※この作品はR-18です。

女神転生Genesis   作:てんぞー

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神州混沌行脚 Ⅱ

 軽く全滅した。

 

 途中からどこかの馬鹿が酒を投入したことが原因で地獄の様な光景が広がった。度数が数百を超越する神話製の酒。人類が飲む事を想定していないどころか毒を超えて一瞬で昇天する様な代物をどこかの馬鹿が投入したのが原因だ。人間であれば口に付けた瞬間その味の美味しさと真理に到達しそうな度数の強さに肉体そのものが蒸発するのだが、

 

 幸い、超人レベルの人間ばかりしかいない。

 

 一部悪魔が死亡し、自分もアンもその場でぶっ倒れるという結果になった。しかも翌日になってそれを持ち込んだ馬鹿はその事実を完全に隠蔽していた。ざけんな、店諸共吹っ飛ばしてやるぞ、という気概で半ギレ状態だった時、

 

 犯人が見つかった。

 

 神酒を持ち込んだ馬鹿は支配人がキッチンスタッフとして調達したディオニュソスだった。帝都に行っている間に料理酒を確保する為に雇った新しいキッチンスタッフだったらしいが、宴なら酒を持ち込まないといけないという純粋な善意から持っている酒の中で一番いい物―――つまり生物にとってもそうでもない存在にとっても劇薬にしかならないもんを投入してくれたらしい。

 

 死んでも即座に蘇る神話の時代は終わってるんだよクソが! と、全員からリンチを受けて全裸で外に干されるディオニュソスを放置し、

 

 翌日、

 

 戦力増強の為の時間が来た。

 

 今までの悪魔合体を担当していたのは悪魔王にして支配人のルシファーだった。だが合体技術そのものに関してはベルベットルームの主、イゴールの方が遥か上にあるらしい。その代わり、純粋な悪魔に関する知識や組み合わせなどに関してはルシファーがトップに立っている。そしてそれらをサポートする合体用の施設や道具、これは数多くの邪教の館の技術や機器を見て、そして溢れ出す才能を保有するスティーヴンが用意した。

 

 つまりスティーヴンによる最高の機器、支配人の知識による最高効率と最適解の合体チャート、それに付け加えて絶対に失敗しないイゴールによる合体。最高の体制で悪魔合体に挑戦する事が出来る様になっていた。今、地上で受けられる合体施設の中でも最高のサポート体制だとこれは言える。

 

 なにせ話によれば、邪教の館と呼ばれる施設は必ずしもなんでもかんでも合体できるという訳ではないらしい。当然ながら悪魔の研究はかなり危険であり、邪教と呼ばれる領域に入るものだ。そして異なる悪魔の概念を完全に理解し、それを合体させるというのは理解を超えたシステムでもある。それを完全にコントロールし、魔王などの種族を合体で生み出せる施設は、本当に稀有らしい。

 

 それこそ、スティーヴンの知り合いとなるとヴィクトルと呼ばれる男ぐらいになるらしい。

 

 その為、こうやって成功率100%で確実に狙った種族を強制事故でも介入で起こされない限りは発生せず、神話の英雄の化身や傾国の怪物を安定して変異させられる施設というのは、恐らく地上には存在しない。だからこの体制は非常にすさまじい状況だと表現できる。

 

 それだけ、期待とする必要があるという事でもあるのだが。まぁ、そこら辺はもうちょっと軽く考える事にした。余り深刻に考えていても仕方がない。今朝は昨晩作ったゴッド鳩雑炊があるので、それをカウンターにぶっ倒れて眠っているダンテの横で朝ご飯に食べながら、悪魔合体に関する作戦会議を開いていた。

 

「俺の現在のレベルは74。つまりレベル74までの悪魔は使役できる」

 

「うん、だけど今なら僕だったらサマナーと絆で結ばれているし、10レベルぐらいは常時誤差として使役できる範囲だと思うよ。サマナーも覚えておくといい、真に絆で結ばれた仲魔とであれば契約は多少、範囲を拡大する事も可能だって」

 

「とはいえ、それはそれで維持コストと戦闘力の乖離で問題が出てくるわ。ここは素直にフラットにサマナーのレベル未満で揃えるのが安全でしょうね」

 

「ふむ……となると妾もついに八尾までは一気に行けるかのぅ?」

 

