※この作品はR-18です。

隔たり   作:神座(カムクラ)

6 / 6
 
 
 皆さんこんにちは。ある日、改めて自分の書いた小説を読み返したんですが…酷かったですね(笑)この「隔たり」シリーズは特に。まだハーメルンにアカウント登録して小説を書き始めてから1ヶ月位しか経っていませんが、それでもわかるほど酷かった。うん。だからと言って完璧に改善したわけではありませんが(汗)、修正しているうちにやっぱりこのまま終わらせたくないな。と思ってこの続編を書きました。果たして造って良かったかどうか自分でも分かりませんが、お楽しみ頂ければ幸いです。

 長くなりました。場面はギール達が水没林から撤収したところから、主にエレ視点で展開します。終盤ハプニングが起きますが、それをきっかけに…
 
 


終章『共存』

 白疾風ナルガクルガの番に思い知らされた一行は、タンジアの港へ帰還した。

 

 ギルドマスター

 「おぉ!もどってきおったか!で、どうだった?」

 

 ギール

 「救出は失敗。キルト、白疾風ナルガクルガ共に行方不明です。」

 

 「そうかそうか。ところでギール、疲れているところ悪いのだが聞きたいことがある。」

 

 「何でしょう。」

 

 「3度目に白疾風捕獲を試みた者の証言に、白疾風が管轄外へ逃げたときに"君が"その追跡許可を出したそうじゃないか。」

 

 「…。」

 

 「当然、管轄外への出動は討伐対象がそこへ逃げたとしても原則禁止。お前の知っての通り特別許可はギルドが会議で決めるのだ。だがワシはここ最近そんな会議をした記憶はないし、許可を出した記憶もない。どういうことかな?」

 

 「それは…一刻も早く…早く捕獲した方が良いかと思ったので…。」

 

 「なぜ報告しなかった?」

 

 「それでは…その… 遅すぎるかと…。」

 

 「なぜそんなに急いだのだ?白疾風があの場所から動かないことはわかっていたではないか。自分の判断で捕獲されれば地位が上がると思ったのか?」

 

 「…いえ…そのようなことは…。」

 

 「直ちに甚大な被害が出ると判断されているわけでもない。これは完全な違反行為だ。」

 

 「…」

 

 「そうそう、聞きたかったのだがキルト君とその白疾風は結ばれたのかね?」

 

 「なっ!!何故それを!?」

 

 「ほう、結ばれたか。やはりあの月光とて恋竜には敵わないというわけか。というのも、お前達が救出にいっている間モガ村の村長が何人かのハンターを引き連れて訴えてきてな。まぁ彼らを村人と認定されてしまったら我々もなかなか手出しできん。それを盾に説得されてしまったわ。」

 

 「と、言うと?」

 

 「白疾風は見なかったことにする。そしてギール、お前には刑罰の代わりとして、孤島で密猟者が出ないか監視させる。そしてくれぐれも彼らに手を出すなよ。村人を殺されたらあの村長が黙っておらんからな。」

 

 命令書を受け取りながらギールは

 

 「…今さら弟子夫婦に手を出そうなんて思いませんよ。」

 

 ラルグ「竜化の方法は言ってたのニャ?」

 

 ギルマス「いや、それは村長も知らないと言っていた。うちの研究員は知りたがっていたが余り好ましく無いだろう。変に利用されても困るからな。」

 

 ラルグ「なら良かったニャ…じゃあ僕はモガに向かうニャ。」

 

 

 ─────────────────────

 

水没林にて

 

 

 キルト「腕は平気?」

 

 エレ「えぇ。もう大丈夫よ。どこに行くの?」

 

 「とりあえず塔って場所に行ってこれ(装備)を返す。その後はある島に行って、そこに棲もうかなって思ってるよ。」

 

 「わかったわ。でもその前に友達に会いに行って良い?幸せになったらまた会いに行くって約束してるの。」

 

 「じゃあそっちを先に行こうか。ここからそう遠くないんだろ?」

 

 「そうね。2日かからないと思うわ。」

 

 こうして2匹はエレのかつての親友へ会いに行った。その途中彼らは互いの過去を全て話し、より理解を深め合う。そうしているうちにあっという間についた。

 

