※この作品はR-18です。

未来の王と落ちこぼれ   作:神座(カムクラ)

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 若ミラルーツの巣は霊峰のベースキャンプみたいなところだと思ってください。もちろんそんなに高いところではないけど。

 交尾のシーンを初めて描いたとき、若干恥ずかしくなっちゃいましたが、1度書き出しちゃえば全然気にならなくなりますね(笑)

 第3話はバルファルク目線です。


第3話 和解

 彼と言葉を交わすことができてから1週間と少し。

 

 同時に、彼に「近づくな」と言ってから1週間と少し。

 

 彼は誓約を守って、私に草と何かを練り潰したやつを塗るときと、何処かに運ぶとき以外少し離れたところにいる。加えて必要時以外話さなかった。「塗るよ」とか「傷洗いに行くよ」とかそれくらい。私はそれに対して頷いたりはするものの話すことはない。無論、許すつもりもなく、治ったらどっかに行くつもりだった。

 

 ただ、彼のどこか寂しそうな後ろ姿。表に出そうとしないだけで、本当は寂しくて仕方がない、そんな彼を見ているともういいかと許してやりたくなる。いやいや、コイツが私に何をしたか忘れてはいけない。

 

 それでも彼の看病のお陰でなんとか歩けるようになると少し気持ちが楽になった。一応最後にお礼ぐらい言っとくか。あいつと出会わなければこんな目に遭わずに済んだのだが、つきっきりでしかも口移しで肉をくれたとなると流石に一言ぐらい言った方が良いだろうな。

 

 そんなことを考えながら狩りに行った彼の帰りを待っていると、ふと空を飛ぶ火竜に目がいく。銀火竜だ。この辺りに番で住んでいるらしい。1度湖で見かけたがこちら(白龍)を見るや否や一目散に逃げ出したっけ。それを彼は寂しそうな眼で見つめていた。

 

 彼が帰ってくる。私は元々高高度に住んでいる種なので視力がかなり良い。そのおかげで、彼があのときと同じ寂しそうな、悲しげな眼でこちらに飛んでくるのが見えた。こちらが見ていることに気がついたのか、すぐにいつもの表情に戻る。そして獲ってきたケルビ5頭を置かれると、なんだか申し訳なくなって思わず「ありがとう…」と言ってしまった。彼の方もビックリしたようで「へ?あ、うん」と間抜けな声を出して返事をした。

 

 これだけをみれば彼はただの成龍になりかけの子供だ。体格的には私より少し年上の150歳ぐらいだが、精神的には100歳いってない気がする。

 

 まぁともかく、これからは返事くらいするか。

 

 そのあといつも通り味気の無い1日を過ごし、眠りについた。最近気温が下がっている。今日も冷たい風が吹いていた。

 

 翌日は大雨だった。おまけに風もやや強め。龍気エネルギーを生産していればその時に発生する熱で上空にいても寒くないのだが、今は全く生産を行ってないので寒い。彼は狩りには行き、例のものを私に塗った。私も古い例のものを洗い落とすときだけ外に出たが、生まれて初めて凍えそうと感じた。

 

 夜になっても雨と風は止まず気温は下がる一方で、治ってきた傷が痛む。ふと、彼がこっちをチラチラ見ているのに気がつく。もしかしたら寄り添おうか迷っているのかもしれない。あるいは彼も寒いのかもしれない。私は巣の崖側にいるので風もある程度遮られるし雨も少し吹き込む程度だが、彼は外側のはしっこにいるので雨風にさらされている。

 

 そういえば私が瀕死の怪我を負ったばかりの時、少しの風が当たるだけで痛みが走り呻いていた私にずっと寄り添って風から守ってくれてたっけ。思い出すと急にあの温もりが恋しくなる。彼が非常に稀少な種だということはわかる。それゆえ私を子を産ませるための苗床にするつもりなのかと思っていたし、今も思っている。違う種と子をつくっても、血が混ざることが無いという特殊な種族がいると聞いたことがあるし、その子供が母親の腹を食い破って出てくる種族もいるらしい。

 

 だがそれにしても彼は優しすぎる。もしかしたら本当に彼は私を番にしたいと思っているのかと信じてみたい気もする。それが策略なのだろうか。

 

 「ねぇ…ねぇって」

 

 「へ?あ、何?どうかした?」

 

 「寒いから…こっち来て」

 

 「わ、わかった」

 