「クラリオン戦には私も参加できなかったから多少レベルで遅れているわね……出来たらどこかでレベリングして、サマナーにレベルを追いつかせたい所ね。バアルのレベルは81、もうそろそろ私が豊穣神としての側面を取り戻す所まで来ているのよね……閣下、70まで私をイケニエ合体で強化できない?」

 

「難しい話だな。イケニエ合体はどうしても概念情報の汚染が激しい。真面目にバアルとして返り咲くつもりならイケニエ合体を利用しない方が良いだろう。ナラシンハとチェフェイの事に関しては問題はない」

 

「こっちもこっちで最上位系のスキルカードはしっかりと描いたぜ。このレベルの悪魔とやりあう前提は必要だろう? 《メギドラオン》は」

 

 悪魔絵師が《メギドラオン》のカードを用意し、支配人が合体する素材に《タル・カジャ》《スク・カジャ》《ラク・カジャ》《マカ・カジャ》持ちの悪魔を用意し、魔法を合体を通して融合させる事で、合体後に《突撃の狼煙》を覚えられる様にしようとしている。これをナラシンハが習得すれば、鳩の《ラスタキャンディ》と合わせ素早く支援魔法との組み合わせで限界強化状態まで肉体を上昇させる事が出来るだろう。

 

「レベル70……となると僕が次に成れる化身は第七の化身ラーマになるね。まさかヴァーマナとパラシュラーマを飛ばして一気にそこまで駆け上がるなんてね……あぁ、でも出来たら《ブラフマーストラ》を習得する踏み台用に幾つか射撃系のスキルが欲しいかな」

 

「妾も幾つか魔法やスキルを変異させたいから欲しい魔法があるんじゃが」

 

「ふむ……少し待て、今合体ルートを再計算する。いや、待て。ここに習得する魔法やスキルを書いてくれ。私と絵師で分担して揃えよう」

 

「うーん、《メギドラオン》《マハフレイダイン》《マハグライダイン》が揃っているけどまだ融合変異させられそうにないか……なら《アギダイン》が欲しいかもしれないね、僕は」

 

 酒のクリティカルヒットを喰らった腹に優しいゴッドパワーの籠った雑炊を食べながら、悪魔たちが真面目に会議しながら戦力をどうやって調整するのか、という話にちょくちょく口を挟みながら耳を傾けている。正直、話のほとんどは自分には理解不能な領域だ。

 

 どうやら高位悪魔ともなると専用のスキルや魔法を習得するらしい。だがそれは普通に習得できる訳じゃなくて、類似の魔法やスキルを合体する時に覚えていた場合、それを融合させたり消費する事で自分が本来習得するスキルや能力へと変換させているらしい。特に化身と逸話の多いナラシンハ―――というより本来のカルキはそこら辺が非常に多く、それらのスキルを取り戻す事を考えながら合体するとなるとかなり手間が必要となるらしい。

 

「あぁ、でも私もうそろそろ《魔王の眼光》覚えられそうね」

 

「モトげきじょー……うっ」

 

 アンがトラウマを刺激されたのかベルの一言でコミカルに倒れ込んだ。事故死の多いバーだなぁ、と繰り返されるトラウマの記憶を放置しながら、なるべく理解出来る様に頑張り、耳を傾けながら覚えて行く。俺は連中のサマナーなのだから。運用する為にもちゃんと話を聞いて、そしてそれを理解しなきゃならないのだ。とはいえ、今回はレベルが大きく上がるという事もあって合体必須組のナラシンハとチェフェイはかなり入念に合体チャートを組んでいる。

 

 その為にも悪魔絵師が先ほどからキャンバスを何個も消費してスキルカードを製造している。

 

 ほんと、恵まれているなぁ、というのが解る。

 

「主殿よ」

 

「ん? コウリュウか」

 

 振り向けば髪の毛にスダマが絡まっているコウリュウが横に座って来た。スダマを髪から外すと感謝されたので、解放されたスダマをハンドスピナー代わりに手の上で回転させて遊ぶ。こいつ、遊んでさえいれば満足するから安い奴だなぁ、とスダマ先輩を評価する。今はまだお休みという事で。それはそれとして、

 

「どうしたんだ?」

 

「いや、我も主殿の事情を聴いてしまってな。ここが帝都の未来であり、そして崩壊した世界を救うという大業を成し遂げようとする途中だったとはな」

 

 腕を組みながらコウリュウはどこか、満足気というか納得というか……認める? そんな感じの気配を見せていた。出会いは短く、共にクラリオン戦で出会ったばかりの仲魔だったが―――あの激戦を一緒に経験しただけあって、戦友意識はお互いにあると思っている。

