「マリア、今度のお休みはどうするの?」
「……実は夜に予定が入ってるの。大事な約束があってね。ごめんなさい、調」
申し訳なさそうなマリアの言葉に調がカレンダーの空白へ×を書き込んでいきます。それは別にいいんデスが……気になる事があります。そう、最近マリアが前よりもキレイになった事デス! 具体的にはパジャマパーティーの後からデスね。そして、もう一つ気になる事があるんデス。
「切ちゃん、マリアは無理みたい。どうする?」
「仕方ないデスね。お好み焼きはマリア抜きで行くデス」
「お昼はセレナがお出かけで、夜はマリアがいない。マムと私達だけの時間が多いね」
そう、セレナも少し様子がおかしいんデス。見た事ないお化粧品を使って、キレイにカワイクなって帰ってきた時は驚いたものデス。どうもシキさんとデートして買ってくれたらしいんデスが……調曰く怪しい匂いがするとの事。
「切歌、調、許してあげなさい。マリアもセレナも貴女達同様、自由な時間を欲しているのだから」
「うん、分かってる」
「それにマムと三人でもアタシ達は嬉しいデスからOKデス!」
アタシがそう言うとマムは小さく笑ってくれた。このお家で暮らすようになって、マムは笑ってくれるようになりました。きっと昔からそうしたかったんだって、そうみんなが教えてくれました。アタシ達を大事に思うからこそ厳しくしていたんだって、マリアもセレナも言ってました。アタシと調もそう思います。だって、マムの笑顔はとっても優しいデスから。
「そうですか。そう言われると嬉しいものです。で、二人共? 与えてある課題はちゃんと取り組んでいますね?」
「「ギクっ」」
「まったく……では、食事の後で見てあげます。それが終わるまで寝れないと思いなさい」
「はい……」
「はいデス……」
「違うでしょ二人共。もうマムへはそんな口調じゃなくていいのよ」
どこか寂しそうな顔をしたマムを見て、マリアがそっと囁いてくれました。そうデス。もうマムは厳しいだけの人じゃないデス。調へ視線を向けると目が合いました。やっぱり考える事は一緒デスね!
「マム、ありがとう。ちゃんと勉強するね」
「ありがとデス、マム」
「……気にしなくていいのですよ。本来は、私はこういう事を貴方達に教えなければならなかったのだから」
マムへ駆け寄り抱き着く。調が右でアタシが左。そんなアタシ達をマムが優しく抱きしめてくれて、あったかい声でそう言ってくれた。うん、やっぱりマムもあったかい人デスね。クリス先輩の言葉を借りるとそうなります。まぁ、クリス先輩にとってはシキさんらしいデスが……。と、漂ってくるいい匂い。
「切歌、調、運ぶの手伝ってくれる?」
「お任せデス!」
「今行く」
「今日は何? 香ばしい香りだけど」
「揚げ物でしょう。見たところフライではないようだけれど」
「揚げ鳥。でもフライドチキンとは全然違うの。中華料理なんだって」
セレナの言葉通り、一羽丸々ニワトリさんが美味しそうな匂いと色をしてお皿にドンと乗ってました。思わず調と二人で生唾ごくんデス。
「大きい……」
「デスね……」
「せ、セレナ? 少し思い切り良すぎない?」
「五人で食べるとこれぐらいは必要だもん。それに、みんな一緒に夕食を食べられるなんて中々ないからつい」
「マリア、セレナの気持ちはみなも同じです。重荷を負わせてしまって申し訳ありませんが、だからこそ共に過ごせる時間を大事にしたいのでしょう。まぁ、たしかにこれは少々やり過ぎな感も否めませんが……」
「マムまでそう言うんだ。でも、姉さんもマムも忘れてない? うちには育ち盛りが二人いるんだよ?」
「えっへん」
「デスっ!」
「胸を張らなくていいの。そうね。たしかに二人の食欲を考えれば妥当かも」
