※この作品はR-18です。

淫姫絶頂したいフォギア   作:拙作製造機

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装者達のデート回は毎回頭を悩ませます。何せみんな年頃の乙女達です。そういうのに憧れが絶対ありそうなので(汗
え? 一人エロしかなかった子がいる? 一人はデートと言えるか怪しい子もいた?
…………勘弁してつかぁーさい(涙


お泊りデート セレナ編

 最早定番となった駅前の広場。そこの時計前で俺はセレナを待っていた。既に待ち合わせ時刻を五分過ぎている。正直言おう。ある意味心配だ。いや、何も来ないとかではなく、何か事故とかに巻き込まれてないだろうかという不安で。

 

「……十分待っても来なかったら連絡してみるか」

「お、お待たせしました~っ!」

 

 そう呟いた瞬間聞こえる愛らしい声。周囲の人の目がその声の主へと注がれる。そこには、妖精のような雰囲気を漂わせた白い帽子が似合う女性がいた。セレナである。

 うん、そしてその彼女が俺へ駆け寄るのを見て男性の半数以上が納得出来ないという顔をし、残りが嫉妬か憎悪を乗せた眼差しを向けてきた。それに怒る事などはない。むしろ理解出来てしまうのだ。

 

「ご、ごめんなさい……っ。そ、その……ちょっとお化粧に手間取っちゃって」

「いいよ。そんなに待ってないから。無事で良かった」

「え?」

「もしかして事故とかに遭ったのかもって、少しだけ不安だったんだ。セレナに何事もなくて何よりだよ」

「シキさん……」

 

 言ってから、少しだけキザっぽいと思って恥ずかしくなった。だけど、セレナがどこか喜んでくれたので良しとする。さて、では動くとするか。時間は有限だし。

 

「じゃあ行こう」

「はいっ!」

 

 指を絡ませて俺達は歩き出す。とはいえ、既に以前それらしい事をしたので今回は趣向を変える。そう、街ぶらではなくセレナが好みそうな場所へ行こうと思って。

 なので向かうは街ではなく駅舎の中。電車に乗って移動するのだ。実はデートでこういうのを使うのは奏以外ではセレナが初めて。

 

「あの、シキさん」

「ん?」

 

 二人分の切符を購入したところでセレナがどこか戸惑った表情を浮かべた。どうしたのだろうと思っていると、その視線が手にした切符に向けられる。そこで理解した。

 

「もしかして、また街中デートだと思ってた?」

「は、はい」

「そっか。えっと、今日は植物園に行こうと思ってさ」

「植物園……」

「うん。動物園でもいいかなって思ったんだけど、セレナはイメージ的に花とかの方がらしい気がして」

「ふふっ、どちらも好きですけど、たしかに花の方が静かで良さそうです」

 

 笑顔でそう返してくれたセレナに内心安堵しつつ、俺はならばと少しだけ指に力をこめる。それだけでセレナも察してくれたようで、嬉しそうに頷いてくれた。こうして揃ってホームへと向かい、電車に乗って一路目的地へ。

 夏休み期間ではあるが平日でもあり、車内はそこまで乗車している人間が多くない。心持ち学生っぽい子がチラホラしてるぐらいか。

 

「シキさんは植物園に行った事あるんですか?」

「いや、ないよ。だから実は俺も楽しみ」

「私が初めて?」

「そうだね」

 

 そう告げるとセレナが少しだけ嬉しそうに笑みを浮かべた。その心情はとてもよく分かるので何も言わない。好きな人の初めてってだけで喜ぶのは男女関係ないのだ。

 そこからはセレナの質問に俺が答える時間となった。とはいえ、肉体関係を持ったとは思えないぐらいの内容ではあったけど。

 

 どこへ行った事があってどこがないのとか、何をした事があって何がないのかと。本当に今更な感じもする事を答えた。そして同時に同じ事をセレナにもした。やはりというか娯楽関連は見事に経験した事がないらしく、海水浴もこの前の海が初めてだったとの事。水泳自体は本部のプールでした事があるらしい。

 

 そんな会話をしている内に電車は目的の駅へ到着し、俺はセレナと共にそこから歩いて植物園を目指した。夏の陽射しはやや強いが、耐えられない程じゃない。セレナはきっとこれを見越して帽子を被ってきたんだろう。

 

「何か不思議ですね」

「え?」

 

 陽射しを避けるように片手を日よけ替わりにしていると、セレナが噛み締めるような声を出した。何かあっただろうか。特に変わった物はないんだけど?

