「こ、こんにちは」
「うん、こんにちは。待たせたかな?」
「いえ、そんな事ないです」
とある日の昼前、俺は未来といつかの駅前にいた。今日はこれからデートなのだ。とはいっても泊まりではない。さすがにそれはまだ早いと思っている。響からも夜には帰してくださいねと念を押された。
「そっか。じゃあ行こう」
「はい」
手を差し出すと未来は一瞬戸惑うものの、すぐに手を繋いでくれた。この辺りは平気なんだ。さて、では今日はどうしようかな。そう思いながら街を歩く。未来はどうも落ち着かないようで、俺から見ても緊張してる感じがした。
「やっぱり落ち着かない?」
「え? あ、その……はい」
「あー、ごめんね。いっそ開き直って最初からそういうとこに連れてくぐらいの方が良かったかな?」
「な、何でそうなるんですか!」
「だって、その方が未来も緊張しないで済むだろ? いきなりこんなとこへって怒る事も出来るし」
やや苦笑して言うと未来は何かに気付いて表情を変える。それは驚き。何かを思い出したように俺を見つめてきた。だけど俺には何も心当たりがない。仕方ないのでそのまま未来を見つめ返す事にした。うん、可愛いよなぁ。セレナに負けず劣らずの家庭的な雰囲気と性格。絶対良いお母さんや妻になるって確信出来る子だもの。俺なんかに出会わなければ普通の結婚生活を送れただろうに。……いや、何か響の世話焼いてそのまま独り身でいそう。
「何考えてるんですか?」
「うん、俺がいなかったら未来は響の嫁だったんだろうなって」
「…………ある意味で否定出来ません」
「あっ、現状がある意味近いんだっけ」
その問いかけに苦笑しつつ頷く未来。寮生活での家事は未来が一手に引き受けていると聞いた事がある。ま、聞かなくても分かるけどね。何せ響が装者になってからはより一層私生活の面でだらしなくなったはずだし。
「じゃ、もうその未来はなくなったって思って」
「え?」
「もう未来は俺の嫁」
「っ! ……はい、響と一緒にもらってもらいます」
「うん。じゃあ行こう。少し早いけどお昼食べよう」
「はいっ!」
良かった。やっと笑顔を見せてくれた。心なしか繋ぐ手にも力が入った気がする。何せ始まり方が最低だからな。未来にはその分、しっかり想いを伝えよう。決してハーレムにしたいから未来が欲しいんじゃない。未来も欲しいからハーレムなんだって。……どっちにしろ問題か。
「えっと、何かお昼の希望はある?」
「そうですね……あっ、シキさんにお任せします」
何か閃いたとばかりに笑う未来を見て既視感。これは……あれだ。軽いお試しを仕掛ける時の女性の顔だ。
「つまり俺のセンスを見たいと?」
「ご想像にお任せです」
「ふむ、ならせめて嫌いな物とかないかだけでも」
「特にないですよ。ただ、虫とかは止めて欲しいかな」
「むしろ食べさせる店を教えて欲しいぐらいだ。じゃ、お任せあれ」
「ふふっ、お任せしますね」
徐々に普段の未来らしさが出て来た。うん、これなら大丈夫だろう。で、選んだ店はパスタ専門店。いや、事前にリサーチはしてない。ただ目に入ったから選んだだけ。でも、これが意外とアタリだった。値段はそれなりだが味は言う事なし。メニューの数も和風パスタなどもあって数多く、未来もあれもこれも食べたいと言ってくれる程だった。結局俺はミートソースを、未来がカルボナーラを頼んで少し分け合って食べた。
「御馳走様です、シキさん」
「ん。ま、デートで金を使うのが男の役目だからね」
「そうなんですか?」
「学生なら割り勘でもいいけど、俺は社会人だから。それと、女性はデートの前に金を使うもんだろ?」
「……そうですね。でも、ちょっと遅いです」
「ごめん。未来とデートだって思って浮かれすぎてた」
「っ……もう、そう言われると許したくなっちゃうな。シキさんってズルいです」
今更ながら未来の服装が今まで見た事がないと気付いた。なので暗にそれを指摘すると彼女から当然のように不満の声。そこで本音と詫びの混ざった言葉で許しを請う。効果はあったようで、未来が赤面しつつ口を尖らせた。うん、そんな顔も可愛いよ未来。
「でも、そうやって許してくれるから大好きだよ未来」
「っ!? そ、そういうのもズルいです。……響みたいだな、やっぱり」
顔を背けてしまった未来だが、何か呟いているようだ。微かに響って聞こえたけど、どういう事だろうか。もしかして俺とのデートを響から教えてもらったとか? 有り得るな。じゃ、やっぱり出来るだけ同じような事は避けよう。そう決意し、俺は未来の事を後ろからそっと抱きしめる。
「し、シキさん?」
「ダメかな?」
「い、いいんですけど……ここ街中ですし」
「じゃ、人目のないところならいい?」
その問いかけに未来は無言で小さく頷いてくれた。ならばと俺は彼女の手を引いて歩き出す。少々予定と異なったが、これはそういう事だと思って活かそう。目指す先は愛を育む場所とも言える休憩施設。その一室へ未来を連れ込む。
「未来……」
「んっ……」
部屋に入ると同時に未来を優しく抱き締めながらキスをする。それだけで彼女の体から力が抜けるのが分かった。まずはそれだけ。一旦キスを止めて見つめ合う。その目が蕩けているのを確認し、もう一度キスをした。だけど今度は舌を入れてみる。少しだけ未来が驚いたようだったけど、そのまま受け入れてくれた。そこでもう少しだけ欲張ってみる事に。
「んんっ!」
舌を絡めて強く抱き締めてみたのだ。それでも未来は嫌がる事なくむしろ抱き締め返してくれた。そのまま舌を絡め合う。そして俺と未来の間に唾液の橋が出来た。
「……どう?」
「凄いですね、ディープキスって。頭溶けちゃいそう……」
「なら、もっと溶かしてあげる。俺の事しか考えられないように……」
「んぅ……」