 

「というか主殿、か」

 

「疲弊したが故に力が落ちてサマナー以下となってはな。それにやはり、大業を前に挑む者を主として持つのだ。ならば多少は敬意を向けるべきであろうと思ってな」

 

「いやいや、そこまで堅苦しくしなくていいんだよ? うちは基本的に全体的に緩いし―――ほら」

 

 トラウマ直撃のアンはベルに介抱されているし、鳩は今日も鍋の中で出汁をストックされているし。アレがどう足掻いても真面目な悪魔、仲魔だとは表現し辛い。まぁ、今日に限ってはナラシンハとチェフェイは自分の合体プランを詰める為に割と真面目な様子を見せているのが珍しいが。

 

「まぁ、俺としては仲良く、そして力を貸してくれるだけでありがたすぎるんだけどな」

 

「それは些か、謙虚すぎるだろう」

 

 コウリュウは良いか、と言葉を置く。

 

「主殿はあの帝都を守護するライドウと肩を並べた勇士だ。そして多くの命を守った。それだけではなく、今もこうやって大業に挑んでいる。主殿がやろうとしている事は誰もが出来る様な事ではない。それは決して否定する事の出来ない事実だ。そして卑下する様な行いでもない」

 

 コウリュウは頷き、言葉を続ける。

 

「貴(・)殿(・)は(・)凄(・)い(・)のだ。ライドウの様に自身の行いを誇りに思え、とは言わん。だが我らの主として、胸を張れる姿をしているという事を理解して欲しい。我も、自分より力があるのであれば誰にでも従うという訳ではない事を覚えておいてほしい」

 

「……ありがとう、コウリュウ。もうちょい、自分に自信を持ってみるよ」

 

「それが良いだろう」

 

 満足そうに黄龍が頷くと、全裸で吊るされたディオニュソスとは別に、臨時でキッチンに入っている新しい悪魔? 神っぽい悪魔がキッチンの方からゴッド雑炊を黄龍の分も持ってきた。どうやら帝都時代は今よりもレベルが高かったこともある他、日常的に召喚できる環境でもなかったのでずっと封魔管の中で生活していただけあって、召喚されて自由に動き回れる状態を満喫しているらしい。楽しそうに雑炊に手を付ける姿を見て、話しかけるのをやめた。

 

 その代わりに再び、合体チームへと耳を傾けつつ、会話に参加する。

 

「自前で《貫通》は引っ張って来れるから、習得する魔法やスキルは大体こんなもので僕は良いよ。ここまで来れば神器の方も漸く引き抜けるからね」

 

「妾もこれで問題ない。妾もこれで八尾、九尾が目前じゃな。本来の力のほとんどを漸く発揮できるというもんじゃな。ふっふっふ、この時をずっと待って居ったぞ! 妾! 人権復活! 復活! 復活じゃ!」

 

「何秒持つか賭ける?」

 

「賭けにならないだろ」

 

「酷い……」

 

 目を放したら直ぐにコントし始める。チェフェイの耳を掴んで、その先端を親指の腹でフニフニする様に掴んでいると、蕩ける様な表情を浮かべてチェフェイがへなへなと全身から力を抜き、たれちぇふぇいへと退化した。

 

「で、合体とかどうにかなりそう? 正直合体チャートとかちょっと理解を超えてるんだよね……」

 

 その言葉に支配人はまぁ、仕方あるまいと返答した。

 

「悪魔合体の業は数千数万数億を超える試行回数の果てに漸く理解を得られる邪教の術だ。そもそもここ以外では明確な継承法則とかさえも理解していないだろうしな……。私も、単純にこのアマラ宇宙で悪魔合体を無数に眺め続けてきた経験から良く理解しているのだからな」

 

「それが無きゃまともに合体チャートは組めない、と」

 

「サマナー、悪魔そのものが仲魔にするのがハードルが高くて、機器もかなり未知の技術を必要とする。それでいて概念という要素が絡むゆえに物凄く不安定―――データ、集まると思う?」

 

 確かに、それは辛いわ、と思う。とはいえ、それをどうにかしてしまえるのがここにいる連中だと思うと、地球最強の集団だとも表現できてしまうのかもしれない。こっそりと眠っているダンテを見れば、

 

悪魔狩人 ダンテ Level105

 