 

「少し電車で移動しただけなのに、街並みが変わって雰囲気も違うなんて。似てるけどやっぱり違う。何かワクワクしちゃうな」

「あー、その気持ちなら分かるよ。きっと旅ってそういうのを味わう最大の手段なんだろうね。こんな小規模の移動でこれだし」

「初めてこの国に来た時、ホントは探検したかったんです。世界のために計画を成功させなきゃいけない。でも、どこかで研究所を出て初めて訪れた場所だって、そう思って」

「切歌や調もいたから口には出せなかったけど?」

「くすっ、そうなんです。それに、切歌はそんな事をこっそり私には言ってきました」

 

 容易に想像がつく。きっと口を尖らせていたはずだ。まぁ、それが余計可愛いんだろうけど。そう思って苦笑するとセレナも同じように笑っていた。

 

「想像出来ました?」

「うん、出来た」

「こ~んな感じでした」

「あはは、やっぱり」

 

 見事に口を尖らせるセレナに笑って、俺は思うのだ。きっと、彼女達は今までの事をこんな風に話せるようになりたかったんだろうなと。何でもないような事のように、辛い事や苦しい事を話せるように。

 時間が苦労を笑い話に変えると聞いた事があるけど、彼女達の場合はその時間をそもそも得るための行動だったんだよな。フロンティア事変は、世界のために悪を成すという行動だったのだから。

 

 そのまま他愛ない話をしながら歩いて、目的の植物園まで到着する。入園料を払い、パンフレットをもらって中へと進む。そこは街中とは思えないような光景が広がっていた。

 

「わぁ……」

「これは……凄いな」

 

 陽射しが強い夏だからか、植物も活力が溢れているような気がするぐらい青々と茂っている。花が咲いているのもあり、まさしく自然の園と言った感じだ。セレナと手を繋いでゆっくりと歩き出す。一つ一つ立ち止まり、書いてある説明文なんかを読みながら、俺達は散歩感覚で園を歩いた。

 

「ちょっとここで休憩しようか」

 

 途中で見つけた休憩スペースへ座ってぼんやりとしていると、行き交う人達の中に時々子連れが見かけられ、セレナがその子供を目で追っているのが分かった。

 

「……子供が好きなの?」

「分からないです。でも、嫌いじゃないとは断言出来るかな?」

「そっか。男の子と女の子ならどっちが欲しい?」

「……両方、がいいな」

 

 言葉と共にそっと手を握られる。でもエロくはない。セレナの眼差しは照れくさそうだったからだ。だから俺も微笑みを返した。男の子と女の子二人。きっと、今よりも賑やかになる。セレナは母親として立派に育て上げるだろうし、俺もそうなれば少しは父親らしく出来てるはずだ。

 

「そうだね。俺も出来るなら両方欲しい」

「双子が……いいな」

「それは……さすがに運が良くないと無理だと」

「……出来やすくする方法、私にもしてくれるんですよね?」

「うん、そこまで。セレナ、まだお昼前」

「ふふっ、は~い」

 

 楽しげに笑うセレナを見て、俺は思った。マリアが淫魔ならセレナは小淫魔だと。可愛げがあるけど油断するとすぐに吸い取られる。そんな彼女に俺がした。なので嫌ではないしむしろ嬉しいとは思う。でも、出来ればそういうのはもう少し後がいいんだがなぁ。

 

「さ、じゃあもう少し歩こうか」

「はいっ!」

 

 そして再びゆっくりと園内を歩き回り、入口へ戻ってきた頃にはお昼を過ぎていた。良い運動になったとは思うけど、植物園は切歌や響には向かないだろうな。セレナや翼とかみたいに静かな感じが好きな子はいいだろうけど。

 

