※この作品はR-18です。

アイギスの少女たち   作:東寺明

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 王子軍のトップヒーラー、イリスはまだ十代前半の少女だった。麻痺毒をもつ魔物との激戦の後、毒に冒された王子の治療にあたるイリスは、不用意な言葉に傷つく。イリスは治療を続けるが、それは悪意に満ちた行為でもあった。
 その後、政務官アンナにやんわり釘を刺されたイリスは、王城に居づらくなり、よく通っていた田舎に遊びに行く。護衛についた忍者サイゾウに絡むイリスだったが、その心情が明らかになっていく。


 


イリスの悪だくみ

           イリスの悪だくみ

 

                            東寺明

 

                 1

 野営用の天幕には、簡素な寝台と小さなストーブが置かれていた。

寝台に横たわる王子は、痛みにさいなまれながら耐えている。王子の胸をはだけ、鈎づめに裂かれたような傷口に指を這わせているのは、幼い容貌の少女だ。

「傷は浅いです。だけど、毒が体内にまわっています」

 たどたどしい口調ではあっても、その言葉は自信に満ちている。なぜならば、少女は王子軍の最重要職、ヒーラーのエースだからだ。

「傷口はすぐにふさがります。けど、毒を抜くのには時間がかかります」

「イリス」

 歯を食いしばって痛みに耐えている王子が、口を開いた。

「明日でいい。お前も疲れているだろう」

「いいえ。わたしは平気です。さっき、いっぱい食べましたから」

「……」

「それに、こうして、王子さまのお役に立てるのが嬉しいんです。ここにいさせてください」

「……わかった」

 王子は体の力を抜き、目を閉じてイリスの治療に身を任せる。

 イリスはゆっくりと息をして、意識を集中させる。桔梗色の瞳が暗く光り、顔から表情が消えていく。合わせた掌から淡い光が生まれ、白い光の球が大きくなっていく。

 イリスは両手を開き、白い光を王子の胸に当てていった。胸に刻まれた赤黒い傷口が薄まり、やがて消えていく。

「今日の戦いは、本当に苦しかったです。前線の皆さんが倒れていくのを見ているしかありませんでした。王子が倒れたときは、わたし、胸がズキンと痛くなってしまって」

 王子が、いつのまにか目を開いている。イリスは口元に微笑みを浮かべ、かがみこんで王子の顔に頬を寄せる。

「どうしました。まだ、痛いですか?」

「麻痺毒をもつ敵に、皆やられた。麻痺を解除するオラクルを育成しておくべきだった」

 王子の言葉に、イリスの頬がこわばった。イリスは強力なヒーラーだが、麻痺毒を解除する能力はない。

「これからは、あのような敵が増えてくるだろう」

「はい。……」

 イリスは目を閉じた。薄紅色の頬が小さく震える。たった一度の失敗なのに、王子はイリスの能力を否定するような言葉を口にしたのだ。

 普段の王子なら、そう思っていたとしても、口にはしなかっただろう。麻痺毒は、王子の思考に緩みを生じさせたのだ。

 だが、幼いイリスには人の心の機微を察することはできない。イリスの口元に苦い笑みが浮かび、目を開く。

「王子さま。麻痺の毒が体の奥深くまでまわり、王子さまの体を蝕んでいます。早く取り除かないと、恐ろしいことになってしまいます」

「……。そなたの治癒では間に合わないのか」

 王子は落ち着いた声で尋ねる。

「普通の治癒では手遅れになるかもしれません。もっと強い施術をしたいのです」

「かまわない。そなたの思うようにしろ」

 王子はイリスを信頼して答える。イリスの頬が一瞬震えたが、すぐに平静な顔になる。

「わかりました。それでは王子さま。裸になっていただきます。寒くないようにストーブを強くしますね」

 イリスはストーブに炭を足し、王子の服を脱がし始める。王子は目を閉じて、されるがままになっている。筋肉質の肉体には、無数の古傷が刻まれている。ヒールによって、傷を消すこともできるが、王子はそれを望まないのだ。イリスはその体をうっとり見つめ、着ているワンピースを脱ぎ捨てる。ためらいもなく下着を脱ぐと、イリスが身に着けているのは、看護者の証である帽子だけになった。

 細く頼りない肢体に、膨らみかけた双丘。デルタゾーンには一片の陰りもなく、蠱惑的な割れ目が刻まれている。そして、その細い割れ目は、しっとり濡れていた。

 イリスは寝台に這い上がり、王子の胸にまたがる。左手を寝台において体を支え、右掌を王子の額にあてる。

「これから、王子さまの毒を吸いだします。わたしを信じてください」

「任せる」

 王子はそれだけ言うと、体の力を抜いた。

「ありがとうございます」

 イリスは上体をかがめ、王子の口に唇を押し当てる。舌を差し込み、強く吸う。王子の喉から何かを吸い出すように、イリスの喉が鳴る。イリスは両手で王子の頭を抱き寄せ、体をこすりつけ、密着させて性感を高めていく。