 何時の間にかレベル上がっているし。先日、どうやってレベルを上げたかを聞けばストロベリーサンデー食ってたら上がったとか殴りたくなる理由でレベル上げてるし。ここ、襲撃しようとしたら常時居ついている100レベル超えているダンテを突破しなくてはならないのだから、どう足掻いても難攻不落だよなぁ……と納得してしまう。

 

「まぁ、合体に関しては後二日は時間が必要だな。チャートの変更に伴う素材の調達と……」

 

「カード作るのにちっとは時間が欲しいからな」

 

 と、支配人と悪魔絵師が告げて来た。まぁ、世界を渡る前とは軽く40近くレベルが違うのだから、事前の準備がある程度崩れてしまったのだろう。それでも二日もあればそれを取り戻せてしまうというここの対応力には脱帽するしかないのだが。とはいえ、

 

「そうなると合体は延期か。……となるとレベリング?」

 

「そこがネックよね」

 

 アンを背中に背負ったベルがびしり、と指先を向けて来る。格好は良いんだが―――いや、やっぱ駄目だ。ツッコミどころしかない。一体どういうリアクションを見せればいいのかわからない。困った、ウチの仲魔が芸達者すぎて本当に困った。

 

「たぶん国内に70代で回れる異界なんて存在しないわよ」

 

「やっぱりかー」

 

 現在のベルのレベルがクラリオン戦で気絶していたアンの護衛に回っていたので、完全な恩恵を受ける事が出来ずにレベル61になる。これでもかなり高い数値だが、それでもサマナーである自分と比べれば13レベルもの差がある。これは同レベル帯の相手と戦う時、戦力外になる可能性のあるレベル差だ。そして気絶していたアンは更にレベルが下がり、58程度しかレベルがない。チェフェイは戦闘非参加だったが合体でどうにでもなる。ナラシンハも合体でラーマへと化身を進めるから問題ない。鳩はそもそもレベル1から変化する予定がない。

 

 スダマ先輩はテンションでレベルを上げるので無視する。

 

 黄龍は現状、一番レベルの高い仲魔だから心配する必要がない。地味に魔法とスキルの構成も完成されていて、非常に強力な仲魔だ。

 

 だからベルとアンのレベルを上げる必要がある。星命式四神虐殺マラソンで多少のレベルが上がったものの、完全に不十分だ。どこかでレベルが70代の悪魔が大量に存在する異界に突入して、虐殺するのが一番楽なのだろうが、

 

 そんな、異界、存在する訳がない。

 

 というか存在してて放置されてたら国が沈む。物理的に。

 

「レベルが上がれば上がる程、鍛錬する場所は限られてくるのよね。そして70代ともなれば準主神が出っ張ってくるようなレベルよ。80になれば地上で許される範囲で神話の主神が出没するクラスだわ。オーディンとか、あの辺のが出てくるレベルね」

 

「そんなのが大量出現する異界なんてやっぱないかぁー」

 

 溜息を吐きながら流石にそう都合よくはいかないか、と呟きながらダンテを見て、超例外存在の事に関しては忘れる。

 

「帝都に居た時のライドウはレベルが凄い高かったけど……アレは?」

 

「主殿、ライドウのあの強さは年月を重ねた上で才能と気合と根性によって自ら鍛錬し続けた結果だ」

 

「やっぱアイツ人間じゃねーわ」

 

 体鍛え続けただけでレベルがあれだけ高くなるとかちょっと、いろんな意味で壊れていないだろうかアイツ? 奴の事も例外リストの中にダンテと並んで叩き込んでやる事にする。だがそうなると非常に困る。ベルとアンのレベルを上げておくことは重要な事なのだ。

 

「無論、次の《扉》の向こう側で強い悪魔を求めるってのも全然アリだわ。どうせ、物語のある世界なんだから最終的にラスボス出て来るんだろうし。それ殴ればいいじゃない」

 

「圧倒的メタ読み」

 

 だけどそれも確かに一つの選択肢ではあると思えた。今は合体可能な仲魔のレベルを合体で上げておき、アンとベルのレベル上げを一時的に放棄する。その上で扉の向こう側の世界、そのシナリオが進行している時に高位悪魔を殴り飛ばせばいいのだ。それが一番わかりやすい方法かもしれない。

 

 だけどそれではこの世界に居る間はレベル不足になるかもしれない。ダンテを見れば解る様に、超越者の類は存在しているのだ、この世界は。その事を考えると早い段階でレベルをなるべく上げておきたいというのも事実だ。

 

 それを考えて考慮した場合、やはりレベリングしたいというのが事実だ。

 