 エレ「確かこの辺りに…いた!あそこだ!」

 

 よくみると木々の根本にリオレイアがすわりこんでいる。

 

 キルト「余り騒がない方が良いよ、多分卵抱いてる。」

 

 「良かった…番が見つかったのね…。」

 

 近づけば向こうもこちらをみて警戒するが、エレとわかったのか

 

 「まぁ!久しぶり!来てくれたのね!」

 

 と表情が明るくなった。降り立つと改めて

 

 レイア「久しぶりね。後ろにいるのはあなたの番?」

 

 エレ「そう!これから新しい棲みかに行くの!」

 

 キルト「ど、どうも…」

 

 レイア「そう、本当に良かったわね。私も…ほら。」

 

 そう言って少し起き上がると、その足元には卵が4つあった。

 

 エレ「わぁ!良かった。私は卵じゃないけど、早く子供が欲しいわ。」

 

 子供…つい最近エレとそういう行為をしたというのに子のことなんて考えていなかった。

 

 レイア「次の繁殖期には出来ると良いわね。…彼が帰ってきたわ。」

 

 リオレウスがアプトノスを持って帰ってくる。場所を開けるとそこに降りて

 

 レウス「こいつら…もしかして前にお前が話していた?」

 

 と大して驚かずレイアに聞く。

 

 レイア「そうよ。同じ種に出会えて番になったみたい。」

 

 事実は違うがまぁそういうことにしておこうと彼と事前に決めていた。

 

 レウス「ほう、確かにみたことない迅竜だ。どちらも随分強そうだな。」

 

 レイア「そうね。あなた(エレ)が強いのは知っているけど、あなた(キルト)はもっと強そうね。」

 

 キルト「でないと彼女に認められてないですよ。」

 

 エレ「フフッそーね。」

 

 そう言いながらエレが甘えてきたので頭を舐めてやる。

 

 レイア「仲良さそうで良かった。ずっといるの?」

 

 エレ「そのつもりよ。」

 

 レイア「そう。安心したわ、ずっと心配だったんだから。」

 

 エレ「ありがとう。さぁ行きましょう、食事の邪魔だわ。」

 

 キルト「そうだね、僕らはもう食べたし。」

 

 レイア「またきてね。」

 

 エレ「えぇ。さようなら。」

 

 2匹が飛び立った後

 

 レウス「良い番だ。迅竜があんなにうっとりとした顔を見せるのは初めて見た。」

 

 レイア「そうね。彼女は優しかったけどやっぱり寂しかったのね。あの雄ならきっと平気だわ。」

 

 

 

 その後2匹は1週間程飛び続け、ついに目的の場所までたどり着いた。

 

 キルト「この近くなんだけど、いきなり飛んでくと攻撃されるかもしれないから少し休んでから歩こう。」

 

 エレ「わかったわ。」

 

 フゥー、と一息つく。寝るときと食べるとき以外飛びっぱなしだったので2匹ともかなり疲れていた。小さな川を見つけそこで水を飲み、そこまで急いでいるわけではないからと微睡んでいると何かが近づく気配がする。

 

 エレ(何かいる…?)

 

 しかし見渡しても特に何もいない。するとキルトがゆっくり辺りを見渡し、あるところで視線を留める。同じ場所を見ると、僅かだがそこだけ何か浮き上がっているように見えた。

 

 キルト「荒らす気はない。姿を見せてくれる?」

 

 彼がそう言っても姿を現さない。見えない何かは近づいてきて、クンクンと匂いを嗅ぐ音がすると

 

 「お前…キルトか?」

 

 と言って不思議な淡い白色の月迅竜が姿を現した。まだ成体ではないが、刃翼の鋭さが実力を物語っている。

 

 キルト「よくわかったね。久しぶり、ジン。」

 

 「匂い。見た目は原形ないけど、匂いはそのままだ。俺はお前を…親とも、兄とも思っていたんだ。その匂いを忘れるわけないだろう。同族の姿になったら尚更兄弟のようになったじゃないか。」

 