マリアがそう言ったらマムが小さく苦笑して、それを合図にセレナとマリアが笑いました。それが何だか嬉しくてアタシと調も笑ったら、みんなで笑ってました。こんな風に過ごせるのはシキさんのおかげだって、そう知ったのは全てが終わった後でした。昔、セレナがネフィリム相手に絶唱を使った時、負荷なく使えたおかげで今がある。全てはそこからなんだって、そうマリアは教えてくれました。シキさんのスープがセレナを、そしてマリアとマムを助けてくれた。きっとシキさんはそんな事ないって言うデスけど、アタシと調は断言出来るデス。
「調」
「何、切ちゃん」
「……シキさんにまたお礼を言わなきゃデスね」
「……うん、そうだね」
アタシの言いたい事をすぐ察してくれる調はさすがデス。こうしてみんなで楽しくご飯を食べて、調と二人でマムを先生にお勉強。セレナが鼻歌混じりで洗い物をする後ろでアタシ達が頭を悩ませ、マムはマリアと相談中。何かは分からないデスけど、マリアの様子から結構大事な事っぽいデスね。っと……。
「切歌、勉強に集中しなさい」
「ごめんなさいデス」
マムに見つかり注意されちゃいました。仕方ないので目の前の難敵をやっつけるとします。調は……な、ナンデストォォォォォッ?!
「どうしたの?」
「お、終わったデスか?」
「うん、国語は得意だし」
そうなのデス。調はシキさんを喜ばせるためにエッチな本を読んでるのデス。かんのー小説って言うそうデスが、それをシキさんから借りてるんデス。このままでは不味いデスね。本気を出すとします。
「ま、マム、ここを教えて欲しいデス……」
「……見せてみなさい」
これぞマム召喚っ! ……そ、そのうち自力で全部出来るようになってやるデス!
「調? もう終わったの?」
「うん、切ちゃんがマムにつきっきりで教えてもらってる」
「……そう」
テーブルへ目をやってマリアが苦笑する。うん、やっぱり綺麗になった。それと、どことなく奏さんと似た雰囲気を出す時もある。その背後には必ずシキさんが関係してるはず。だって、シキさんは気付かれてないと思ってるだろうけど、最近私達を避けてる。その理由を考えた時、すぐにマリアが浮かんだから。きっと私達がチンポミルクをもらってる事に気付いて、シキさんへ止めるように言ったんだって。さすがに私は知ってる。あれが本当はいけない事だって。だからこそあのライブでの戦闘後に話した時、マリア達が真っ青な顔をしたんだし。
「ね、マリア」
「何?」
「最近シキさんが私と切ちゃんを避けるんだけど、何か知らない?」
「シキが? ……心当たりがないわ」
まったく表情も変えず視線も逸らさず、マリアはごめんなさいと告げて手元の手帳へ目を落とす。……これだけじゃやっぱり無理か。なら、こうしよう。ソファから立ち上がり、ふと思い出したように呟いた。
「そういえば、セレナとマリアがお出かけする日、シキさんをご飯に誘ったら大事な用事があるって断られたっけ」
何気なく、でも横目でマリアを見る。何も変わらないようだけど私は見た。マリアの目が一瞬だけ泳いだのを。やっぱりシキさんと何か約束してる。その日のお出かけがどうかは知らないけど、絶対シキさんへ私達にスープを飲ませちゃダメって言ったはず。
「…………ずるい。マリアだけ飲んでいいなんて」
聞こえないように呟く。シキさんは優しい人だ。私と切ちゃんを相手にする時、絶対どちらかを贔屓したりしない。必ず私達を同じぐらいに甘やかしてくれるし、同じぐらい可愛がってくれる。奏さんや翼さんで慣れてるんだとは思う。けれど、それでも私達にとっては凄く嬉しい。チンポの取り合いをさせる時でも、何か理由をつけて二人にスープをくれるし、どちらかに先に飲ませると次は絶対違う方で、しかも気持ちいい事も少しだけしてくれる。
「早くチンポを入れて欲しいな」
