秋の夜長……肌を冷たい空気がなぞり、火照った身体にはつらい季節。私、西恵玲奈は恋人である須川美海との情事を終え彼女を抱き寄せて天井を眺めている。既に恋人からは寝息が聞こえる。先ほどまでとは打って変わって無垢な表情で寝ているのは見ずとも分かる。情事の最中に見せる美海の嗜虐的な笑みがどうにも私を狂わせた。……つきあい始めた頃は私がリードしてあげたいなんて思って同級生にえっちの仕方を聞いて怒られたくらいなのに、いざ彼女の部屋に来てみれば押し倒されたのは私の方だった。ふと、あの日をを思い出す。
「いっぱい、甘えさせて……?」
最初はそんな風に甘えてくる子猫のようだったのに、もともとサドの素質があったんだろう。興奮して固くなった私の乳首に吸い付く美海が、歯を立てたのだ。痛かった。……なのに、私の女の子の部分はきゅんきゅんして蜜をこぼした。……それを美海は見逃さなかった。
「恵玲奈……痛いの、好き?」
その時、美海の表情を見なければまだ取り繕うことも出来ただろう。でも、あの三日月のような笑みに私は頷くことしか出来なかった。
「そう、恵玲奈がそういうのが好きなら、私が貴女好みの女王様になってあげるわ。ほら、おしりをこっちに向けなさい」
言われるがまま、私は四つん這いになりおしりを美海に向けて突き出した。
「あら、こっちの穴までひくひくさせて、いやらしいわ、ねっ!」
――パシンッ――
「はぁん♡ はぁ、あ……はぁ」
あの一発で私は、全身に電流が奔ったような快感にのまれて軽くイってしまったのを覚えている。
「こっちに欲しいの、どうなの?」
「らめ、そっちは……いやぁ。やめ、て……」
「私に命令なんて、いけないわね……」
二度目のスパンキングに私は潮を吹く程によがっていた。
「ふぅん、こっちも欲しがりさんみたいだから挿入れてあげるわ」
オナニーの時でも膣内に指を伸ばすことはほとんどなかった。慣れない異物感に身体中がぞわぞわする。そんな時、美海の指が私のGスポットを触った。
「んひゃぁ!!」
「へぇ……ここがいいのね」
「あぁ、あぅ……んぁ、ら、らめぇ……んはぁ♡」
執拗な攻めに私が愛液をびしゃびしゃと溢しながら喘いでいると、不意に美海の指が止まった。
「恵玲奈、おねだりしなさい。私に」
もう少しでイケそうだったのに、いや、だからこそ美海は女王様らしくおねだりを求めてきたのだろう。蕩けた頭で私はすぐに従った。
「イキたいよぉ……おねがい、イカせて!」
「よく出来ましたっ!」
――パシンッ!!――
「んぁ、はぁああん♡」
スパンキングの快楽が全身を駆け巡り、私は快感におぼれるように意識を手放した。
「痛いのが好きだなんてなぁ……。ドン引きされなかっただけ幸せなんだろうけどさ」
少しだけ赤く跡の残った手首をさすってから、恋人の頭を撫でる。私ばっかり気持ちよくなって申し訳ないって言ったら束縛された状態でご奉仕して欲しいなんて言われて……。美海も相当に変態だなんて思いつつ、美海のクリトリスを舐めて私まで気持ちよくなっちゃって……。
「えれな……はれないで……」
私の上で眠る美海が寝言なのか、寂しそうな声を出した。
「離れないよ。私はもう、美海に痛くして貰わないと気持ちよくなれないんだから。責任、取ってよね……」
細い腰と肩に腕を伸ばして抱きしめる。美海の不器用な愛に、私は十全と応えられているだろうか……。あの娘との秘密を隠しているようじゃ……まだダメだんだろうなぁ。そんなことを考えながら、恋人の温もりで眠ることにした。