 そう言ってジンと呼ばれた月迅竜はキルトに額をつけた。話に聞いた通りとても仲が良いようだ。

 

 「それで…お前の隣にいるのは…番か?互いから互いの匂いがする。」

 

 と私とキルトの匂いを交互に嗅ぎながら言ったので

 

 「そう。エレよ。よろしくね。」

 

 「あぁ、ジンだ。それにしても見たことのない種だな。夜空みたいな色だ。」

 

 キルト「人間は白疾風って呼んでいるらしいよ。…エレ?」

 

 思わず笑ってしまった私を見てキルト達が戸惑う。

 

 「いえ…本当に兄弟みたいだなーって。キルトも私にそう言ったのよ。」

 

 「そうか…まぁ俺はキルトに育てられたからな。知らず知らずのうちに似たんだろ。ところでキルト、お前の首のそれは…もしかして?」

 

 「僕の武具。この姿になったからね。もう使わないだろうから返しに来たのさ。」

 

 そうキルトが言えば、ジンはキルトの首にかかっている荷物の匂いを嗅いで一瞬、懐かしそうな、悲しそうな表情を浮かべる。そして

 

 「じゃあ里まで行こう。みんな喜ぶ。」

 

 と言ったので3匹並んで飛んでいくと、広大な大地に山を切り取ったような地形が現れた。ふと遠くに金銀に輝く火竜の番がみえる。それだけじゃない。何の種かはわかるが見たことのない色をした竜が何匹かいて、この地全体が異様な雰囲気を放っていた。巨大な切り株のような岩山の麓に人の集落のようなものがあって、そこに向かっているらしい。降りれば人型の生き物が集まってきた。これが竜人なのか。

 

 「おおギル。後ろの迅竜達はどうしたのかい?首に何か下げているようだが…」

 

 キルト「お久しぶりですガルーダさん。キルトです。こっちは番のエレです。」

 

 ガルーダと呼ばれた竜人はたいそう驚いた様子で

 

 「き、キルト!?お前が!?」

 

 ジン「ガルーダ、本当だ。匂いが全く変わってない。」

 

 「と、ということはまさかあの方法を使ったのか?そ、その番の血で?」

 

 「はい。まさか本当にこうなるとは思ってませんでしたがあのときは…」

 

 とここまでの経緯を説明。ガルーダは胸を押さえて深呼吸しながら

 

 「なるほど。よく無事だったな。かつて竜と分かり合いたいという何人もの人間が、竜の承諾を得てその方法を使ったんだが誰も受け入れきれずに死んでしまったのだ。決して中途半端な覚悟では無かったが…。お前が竜化できたということはその番を愛していたんだろう。ところで、その首のものは?」

 

 「僕の武具です。ジンに返しに来ました。」

 

 「そうか。どうするジン、お前が決めろ。」

 

 「そうだな…墓に埋めるのはどうだ?」

 

 終始竜の言葉で話してくれたので私も理解できたのだが、

 

 エレ「ハカ?ハカって何?」

 

 キルト「あぁ、遺骸を埋めて祀るのさ。その祠のことだよ。」

 

 「へぇー。人間ってそんなことするんだ。」

 

 ガルーダ「だが掘り返すことになるぞ?お前の母親の墓には社を建ててあるからそこに奉った方が良いんじゃかいか?」

 

 ジン「なるほどその事を考えてなかった。そうしよう。」

 

 

 そうして彼の母親の墓へ向かった。確かに自分達も余裕で入れるほど立派な社が建っている。防具を出すとたたんでその上に太刀と小刀を置いて特殊な力が込められているらしい箱に入れる。いざ納めようと近づけると仄かに光っているようにも見えた。その時

 

 「あ!なっ!どっどうしたのですか!?」

 

 と外にいた別の竜人達の慌てる声と共にただならぬ気配を感じ、外に出ると白銀に輝く竜が降り立ったところだった。頭に黒い2本の角。

 

 キルト「祖龍ミラボレアス様…」

 

 祖龍「ん?…あぁ、なるほど。人の体を捨てたか。キルト…と申したかな?」

 

 「覚えてくださってましたか。」

 

 エレ「知り合いなの!?龍王と!?」

 