再びディープキス。おそらく未来も響やクリスと同じでハードは好きじゃないと見た。なのでしばらくディープで様子見。それを物足りないと感じてきたらハードを試してみようと思う。そうやって何度も何度もディープキスをしていると、未来がモジモジと内股を擦り合わせ始めた。頃合いかなと思ってキスを止める。未来は赤い頬と潤んだ瞳でこちらを熱っぽく見つめてきた。
「シャワー、浴びておいで」
「……はい」
返事をした未来はとても嬉しそうな笑顔を見せてくれた。ただし、同じぐらいエロい顔だったけども。未来のご両親も響と同じでご存命。となれば、俺は立花・小日向両家を敵に回す事になるんだろうなぁ。よし、ご挨拶は二人を連れて両家合同でさせてもらおう。その方が俺への敵意も軽減出来るはずだ。何せ目の前で娘二人が本気でそう言って、俺が床に頭こすり付けるぐらいお願いすれば少しの間ぐらい目こぼししてくれるだろう。俺からも、二人が嫌になったら無理矢理引き留めないと約束すればいいし。
「でも、響が言ったみたいな方法の方がいいのかね?」
いっそ孫を作り、その顔見せも兼ねてのご挨拶。正直言おう。これが一番なし崩し的に話を終わらせるんだよな。だけど、それじゃご両親の気持ちはどうなる。俺みたいな奴に娘を預けられんと思うならそれをちゃんと言ってもらうんだ。で、そこで響と未来に判断してもらおう。言いたくはないけど、俺の体質がなかったらそもそも有り得ない話だからな、これ。
「お、お待たせしました……」
「え?」
突然聞こえてきた声に振り返る。そこにはバスローブを羽織った未来がいた。そんなに時間経ったのか。精々十五分かそこらだと思ったのに。そう思って時計へ目をやると、未来が入浴しに行ってまだ二十分と経過していなかった。意外と早風呂なのかなと思うも、そんなはずはないと思い直す。これはあれだ。クリスの時と同じだ。
「し、シキさん?」
「うん、ごめん。未来、すごく色っぽいよ」
「……そうですか?」
「ああ、とっても。出来ればその邪魔なものを脱いで欲しい。ダメかな?」
「…………シキさんが脱がせてください」
どうやら間違ってないようだ。未来もクリスと一緒でどこかでこの展開を待っていたんだ。そこへ来ての優しいキス。しかも未来の場合は執拗にやった。だから待ちきれなくなったんだろう。以前見た響が気持ちよさそうにしていたのも関係してるはず。なら、優しくたっぷり可愛がってあげよう。まず、バスローブへ静かに手を掛け、一気に脱がした。
「あっ……」
反射的に胸とマンコを隠そうとする未来だけどその手を両手で掴む。
「ダメ。ちゃんと見せて欲しい」
「ううっ、恥ずかしいです……」
「それでも。お願いだよ、未来」
「っ……はい、分かりました」
耳元で囁くと未来が観念したように腕の力を抜いてくれた。さて、では改めて。胸は大きくはないが小さすぎもしない。響の方が若干大きいのかな。でも、小ぶりで形もいいのでグッド。腰回りも余分なものはなくくびれている。お尻は……と、そこで気付いた。未来の大事な場所。そこの僅かな茂みの下に隠された場所から蜜が溢れ出している事に。
「未来、出来れば正直に答えて欲しいんだけど」
「……はい」
「セックス、したい?」
「っ!?」
「ごめんな。男って好きな相手にいじわるしたくなるんだよ。嫌なら答えなくていいから」
そう言ってから未来を優しく抱き締める。正直尻や胸を触りたいけど我慢我慢。それは未来の答えを聞いてからだ。今、未来は最後の扉を前にしているのだ。つまり、色欲に屈するか屈しないか。俺の問いかけに答えるなら、今後は彼女とのエッチは簡単になっていくだろうから。
「……シキさんはどうなんですか?」
「したいよ。でも、未来が仕方なくって思うなら止めておく。お互いが求め合ってこそのセックスだから」
即答する。俺は全力で未来を抱きたいんだと伝えるために。すると未来が俺の体を抱き締めてきた。これは……。
「私も、私もしたいです。響みたいにして欲しい。いっぱい気持ち良く、大事に、愛して欲しいです」
「……分かった。俺の全力の気持ちを未来へぶつけるよ」
「はい、お願いします」
見つめ合ってキスをする。舌を入れる事なく、普通のキスを。そしてそのまま俺はキスを段々エロへと切り替えていく。ついでに服も脱ぎながら俺は未来をその気にさせるように熱を込めて舌を絡める。
「……未来、一度口に出してもいいかな?」
息を荒くしつつこちらを見る未来へそう尋ねると、彼女は言葉ではなく行動で返事をしてくれた。反り返るチンポへ舌を這わせて我慢汁を舐め取った後、一気に咥え込んでくれたのだ。そのまま吸い出すかのようにフェラをする未来の頭を優しく撫で、俺はしばらく彼女の奉仕を堪能させてもらった。
「未来、いいよ。すごく気持ち良い」
心からそう言ってあげると未来が上目でこちらを見てきた。その目はもう欲情している。早く飲ませてと訴えてくる程に。
「先っぽの割れ目へ舌を這わせて。……そう、そこを舌で刺激しつつ裏筋をゆっくりと舐めたり、亀頭へ吸い付いたり……ああっ! いいよ、未来! その調子!」
こちらが教えた事をきちんと試し、また丁寧に行う未来に満足しつつ愛おしさを込めるようにその頭を撫で続ける。すると、未来の片手がマンコへと伸び出してオナニーを始めた。そこで確信した。やはりあの日を境に未来と響はレズエッチを始めているのだと。
「未来、スープ欲しいよね? 熱くて濃厚な一番搾り。欲しいのなら口を開けて舌を伸ばしておねだりするんだ。エッチな言葉でだよ? 分からないなら教えてくださいって言えば俺が教えてあげる」
「っぷは。お、教えてください」
「いいよ。じゃあ耳貸して」
そうして教えてあげた内容に未来の顔は真っ赤になった。だけど嫌とは言わないので、やはり最初に飲んだ直飲みの味が忘れられないんだろう。さて、どうするのかな?