 イリスはセックスをするつもりではない。これは体内の毒素を吸い出す行為なのだ。だが、……。

 イリスは口を吸い、鼻の穴に口を当てて吸い、耳の穴を吸う。それと同時にささやかな乳房を王子の胸にこすりつけ、股間の割れ目をお腹に押し付ける。

 イリスの呼吸が荒くなってきた。ストーブがあっても肌寒い天幕なのに、イリスの肌に汗が浮かんでくる。

 イリスの体がずり下がっていく。唇が胸を這い、お腹を滑り、そして、下腹部にたどり着く。

 王子の男根は、すでにそそりたっていた。イリスはためらいなく男根にしゃぶりつく。小さな手で熱い男根を握り、亀頭を口に含み、舌を鈴口にからめる。音を立てて男根を吸い、指を動かしてこすり続けると、王子がうめき声をあげた。それは快感なのか、痛みなのかはわからない。ただ、イリスの意図するものは確実に進んでいく。

 王子の足に押し付けたヴァギナは、じゅくじゅくに濡れそぼり、イリスは快感を求めて自分の指でクリトリスをこね回す。男根を喉の奥まで咥えこみ、頭を激しく上下させて強く刺激する。舌と歯と唇とでこすり上げ、指で睾丸を揉みこむ。

「王子さま。王子さま」

 咥えながら、くぐもった声を上げるイリス。顔を真っ赤にし、白い肌に汗を浮かべ、ヴァギナから愛液を垂らして、イリスは激しく動く。

「王子さま。出してください。わたしの口に出して」

 それが合図となった。王子の快感が極まり、背中をのけぞらせて射精が始まる。腹筋がけいれんして、二度、三度、四度、イリスの口に精液を放出する。

 小さなイリスの口から精液があふれ、流れ出す。飲み込もうとしても、追いつかない。それでも、懸命に精液を飲み込むイリスが咳き込んだ。白濁した液体が、あたりに飛散する。とたんの濃厚な匂いが、天幕に充満していった。

 

 しかし、一度の射精で勃起が収まることはなかった。そして、イリスもこれで終わるつもりはない。王子の体内の毒素は、射精によって外に出されるのだ。だから、イリスは再び王子の体にまたがった。

「王子さま。次はここで吸い出しますね」

 右手で男根をつかみ、その上に位置する膣口にあてがう。左指で小陰唇を開き、ゆっくりと腰を落としていく。イリスは腰を小さくくねらせながら、膣の中に男根を迎え入れていく。経験は豊富でも、十代前半の膣は狭く、きつく、浅い。男根はすぐに行き止まりに突き当たるが、まだ三分の一程は外に出ている。

 亀頭が子宮口にあたって痛い。でもその痛みを無視し、イリスはローリングしながら上下動させる。膣をぎゅっと絞めて男根を咥えこみ、強く刺激する。王子はそれが好きなのだ。

「王子さま。わたしも……」

 王子の手を引き寄せ、自分の胸に押し付ける。もう片手は、クリトリスへと導く。まるで王子の手を使ってオナニーをしているみたいだ。

 もしも見ている者がいたとしたら、華奢な肢体を太い男根で貫き、幼い肉体をもてあそんでいるように見えただろう。しかし、真実は逆だった。

 イリスは王子の上で跳ねる。リズミカルに上下動しつつ、時折膣を絞めてアクセントをつける。汗が飛び散り、喘ぎ声が漏れ、かぶっていた帽子が脱げてしまった。ピンク色の髪がさっと開き、いやらしさが増す。

「もっと。もっとです。もっと、毒を吸い出さないと」

 イリスはさらにスピードを上げ、強く刺激し、自分も感じていく。イリスの小さな体が大きく飛び跳ね、そのたびごとにぬらぬらと濡れた男根が見え隠れした。

 やがて、二度目の射精が始まる。大量の精液が、今度はイリスの未成熟の膣と子宮に流れ込んでいった。

 

 二度の射精で王子の男根は勢いを失った。しかし、イリスはそれを許さない。

「王子さま。これではだめです。もっと麻痺毒を出さないと回復しません。立ち上がってください」

 横たわる王子にまたがったイリスは、自らが持つ強大なヒーラーの力を発動する。

 回復せよ。ありったけの欲望を動員し、性感を高め、毒素を含んだ体液を排出するために、男根よ。大いに立ち上がれ。

 イリスの術式は、王子に劇的な回復をもたらした。全身の力をなくし、死に絶えたように横たわっていた王子は、むくりと起き上る。開かれた眼は欲情に赤く染まり、汗にまみれた筋肉に力がみなぎる。王子はイリスを軽々と持ち上げ、寝台に組み伏せた。

 

 四つん這いになったイリスは、背後から王子に責められている。

 うすいお尻の肉の間の割れ目に、ぬめる男根を突き立てられ、抜き差しされている。王子の目は、その上にある小さな穴に注がれていた。

 ひくひくと蠢く尻穴は、愛液と精液、そして汗に濡れ、光っている。王子は右手の中指を曲げてその穴に押し込んでいくと、するりと第二関節まで入っていった。

 イリスは背中をのけぞらせた。中指が押し込まれると、強い圧迫感に襲われるが、すーっと抜かれるとき、得も言えぬ快感が走るのだ。そしてまた押し込まれ、抜かれる。イリスは耐えきれずに声をあげた。

 王子は男根と指とを同じリズムで抜き差しする。小さなお尻を左手でがっしりとつかみ、ともすれば逃げようとするイリスを許さない。

 突っ張っていた腕から力が抜け、イリスは寝台に倒れ伏した。薄いマットレスに顔をうずめ、抜きさしと同じリズムで声を上げる。イリスは一方的に責められつづけ、快楽の階段を上っていく。