 エレは実物を見たことはないが、存在については親に教わっているし、本能でわかる。

 

 祖龍「我が哀れな同胞の願いを聞き、悔恨を解きそしてその子供を育てた者…人にして竜を愛した者の名をそう簡単に忘れまい。」

 

 キルト「ジン達とここで暮らしているときに何度か会ったんだ。」

 

 つまりここは…塔は龍王が住まう土地だったということか。道理で見慣れぬ竜がわんさかいるわけだ。

 

 ガルーダ「それで、何用ですかな?」

 

 祖龍「うむ。ここに祀られた魂の、歓喜と感謝の叫びを聞いてな、何事かと思って来てみたのだ。」

 

 ガルーダ「魂の叫び…?ということは母親はまだ…」

 

 祖龍「さぁ続けろ。我もここにいよう。」

 

 

 そう促され、社に戻る。ジンがまるで最後の別れを告げるようにキルトの防具に鼻や頬を擦り付けると、涙をこぼしながら自身の鱗を1枚抜き、それを共に入れて離れた。箱に蓋をして墓の上に置けば温かな風が吹いたような気がする。しばらく黙祷し、外に出ると

 

 祖龍「今、哀れで幸せな魂が昇天した。お前達はここで暮らすのか?」

 

 キルト「いいえ、私は元々モガを守る人間でした。そこの人間も今の私らを受け入れてくれたので、そこに住みつつ引き続き彼らを守ろうと思います。」

 

 祖龍「成る程。相応しい決断だ。ではひとつの同胞が救われたその礼として、もはや同胞となったお前とその番に幸福が訪れるよう祈ろう…」

 

 そう言うと祖龍は紅い光を纏い、その内から2つの光玉を造り出すとキルトとレナに向かって放ち、光は2匹に触れると優しく綻んだ。そして祖龍が飛び去るとジンが

 

 「なぁキルト、俺を助けた日、最後に母がお前に竜の言葉でなんか言ったのを覚えているか?」

 

 「え?あぁ。よく覚えてるよ。でも何て言ってたかはこの体になっても分からない。」

 

 「…ありがとう、私とこの子は幸せ者だ。そう言ってた。」

 

 「…」

 

 キルトに向き直り

 

 「本当にありがとうな、キルト。もう謝るな。お陰で俺はこんなに成長できた。今日はここで休んでいけよ。お前もエレも疲れた顔してる。久しぶりに並んで寝たい。」

 

 

 翌日、ジン達と別れ、故郷に向かう。

 

 ジン「また…来てくれよ。元気でなキルト、エレ。」

 

 キルトエレ「ジンも元気でね。」

 

 

 そうして2週間、ユクモを経由してモガへ。ユクモでは例のハンター達と村長に礼を言った。最初は村人や旅行者に驚かれたがキルトが人語を話せたので問題なかった。

 

 そして故郷であり新天地でもある孤島へ。村にはすでに村長から話してあったようで驚かれることなく歓迎された。

 

 ラルグ「待ってましたニャ!」

 

 村長「カッハッハ、こりゃまた立派なナルガクルガの番だ。こんなのが守ってくれるんなら安心だな。」

 

 キルト「あんまり買いかぶらないでくださいよ、僕らだって生き物なんですから。」

 

 村長「わかっている。助け合いってやつだな。お前達も頼って良いんだぞ。お前達は我らがモガ村の一員だからな。子供ができたら森の見回りを強化してやらんとな。」

 

 ギール「一応それは私の任務なんですけどね。」

 

 ラルグ「いニャ。それは僕の役目ニャ。こんな師匠当てにしちゃダメニャー。」

 

 キルト「仲良くね…。」

 

 村長「とにかく、ギルドも儂の許可なしにはここへハンターを派遣できん。だから安心して巣作りするが良い。どこに作るかは決めたか?」

 

 キルト「そうですね、7番辺りにしようかなと思っています。雨風もしのげそうですし。管轄区域からは少し外れようとは思いますが。」

 

 村長「うむわかった。ここのハンターにはそこで騒がないよう言っておく。ところでその娘の名前は?」

 

 キルト「エレです。」

 