「し、シキさん。シキさんの美味しいオチンポミルク、私のオマンコ顔にたっぷりかけてください」
「ああっ、最高だよ未来。さ、舌を出すんだ」
「えー……」
蕩けた表情と伸ばした舌。そこまでして欲しがるのは俺の精子。この感じは本当に堪らない。ああ、早く飲ませてあげたい。そしてもっといやらしい女の子にしてやりたい。俺だけのエロ装者にして、響と二人並べて交互にチンポで突き上げてやりたい! もっと俺へ夢中にさせたいっ!
「出る……っ!」
「ふぁぁぁぁぁぁ……いっふぁい……」
未来の顔全体へ降り注ぐ生命のスープ。それを恍惚の表情で受け止め、味わう様はとても淫靡でそそるものがある。以前のクリスの時同様拭けない場所はこちらで拭いてやり、加えてチンポは未来にお掃除してもらう。さて、これで準備はいいはずだ。
「未来、おいで。ベッドへ運んであげる」
「ふぇ? きゃっ!」
未来を引き寄せ、その体を抱き抱えるように持ち上げる。いわゆるお姫様抱っこというやつだ。思った通り軽い。奏やマリアにだって出来ない訳じゃないから未来ぐらいは平気だと思ったけど、まさかここまでとは。そのまま余裕でベッドまで行き、そっと未来の体を下ろす。
「短い時間だったけど、どうだったかなお姫様?」
「……後でシャワーに行く時もお願いしていいですか?」
「勿論。ただし、その時は……ね?」
「はい、一緒に入りましょう」
契約成立。笑みを浮かべてキスをする。もう未来は出来上がっていると思っていい。それとなく見ればもうマンコが大洪水。これならいいか。そう思って一応未来へも尋ねてみる事にした。セレナは最初抵抗感を覚えたみたいだったしな。
「未来、俺の精子がスープだって知ってると思うけど」
「はい」
「だからか、装者の子相手だと妊娠させ辛いんだ。特に一度出しただけじゃほとんど無理」
「……そうなんだ」
「で、どうする? 避妊具、付けた方がいい? ない方が幸せになるってみんな言うんだけど。ちなみに付けてした子は今のとこ皆無」
はっきりと言い切ると未来が小さく苦笑する。これは伝わったらしい。俺がどうしたいか。そして何を言わせたいか。
―――私も響達と同じがいいです。ちゃんとシキさんを感じさせて女にしてください。
―――分かった。ありがとう未来。とても嬉しいよ。大事にする。
もう一度キスをする。今度は舌を絡めるキス。ここからはエロい事をするという合図だ。未来もそれを分かったのだろう。気が付けば股を開いてくれていた。なので喜んで彼女へ覆いかぶさる。チンポがマンコに当たると、それだけで未来が女の顔をした。
「入れるよ?」
「はい……来てください」
待ちきれないという顔の未来へキスをしながら挿入する。その瞬間、未来が足をしっかりと絡めてきた。同時にチンポを締め付ける感覚が強くなる。間違いなくイってる。挿入だけでイクとか凄いな。そう思ってキスを止めると未来が人には見せられない顔をしていた。
「にゃにこりぇ……しゅごく気持ちいい……」
「痛くない?」
「ふぁい。もっとぉ、もっと気持ち良くしてぇ」
うん、エロい。未来はどうやら元々感じやすい子みたいだ。もしくは少し焦らし過ぎたのかね。とにかく今日で未来を俺のものにする。セックスの味を教え込んで俺から逃がさないために。それに、未来にだって俺の子を産ませたい。まずは一番奥へ突き入れる。
「ひゃんっ! い、いまの何ですかぁ?」
「一番奥まで入れたんだよ。子宮口に届いたのかな?」
「子宮口……あっ」
「おっ……」
未来が何かに気付いた瞬間襲い来る締め付け。これは感じたのか。
「私、シキさんに赤ちゃん作られちゃうんですか?」
「出来ればそうしたい。でも、学院を卒業するまでは待つよ」
「……響と一緒なら別に構わないです」
「そんな事言うと、二人揃って種付けセックスするぞ。一日中俺のチンポで気持ち良くされて、何度も何度も射精されるんだ。最後には二人揃って大きなお腹にしてやる」
「ああっ! そんなのぉ……そんなのダメぇ……響と同じ日に同じ人から種付けぇ……」
恍惚の表情でうわ言のように呟く未来。どう見ても幸せそうだ。響もだろうけど、未来も結構相方好きだよな。ハーレムもいいけど、コンビとの3Pもいいよなぁ。奏と翼、切歌と調、マリアとセレナ、響と未来。クリスは……基本俺とコンビって扱ったら喜んでくれるかな? いや、了子がいた。クリスと了子で擬似母娘とか……たぎるな、うん。
「そうだ。しかも一度じゃない。何度もだ。俺の子を何人も響と一緒に孕むんだ」
「っ!? あ……ダメ……イク……っ!」
その瞬間、本当に未来のマンコが締め付けてきた。もしかして想像だけでイったのか? どんだけ響の事好きなんだよ、未来は。分かってはいたけど俺よりも好きなんだもんなぁ。そりゃこうもなるか。
「っはぁ、はぁ……」
「未来、一つだけ聞いていいかな?」
「な、何ですか?」
「俺って、やっぱり響より順位下かな?」
多分少し落ち込んでるように見えたんだろう。こちらとしてはそんな風な顔をしたつもりはなかったけど。未来は俺の顔を見て一度だけ驚いた顔を見せて、ゆっくりと苦笑しながら首を横に動かした。
「そんな事ないです。響は女の子として一番で、シキさんは男の人として一番ですよ」
「総合順位は同率?」
「はい、当然じゃないですか。でも、やっぱりシキさんって時々子供みたいですね。今の顔、まるで寂しそうな子供でした」
言われて想像し苦い顔。それもまた未来を笑わせる事になる。ま、いいさ。例えそうだとしても、今の俺は子供なだけじゃなく大人にもなれるんだ。そう思って俺は少しだけ腰を動かす。その刺激で未来の表情が少しだけ女のそれへ戻る。ならここからはスケベ全開でいくか。
「未来、ここからは本気のセックスだ。覚悟して」
「はい、分かりました。いっぱい気持ち良くしてくださいね?」
「ああ、任せ……ろっ!」
「ああんっ! い、今の好きぃ! 奥、グリってされるのぉ!」
「ダメダメ。まだだよ? ここからだから……っ!」
「んんっ! そこ、そこぉダメぇ……一番奥トントンされるの弱いのぉ……」
執拗に子宮口を攻め立てる。未来だけでなくここはみんな弱くて大好きな場所だからだ。さて、ならもう一度イかせてやろう。ただし、キスしながらだ。更に両手で乳首を摘んで少しだけ強めに刺激する。
「んぅ!」
口を封じ、乳首を刺激し、そこで全力ピストンだ。うおっ! 凄い勢いで締め付けてくる! 未来の感じ方がよく分かるな。後、中学時代部活で陸上をやってたせいか、締りがかなりいい。イけ、イけ。イっちまえ! こみ上げてくる射精感を解放するべく、俺は力強くチンポを突き入れた。
「っ~~~~~~っ!?」
とどめとばかりに乳首の刺激を強くし、子宮へ届けと思って腰を深く突き出した途端未来が目を見開いて足を絡めてきた。腕も俺へ力強く回してきたし、これはもう間違いないだろう。未来の子宮を侵略していく俺の精子が彼女の思考をまず陥落させたはずだ。
「……どうだった? 中出しエッチは」
「…………もう、ダメ。響達がシキさんのお嫁さんになりたいって言った理由分かっちゃった。私も、こんなの知ったら無理だもん」
「未来……」
心底噛み締めるような声に俺は未来を愛おしく思ってキスをする。それに彼女も舌を入れてきてくれた。そのまま俺達はもう一度求め合った。未来を抱き抱えるようにして、キスしながらのラブラブエッチ。まるで離したくないと言うように絡む足がとても嬉しかった。
―――シキさん、本当に響と一緒に赤ちゃん作ってくださいね?