「王子さま。もっと、もっと、して」

 うわごとのようにつぶやくイリスの望みに応え、王子はスピードを上げる。後ろから突かれると、子宮口への刺激が強すぎるが、イリスはその能力で痛みを快感へと変える。その感覚はすべてを飲み込んでしまいそうなほど強力で、イリスはなにも考えられなくなる。ただ、快感をむさぼり続け、喜びの喘ぎ声を上げ続けるのだ。

 三度目の射精もまた、すさまじいものだった。イリスと王子は快楽の大波に飲み込まれ、高みから墜ちていった。

 

 うつぶせに寝そべり、夢うつつの状態を楽しんでいたイリスは、お尻に侵入してくる異物に起こされた。それは指よりも太く、熱く、ぬめっていた。指でならされていたが、本来入れるべきではない場所をこじ開けるように侵入してきたのだ。

「痛い」

 イリスはうめくが、それは情け容赦なく押し込こまれていく。イリスは、体が真っ二つに引き裂かれる感覚に囚われた。

 逃れようとしても、お尻をがっしりとつかまれ、どこまでも突っ込まれていく。しかも、お尻は膣のような終点がない。遂に男根は根元まで押し込まれた。

「王子さま……」

 イリスは首を曲げ、後ろから迫る王子を見上げる。

「許して」

 だが、イリスの哀願はなんの意味もない。王子はイリスの腰を引き寄せ、お尻の位置を持ち上げ、抜き差し始める。

 はじめは気持ちよさのかけらもなかった。指ならば、関節の引っかかりが粘膜を刺激し、快感をもたらしてくれた。男根も抜くときに快感があったが、膣のそれとは比べ物にならない。

 しかし、王子は腕を回して、指でクリトリスを刺激し、乳首をつまみ、頼りないほど小さな肩や首をなめ、甘かみし、くすぐると、次第に情感が高まっていく。そして、お尻の抜き差しも気持ちがよくなっていくと、イリスは吐息を漏らしはじめた。王子は、それを感じ、次第にスピードを上げていく。イリスは声を上げ始め、男根はさらに充血していった。

 次の射精は、お尻の中に放たれ、イリスはこれまでと同じように快楽の叫びをあげた。

 

 それでもまだ終わらなかった。イリスは口で、膣で、お尻で男根を受け入れつづけ、王子は精液を放ち続けた。イリスは白濁にまみれ、精液の匂いが体に染みついてしまう。しかし、それによって、王子の麻痺毒は排出され、痛手は解消されていくのだった。

 

 

                 2

 王子軍と共に王城に帰還したイリスは、深い疲労に二日間寝込んだ。強力なヒーラーであるイリスには、とても珍しいことだったが、それに気づく者はいない。今回の戦闘で王子軍が蒙った損害は大きく、それの回復で、誰もが忙しかったからだ。

 しかし、二日を過ぎれば日常が戻ってくる。イリスにとっては、退屈な日々がまた始まるのだ。

 

 夜更けを選んで、イリスは大浴場に出かけた。王城に、イリスと同じ年頃の友達はいない。年上ばかりに囲まれて暮らすうちに、外面を取り繕うことばかり上手になったが、それで寂しさがなくせるわけもない。だから、一人で入る浴場は、心からくつろげる場所だった。

 昼間は込み合っている浴場も、この時刻にいたのは、クロリス、べリンダの母娘だけだった。べリンダは、イリスと比較的年が近いので、おしゃべりすることがある。ただ、母親がいるときは、いつもその視線を気にしていて、面白くない。べリンダは母親べったりで、甘えているというのがイリスの感想だ。

 母娘はイリスと入れ違いに出ていった。その様子から、もしかしたら二人して王子のベッドに呼ばれているのかもとイリスは思った。

 王子は絶倫だ。イリスの治癒のおかげかもしれないが、王城に帰還したその日、さっそくベッドに女を連れ込んでいる。それも一人だけではないらしい。普段、一晩に二人三人ということも珍しくないのだ。新しく王子軍に入った娘の初物を食べ、それだけでは物足りなくて、いつもの側近を呼ぶことも多いらしい。いつもの、というのは政務官やケイティ女史や、副官、近衛兵たちだ。

 ほかの女の子の体液や匂いのする王子に抱かれるのは、どんな気分だろうとイリスは想像する。もしかしたら、ものすごく興奮するのかもしれない。

 ぬるめの湯につかるイリスは、我知らずに股間に手を伸ばす。王子の巨根を咥える時、ケイティ女史はメガネを外すのだろうか。ユリの花のように可憐な近衛兵アリシアは、どんなよがり声をあげるのだろうか。

 そんなことを想像していたら、イリスのヴァギナが濡れてきた。お湯の中でもぬめりのある液体が指に絡みついてくるのが分かる。イリスは目を閉じ、クリトリスをまさぐり、膣に浅く指を入れる。膨らみ始めたおっぱいの先っぽにつんと尖る乳首が立ってきた。左手でその乳首を優しくなでる。最近は、肌着にこすれていたくなるほど敏感なのだ。

 お湯につかりながらするオナニーが、イリスは好きだ。だから、なるべく人けのない時間帯を選んで入るのだ。オナニーを続けていると,頭がぼんやりしてくる。嫌なことを考えなくて済むこんなひと時が、なによりも大切なのだ。

 