 村長「わかった。では改めてよろしくたのむ、キルト、エレ。」。

 

 そうして巣作りをするべく飛び立つ。7番から少し外れたところに崖を階段にしたようなところがあり、そこに巣作りすることにした。崖から飛び出ている訳でもないし、広いので崩れたり子供が落ちたりすることも、ハンターの戦闘に巻き込まれることもないだろう。草木を集めて簡単な寝床を作るとようやく一息ついた。レナも慣れない人間との時間に疲れたようだ。その日はそれで終わり、次の日狩りがてら周囲の探索を行った。幸い大型の竜が棲んでいる痕跡はなく、近くに水場や草食獣の生息地もあったのでエレも

  

 「良いところね。」

 

 と、満足する。

 

 しばらくして夜になり、見上げれば澄んだ空に無数の星と天の川が浮かんでいた。私は思わず

 

 「綺麗…」 

 

 と言ってしまった。すると彼が無言で毛繕いしてくれる。少しの間見つめて、巣に戻り眠りにつこうとするが自分の体が変だということに気づく。その原因はすぐにわかったので、おねだりすることにしよう。

 

 「ねぇキルト…お願いがあるんだけど。」

 

 「ん?何?…あ…。」

 

 気づいたようだ。まだ微かだが私から漂う匂いに。その証拠に彼が無意識に鼻を鳴らす。

 

 「あれ、もうそんな時期だっけ。」

 

 「まだだと思うけど…。良い?」

 

 「もちろんだよ。っていうかそれ嗅いだら僕だって君と交わりたくなっちゃうから。」

 

 そう言って彼の方から私の頬に額を擦り付けてくれたのでそれに応え、彼に腰を差し出す。彼が私の秘裂を舐めればすぐに匂いは濃くなり、私も一気に興奮して来た。また彼と交尾する。今度は子供ができないかな。そう思っていると彼が覆い被さってきた。いつの間に私と同様発情期のように息を荒げている。

 

 「キ……キア…」

 

 突き入れられた彼の肉棒がコツンと奥にあたれば安心感と共に猛烈な快感が襲ってきた。彼は1度しっかり私を抱き締め、

 

 「なんか…前と…違う…。」

 

 と言ってきた。だがそれは私も感じていて

 

 「う…ん。私も…前より強く感じる…動いて…もう我慢できない。」

 

 「僕もだ」

 

 そう言って僕は彼女を突く。前よりもずっと柔らかく、十分濡らしたはずなのに絡み付いてくるような感じで僕に快感を与えてきて、彼女の首を咬めばさらにきつく締まり油断すればすぐに果ててしまいそうだ。それをグッとこらえて動き続けた。最初は奥に当たっている感覚だったのだが、しばらく突いていると明らかに先端が刺さっている感覚に変わる。実際彼女も声をさらに荒げた。確かにぺニスの形状的にそういう交尾方法なのかもしれない。前回そうならなかったのは発情期じゃなかったからだろう。じゃあ今回は?今は発情期ではないはずだが…。

 

 ズゴッ!ズゴッ!ズゴッ!

 

 「ギャウッ!ギャウッ!」

 

 「グッグッ!」

 

 思わずキルトも喘いでしまうような快感。エレは激しい攻めに体勢を崩さないよう手足に力を込める。結果的に彼をさらに締め付けることになり、自分の快感も増幅した。互いに快感に耐え続け、以前よりも長く繋がる。エレだけでなくキルトも口をあけ涎を垂らし始めたころ、エレがついに決壊した。キルトの雄槍を締め上げ、それにより彼も限界を迎える。

 

 「ギャァウウゥゥン!!」

 

 「ウッ…ウグッ!」

 

 ブシュウゥッ!ドクッ!ドクッ!…

 

 熱い精が勢いよく流れ込んだ刺激でエレがビクッと体を震わせる。射精は5分近く続き、溢れた精液が白濁の溜まりをつくった。注いでいる間、2匹は言葉を交わすことなく、目を瞑りながら頬をくっつけ互いを感じ合う。やがて精を吐き尽くすと萎えた肉棒をズルリと引き抜いた。どっぷりと注がれたエレの子宮には確かにいつもと違う感覚があり、エレはまさかという期待を抱かずにはいられない。