最後にこんなお願いされたらその気になるってもんだ。だけど、俺は頷いてこう返してもやる。
―――その前に作ってもいいよ?
その言葉への返事はチンポを締め付けるマンコでした。こうして未来も堕天した。神獣鏡の装者は、その内側から汚されてしまったのだ。俺の吐き出す白濁によって……。
シャトーの中にあるかつてガリィ達が待機していた場所。そこに今S.O.N.Gの主だったメンバーが勢揃いしていた。目的は一つ。簡単に言えばシャトーの擬似本部化の視察だ。奏達にとっては将来の我が家になるかもしれないので、宅見とも言えるけど。
「成程。本部内から先程の結晶を使えば瞬時の移動が可能か」
「はい、これなら緊急時の脱出先としても使えるはずです」
「実際、今の本部は逃げ場所に困りますからね。エルの言う通り、ここがあるのとないのとじゃ大分違います」
藤尭さんの言葉に友里さんも頷いていた。そうだよな。潜水艦だもんなぁ。ある意味で侵入し辛いけど、仮にされたらこちらも困る。
「それに、ここなら逆に攻め込まれる可能性は皆無です。セーフハウスとして考えても十分かと」
「ふむ、そもそもキャロル君達が拠点にしていた場所だ。そういう用途にも対応しているだろうしな」
「まあな。ただ、発令所としては使えないと思うぞ。ここにはそういう機械などはないし、設置も難しいだろう」
「持ち込むのは?」
「出来なくもないが、誰がそれを繋ぐ? ここに業者を呼ぶのか?」
「たしかにな。あくまで避難先や緊急時用か。だが、それでもあるだけ有難い」
風鳴さんがそう締め括ると誰もが頷いた。が、その視線が一斉に俺へ向く。何だろうか。俺、何も言ってないしやってないんだけど。
「ただ、それでいいのか要君。聞いたところだと、君はここを家として扱いたいと」
「だから擬似的な本部で止めて欲しいんです。ここをそうやって使うのは、あくまで一時的。それと、その間は皆さんは家に来た客人扱いです。ちゃんと、客間じゃないですけど客室とかも用意しますんで」
言ってからキャロルとエルを見る。すると二人も頷いてくれた。どうやら上々の滑り出しらしい。では、ここからが本番かな。
「で、そのために少しでいいのでS.O.N.Gから資金援助をしてもらえませんか?」
「そうきたか。だが、たしかに悪くない話ではある。額にもよるが、余程でなければ掛け合ってみよう」
「エル、風鳴さんに見積もりを。キャロルは改造の草案を出して」
言われた二人がそれぞれ空中にモニタのような物を出現させる。それに大小の声が漏れる。そうだよな。俺も初めて見た時は似たような反応したよ。そこに表示されたものを眺める大人達。一方、奏達にはガリィ達が風鳴さん達とは別の改造案を見せていた。
「へぇ、大浴場かぁ。たしかにいいね、おっきなお風呂」
「デスデス。でも、これじゃシキさんのお風呂はどうするデスか?」
「あいつは札をかけて自分が入ってるって分からせるって。で、基本は女湯だそうよ」
ガリィの説明に頷く響と切歌。そうされると本気で姉妹だよ、君達。
「私と切ちゃんは同室でもいいんだけど……」
「ダメです。彼が言うには今はよくても子供が出来たら困るだろうと」
「そうだね。調、お母さんが誰かと一緒にいたら、子供だって一人じゃ嫌だって言い出すよ? 甘えの原因になるかも」
「そうだよ調ちゃん。響みたいに大きくなっても私と同じベッドで寝たがるかも」
セレナと未来の言葉に調も考え込む。にしても、ファラはすっかりスコア達の中のお姉さんって感じだな。一番色気と雰囲気あるし。
「子供部屋、かぁ。大き目なのはやっぱそういう事だね」
「でしょうね。ま、単純に考えて九人よ。それぞれが二人産めば既に十八。野球で対戦出来るわ」
「先に生まれたチームと後から生まれたチームか? まぁ、楽しそうではあるけどよ」
「なら、ミカ達は審判してやるゾ。ついでに食べ物とか売るか?」
「そこまで本格的にしなくても……」
「いや、面白そうじゃん。何ならあたしがチアでもやってやるよ」
「先輩はそれでもいいかもしれねーけどなぁ……」
楽しげに笑う奏とミカ。対するマリアとクリスは呆れ顔。それよりも君達は何で疑問なく装者全員が出産すると考えるのかな。……まぁ、そうするんだけども。
「訓練施設はないのか?」
「それは家に必要ない。ここはあくまでも家。だから派手な設備はいらない」
「それもそうか。羽休めの場に戦支度は不要。休養も大事だ。つまり、ここでは防人になるなという事か」
「そうなるね。だけど、歌や踊りは出来るようにしたいってシキは言ってた。子供の教育にも地味に良いって」
「歌と踊り……そうだな。我が子と共に歌い舞うのも悪くない」
翼とレイアが話していると、何というか独特な会話だな。互いに癖のある言葉だからか、聞いていて違和感が凄い。だけど互いに落ち着いているようなので良しとする。さて、風鳴さん達はどうだろうか。
「これぐらいなら予算内でも大丈夫ですね」
「ああ、そうだな。しかし、本当にこれでいいのか?」
「問題ない。こちらとしては客室としての改造など簡単に済むのでな。問題はこちらだ」
「たしかにリラクゼーション施設は大変だよなぁ。休憩室とか作るのか?」
「そちらは父さんの持っているゲーム機? というものやDVDなどで何とか」
「要君の趣味、か。多少で良ければ俺のコレクションも寄贈するが?」
「それ、弦十郎ちゃんが自宅に戻るの面倒な時用のためでしょ? ダ~メ」
「こちらの研究エリアというのはどの程度の?」
「設備に関してはまだ決めていないが、どうせ俺達しかいない場所だ。相当無茶な事も出来るようにするつもりではいる」