 人が入ってきた。それが政務官アンナと、近衛兵アリシアだと知り、イリスの指が止まる。美しい従妹同士は、ルームメイトでもあり、王子の愛人でもある。

「イリスさん。ごきげんよう。ずいぶん遅い時間に入浴ですね」

 アンナが声をかけてくる。王城でも指折りの美女は、気さくで親切な人柄でも有名だった。

「はい。アンナさん。なんだか、寝付かれなくて」

「そうですか。もしや、先の戦いの疲れが残っているのではありませんか」

「いいえ。それはないです。わたしはヒーラーだし」

「そうですね」

 アンナとアリシアはイリスの反対側に座り、浴槽から湯を汲んで体を洗い始める。

 二人はよく似ている。プラチナブロンドの髪。色白のきれいな肌。端正な顔立ち。小豆色の瞳。

 ただ、その肉体には大きな違いがある。アンナは成熟した女性の豊満な肉体美を誇っているのに対し、アリシアはまだ熟していない青リンゴのような初々しい体をしている。

 その二人は石の椅子にお尻を乗せ、石鹸を泡立てて体を洗う。髪を洗いながし、互いの背中をこすりあう。小声でおしゃべりしながら微笑みあう姿は、一幅の絵画のようだ。

 イリスの妄想がまた始まった。

 これから二人して、王子の部屋に行くのだ。そして、二人並んで裸になり、王子の寝台に横たわる。アンナがおっぱいで男根を包み、アリシアが先端を咥えてしゃぶる。王子はアリシアのヴァギナを舌でなめると、愛液がしたたり落ちる。どちらから入れるのだろう。どちらの膣に射精するのだろう。

 無意識にイリスは膣をまさぐり、こね回している。顔がほてり、息が荒くなる。思わず、声が漏れてしまう。

「イリスさん。大丈夫ですか。お湯にのぼせてしまったのではありませんか」

 アンナが心配げに声をかけてきた。イリスは我に返り、姿勢を正す。もちろん、指は膣から抜く。

「だ、大丈夫です」

「お湯から上がられたらいかがですか。そうだ。こちらに来て水分をとった方がいいでしょう。ぶどうジュースがありますよ」

「あ、はい。ありがとうございます」

 イリスは深呼吸してゆっくりとお湯から上がる。大丈夫。お湯に紛れて、股間から愛液が滴っていることは誰にもわからない。イリスはアンナに言われた通り、浴室の端にある椅子に座り、用意されているぶどうジュースを飲んだ。乾いたのどに流れ落ちるジュースがおいしい。アンナが言ったように、脱水症状になりかけていたようだ。

 先ほどよりも、二人との距離が縮まり、アンナのおっぱいが揺れる様子や、アリシアの股間の茂みの具合がよく見て取れた。お湯を汲むとき、お尻をこちらに向けるので、お尻の穴や割れ目がくっきりと見て取れた。

 いつか自分も、こんな体になって、王子の愛撫を全身で受け止めるのだとイリスは思った。そうなれば、強力なヒーラーの力をもった自分は、王子にもっと愛されるはずだ。

「アンナさんの肌は、ほんとにきれい。それに、いい匂いがする」

 イリスは無邪気を装い、洗い髪をぬぐっているアンナに話しかける。

「わたしなんか、いつも戦場に出ていて、日焼けしたり、風にあたったり。お手入れが大変なんですよ」

 アンナが微笑む。

「イリスさんこそ、柔らかくて、きめ細かい肌。わたしもこんな頃があったんですね」

「ずっと昔。アンナ姉さまがイリスちゃんぐらいの年頃に、わたし、一緒にお風呂に入ったわ」

「そんなことがありましたっけ。アリシアはよく覚えているのね」

「魔物が襲ってくる前のことです。平和な時代でした」

「そうですね。前の王様がまだご健在な時代ですね」

「王子さまは何歳の頃なんですか?」

 イリスの問いに、アンナは視線を浴場の窓に向けた。暗い夜空に、弱々しい星が瞬いている。

「王子はわたしと同い年。イリスさんと同じぐらいですよ」

 イリスはアンナの視線をたどり、夜空を見上げる。

「その頃に、戻りたいですか?」

 イリスのつぶやきに、アンナとアリシアは意表を突かれたように視線を交差させる。

「いいえ。楽しい時代でしたが、わたしは、今の方がいいです。戦いが続き、辛いこと、悲しいことも多いけれど、王子と共に国をつくっていくという実感があるから。もちろん、イリスさんやアリシアたちがいてくれるのも、心強いです」

 イリスには、その言葉の意味のすべてを理解できたわけではない。それでも、返すべき言葉は見つけられない。その時、イリスがクシュンとくしゃみをした。

「いけない。早くお湯につからないと」

 アンナが立ち上がり、イリスの手を取って浴槽に入る。

 

 ぬるめのお湯が心地よい。浴槽の端にもたれかかり、目を閉じてリラックスしていると、眠くなる。

「そういえば、イリスさん。王子の麻痺毒を、一夜で治癒してくださったこと、お礼を言うのを忘れていました」

 アンナが突然、場違いなことを言い出す。イリスは慌てた。

「あ、いいえ。あの。なんとか……」

「戦いの翌朝。王子がすっかり回復していて、騎乗で王城に帰還できたんですから。何日かは、病床にいなければいないと思っていました」

「わたし、びっくりしました。さすが、王子軍のエースだと、みんな噂してましたよ」

 アリシアも話題に入ってくる。イリスの困惑はさらに深まる。

 噂ってなんだろう。誉めていた、の間違いではないのか。

「なにか、特別な治癒をされたのですか?」

「……」

 ああ、わかった。アンナは、王子の麻痺毒を抜くために、イリスがなにをしたのか、知っているのだ。なぜ知っているのだろう。王子がしゃべったのか。それとも。

 イリスは横にいるアンナの横顔を盗み見る。洗い髪をタオルで包み、ピンク色の頬がつややかに光る。愛らしい耳たぶ。すっと通った鼻筋。紅い唇。美しい曲線を描く顎から首筋。おっぱいが水面すれすれに浮かび、乳首がちらちらとのぞいている。きれいに洗い清めた肢体は、匂い立つようだ。