 

 「ハァ…ねぇ…キルト…根拠ない…んだけど……宿したかもって…思う。」

 

 「奇遇だね、僕もなんか知らないけどそんな気がする。」

 

 お互い顔を見合わせ、フフッと笑い、甘えあった後眠りについた。

 

 

 翌朝、私は目が覚めるとまだお腹が暖かく感じた。交尾後はいつも彼の精液のせいでお腹が暖かいのだが、いつも翌朝にはなくなってるのに─────

 

 「キルトッ!起きて!」

 

 「うーん?」

 

 「耳、当ててみて。」

 

 そう言って横になれば察したのか慌てて私のお腹に耳を当てる。

 

 エレの腹に耳を当てれば、明らかに彼女のものとは違う、細かく小さな脈拍が聞こえた。

 

 「エレ…!」

 

 しばらくうっとりと幸せに浸り、エレを置いて狩りに出掛けた。エレの食欲は前日よりずっと増していて改めて確信する。これからはお腹の子もよく育つように沢山、大きな獲物をとってこなければ。

 

 村長に報告すれば喜んでくれた。エレも呼んで祝ってくれようともしたが、過去の体験からエレはまだ人にあまり心を開くことができていないので謝絶。ならばそっとしておくように伝えておく、と言ってくれた。

 

 普通こんな時期に宿すなんてことはほぼない。非常に強い刺激で促されることはあるのだが、今回は最初から変だった。エレの腹を舐めていると、彼女がうっとり目を瞑りながら

 

 「祖龍様が私たちになんかしてたりしてね。」

 

 確かにそれもあるかもしれない。言い伝えでは命を司る力があるという祖龍なら考えられる。

 

 「だとしたらきっと良い子が産まれてくるよ。」

 

 そう返すと目をあけ

 

 「あなたと出逢えて本当に良かった。」

 

 と言ってくれた。

 

 半年もすれば彼女の腹は目に見えて大きくなり、胎動も盛んになった。この頃になるとエレは1日中巣で過ごし、キルトももちろん狩り以外は一緒にいる。季節外れの妊娠ではあるが、ここは一年中温暖なので問題はない。エレは大きくなった腹を舐めてもらうのが好きで、いつもうっとりとしてくれる。

 

 それからさらに2ヶ月、雲1つない星空の日にその子供は産まれた。親と同じ体色をした雄の仔竜だ。名前はエルと決めた。彼女いわく中々大きい子供らしい。エレは出産時、当然苦しんだが声を出すことは無く、僕も話しかけずに周囲を警戒しながら舐めたりしていた。最後まで落ち着いて、子が乳を飲み終わるまで沈黙は続き、胎盤を処理してようやく

 

 「ありがとうキルト。もう平気よ。」

 

 とエレが言ってすべてが終わった。

 

 「こちらこそありがとうエレ。」

 

 眠る我が子を抱きながら少し甘え合い、眠りについた。

 

 

 次の日、疲れた私に獲物をとってくるためキルトは狩りに出掛けた。まだ出産の疲労は色濃く、下半身は痺れるような痛みが残り感覚が鈍っている。それに全身がだるい。しばらくは彼に甘えてゆっくりしていよう。そう思いエルと2匹で微睡んでいたときだった。

 

 (何か来る…キルトじゃない!)

 

 ハッと滑空する音の方向をみれば、黒色がかった轟竜、亜種の黒轟竜がこちらに向かってきた。狙いはもちろん私ではなくこの子。待ち伏せできるほど近くにいたなら私やキルトが気づくはずなので、恐らくたまたま近くに来て産後の匂いを嗅ぎとったのだろう。

 

 私は咄嗟に我が子に覆い被さり、刃翼で黒轟竜の突撃を受けた。

 

 ガツンッ!