「ナスターシャさんと了子さんの場所も確保するので安心してください」
エルのその言葉に二人が揃って笑みを浮かべた。やっぱりエルは二人から娘や孫のように思われてるんだろうな。キャロルもそうなるといいんだけど。さて、そろそろいいかな。では、一応ここの家長として頑張るとしますかね。
「どうですか? そこまで吹っかけてはないと思いますけど」
「その前に、要君としてはここをいつまで家とするつもりだ?」
風鳴さんの問いかけに誰もが首を傾げた。だが、俺は分かる。風鳴さんは将来を見越して尋ねてくれているのだと。本当にこの人は大人だよ。だけど、今日は俺も大人でいく。
「勿論死ぬまでです」
「なら、当然問題が出てくる」
「子供達の登校や友人を招く事、ですよね?」
俺の言葉に誰かが声を漏らした。そう、そこは俺も考えていた。だからこそその解決策を既にキャロルとエルに相談してあるんだ。
「そうだ。まだ赤子の内はいいかもしれん。だが、友人付き合いが始まれば互いの家へ行き来する事もある。それにそもそもここへどうやって帰宅させるつもりだ?」
「情けない話ですが、奏達を頼る事になります。まだ話はしていませんが、郊外とか土地の安い場所に三階建て程度のマンションを建てて、そこを表向きのみんなの自宅扱いにしようかと」
「……子供が大きくなるまで三年から四年。幼稚園や保育園などに入れないとしても六年か。その間で体裁を整えると」
「そうなります。ただ、無理そうなら最悪俺の住んでる部屋を自宅扱いにして、玄関のドアを開けたらここへ繋がるようにしてもらうつもりです」
俺の言葉にキャロルが頷いてくれた。そう、それが可能かと聞いたら切り替えなど出来なくても良ければ可能と言われたのだ。つまり、それをするとあの部屋の玄関は解除するまで永遠にシャトーへ繋がる事になる。その解除や設定もキャロルしか出来ないので実質切り替え不可という訳だ。
「中々考えてはいるな。少々行き当たりばったりな感じが否めないが」
「否定しません。俺もまだ考えが足りないと思っていますし、相談も出来ていませんから」
「あたしは別にいいよ。てか、もっと早く教えて欲しかったな。それならもっと稼いでやるのに」
「私も構わないわ。世界に強要された立場だもの。何なら徹底的に利用してやろうじゃない」
「私はこの前言った通りです。この歌が私や要さん達を笑顔にするのならいくらでも歌い上げてみせます」
歌姫三人からの心強い賛同を頂いた。これで少し現実味を帯びるかな。
「あたしも乗ってやる。こう見えても貯えはちゃんとしてんだ」
「私も構わないわよ? この子の兄弟が増えるんだし」
「ふふ、では私も祖母として多少力を貸しましょう」
まさかのナスターシャさんまでとは。ていうか、クリスってやはりちゃんとしてるんだな。見てごらんよ。君の後輩達は苦い顔をしているから。
「響、お給料は?」
「そ、それが……あはは」
「切ちゃんも似たようなものです。無駄遣いばかり」
「し、調ぇ……冷たいデスよ~」
「呆れた。二人して貯えてないの?」
「えっと、私のは半分お母さんに預ける形にしてるから」
「こっちも切ちゃんと私のは半分マムが管理しています」
成程。響と切歌の自由になる分はいつも綺麗に消費されてると。調はどうやらそうじゃないらしいけど、クリス程胸を張るだけはないってとこか。この辺りも実に性格が出ている。
「うわぁ、知ってはいたけど凄いな」
「本当に。要君って本気でみんなを奥さんにするつもりなのね」
「……世界中の男が嫉妬しそう」
「嫉妬だけならいいけど、恨んだり憎んだりするのは止めておきなさい。そういう事をするような男は女が寄ってこないわ」
友里さんのばっさりとした言い方に藤尭さんが小さく呻く。気持ちは分かりますよ、藤尭さん。俺だって体質がこうじゃなければそっちです。こうして風鳴さん達へのシャトー改造計画の相談と視察は終了。で、ここからがある意味本命。装者九人とキャロル達を加えた家族会議である。
「とりあえず、父さんは今月中にはこっちで寝泊まりしてもらいます」
エルの第一声に奏達が小さく驚きを見せる。あー、そう言う事か。
「何? シキ、あんたエル達と一緒に暮らしてんじゃないの?」
「まだあの部屋で暮らしてるんですか?」
奏と響の問いかけに俺ではなくエル達が揃って頷いた。
「呆れた。仮にも二人の父になったのでしょ? なら傍にいてあげなさい」
マリアの正論に返す言葉がない。でもな、こっちはまだ電気が通ってないんだよ。それに引っ越すにしても俺の部屋もないような状態だし。そんな言い訳を考えていると未来とセレナがややつり目になった。
「暮らしにくいからって理由ですよね?」
「一度ここで暮らしてたんだからいいじゃないですか」
「おおっ、いいゾいいゾ。もっと言ってやって欲しいゾ」
「家具などの持ち運びがなどの言い訳をして、地味に嫌がっている」
ミカが二人の応援に回り、レイアが追い打ちをかけるように告げる。ああ、クリスの目が怒りに変わる。そうだろうな。彼女も俺にどことなく父性を見てくれてたっぽいし。
「お前、本当のパパになるんだろうが。じゃ、一番苦労しなきゃいけないのはオメーだろ」
「クリス先輩の言う通りです。シキさん、エル達と一緒に一刻も早く暮らしてあげて」
「デスデス。お父さんが出来ても、一緒に居られないならいないのと一緒デスよ」
「いえ、むしろより悪化です。いないのなら諦めもつきますが、いるのですから諦められませんので」
ザクリとくるファラの言葉。見ればエルが悲しそうな目を向け、キャロルさえも若干寂しげだ。ああ、本当にごめんなさい。やはり俺はまだ父としての自覚が無さすぎる。