「あー、歩いたぁ」

「そうですね。私もこんなに歩いたのは久しぶりかも」

「近所にあったら週一で散歩しに来たいかも」

「いいですね。時にはみんなできてピクニック感覚で」

「……カモフラージュの家はそういうの考えて建てようか?」

「それがいいかも。そういうのも、話し合わないといけないですね」

 

 そんな事を話しながら俺達は指を絡めて歩き出す。お昼をどこで食べるか。それを考えながら見知らぬ街を散歩していく。時に立ち止まり、ショーケースを眺めるセレナを俺は微笑みながら見つめた。初めてのデートを思い出してだ。

 あの時からセレナは変わらず素直で乙女のまま。若干エッチに目覚めてしまったけれど、それでも本質は優しい女性だ。きっと姉と同じで母性溢れる母親になってくれる。

 

「あっ、あそこに行ってみたいです」

「どこ?」

「あそこです。あのハンバーガーショップ」

 

 セレナが言っているのは海外資本の某有名チェーンだ。ジャンクフードと呼ばれるものの筆頭である。少しだけ意外な感じがした。ああいうのはセレナは嫌いそうだと思っていたんだけど。

 

「別にいいけど……本当にいいの?」

「はい。その、一度食べてみようかなって。切歌や響はああいうの好きみたいだから」

「あー、成程ね。味を覚えて家で作ってあげようって?」

「その方が体にも良いし、みんなで作ろうって言う事も出来るかなって」

「みんなで、か。うん、キャロルやエルも喜ぶと思うよ」

 

 いつかやったおにぎりは、そういう事もあってかキャロル達も楽しんでくれていた。ハンバーガーの手作りか。バンズは買ってくるとして、パティに野菜とソース類。うん、想像しただけでワイワイやりそうだ。

 

 店に入ると時間もあってかそこまで混雑してはいないが盛況ではある。セレナはメニューを眺め、何を頼もうかと思案中のようだ。なら俺はてりやきにでもしよう。

 

「セレナ、決まった?」

「はい、シキさんもですか?」

「ああ。じゃ、頼もう。注文いいですか?」

「はい、どうぞ」

「てりやきのセットを一つと、セレナは?」

「ハンバーガーを一つとチーズバーガーを一つください」

 

 意外と食べるな。そう思いつつならばと追加注文。

 

「あ、一つはセットでお願いします」

「かしこまりました。では、お飲物はどれになさいますか? こちらからお選びください」

 

 その後は飲み物を選んで待つ事数分。無事に注文の品を受け取り、セレナと共に手近なテーブルへ座る。セレナは初めてだろうファストフードにワクワクしながらハンバーガーの包みを剥がしていく。でも、そこでストップをかけた。

 

「セレナ、ちょっと待って。全部剥がしちゃダメだ」

「え?」

「こうやって……包みを持ちながら食べてくんだ。そうすると手が汚れずに済む」

「へぇ、そうなんですね」

 

 別に全て剥がして食べてもいいけど、物によってはこの方がいい。俺の頼んだてりやきとかはソースがどうしても垂れてくるし。さて、セレナの初ハンバーガーの感想はいかに。

 

「……ちょっとお肉にコショウが多いなぁ。どうして?」

「あー、あまり大きな声じゃ言えないけど、味付けだけじゃなく多分匂いとかを誤魔化す意味があるんだと思う」

「…………やっぱり切歌達になるべく食べないように言っておこう」

「そうだね。でも、心配いらないんじゃない? 少なくても、この夏休み中はシャトーでの共同生活だ。わざわざ外に出てハンバーガーを食べようとはしないはずだよ」

「だといいんですけど……」

 

 みんなのお母さん役としてはあまりお気に召さなかったようだ。ハンバーガーを食べ終えたセレナは、チーズバーガーを口にし始めた。そこで俺のも一口と勧めてみる事に。てりやきは美味いと思うんだ。ソースの味は、な。

 

「……あっ、これは好きかも」

「良かった」

「甘味もあるけどくどくないし、これなら他のお肉でも合いそう」

「じゃ、そっちのを一口ちょうだい?」

「いいですよ。はい」

「あーむっ」

 

 きっと傍から見ればいちゃついてるカップルそのものだったろう。ポテトを食べながら俺はセレナとこの後の事を話し合う事にした。以前したデートとは違う形にしたいが、セレナの希望も聞いておこうと思ったからだ。