その時、イリスはハッと気づいた。あの翌朝。王子の精液にまみれたイリスは、タオルだけで拭い取ることができなかった。なるべく人目を避けて王子の天幕から抜け出たはずだが、誰にも見られなかったわけではない。それに、天幕ではあの時の声が漏れていただろう。

「あの。わたし、王子さまを早く治してあげたくて……」

 イリスの声が震えていた。

「わかっていますよ」

 アンナはイリスを見もせず、いたわりの声を発する。イリスは首を垂れた。

「わかっていています。でも、これ以降は気を付けてくださいね」

「……はい」

 イリスは力なく返事した。

 

 

              3

 晩秋の野の道を、一騎の馬が並足でかけていく。馬に乗るのはイリス。ピンク色の髪をなびかせ、朗らかな笑顔を絶やさない。

「ねえ、サイゾウ。今日はヤギのチーズを食べたいわ。薄く切ったカンパーニュに乗っけて食べるの」

 馬の後ろを走ってくるのは忍者のサイゾウだ。イリスより三つほど年かさなだけだが、その才覚と誠実さで王子の信頼も厚い。普段は王子の護衛役だが、イリスが外出するときは、その守り役になることが多い。

「たぶん、大丈夫だと思います。ついたらすぐに、おばあさんに頼んでおきます」

「あ。生ハムも欲しい。それから辛子もいるわよね。セージはあるかしら」

 王城を出てから、イリスは上機嫌だ。最近、部屋に引きこもり気味になっていたのだが、久しぶりに出かけられてうれしいのだ。

「ところで、今日はどのようなお手伝いをすることになっているのですか」

 今から行く村には、時々遊びに行っていた。村のはずれに住む老夫婦のもとに、手伝いに行くという名目で、王子から許しを得ているのだ。それが気晴らしに過ぎないとわかっていても、エースヒーラーの願いを断れるものではない。

「牧草を集めるでしょ。それを荷車に乗せて納屋にしまうでしょ。それからヤギの乳しぼり」

「子牛の世話は?」

「それはなし。この間、牛の金玉を引っ張ったら、蹴られそうになって、大変だったから」

「なんてことをするんですか」

「だって、面白そうだったし」

 イリスは屈託なく言い放つ。その様子は、王城での取り澄ました姿とは、まったく違っている。あるいはこれが本来のイリスなのかもしれない。

 

 

 騎乗で一時間ほど行くと、目的地についた。小高い丘に囲まれた、小さな村だ。イリスとサイゾウは村の中心を通り過ぎ、丘のふもとに向かう。村はずれに古びた農家があった。

 イリスが馬から飛び降り、農家のドアを叩くと、中から穏やかな笑顔を浮かべた老夫婦が現れた。イリスはごく自然に抱き着き、とびっきりの笑顔を見せた。

 サイゾウは馬の手綱をひきながら、その光景をじっと見ていた。

 

 かつて、王城が魔物軍に落された時、この村にも魔物たちが攻め込んできた。村人たちは団結して立ち向かったが、抵抗むなしく村は焼かれ、多くの村人が殺された。村人たちは森に逃げ、息をひそめて時を過ごし、やがて王子軍の反攻で魔物は駆逐された。村に平和が戻ったが、老夫婦の息子と娘は帰ってこなかった。

 初めてイリスがここを訪れたとき、老夫婦は孫が帰ってきたかのように喜び、迎え入れてくれたのだ。

 

 おばあさんはイリスの好きな料理を作って、待っていてくれた。ここでも、イリスは子供らしい無邪気さで悦び、おしゃべりを連発しつつ、ご飯を食べ終わった。

 それからおじいさんと一緒に、牧場に行き、牧草を集めて、荷車に乗せ、納屋に運んだ。力仕事はイリスには大変だったが、やれることはすべてこなしたし、できないことは遠慮なくサイゾウにやらせたのだ。

 それを終えてから、イリスとサイゾウは犬を連れて,低い木々が茂る丘に向かう。丘の中腹に小さな作小屋があり、そこがイリスのお気に入りの場所だった。

 小屋の周囲の木々が刈られているので、丘からの見晴らしがよく、晴れた日は、王城の姿まで見通すことができた。

 