「本当にごめんなさい。とりあえず当座の着替え等を持ってきます」
「なら、せめてベッドぐらいこちらへ移動するか。エル、俺は一度父さんと部屋まで行ってくる。その間にこちらの部屋を準備し座標を送ってくれ」
「分かった。気を付けてね、キャロル」
申し訳なさで項垂れる俺を後目に、キャロルとエルが仲良し姉妹の会話をする。と、そんな俺の肩へ置かれる二つの手があった。
「要さん、気落ちし過ぎないでください。みな分かってもいますから」
「え?」
「あんたがまだ心の整理がついてない事よ。実の子が産まれる前に義理の娘が二人だもの。ま、どう距離を縮めればいいか不安にもなるわ」
翼とガリィの言葉に知らず涙が出た。そうか。これはそういう事なんだ。自分でも分からなかったけど、言われてみたら腑に落ちた。だって、俺には両親の記憶がない。手本になるものがないに近いんだ。
「キャロル、エル、本当にごめんな。俺、何も分からないし知らないけど、頑張っていい父親目指すよ。だから二人の知ってるパパの事を教えてくれ。とりあえずはそれが俺の教科書だ」
「「父さん……」」
「記憶がないって、こういう時厄介だよな。普通なら自分の親を教科書にするんだろうけど、俺にはそもそもそれがないから。生きてるのか死んでるのかも知らないし……」
言ってて妙に寂しくなってきた。そうだよな。俺って天涯孤独なのかもしれなかった。今まで家族とかについて深く考える事なんてなかったけど、これを機に考えてみるのもいいのかもしれない。そんな風に思いながら俺はキャロルとエルの頭を撫でる。
「きっと迷惑や苦労をかけるだろうけど、俺なりに頑張るからさ。だから二人の事もあてにさせてもらうな。それと、ガリィ達もよろしく頼む。未熟な父親見習いだけど、見捨てないで手を貸して欲しい」
そう言って頭を下げる。本当にここから頑張らないといけない。了子は本当に俺の子を産んでくれる。そうなれば俺は正真正銘父親だ。血の繋がりがあるなしじゃない。キャロルとエルを引き取った以上、既に俺は父なんだ。今更になって自覚のようなものが芽生えてきたらしい。ああ、本当に俺はダメな奴だな。ここまで言われてようやく気付くなんて。
「父さん、もういいですよ。僕もキャロルも怒ってないですから」
「ああ、父さんにいきなりパパをやれとは思っていない。その、そういう意味なら俺達もどう娘として接すればいいかよく分からない」
「ま、マスターもエルも娘として生きた記憶より個人として生きた記憶の方が長いものねぇ」
「ですから、シキさんだけが悪い訳ではありません」
「ん。ミカ達もどうすればいいかよく分かってないしな」
「地味に複雑なのが人間関係。これから学んでいくしかないわね」
俺の家族となってくれた六人の言葉にまた涙が出そうになる。いいんだ。俺はまだ未熟で。ここからみんなで成長していけばそれでいい。心からそう思えて俺は嬉しく思って頷いた。
「ったく、面倒かけさせやがって……」
「て言いながらクリス。あんたの目、潤んでるよ?」
「なっ! こ、これは……」
「止めましょう。この手の話題で胸にこない人間はここにはいないわ」
「そうだね。調のように親の顔を知らないって子もいる。そう考えると、シキさんの問題は私達にもあてはまるもんね」
セレナの言葉に切歌と調、それにマリアも頷いた。クリスや奏は頷きこそしなかったが、似たような気持ちがあるのだろう。複雑な顔をしていた。翼は……何かを思い出して辛そうな顔。響と未来だけが若干の気まずさを感じている。
「でも、大丈夫だよ。極論を考えてみれば、人類最初の夫婦は手本なしで親をしたんだ。なら、大事なのはその気になって精一杯子供と向き合う事じゃないかな? 俺はそれが足りなかった。向き合う気持ちも、思う心も」
「父さん……」
「でも、僕らももっとはっきり言うべきでした。父さんと一緒にいたいって」
「ああ、エルの言う通りだ。俺達が強く言っていれば思い込みの激しい父さんの事だ。もう少し早くその気になったはずだ」
「あの、キャロル? そう言われると複雑な気分になるんだけど……」
俺が情けなくそう告げると一瞬の間の後でみんなが笑った。うん、これでいい。後は前向きな話をしていくだけだ。そう考えて俺から話題を振って行く。まずはみんなの部屋をどうするか。それと大事な事だけど、その営みをする場所は広さを考えないといけない。全員ですごせる場所にするのか、ならばベッドはどんな大きさがいいかなど。一部赤面したけども、それでも意見は出してくれる。ま、結局本当にするかは別にして、みんなで寝られるようなのが理想となり、ベッドではなく大広間みたいにして布団でいいんじゃないかとなった。
「合宿みたいでいいかもしれない」
「おおっ、そう言われるとそうだね」
「子供が産まれてもそれなら一緒に寝てやれるか」
「夜泣き、大変かもしれないわよ?」
「あー、それはあるかもなぁ」
マリアの言葉に噛み締めるような声を返すと、ガリィ達が揃って首を傾げる。
「「「「夜泣き?」」」」
「赤ちゃんは理由なくぐずる事があるんだ。深夜や早朝なんかお構いなしに」
「なら、私達が面倒を見ましょう」
「可能ならそれは有難いけど……」
「あやし方をあたしらも学ばないとね」
「だが、そう考えるとガリィ達の存在は心強い。さすがに深夜や早朝などに泣かれると様々な事に支障が出る」
アーティスト三人は特にそうだろうな。でも、こう考えると世の親達は大変だ。そういう事を乗り越えて子育てをしてる。俺、本当に出来るだろうか?