 

「と言う訳で、どこか行きたいとことかある?」

「そうですね……」

 

 そう答えたっきり、セレナは黙り込んでしまった。だけど、焦る事もないので俺はのんびりと飲み物とポテトで時間を潰す。時々セレナへもポテトを差し出し、軽くいちゃつくのも忘れずに。

 そうして十分近く過ごした辺りでセレナがふと時計を眺めた。何かあっただろうかと思って俺も時計を見る。時刻は午後二時になろうとしている辺り。特に何かある訳でもないと思う。祭りや花火なんかもないはずだし。

 

「シキさん、とりあえずここを出ましょう。歩きながら教えます」

「え? うん、分かった」

 

 少し妙な感じはしたけど、セレナがそういうのならと店を出た。そして歩き出そうとしたら、セレナが腕を組んできた。その、胸を押し付けるように。

 

「セレナ?」

「……初めてをやり直して欲しいです。それと、双子が出来るぐらい注いでくれません?」

 

 とんでもないお願いがきた。だけど、後半はともかく前半は納得してしまった。何せ姉と一緒だったのだ。なら、実質の二人きりのエッチは初めてとなる。だからセレナとしてはやり直しなんだろう。正直俺もどこかで申し訳なくは思っていたし。

 

「三つ子とかでもいい?」

「……はい」

 

 嬉しそうな笑みを見せるセレナへキスをし、俺は彼女と共に歩き出す。道すがらの話題はやはりシャトーの事に終始した。改装は少しずつではあるが進み、居住側はほぼ終わったと言ってもいい。とはいえ、それは現状の人間の分であり、子供部屋などは手を付けていない。

 どうもキャロルとしてはやはり今いる者達を優先させたいらしく、今はエルと一緒に研究側をどうしようかとよく話し合っている。了子やマムも意見を出し合い、光景だけはさながら仲の良い家族会議だ。内容はとても難しい単語などが飛び交う専門的なものなのだが。

 

 セレナは家事を受け持っているため、やはりまだ居住側で色々と思う事や感じる事があるらしい。でもキャロル達の負担を考えると言い出していいのかと迷っているそうだ、

 

「そっか。なら、言うだけ言ってみた方がいいよ」

「いいんでしょうか?」

「だって、俺達は家族になろうとしてるんだよ? なら、思った事を伝え合って、少しでもお互いの事を分かり合うべきじゃないかな? 喧嘩する程仲が良いって言うのは、相手の事を信じているから、思っているから喧嘩出来るって事だそうだよ」

「ケンカする程、仲が良い……」

 

 少し驚いた顔をしたセレナだったが、何か思い出したのか納得するように笑みを浮かべていた。きっとマリアと小さい頃喧嘩したのだろう。もしくは、切歌と調かもしれない。とにかく、伝わったようで良かった。

 

「じゃ、私もシキさんとケンカしたいです」

「……させてあげようか?」

「ふぇ?」

「あそこで、さ」

 

 俺の指さした方へ視線を向け、セレナは小さく声を漏らす。そこには、彼女が今一番行きたいだろう建物があった。そこからセレナは無言で俺の腕にくっついてきた。ただ、急かす様に足を進めてはいたが。中へ入るとセレナが小さく驚きの声を出した。そこで気付く。彼女はこういうホテルは初めてなのだと。

 

 初体験はマリアがとった普通のホテルだった。こういう所謂ラブホには来た事なかったんだとそこで思い出した。

 

「どの部屋がいい?」

「え? 選んでいいんですか?」

「うん。明かりが点いてるパネルの部屋は使えるって事だから」

「じゃ…………ここ」

 

 どこか楽しそうなセレナに癒されつつ、場との違和感に若干苦笑する。そうして入った部屋はメルヘンな感じのする内装だった。

 

「こういうの好きなんだ?」

「え、えっと……ダメですか?」

「いや、いいんだけどさ。こういう雰囲気の中で、できる?」

 

 何というかエロとは真逆の雰囲気である。セレナはこちらの言いたい事が分かったのだろう。一瞬あっという顔をした。そこで理解する。セレナはエッチをするための部屋ではなく、入ってみたい部屋で選んだんだと。