「ヤギのチーズ、おいしかったな」

 窓枠につかまり、野原を渡るそよ風を頬で感じながら、イリスはつぶやく。

「ここに、ずっといたいな」

「何日かなら、お世話になれると思います。ここでゆっくり休養したらいいと思います」

 イリスの後ろに立つ、サイゾウが答える。

「サイゾウも一緒?」

「いえ。おれは王子の護衛があるので、今日中に帰ります」

「なら、わたしも帰る」

 イリスが振り向き、サイゾウを睨みつける。

「サイゾウと一緒でなけりゃ、つまんない」

「遊び相手が欲しいのなら、村にも子供がいますよ」

「わたしを子供扱いしないで。王子軍のトップヒーラーはわたしなのよ」

 イリスが声を張り上げた。

 イリスにとって、その称号はなにものにも代えられないプライドの源泉だった。周囲の者たちがイリスに向ける視線や敬意が、どれほど心地よいか。

 だから、今のように疑惑の目で見られるという状況は、どうにも我慢ができないのだ。

「あーあ。わたし、眠くなっちゃった」

 イリスは窓から離れ、小屋の隅に積み上げられている寝藁によじ登る。ワンピースの裾から細い足がむき出しになる。サイゾウは荷物から麻のシーツを出し、広げてイリスの上にかけた。イリスは寝藁を叩いて平らな場所をつくり、上向きに寝る。

「サイゾウ。あんたもここにきて」

 イリスは自分の隣をポンポン叩く。

「いえ。おれはここで、見張ってますから」

「見張るってなによ。ここに魔物が現れるっていうわけ。ありえないわ」

「何が起きるかなんて、だれにもわかりません。忍者に油断は禁物です」

「忍者なんて、つまらないわね。あんた、我慢ばかりしてるでしょ」

「それが忍者というものですから。崇高な目的を達するためには、己の欲望をコントロールしなければなりません」

「つまり、あんたは、わたしと一緒に寝たいんだけど、我慢してるってわけね」

「おれはそんなこと、思ってないです」

「ふーん」

 その時、外につないだ犬が吠えだしたので、サイゾウが外に出ていった。取り残されたイリスは、目を閉じ、体の力を抜く。

 この村にずっといられたら、きっと楽だろう。イリスは客人なのでもてなされているわけだが、そうでなくても受け入れてもらえるはずだ。ヒーラーは戦闘で傷ついた将兵を回復させることができるために、重用されている。しかし、日常生活での病気や怪我をいやすこともできる。医者などいない田舎の村では、どれほど歓迎されることだろう。

 イリスはまだ子供なのだ。戦闘は似合わない。

 しかし、イリスは、王子軍を離れられない。強力なヒーラーとしての働きを期待されていることに、添わねばならないという理由もある。王子に愛されているという自負もある。けれど、本当の理由は、戦闘行動における、震えるような興奮をなによりも求めているからだ。命のやり取りの中に身を置くことは、生きている実感を強く感じさせてくれるのだ。

 でも、今は休みたい。王城に帰りたくない。

 

 サイゾウが戻ってきたとき、イリスはシーツを体に巻き付けて、寝息を立てていた。

 眠ってしまったイリスは、いつもよりもさらに幼く見えた。こんな少女が歴戦の勇者に交じって、魔物たちと戦っているのだ。それがどれほど過酷であるか、忍者として戦ってきたサイゾウにはよくわかる。だから、自分にわがままを言うのは当然だと思っている。

 サイゾウは音を立てずに寝藁に上がり、イリスの横に正座し、寝顔を眺める。

 初めて会ったのは一年半前だった。王子軍に強力なヒーラーが加わったとの噂を聞いた。どんな人だろうと、非番の時こっそり見に行った。そこで見たのは、まだ年端もいかない小柄な少女だった。軍の将官の中でもひときわ幼いその容姿に、サイゾウは胸が締め付けられる思いだった。こんな少女の力を借りなければならないほど、王子軍は追い詰められているのか。

 それから王子の言いつけで、イリスの護衛をすることが多くなった。気まぐれで、わがまま、それでいて気遣いで、優しいというごちゃごちゃした性質は、イリスの幼さゆえのことだろう。さらにその行動を危うくしているのは、性的な経験の多さによるものだった。

 王子も罪なことをする。王子を誰よりも尊敬し、命を賭して守り抜く意志を持つサイゾウが、たった一つ持つ、反感だった。そして、なおさらイリスを守ってあげたいと思うのだ。

 ぼんやりと物思いにふけるサイゾウの手を、イリスが突然握った。

「ねぇ、サイゾウ。サイゾウはわたしのことが好き?」

「はい。好きです」

「なら、エッチしよ」

「いいえ」

 サイゾウはイリスの手を、やさしくほどき、するりと床に降りる。

「どうして。サイゾウはしたくないの?」

「はい」

「わたしは……。したいよ。体が熱いの」

 イリスの声は消え入りそうなほど小さく、震えている。その儚さに、サイゾウは息をのんだ。

「ぎゅっと抱きしめてほしい」

 半身を起こしたイリスは、サイゾウに向けて、手をのばす。

「あの……。抱きしめるだけですか?」

「うん。ぎゅっとしてくれたら、安心できる気がする」

 イリスも寝藁を滑り降り、サイゾウの足元にぺたりと座る。両手を伸ばしてサイゾウの両足を抱き寄せ、頬をつける。しかたなく、サイゾウはイリスの頭を抱きかかえる。

 しばらくその姿勢でいたイリスは、やがて膝を伸ばし、サイゾウの腰に腕をまわす。そして、顔を股間にこすりつけた。

 サイゾウはイリスの手を払い、後ろに飛びすさる。イリスは前向きにばたりと倒れた。そして、そのまま動かない。

 サイゾウは立ち尽くした。このまま小屋を出ていくべきだ、と理性は言っている。しかし、倒れ伏したイリスのすすり泣く声が聞こえてきた。

 抱きしめてあげたい。幼い少女が負う重荷を、少しでも代わってあげたい。ひと時の安らぎをあげたい。

 それと共に、イリスの体温や体臭がサイゾウを誘ってくる。華奢な体の柔らかさ。髪の艶やかさ。ふと見れば、ワンピースがめくれ上がり、太ももが露わになっている。大人のような色気はまったくないが、それ故に背徳感があふれ出てくるようだ。