 

 と火花が散り、私は踏ん張りきれずよろけて子をさらけ出してしまった。だがそう簡単に授かった子を幸せごと奪われるわけにはいかない。体を無理矢理動かし黒轟竜と取っ組み合う形になる。そして巣から自分ごと落とした。

 

 空中で揉み合い、蹴り飛ばされ何とか体勢を建て直し人間の縄張りの7番に着地した。幸い向こうも私を殺さないと子供を食えないと判断してか私と向かい合うように着陸する。

 

 油断していた。産後は匂いにつられて鳥竜や他の竜が寄ってくるとキルトに言われていたではないか。なのにボーッと幸せボケして周囲の警戒を怠った。もっとはやく気づいていれば子供を背に乗せ逃げられたのに。飛行能力では轟竜なんかに負けないし、子も親の背にしがみつくための力は強い。

 

 グルルルル…

 

 先程私の刃翼に突撃したため浅い大きな切り傷ができたことに怒ったのか全身赤みを帯びている。正直怒りたいのはこちらだ。普段ならこんなやつに負けるはずないのだが、今の私では真空刃を発生させるどころか尻尾の棘を飛ばすこともできないだろう。キルトも先程狩りに行ったばかりで、人間の暮らしに余り影響が出ないよう人間の縄張りから少し離れたところに狩りに行くので当分は帰ってこない。

 

 (まずい…)

 

 それに轟竜…

 

 ガゴォォォォォァァ!!!

 

 疲弊した体に追い討ちをかけるような咆哮。少し離れたところにいるエルも小さな悲鳴をあげ、ギッギッ!と親に助けを求める声を出す。私はそれに動くなと危機を伝える声を出して応えれば静かになった。

 

 轟竜が突進してくる。私は横に交わすも轟竜は土を掻いて方向転換しこちらへ向かう。連続のバックステップでなんとか回避すると、突然止まり再び咆哮。頭が割れるような轟音を無視して突っ込み思いきりブレードを叩きつけた。

 

 しかしやはり下半身に力が入らないせいか踏ん張りが足りず威力が出ない。浅い切り傷を与えたもののかえって怒らせただけだった。

 

 (くぅ…こんなときにコイツなんて…硬くて今の私じゃ倒せない!)

 

 カウンターをギリギリかわして距離をとる。

 

 (ダメだ…せめてキルトが帰ってくるまで持ちこたえないと…)

 

 その後はほとんど攻撃せず、相手の突進を避け続けた。だがあまり時間が経たないうちに体力が切れてくる。土塊を飛ばされて一瞬怯んだ隙に取り押さえられ首を噛まれてしまう。

 

 「ガッ!」

 

 なんとかもがいて一撃で噛み砕かれることは免れたがもうほとんど息が出来ない。一か八か尻尾の棘を飛ばそうとしたとき

 

 「離れろぉぉぉ!」

 

 ゴォン!

 

 人間の叫び声と共に金属音が響き首を噛む力が弱まった。そこを利用してなんとか轟竜を振りほどき距離を取ると、大きな鈍器を持った人間が轟竜に襲いかかっていた。轟竜も突然の乱入者に驚きつつそちらに標準を変える。紅い衣を纏った人間は果敢に挑むもこいつを仕留める程の実力はないようで、何度か攻撃し合った末吹っ飛ばされてしまった。それでも立ち上がって向かっていく。

 

 (どうして…敵わぬと分かっているのに…)

 

 しかし時間稼ぎには十分だったようだ。。ハッと人間が何かに気づいて慌てた素振りでその場から離脱すると

 

 「ギャオオオォォォォン!!!」

 

 怒りの咆哮をあげるまで気がつかなかった。いつの間に来ていたのかすぐ近くをキルトが滑空して轟竜から少し離れたところに向きを変えながら着陸する。その勢いのまま刃翼を高速で振り、青白い刃が飛んで轟竜の腕を切り裂いた。轟竜が咆哮を上げようとするも棘を飛ばして封じる。流石は元人間の狩人。行動を完全に読んでいる。轟竜は堪らず切り裂かれた腕を引きずりながら逃げ出した。キルトは追いかけようとしたものの、躊躇して「二度と来るな、次は殺す。」と叫ぶとこちらに駆け寄ってくる。

 

 「エレ!大丈夫か!?」

 

 「エル…エルは!?」

 

 「大丈夫、巣にいるよ。」

 