 

「あう……どうしたらいいですか?」

「ん~……まぁ、逆に考えてみればこの雰囲気なら乱暴な感じでスタートは出来ないし、イチャイチャしながらエッチしようか」

「イチャイチャ……はいっ!」

 

 どうやらイチャイチャはセレナ的に大正解らしい。こう考えるとセレナも基本は響や切歌方面なんだよな。だけど、その本質はマリアと同じ、と。これは本当にエロの化身だ。見た目は清純、中身は淫乱とか男の夢だしなぁ。

 そんな事を思いながらセレナとソファへ座る。肩を組んでまずはキス。優しいキスを何度も何度も繰り返す。時には頬や首筋なんかへキスをして、セレナにエロじゃなくて愛情だよと伝えるように。

 

「ふふっ、シキさんくすぐったいです」

「おや、じゃあもうエロエロな感じがいい?」

「そ、そんな事はないですけど……」

「じゃ、今度は抱き合ってキスしよう」

「抱き合ってですね」

 

 密着してのキスはディープにしてみた。するとセレナが少しだけ驚いた後、喜ぶように舌を絡めてきた。そんな事をしていると、当然というかお互いにそういう欲求が強くなってくる。でも、忘れちゃいけないのはこれがセレナの初体験のやり直しを兼ねているという事。

 

「セレナ、シャワー浴びておいで。俺はその後でいいから」

「シキさんと一緒がいいな」

「……本当に? 俺は嬉しいけど、ホントにいいの?」

「はい。シキさん、やり直しだからって何も知らないみたいな風にしなくてもいいですよ? 初めての時に出来なかった事をしてくれればそれで」

「そうか。うん、分かった。じゃあ一緒に行こうか」

 

 セレナの希望通りに連れ立ってバスルームへ向かう。服を脱ぐと既に準備万端な自分のチンポに苦笑してしまう。セレナもそれに気付いて小さく苦笑。だけど、彼女の方も濡れていたので御相子といったところだろう。

 シャワーを浴びながら再びキスをする。今度は愛情半分欲情半分な感じのを。セレナにもそれは分かったのだろう。明らかにキスが先程までと変わったのだ。舌を絡めるだけでなく、その手が俺の乳首とチンポへと伸びてきた事からもそれが分かった。

 

「シキさん、もうこんなにコックが硬くなってます」

「セレナ……」

「教えてください。どうやれば赤ちゃん出来やすくなるのか。奏や姉さんには悪いけど、シキさんの赤ちゃんを本当の方法で作るの、私が一番になるんだもん」

 

 どこか拗ねたようなセレナに思わず愛おしさが込み上げる。だから優しく抱き締めた。それだけで良かった。セレナにも俺の気持ちが伝わると思って。すると、セレナも抱き返してくれた。

 

「セレナ、嬉しいよ。一番かどうかは分からないけど、出来やすい方法をやって時間も忘れて種付けするのはセレナが最初」

「やったぁ。奏や姉さんに自慢しちゃおう」

「……程々でお願い」

「はーい……ふふっ」

 

 その後はお互いに相手の性器を愛撫しながらキスをし続けた。やがてセレナが我慢出来なくなってきたような動きを見せ始めたので、頃合いかと思って尻へ手を動かす。

 

「シキさん?」

「セレナ、ちょっと力抜いてくれる?」

「え? はい……」

 

 セレナが不思議そうにしながら体をこちらへ預けてくれたので、尻に置いてあった手をそっとその割れ目へと滑り込ませる。

 

「ふぇっ!?」

「あのね、セレナ。あの初めて全員でエッチした時の事覚えてるだろ? その時、響と俺がした事、あれが妊娠しやすくする方法なんだ」

「…………お、お尻で繋がるやつですよね? はぅ……」

 

 思い出したようでセレナが顔を赤くする。あの時、奏達は全員してアナルセックスを見て興奮していた。それはあの響が見せた淫らな表情が大きく関わっている。普段は無邪気で活発な元気娘がとても蕩けた雌の顔をしていたのだ。その快楽はどれ程なのだろう。そう思うぐらい今のみんなは色欲に塗れているのだ。