 イリスが動き出す。サイゾウに向かって、這い寄ってくる。サイゾウはそれを見ていることしかできない。

 ついに、イリスはサイゾウにたどり着く。サイゾウの足もとにうずくまり、顔を上げ、口を小さく開き、つぶらな目で訴えかける。サイゾウはひざまずいた。そして、イリスを抱き寄せる。

 膝立ちで二人は抱き合う。小柄なイリスは、サイゾウの腕に包まれる。胸に顔をうずめ、体を密着させてこすりつける。顔を左右に振りながら、伸びをし、サイゾウの顔に近づく。そして、彼の唇にキスをした。

 サイゾウは拒まない。それに勇気を得たイリスは、口を強く吸い、膨らみかけたおっぱいを押し付け、太ももを股間にねじ込んでいく。

 イリスが舌を入れようとしたとき、突然サイゾウはイリスを突き飛ばす。

 横向きに倒れたイリスは、肩で息をしながらサイゾウを睨み付ける。ワンピースがめくれ上がり、レースに縁どられた純白のショーツが露わになる。

「どうして」

「これ以上はだめだ」

「サイゾウだって、ちんちん硬くしてるじゃない」

「だめだ」

「なんでよ」

 イリスが起き上り、またサイゾウに近づく。

「イリスが好きだから、だめなんだ」

「嘘」

「嘘じゃない」

「嘘よ。わたしが汚れているから、嫌なんでしょ」

 イリスは憎々し気に、睨み付けてくる。

「みんな、言ってるもん。イリスは子供のくせに、色狂いで、王子さまの精液を搾り取っているんだって。治癒だなんて言って、ほんとはセックスしたいだけだって。王子さまのおちんちんをなめたり、咥えたり、はめたりするのが好きなんだって。精液まみれになるのが、大好きなんだって」

 イリスの涙交じりの声が、サイゾウに投げつけられる。それは刃のようにサイゾウの心を引き裂いた。そして、同時にイリスの魂をも切り裂いていたのだ。

「あなたは、見て知っているんでしょ。王子さまの護衛で、寝室も見張っているって本当なんでしょ。ベッドに連れ込まれた女の子をのぞき見して、楽しんでいるんでしょ」

「い、いや。おれは、そんなことは……」

「わたしのことも、見てたんでしょ。兵士の回復を手助けしてほしいって言われて、王城に来て、そうしたら、その晩、王子さまに呼ばれて、すぐにベッドに連れ込まれて、裸にされて。なにも知らなかったのよ。王子さまに体中をなめまわされて、それからおっきなおちんちんを入れられた。めちゃくちゃ痛かった。入るわけないじゃない、あんなの。なのに、王子さまは泣いても許してくれなくて、ずんずん押し込んできて。だから、わたし、痛みが消えるように、自分で自分にヒールを使った。それでなきゃ、痛くて気絶してた」

 サイゾウは顔をゆがめる。イリスの時は見ていないが、同じように処女を奪われた女の子は知っているのだ。サイゾウはまるで自分が犯した過ちであるかのように、うなだれる。

「やっぱり知ってたのね。王子さまに入れられて、出血して、泣いた。それから毎晩のように入れられた。そのたびに、ヒールを使って痛みを消して、耐えていた。そしたら、だんだん痛くなくなって、気持ちよくなった。チンチンをしゃぶったり、口の中に射精されたり、お尻にも入れられたりした。ヒイヒイよがり声を上げているのを、あんたは聞いてたんでしょ」

 イリスの声が次第に小さくなっていく。

「いや、……。いや」

「やっぱりね。なら、正直に言いなさいよ。王子さまの使い古しの女の子なんていやだって。生理もないのに、おちんちんを入れられて、喜んでいる女の子は汚らわしいって、言いなさいよ」

「そんなこと、思ってない。思ってなんかいない」

「嘘つき」

「嘘じゃない。イリスは素直ないい子だと思っている。おれはイリスが好きだ」

「なら、抱いてよ。わたし、あんたとセックスがしたい。セックスして、わたしをあんたのものにしてよ」

 イリスは疲れ果てたかのように、口を閉ざす。うなだれたその姿には、生気は消え果てていた。サイゾウは膝まづき、イリスの手に自分の手を重ねる。

「おれ、どうしたらいいか、わからないよ」

「わたしだって、わからない。王子さまはわたしとセックスしてくれるけど、本当はアンナやアリシアみたいな美人が好きなの。わたしはトップヒーラーだから、ご機嫌を取っているだけなの。道具なのよ」

「それは違う。王子はそんな人じゃない。それだけはわかる。なあ、イリス」

「なあに」

 顔を上げたイリスの口が、サイゾウの口でふさがれた。優しく短いキス。イリスの潤んだ眼が、サイゾウを求めている。

「あの。どうしても、したいのか」

「うん。体がうずいて、がまんできない。サイゾウがしてくれないなら、ここでオナニーする」

 立ち上がったイリスはワンピースを脱ぎ、キャミソールを脱ぎ、ショーツを脱いだ。靴も脱ぎ、ニ―ソックスだけになったイリスは、床にお尻を下ろし、両足を広げて右手を股間に持っていく。人差し指と中指で濡れた割れ目を開くと、赤黒い粘膜が露出した。掌全体でヴァギナをこすりながら、中指を膣に入れていく。円を描くように指を揉みこみ、同時にクリトリスをこすり上げる。左手は、ツンと尖った乳首をつまんでいる。

