脱ぎ、素顔を露にしたスケアクロウ―――金髪の青年がコーヒーを飲んで笑った。怪我の方は全快したらしく普通に発音できている。
「それで、用って何?」
「ああ、そうだよな!!えっとじゃあまず一番ヤバいことから。今CCGに一番狙われてるのはカネキじゃない。アヤセちゃんだ」
「確かに私はレート的に放置しておくようなものじゃないし、変な体質してるけど……このご時世、喰種の希望たる隻眼の王の方が重要案件だと思うけど……」
「いや、カネキに攻撃が一切効かなくなって以降新しく導入されたオッガイたちにさえも手が負えなくなった今はさすがにCCG・・・現局長も打つ手無しっぽい。元々はカネキを本命になんか儀式しようとしてたらしいけど計画が狂ってアヤセちゃんにそのお鉢が回ってきたんだ。それにもし儀式ができなくても、アヤセちゃんの特異体質と赫包があれば更に喰種を駆逐して、あわよくばカネキも……ってことができるわけだしな。」
「……なるほどね」
「それに、王妃を奪われて一番ダメージ受けるのも王だろ?」
「な!?」
「俺の情報網舐めてもらっちゃ困るぜ」
その場にいる私と永近以外は理解が追いつかないのか首をかしげている。
「ラビちゃんが王妃?え、でも王様ってママン……」
バッと効果音が付きそうなくらいの勢いでこっちを向いた。やめてくれ……
「け、ケッコンしたんか!?ラビちゃんと、あのママンが!?」
「……うん。さすがにこの状況だから戸籍を動かすことはできないけど、喰種としてのは、した」
全員が驚く中、永近は神妙な顔付きで話す。
「だから本当は、この作戦に協力してもらうかどうか迷ったんだけど、そうも言ってられなくなった」
「作戦?……どういうこと?」
「実は、CCGの一部で局長に不信感を抱いてた奴らが今日局長に査問に行く。」
「まさか……」
「そんなかに、ウリも」
「ああ、いる。つーかたぶん筆頭の一人、もう一人は黒磐特等。今回の依子ちゃん処刑のことでやっぱりキテたんだろうな」
黒磐特等―――確か、依子の夫・黒磐武臣の父親。義理の娘が殆ど冤罪みたいな形で捕らわれになったことで動いたのか。
「こうしちゃおれん!サイコも局長のとこ行って来る!!」
「待ってサイコ……それで、その作戦ってやつは?」
「乗ってくれんの?」
「乗るも何も、友達助けるのに理由なんている?ましてやその敵がケンを狙ってたわけだし、行かないわけにはいかないだろ」
「そっか、ならよろしくな」
「私に協力求めてきたんだし、なら代わりに私にも協力してもらっていい?」
「いいぜ、カネキのため、だろ?」
「……でも半分以上は自分のため。私はアイツに消えてほしくない、アイツと一緒に生きていたい。そんなわがまま。だから、私にできることはやっておきたいんだ」
私もアイツに惚れ込んだもんだよな。アイツと出会わなきゃ、きっと私は人間との共存なんて本気で考えたりなんかしなかっただろう。
「あ、そういえば一番言いたかったこと、まだ言ってなかったわ」
「?」
すると永近は二ッと人懐こい笑みを浮かべた。
「あいつのこと、カネキの奴を好きになってくれて――――――愛してくれて、ありがとう」
アヤセちゃんをキーパーソンっぽい立ち位置にしたせいでCCG、というか旧多に狙われる羽目に・・・どうするカネキくん!!
次は視点を変えてむっちゃん視点にするかそのままCCGに丸手さん乱入の前に乱入させる話にするか迷ってます。