「私達も人数がいますから交代したり、一人で複数を見たりすれば何とか出来ると思いますよ」
「未来の言う通りだね。姉さん達がお仕事する分、家事担当は任せて」
「家の事は私達が」
「おおっ、調が燃えてるデスよ」
何とも頼もしい限りだ。なら、キャロルとエルへ一応の目安の期日でも設けよう。そこまでにある程度の改造を進めて、予行練習とかしたいし。
「キャロル、エル、大広間だけでも夏までに作ってもらえないかな? 布団とかはみんなで見て決めてもらうとして、場所だけでもね」
「夏か。別に余裕だが……」
「どうして夏までに?」
「うん、そうなれば学生組は長期休暇に入るんだ。さっき合宿って言ってたし、予行練習も兼ねてシャトーで暮らしてみるのもいいんじゃないかと」
その意見に響と切歌が即賛成し、未来や調も好意的な反応を返してくれた。クリスも満更でもないらしく、奏達も短期間であればスケジュール調整などをして参加するとなった。こうして最初のシャトー改造会議は終わりを迎える。まだ前途多難ではあるが、俺のハーレム計画も動き出した。願わくば、出来るだけ笑顔の絶えない生活になりますように……。
都内の閑静な和風住宅。それが風鳴家だった。翼の雰囲気からそうじゃないとか思っていたけど、予想通り過ぎて怖いな。そういや風鳴さん家も和風だった。成程、どうやら風鳴はどこまでいっても和の家風なんだろう。
「要さん、どうしました?」
「あ、うん。ちょっとだけ気圧されたってとこ」
「そうですか。では、お父様と会う時はもう少し気構えしておいてくださいね」
「分かった。精々呆れられないようにする」
少しだけおどける様に言うと翼が苦笑する。良かった。これで少しは雰囲気が和らいでくれるといいんだけど。何故か翼は実家に近付くにつれ口数が減っていった。理由は分からないけど、確実に父親と何かがあるんだと思う。詳しく聞いた事はないけど、どうも翼は複雑な事情があるらしいと奏からそれとなく言われた事がある。さて、見事な門構えの先は……へぇ。
「立派な門を抜けるとそこは日本庭園だった」
「雪国ですか」
「質の低いパクリだけどね」
「読んだ事があるんですか?」
「ううん。この有名な一文しか知らない」
あっさりとバラすと翼が苦い顔をする。はて、てっきり苦笑されるか呆れられるかの二択と思ったのだが。そう思って翼を見つめていると軽くため息を吐いて呟いた。
「私もそこしか知りません」
「あ~、そうだよな。何となく翼って読書ってイメージないもん」
「なっ! そんな事はありません! 私だって本ぐらい読みます!」
「時代小説とかじゃなく?」
「……司馬遼太郎の何がいけないんですか」
やっぱりだ。ここまで予想通りだとおかしくて笑いが出る。でも、それは馬鹿にするものではなく好ましく思っての笑み。翼もそれは分かっているのだろうが、やはり笑われている事に変わりはないので複雑そうな表情を見せた。と、その時だった。玄関が開いてそこから一人の男性が現れた。見ただけで分かった。この人が翼のお父さんだと。
「お父様っ!」
「やはりお前達か」
驚く翼を見てどこか冷たい目を向けるお父さんに違和感を覚える。だけど、まずは挨拶しないとな。最低男だからこそ、出来るだけの事は礼儀を守らないと。
「風鳴さん、はじめまして。要シキと申します。本日はお忙しい中、お時間を頂きありがとうございます」
「風鳴八紘だ。話は弦十郎から聞いている。複数の女性を侍らせているそうだな」
「お父様、そんな言い方は」
「お前は黙っていなさい。私は今彼と話している」
「っ……はい」
有無を言わせない迫力に翼があっさり従うのを見て、俺はやっとこれまでの事を理解した。翼は八紘さんに引け目を持ってると。それがどうしてかは知らないが、まずは訂正しないといけないな。
「お言葉ですが、自分は女性達を侍らせてなどいません」
「ほう」
「たしかに複数の女性と関係を持っています。ですが、それはこちらが一方的に上ではありません。むしろ、自分としては女性達に委ねています。なので、正確には侍らせてもらえているです」
「同じ事ではないかね?」
「違います。同じ買うでも、自分の金で買うのと誰かの金で買うのでは意味が違いますから」
「つまり、君は翼達が上だと?」
「どうなんですかね? こちらは対等であると思っていますが、自分は彼女達を捨てる気はないですし、別れるつもりもありません。けれど彼女達は分かりません。まぁ、自分は彼女達がこちらを捨てても別れても構わないと思っていますから、結果的に彼女達が上かもしれませんが」
そうはっきりと言って翼を抱き寄せる。そして八紘さんへ見せつけるようにして言い切った。
―――こんな自分にお嬢さんを預けて頂きたいのです。
翼は俺の胸の中で赤い顔をしながら驚き戸惑っていた。それでも俺を見て、八紘さんを見てと繰り返す。八紘さんはそんな翼にどこか驚いているように見えた。これ、よく分からないけど八紘さんは翼の事嫌いじゃないよな。だって、嫌いならそもそも俺に会いたいとか思わないだろうし。
「本気で言っているのか?」
「伊達や酔狂でハーレムなんて夢、見てないんです。本気で馬鹿な夢を貫きたいと」
「……翼」
「っ! は、はい」
名前を呼ばれただけで身構える翼が珍しく、少しだけ笑みが零れる。そんな俺に気付かず、彼女は八紘さんを見つめ続けた。しばしの間。そして八紘さんは鋭い眼光で翼を射抜く。
―――そんな男で本当にいいのか。
疑問ではない。まるで俺を吐き捨てるべき相手のように扱っていると分かる言い方だ。実際そうされても仕方ないと思うので反応しない。それに、きっと俺が口を出すよりも翼が言った方が八紘さんとしても満足だろうし。