「やめろ」

 サイゾウは目を閉じて立ち上がった。寝藁の上のシーツをひきおろし、床に敷くと、イリスを抱き上げてその上に寝かせた。

「サイゾウ?」

 サイゾウはするりと服を脱ぎ捨て、イリスの上に覆いかぶさった。

「おれはまちがっているのかもしれない。でも、こんなイリスを見ていられないんだ。地獄に落ちるなら、それでもかまわん」

 サイゾウはイリスの細い体を抱きしめ、熱いキスをした。

「本当にいいの?」

「ああ。イリスとしたい。ずっと、したかった」

「うれしい」

 キスを交わし、ささやかなおっぱいを揉み、お尻をなで、股間に手をのばす。ぐしょぬれのヴァギナは熱く、指を簡単に受け入れた。

 イリスはサイゾウのペニスを握りして、愛おし気にこすっている。

「早く、入れて。あんたが欲しいの」

「わかった」

 サイゾウは上体を持ち上げ、イリスの足を開いてペニスをあてがう。ただ、経験の少ないサイゾウは、膣の位置がよくわからなかった。イリスはペニスに指を添え、膣口に導く。

「来て」

 サイゾウが腰を動かすと、ペニスはヴァギナにスムーズに入っていった。

「熱い」

「あなたのも、熱いよ」

「気持ちいい」

「うん。わたしも気持ちがいいよ」

「よかった」

「うん。うれしいよ」

 サイゾウはイリスを抱き寄せ、キスをしながら、体中をなでまわす。触れるところはすべてさわり、イリスの反応を楽しむ。

 イリスも若々しい筋肉の感触を楽しみ、抱かれる安心感に浸る。

「サイゾウ。わたしの体、どう?」

「すべすべして、柔らかくて、いい匂いがする」

「どこが好き」

「どこって。お尻とか」

「おっぱいは」

「あんまりないし」

「ひどい」

「でも、かわいい。すごく」

「ありがと」

「あと、ここが気持ちいい」

「うん。もっと気持ちよくなって。わたしも気持ちよくなるから」

「どうしたらいいの」

「もっと、早く動いてほしい」

「わかった」

 サイゾウの動きが速くなり、それと共に、二人の息づかいが荒くなっていく。サイゾウの細いペニスは、イリスにはちょうど良いようで、こすられる刺激も、強すぎない。イリスはごく自然に性感を高めていき、絶頂へと近づいていく。

「おれ。もう」

「いいよ。いつでもして。たくさんして」

 サイゾウは一気に速度をあげ、あっという間に射精を迎える。それは勢いよくイリスの膣の中にあふれ出た。

「イリス」

「サイゾウ。うれしいよう」

 

 

 イリスは窓の桟に腕を乗せ、その上に顎を乗せている。遠くに見える王城の塔は、夕日に照らされて赤く光っている。

 突き出したイリスのお尻に、サイゾウのペニスがしっかり入っている。サイゾウはイリスのお尻をしっかりつかみ、挿入したペニスをゆっくり出し入れする。ペニスはイリスの愛液と、精液でぬらぬらと光り、動かすたびにくちゃくちゃ音がする。

「お尻がかわいいよ。すごくかわいい。舐めたい」

「後でね。後でいっぱいなめて。ねえ。そろそろ……」

 イリスに促され、サイゾウは腰の動きは早める。二人の動きはすっかりシンクロし、同じ速さで興奮を高めていく。

「お尻の穴もひくひくしてるみたいだ」

「エッチ。……。触りたい?」

「ううん。見てるだけで興奮する」

「それなら、指でクリを触って」

「うん」

 サイゾウは前かがみになり、右腕を前に回して指でクリトリスをなでる。するとイリスが一気にテンションを上げた。

「いいよ。もっとして」

「わかった」

 サイゾウは腰をイリスのお尻に打ち付け、ペニスで膣をこする。

「もっと、もっと」

 イリスははげしい息遣いとともに、喘ぎ始める。その声が、サイゾウの興奮をさらに高める。

 小屋は薄闇の中に沈み、その中でイリスの白い肌がぼんやり浮かび上がっている。イリスの肢体はリズミカルに揺れ、汗を滴らせ、愛液を垂らす。

「いいよ。いいよ。サイゾウ。好き。好きなの」

「俺も好きだ。大好きだ」

「サイゾウ」

「イリス」

 そうして、二人は同時に絶頂を迎え、精液と愛液との噴射を感じ取った。

 

 ぼんやりした視界の端で、イリスが見たものは、天に向かってそそり立つ、王城の塔だった。その姿は、サイゾウのペニスにちょっと似ている、とイリスは思った。

 

 

                            終わり

 




 五作目になりました。今までで一番若い主人公なので、うまく心情を描写できたかよくわかりません。
 このシリーズは、ギャグ要素をいかに盛り込むか、を一つのポイントにしています。ニヤリと笑ってもらえると嬉しいです。

 まだまだ続きます。今後ともよろしくお願いします。
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