 寒さと孤独に耐えかねついに私は接近禁止令を解除した。彼は心なしか嬉しげに近づくと、四つん這いになって傷を刺激しないようそっと寄り添ってくれる。翼で私を覆いながら。

 

 「ねぇ…私が鋼龍にやられたあとってどれぐらい眠ってたの?」

 

 何となく気まずくなったので愚問を投げ掛けてみた。数時間じゃんそんなの。太陽の位置少ししか変わってなかったし。

 

 「うーん、10日ぐらいかな?多分そんぐらい。」

 

 「うそ…。そんなに?そんなに酷かった?」

 

 「そもそもあのブレスを2回食らってバラバラにならない方が凄いと思うよ。かなり全力だったし、あの龍も結構強い方だよ。」

 

 「10日たっても肉が噛めないなんて…」

 

 「そりゃあ僕が巣に着いた時はもう瀕死で、ほっとけば数分で死ぬような状態だったからね。もう駄目かと思った。」

 

 「あのとき龍になんて言ったの?っていうかどうやって助けたの?」

 

 ただの取り繕いのつもりで質問したのだが、思わぬ回答に質問が続出する。

 

 「『生かしてやるからこいつに手を出すな』って言った。そのあと止血して治癒して、口から肉を無理矢理流し込んだ。」

 

 「治癒ってあの草潰したみたいなやつ?」

 

 「それもある」

 

 「それもって…もしかしてあの電撃?」

 

 「そう。止血と、一時的に感覚を麻痺させたのもそれ。僕のこの力は…治癒能力を促進させることもできる。」

 

 「何よそれ…」

 

 「そんなに気にしないで。滅多使わないから。」

 

 そういう問題じゃないのだが。

 

 ふと、やられたあとのことを思い出す。

 

 「もしかして私…暴れた?」

 

 微かだが、自分が白龍に痛め付けられ、叫びながら暴れている夢をみた記憶がある。ただ、なぜかその時白龍も泣き叫んでいた気がする。それを言うと、少し気まずそうに

 

 「うん…。かなり。」

 

 と答えるのでどうやら夢ではなかったらしい。また気まずくなって、お互い少し黙る。そして、どうしても聞きたかったことを聞いた。

 

 「…なんでそこまでして助けてくれるの?あなたは─」

 

 「苗床にするつもりなんて無い。僕のせいでこんな目にあってるんだ、助けなきゃ。別に苗床にしても一族や周りから反発されることはない。君も分かってると思うけど、僕らの種は数がかなり少ないからね。」

 

 「…」

 

 「でも僕が嫌なんだ。それに───」

 

 一呼吸置く。そしてこっちを真っ直ぐ見る。そのあどけない深紅の瞳は真剣だった。

 

 「君が好きだ。出会った時から。要するに一目惚れしたんだ。」

 

 「…」

 

 「だから君のしたいようにしてくれ。行く宛がないなら紹介するし、この辺りでもいいし。」

 

 「…力づくで引き留めないのね。」

 

 「それは…そりゃあそれは…君の…君の自由だもの。」

 

 「…」

 

 嘘つけ。本当は寂しくて仕方ないくせに。今なんかもう顔に出てるぞ。

 

 嘘をついているのは私のほうなのかな。

 

 「信じて…いいの?」

 

 「?」

 

 「あなたが…守ってくれるって。」

 

 「それは…それはどういう意味?」

 

 「そういえば…最初にあなたが襲ったのを除いたら、あとは全部私が勝手に思い込んで差し出してただけだものね」

 

 「でもそれは僕が悪─────」

 

 「それなのに助けてくれて…つきっきりで診てくれて…それなのに私…」

 

 「けどそれは───────」

 

 「私…お礼も言わずに拒絶して…それでもそんなに想ってくれてるなんて…。」

 

 ほぼ自分に言い聞かせていた。もし逆の立場だったらこれほど尽くせるだろうか。

 

 「あなたを信じたい…信じたいと…思う。」

 

 しばらくして彼がすがるような目で、か細く言った。

 

 「…一緒にいてくれる?」

 

 今にも泣き出しそうな目。でも───────

 

 「それはあなたが私に言うことじゃないわ」

 

 この龍が自分と暮らしたいと思っていることは前に聞いた。半泣きの、しかし微かな期待を抱いた瞳を真っ直ぐ見て言った。

 

 「私を番にしてくれる?ずっと…傍にいてくれる?私は…本当は…あなたとの温もりが欲しい…だから一緒にいたいと…いたいと思う。」

 