「はい、この方が、シキさんがいいです」
「っ!? つ、翼……今、俺の事名前で」
「いけませんか? その、雪音と同じで切っ掛けが中々なくて。本当はあの夜からそう呼びたかった。奏のように、貴方を姓ではなく名で愛おしく呼びたかった。なのに、気付けば立花や小日向、雪音にマリア、セレナ、暁、月読と」
「あー、名前で呼ぶ方が多くなってきたと」
「はい。おかげで今更感が強くなって、私だけいつまでも要さんと呼ぶしか……」
軽くいじける翼だけど、もう本当にいじらしくて可愛いんだからなぁ。そう思って翼を抱き締める。
「ありがとう翼。俺、すっごく嬉しい」
「っ……シキさん、私も嬉しいです」
そうやって互いを抱き締めあっていると、横から聞こえてくる咳払い。揃って視線を動かせば八紘さんが気まずそうに立っていた。慌てて離れる俺と翼。だが、それにさえ八紘さんは複雑そうな顔をした。
「お前達の気持ちは分かった。既に選択権を女性達へ委ねている以上、私から言うべき事はもうない。翼の気持ちも今のでよく分かったしな」
「お、お父様?」
「その男、夢は酷いがそれを隠さぬならば案外大物かもしれん。が、捨てたくなったらいつでも捨てろ」
「そんな事は有り得ません。必ずシキさんとの間に子を生し、お父様へ見せてごらんにいれます」
「まぁ、仮に俺が愛想尽かされたら、その時は彼女をここへ迎え入れてください」
内心で絶対ないようにと願いつつ、翼のために種だけ撒いておく。願わくば芽を出すだけで終わりますように。花までは許容するけど実を付けたら悲しすぎるし。どうやら俺のそんな考えが伝わったのだろう。八紘さんは小さく笑ったかと思うと、その場で深く頭を下げた。
「ちょ、八紘さん!?」
「不出来な娘だが、よろしく頼む」
「いえ、その、こちらこそ精一杯幸せにしてみますっ!」
負けじと頭を下げる。そのまましばらく下げていると、翼が動いたのが分かった。八紘さんへ駆け寄る足が見えたのだ。
「お父様……っ!」
頭を上げれば、翼が何故か感極まったように口を押さえ、八紘さんへ抱き着いていた。俺はそれを見つめ、ただ困惑するのみ。よく分からないけど、とりあえず翼の親父さんに許可をもらったって事でいいんだよな? でも、今日はもうデートは無理だな。そう思って俺は翼へ声をかける事にした。
「翼、今日はもうこのまま解散しよう。久しぶりの親子の時間を大切にした方がいい」
「で、でも……」
「デートならいつでも出来る。だけど、八紘さんとは中々会えないし話せないだろ?」
言ってから視線を八紘さんへ向ける。すると目が合ったので軽く一礼しその場を後にする。ある程度歩いて門の下まで来た辺りで背中に衝撃を感じた。
「翼?」
「ありがとうシキさん。今度、私の秘密をお話します」
「うん、分かった。じゃ、親父さんに沢山甘えておいで」
「はいっ!」
最後にキスして翼と別れる。見れば八紘さんが苦笑していた。申し訳ないけど、そこまでは気を遣えません。そんな事を思いながら風鳴家を後にする。きっとあの二人には、今まで話したくても話せない事があったんだろう。俺はその場に必要ないはずだ。だからお暇する。さて、時間が空いてしまった。なのでたこ焼きでも買ってシャトーに帰るか。キャロルとエルは仕事だけど、ガリィ達がいるので多めに買っておこう。
こうして帰宅したシャトーで、俺はたこ焼きと大判焼きをガリィ達へ手渡した。何というか、キャロルの改良の成果で今の彼女達は食べる事に貪欲となりつつある。食事からも少しエネルギーを得られるようにしたからだとか。
―――ハイブリットって奴になったらしいわ。
―――思い出だけでなく食事からもエネルギーを吸収出来るようにと。
―――ただ、起動させる程の量は無理だから精々が稼働分程度らしいゾ?
―――なので私達は出来るだけ派手に動かず、地味に過ごす。
説明してくれる四人だが、それぞれ口元に餡子やソース、青のりをつけているので面白い。ま、それだけ彼女達も人間に近付いてると思って微笑んだ。俺がキャロルとエル用に残した分までミカが食べようとしたので、それはガリィ達と四人で阻止。末っ子気質なミカには困ったものだ。まぁ、可愛いからついつい甘えさせてしまう俺も悪いんだが。
「で、これはその激戦の結果」
「はむっ……はふはふ……ほうふぁ」
「キャロル、口に食べ物を入れたまま喋っちゃダメだよ」
「……ごくん。そういうエルは口元にあんこが付いているぞ?」
「え? ホント?」
こちらを見るエルへ苦笑しながら頷いてやる。すると恥ずかしそうに顔を赤めて俯いた。
「と、取ってください父さん」
「はいはい。じっとしててね」
「むっ、父さんはエルに甘いぞ」
「あー、キャロルもじっとして。そっちは口にソース付いてるから」
可愛い娘二人の世話をしながら、俺は小さく微笑んだ。了子は出産したらシャトーで暮らすと言っていた。なら、二人にとっては母さんだ。それを二人は喜んでくれるだろうか。いや、きっと内心では喜んでくれるだろう。更に幼い命がやってくるのだ。おそらくおっかなびっくり世話もしてくれるはず。そんな未来を想像して、俺は優しく二人の口を拭いてやる。
―――んっ。く、くすぐったいです父さん。
―――もう少し丁寧にやって父さん。
―――ごめんごめん。
言いながら笑顔を向けてくれる二人に思わず笑みを返し、俺は手にしたティッシュを丸める。二人の顔は、ソースや餡子で若干色付けされていた。それがシンメトリーのように見え俺は笑い、キャロルとエルは互いを見て笑い合う。そんな俺達をガリィ達がどこか呆れつつも微笑ましく見つめていた。今日もシャトーは平和です。