部屋に戻りながら呟く。セックスがどれだけ気持ち良くて嬉しくなるか。それを奏さんは教えてくれた。クリス先輩は教えてくれなかったけど、反応から奏さんの意見を肯定してくれた。シキさんも少しずつだけど教えてくれていたのに、ある時からそれさえ教えてくれなくなった。だから最近は自分でお勉強するしかない。部屋に入ると、自分のベッドへ寝転がる。見られないよう、掛布団をきてそっとオマンコへ手を伸ばす。
「んっ……シキさんのチンポ、欲しいよぉ」
オナニーという自主訓練。これは以前シキさんが教えてくれた事。初めてのセックスはとても痛い事があるから、これでオマンコを慣らしておく方がいいらしい。少し前に切ちゃんと一緒にオマンコを擦り合わせた事がある。凄く気持ち良くてびっくりしたけど、シキさん曰くセックスはそれよりも気持ちいいみたい。だからこそ、この前二人でそれをお願いしたんだけど……。
「マリアもセレナもずるい……二人だけシキさんとセックスなんて……」
くちゅくちゅとオマンコから音が出始める。シキさんのチンポが欲しいって私の体も言い出した合図だ。シキさんからオマンコへ指を入れちゃダメって言われてるから、私がする時は優しくクリちゃんを撫でる事が多い。ちなみに、どうして指を入れちゃダメなのか聞いたら……。
―――月読さんのマンコへ最初に入るのは俺のチンポか指にしたい。
って、そう言われた。切ちゃんも同じ事を言われたけど、その時に思った事は一緒だった。シキさん可愛いって。まるでお気に入りの物は誰にも触らせたくないって、そう言ってる子供みたいに見えたから。だから私も切ちゃんも訓練は絶対指を入れないようにしてる。年上のシキさんが私達へ見せてくれた子供っぽい部分。それを大事にしたいから。
「ああっ……シキさんっ! シキさん……っ!」
シキさんの事を思い出すとどんどんオマンコが気持ち良くなる。頭の中に思い出されるのはチンポの事。熱くて太くて大きく硬くて、そして美味しいものをくれる大好きなモノ。でも、それはシキさんだからだ。私と切ちゃんを許してくれたシキさん。知らなかった事を教えてくれたシキさん。今の幸せを、大切な人達をこっそり守ってくれたシキさんっ! 大好きなシキさんっ!!
「イっちゃう…………っ!」
その瞬間、体中を電撃のようなものが駆け巡る。凄い疲労感と脱力感がきて、それに負けないぐらいの幸福感もくる。これをイクって言うらしい。シキさんはイクとチンポミルクを出してくれる。だからもっとシキさんをイかせてあげられるようにしたい。
「そうだ。借りた本、読まなくちゃ」
ティッシュで手やオマンコを拭いて、ついでに窓も開けに行く。少し風が冷たいけど、匂いを残しているとよくないらしいから換気は大切。私も自分自身の冷却も兼ねて窓際に座って本を読む。そろそろ物語も終盤。自分へどうしても振り向いてくれない男性へ、ヒロインが一大決心をして寝込みを襲うところだ。
「……無理矢理でも男の人は気持ち良くなっちゃうんだ」
小説の中では男性が嫌がりながらもチンポを大きくしてしまい、ヒロインはそれを喜んで腰を振っている。そう、本当は男性もヒロインが好きだった。でも、ヒロインの事を好きな親友のために身を引いた事でこんな悲劇が起きている。と、そこまで読んで私はある事を思い付いた。
「は~っ、疲れたデスよ~」
「切ちゃん、大事な話があるの。ドア、閉めて」
丁度そこへ切ちゃんが戻ってきた。この計画には切ちゃんの力も必要。だから作戦会議。程なくしてそれは終わり、私達は計画を実行に移すべく行動を開始する事にした。
「切ちゃん、絶対シキさんに教えてもらおうね」
「デス。約束したデスしね」
私達の視線の先にはシキさんから借りた小説がある。そこには男性の台詞でこう書いてあった。
―――あいつとの約束だから君を避けるしかなかったんだ。