 彼は答えなかった。しゃくりあげるのを我慢していたからなのかもしれない。代わりに額を私の額にコツンとつけた。そしてようやく震えた声で言った。

 

 「ありがとう…。」 

 

 額を離すと、私は彼の胸に頬を擦りつける。彼はそれに応えるように私の顔を抱き、額から首をそっとなめた。彼の力強い鼓動が聞こえ、あれほど恐怖していた相手に安らぎを覚える。すると彼が

 

 「口合わせ…しても良い?」

 

 「口合わせって口移しの食べ物無くしたやつだっけ?」

 

 「あ、知らなかった?愛情表現で、僕らは番になるときもやるんだけど。」

 

 「火竜がやってるのをみたことある…いいわ。」

 

 確か舌を絡めてた。私達の種族はそんなことしないが、彼となら良いだろう。彼の方に顔を向ける。

 

 「私口固いけど良い?」

 

 「気にしないよ」

 

 そう言って顔を近づけ口合わせをした。彼の柔らかい舌が入るのを感じて自分も舌を彼の口に入れ、そのまま絡めると不思議な安らぎを感じ眼を瞑った。。他の龍にやられれば舌を噛んで拒絶するだろうに、嫌気どころかもっとして欲しいとさえ思う。

 

 しばらくして短く糸を引きながら口を離し、顔を見合わせる。彼は満面の、優しい、優しい笑みを浮かべ再び額をつけた。きっと私も同じような顔をしてる。彼は私に全てをくれた。温もりも、優しさも、愛情も、そしてきっと…。

 

 本当ならこのあと契りを交わすのだろうが、残念ながら今の私では無理だ。ふと彼の股間を見るが、そこには微かな膨らみがあるだけだった。彼もそこは理解している。

 

 「ごめん。でも今度はちゃんと受け入れるから。だから治るまでもう少し待ってて。」 

 

 「うん。分かってる。」

 

 そう返事をして、微笑を浮かべながら脚を折り畳んで座り、私に寄り添った。私も彼に寄りかかる。

 

 (こんなに安心して眠れるのはいつぶりだろう。)

 

 そう思うか思わないうちに深い眠りに落ちた。

 

────────────────────────

 

 

 翌朝目覚めると、彼はまだ寝ていた。ずっとつきっきりでかつ私に気を使ってたんだ。疲れていて当然だ。その安らかで無防備でかわいい彼の寝顔をしばらく見ていると目を覚まし、こちらにすり寄り、

 

 「獲物獲ってくる」

 

 と言った。いつも彼は先に食べてから私に運んでいるので、一緒に食べたいなぁと思い

 

 

 「一緒に行って良い?」

 

 と言うと快く、むしろ嬉しそうに頷いた。

 

 アプケロス2頭を2匹で食べてる途中、ふと思い付いて(少し恥ずかしかったが勇気を出して)食べている彼の口元を舐めてねだる。彼はすぐにその意図を察し、肉を一口食いちぎって私の方を向く。そして口移しでその肉を貰った。嬉しくて思わず笑う。すると今度は彼が私の口を舐めてきたので、お返しをすると彼も「クックッ」と嬉しそうに笑ってくれた。

  

 そのあと草とキノコを混ぜたやつを塗り、周囲を散歩してその日は終わった。

 

 その後、私はなんとか飛べるようになり、より動き回れるようになった。

 

 彼に助けられて1ヵ月半経ちようやく痛みもなくなって草等も塗らなくなった。あとは鱗がもとに戻るのを待つだけだ。

 

 数日もすれば鱗は元通りになり、湖で彼と取っ組み合い、疲れて休んでから日も暮れたので巣に戻る。

 

 「良かった。もう少し長くかかるとおもったけど心配無さそうだね。」

 

 すり寄りながらそういう彼の言葉には恐らく二重の意味がある。まぁ番になると決めてから3週間ぐらい待っててくれたのだ。求めて当然だろう。

 

 「随分待たせちゃったわね。」

 

 そう言って彼の前で仰向けになる。

 

 「きて」

 

 彼は頷くと近づいて私の下腹部を、そして秘裂の周りを舐め、舌を入れてくる。

 

 「ン、ンンン」

 

 甘い刺激に思わず声を出す。舌でじっくりと舐められ早くも限界が近づく。発情した膣からは大量の愛液が分泌され、辺りにその匂いが充満する。

 

 と、まるで焦らすように舌が抜かれて彼を見るが、決して焦らした訳では無いことに気がつく。彼の股間からははち切れんばかりに立派な雄槍がそそりたっており、時折ピクピクと震えていた。今ではいとおしくも思える。