 最低でもベルとアンのレベルを70にまでは上げておきたい。

 

 問題はそうやって相手する事の出来る悪魔が居ない事だろう。

 

 まだまだ現代の悪魔業界に関する知識や知恵は足りていない。こうなると自分がまだまだ、この世界ではルーキーである事を思い出させられる。レベル70……流石に、自分では思いつかない話だ。どこか、都合の良い異界はない物かと考えるが、

 

「なんだ、そんな事を気にしているのか」

 

 そんな事を言いながらキッチンの奥から褐色の老人が出て来た。昨日も見ていたが、まだ名前を知らない悪魔だ。ナラシンハの知り合いらしいので、ナラシンハへと視線を向ければ、

 

「あぁ、彼はちょっと苦痛を我慢している生物が好きな創造神ブラフマーだよ」

 

「言い方ァ! ワシの紹介の仕方ァ! ちょっと苦行に耐え抜くその魂が好きなだけだからァ!」

 

「後見ての通り良いリアクションをしてくれる。時代が進めば進むほど影が薄くなっていく反動でキャラを濃くしたらしいよ。現状滑ってるけど」

 

「ワシの切ない事情暴露するの止めて。ほんと辛いから」

 

 インド勢はキャラが濃い―――というかキャラの濃くない奴がここにはいねぇな、と再認識しつつ、ブラフマーに話を聞く。簡単そうにそう言うのであれば、解決策があるのだろうよ、と。

 

 その言葉にブラフマーが頷いた。

 

「簡単な話じゃよ。日本の国土復活に従い、国産みの逸話が疑似的にじゃが再現されている。それに従い今までは雲隠れしていた数々の神々も戻ってきておる。その内、レベルの高い連中殺せばええじゃろ。スサノオとか、ツクヨミ、アマテラスとか狙い目じゃろうな」

 

「あの、それ国家守護の主神級なんですけど」

 

 なんか問題ある? という視線を向けるブラフマーをナラシンハが厨房に隔離した。流石インド、発想が頭おかしい。だけどアイデア自体は悪くはなかったと思う。

 

「悪神や邪神、悪さをしようとしている連中なら殴り殺しても問題なさそうだな」

 

「そうね……となるとアマツミカボシやマガツヒノカミ辺りかしら……」

 

「ヤマタノオロチ辺りも狙えそうではあるな」

 

 こう見ると日本が悪魔の無法地帯化しているからこそ、見つけられる相手がいる……という感じだろうか?

 

 これはちょっとした光明が見えてきたかもしれない。

 

「ナラシンハとチェフェイの合体を終わらせたら悪魔協会で仕事を探しつつ、情報収集……という感じになるかな、これは?」

 

 その言葉に支配人が頷いた。

 

「それが一番だろう。ただし、常にガイアとメシアの動向に注意しておく必要があるだろうが。連中の事だ、放っておくという選択肢はまずないだろう。ヤタガラスからもスカウトが来るだろうし、その事も考えておくと良い」

 

 支配人の言葉にうーん、と唸る。予想外に大変な帰還になってしまった。なんだかんだでこの日本全域から次の扉を見つけなくてはならないし。とはいえ、扉の事自体はそこまで心配していない。

 

 なんというか―――時が来たら見つかる。

 

 吸い寄せられる様な、導かれる様な、世(・)界(・)が(・)そ(・)う(・)求(・)め(・)て(・)い(・)る(・)様(・)な(・)感じがするのだ。だからそこまで必死に探さなくても見つかる様な感じがする。とはいえ、アンテナは常に張っておいた方が良いだろうが。

 

「まぁ、こんなもんか」

 

 コントや茶番を忘れないけど結構真面目に話していたなぁ、と思いつつ、なんだかんだで茶番やコントに乗っかる事を覚えてしまっていた。今が楽しいだなぁ、と思いながら小さく息を吐いた。

 

 世界はボロボロで大変なのに。

 

 なんでこーも、今が楽しいのだろうか……。




 次回、新しい仲間のお披露目と漸く再生した世界へ。まぁ、シンジュク回るのが最初だけど。概念に合わせて最適化させる為、大技や奥義の類は変異させる元となるスキルとかを要求する考え。合体チャートが更に魔境と化すのだ……!

 それはそれとして、

 レベリングの為に神話滅殺チャレンジ確定。蘇ってるのは日本神話だけじゃないぞ! 海を渡って日本に流入してきた宗教はたくさんあるからな!
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