 目を凝らしてみれば獲ってきたのであろうアプトノスをクンクンと嗅いでいる我が子を見つけ、一気に緊張が抜けた。

 

 「よ、良かったぁ…」

 

 「ごめん。」

 

 そう言って彼は私の傷ついた首や頭を舐める。私は無言で彼の胸に顔を埋めた。ようやく手にいれた幸せを奪われるかもしれなかったと思うと体の震えが止まらない。しばらくそうして、今だ息を荒げている人間の方を向きキルトが人語で礼を言う。

 

 「ありがとう師匠、恩にきるよ。危うくエレとエルが殺られるところだった。」

 

 割って入ったのはギールだった。ギールは最初こそ渋々任務を受けたものの、やはり愛弟子のことだ。エレが妊娠したと聞けばまるで親のように喜んだ。今まで結婚に猛反対していた親が、孫が産まれて嘘のように喜ぶがごとく。

それにギールはモガの村で結婚前提の彼女が出来たらしく、そのせいか性格も以前より柔らかくなり、キルトとの仲も回復していた。

 

 ギール「村長がきっとエレは動けないだろうから見回ってやれって言ってたんだ。間に合って良かった。」

 

 人語はキルトに教わっているので何となくは理解できる。まさかあの人間が、いくら彼の師とて私を命懸けで守ってくれるとは。

 

 ぎこちない人語で

 

 「アイ、ア…リガ、ト」

 

 と言えば人間は理解してくれたようで明るく笑った。

 

 「ところで、エルってことは…?産まれたのか?」

 

 「昨夜産まれました。もう少し一段落した後で村にも伝えようと思ってたんです。」

 

 人間の顔がさらに明るくなる。

 

 「本当か!?やったな!!すぐに知らせに言ってくる。お前たちはゆっくりしててくれ。見物に来させたりはしないから心配するな。撫でて良いか?お前も、エレも。」

 

 頷けばおめでとうと言いながらポンポンと撫でられてちょっと嬉しくなった。

 

 「しかし黒轟竜ごときに苦戦するとは。もう少し対モンスター用の訓練をしなければな。」

 

 「相手しましょうか?」

 

 「そうだな…いや、ありがたいがやめておく。鉱石を含んだ黒轟竜の鱗を簡単に切り裂いたような奴と修行したら命がいくつあっても足りなさそうだからな…。それにお前はそんなことしている暇ないだろう。ほら、子供が鳴いてるぞ。」

 

 エレ「行かなきゃ。私もお腹空いたし。」

 

 キルト「そうだね。じゃあまた。本当にありがとうございました。」

 

 「おう。」

 

 そう言って別れて巣に戻り、私は肉を食べた後(彼が残骸を処理した後)エルに乳を飲ませながら

 

 「竜の私達のために命をかけるような人間が他にもいるのね…。」

 

 「少ないけどそうだね。これからは増えてくれることを祈るけど。」

 

 

 

 それ以来私は少しずつ人間に慣れていき、近くの集落と友好的な関係を保ち、ときどきそこに行って人間の子供とエルを遊ばせることもあったし、このとき助けてくれたギールが番を持つときも他の人間とキルト、エルと一緒に祝った。

 

 その後私達は多くの子供を育て上げ、また竜が近づけば追い払い、縄張りの中にある人間の集落と助け合う。優しく強い夫もいる。差別されていた時期は遠い昔のこととなった。

 

 

 

 ギルドマスター「孤島に生息している人語を話せる迅竜の番の縄張りにには我々の管轄内でありモガ村もふくまれているが、自己防衛以外で人を襲うことなく寧ろ村とかなり友好的な関係を築いているため対処の必要無し…か。」

 

 一人報告書を読みながら呟く。

 

 「人と竜の共存か…悪くないかもしれんな。」

 

 

 

                  ∞完∞




 
 ここまで読んで下さり本当にありがとうございました。
 これからも頑張ります!
 
 
 ◯◯◯
 
 
 読み比べで読んでくださった方々、ありがとうございました。リメイク作品のほうは少し違う構成に、具体的に言うとリアルさを重視する予定です。それではリメイク作品の更新を今しばらくお待ちください。

          2018年11月3日追記
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。