 

 目が合い、少し恥ずかしそうに笑うと覆い被さってピトッと先端を秘部に付け、体重をかけてゆっくり押し込んだ。

 

 あのミチミチと膣肉を掻き分けて入ってくる感覚。久しぶりの交尾なのでかなりの痛みを覚悟したが、そんなものはなかった。

 

 (い、痛くない…それどころか凄く気持ちいい…)

 

 奥に進むにつれ快感の波に襲われる。声を上げずにはいられなかった。

 

 彼を欲して下がってきた子宮を押し上げて根本まで入ると、電気が流れたような快感に体を痙攣させながら大きな声を上げて達してしまう。痛みもある。だが快感に比べれば虫が止まる程度だ。

 

 派手に達して恥ずかしくなって顔を背けると、彼がその顔を舐めた。

 

 「痛い?」

 

 「全然…むしろ気持ちいい…ハァ…でもちょっと待って」

 

 さらっと恥ずかしいことを言ってしまい顔に血が昇る。するとフォローするように

 

 「僕も気持ちいい…よくなったら言って。無理しないでね。」

 

 と恥ずかしそうに言って、誤魔化すように私を抱き締めた。私もそれに甘え、息が整うのを待つ。彼の鼓動が聞こえる。興奮のためかいつもより速い。

 

 「フゥ…フゥ…もう大丈夫。ありがとう。続けて。」

 

 「うん…」

 

 そしてゆっくりと突きはじめる。あんなに痛かったのに信じられないくらいの快感を感じ、喘いだ。気持ち次第でこれほど変わるとは。彼の興奮した熱い吐息がかかり、さらに興奮する。

 

 「首を噛んでも良いかい?」

 

 「もちろんよ!」

 

 首にある延髄を強く刺激すると排卵が促される。つまり彼は私と本気で子作りしてくれるということだ。嬉しかった。鱗にヒビが入るか入らないぐらいに噛まれ、自分の膣が締まるのを感じた。やがて首を放し、にっこり笑って私を舐めた。

 

 始めはゆったりとした動きだったが、次第に肉欲に任せ、お互いがお互いを激しく求めた。快感で意識が飛びそうになるのをなんとかこらえる。今意識を失いたくない。もっと感じていたい。

 

 前足で彼をしっかりと抱き締める反面、後ろ足はだらしなく伸び快感に震えていた。腰を打ち付ける音と、膣と肉棒が擦れる水音、そして喘ぐ声が巣に響く。何度も絶頂に達しその度に痙攣するが、羞恥心などとうに消え去った。

 

 彼の息がさらに荒くなり、動きに力がこもる。彼との子供が欲しい。彼との子供が産みたい。心からそう思った。

 

 私を抱き締める彼の腕に力が入り、私をさらに引き寄せる。それでよいと伝えるために、私も彼を抱き寄せた。

 

 「ウグッ…ウゥ」

 

 「キャウァッ」

 

 彼が思いきり子宮を突き上げ、動きを止める。そして熱い彼の精が爆発した。一気に子宮が膨らむのを感じ、満足感を覚える。彼の雄は激しく脈打ち、私を孕ませるべく大量の精液を送り込んだ。

 

 射精が終わってもしばらく抱き合ったままでいた。彼の雄槍は今だ固さを保っていたが、満足げにため息をつくと抜いてくれた。遠慮されてるのではと思い、聞いてみる。

 

 「満足…した…?」

 

 「うん。凄く良かった。今日はもう良いよ。君も疲れてそうだし。」

 

 実際かなり疲れていた。

 

 「なんか…申し訳ないわ」

 

 そんなことない、と首を横に振ると

 「ありがとう。これからもずっと守るよ。」

 

 「こちらこそ…ねぇ、子供…出来るかな?」

 

 「出来ると思うよ。そりゃあ確率は低いだろうけど。」

 

 「それなら良かった。そういえば、名前聞いてなかったわね。」

 

 「そうだった。ルークだよ」

 

 「シルバよ。」

 

 

 

 2匹は幸せそうに笑い、長い口づけを交わして眠りについた。

 

                     続く




 いかがでしたか?

 (祝)2匹の名前が決まりましたぁぁ!\(^o^)/
  
   「ルーク」はチェスでいう「塔」
   「シルバ」はバルファルクは銀翼の凶星と呼ばれているので「シルバー」からとりました。

 それではまた
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