 

「うん。それが無理ならそこへスープを注ぐだけでもいいんだ。それだけですっごく気持ち良くなるみたいでね」

「その、今の私でも出来ますか?」

「スープを注ぐぐらいならね。さすがに挿入するのは止めた方がいいよ。無理にすると裂けちゃうから」

「わ、分かりました。えっと、じゃあ……」

 

 どこか躊躇いながらセレナはこちらへ背を向けると壁に手を付いて尻を突き出した。これは……。

 

「よ、よろしくお願いします」

 

 うん、正直言おう。ここまでそそるお願いはない。年頃の女性が尻を突き出し、アナルの開発をおねだりしているのだ。このインモラルで滾るようなシチュエーションは中々ない。

 

「……じゃ、力を抜いてね。最初は少しずつ慣らしていくから」

「は、はい……」

 

 ボディーソープを小指にかけて、慎重にセレナの尻穴へと入れていく。

 

「んっ……ああ……」

「気持ち悪いだろうけど、出来るだけ力を抜いて。大丈夫。絶対セレナを傷付けたりしないから」

「は、はい……」

 

 エロい吐息混じりの声にチンポがフル勃起するも、それでも切歌や翼の時のように優しく拡張していく。小指である程度やった後、今度は人差し指を入れていく。セレナの顔は見えないけど、おそらく赤くなっているはずだ。

 そうやってしばらくすると今度は中指を増やして拡張を続ける。その辺りになるとセレナの漏らす声も熱を帯び始め、こちらの気分も否応なく昂っていく。

 

「セレナ、どう?」

「な、何か変な感じです。でも、でも嫌いじゃない。これ、おかしくなるかもぉ……」

「そっか。ならそろそろいいか」

「え……?」

 

 指を抜いて軽く洗う。さて、では最後の仕上げといきましょうか。そう思ってセレナの尻を両手で掴み、チンポをアナルへ擦り付けるように動かした。それでセレナも分かったのだろう。俺が一度出しておきたいと思い、それを彼女の中へ注いでみたいと考えていると。

 だからか、そこからセレナは尻を動かして俺を興奮させようとしてきた。無論そんな動きをセレナがするだけで俺は大興奮。内側からこみ上げてくる熱を感じ、俺はチンポの先をアナルへと押し付ける。

 

「セレナ、自分でお尻を広げてっ!」

「は、はいっ!」

「おっ……」

「あっ……あったかいのが……」

 

 やはり装者の子達が自分で尻を広げる光景はくるものがある。堪らず射精してセレナの直腸へとスープを注ぐ。すると、すぐにセレナも翼達のように反応が現れた。

 

「な、何これぇ……。お腹が熱くて……ああっ! ダメぇぇぇぇぇっ!」

 

 次の瞬間、セレナが失禁した。そこで俺は確信する。きっと、装者の子達は前準備なしでアナルスープをすると全員失禁するだろうと。……マリアが今から楽しみである。

 

「大丈夫かセレナ」

「……は、はい。でもぉ……」

「おっと」

 

 心配してセレナへ声をかけると、彼女が答えながらチンポを掴んできた。これは、切歌の時に似てるかもしれない。

 

「えへへ、もうシキさんとセックスしたいです。いっぱい、いっぱ~いセックスしてぇ、赤ちゃん作りたいのぉ」

「……分かった。じゃ、ベッドで時間も忘れて抱き合おう」

「やったぁ。ね、シキさん。だっこして?」

「いいよ。ほら、掴まって」

「は~い」

 

 完全に酔っ払いのような状態だ。どうやら正規適合者じゃないと意識を失い、正規適合者は酩酊したようになるらしい。上機嫌なセレナを抱えてベッドまで行き、優しく下ろしてから彼女へ覆いかぶさった。

 

「うふふっ、シキさんのコックがビンビンだぁ。ね? セレナのプッシーへ入れたい?」

「ああ、入れたい。入れてたっぷり中出ししたい」

「セレナもされたぁい。シキさんの濃厚スープを子宮でゴクゴクするの。そしたらぁ、赤ちゃんがたっくさん出来るはずだもん」

「そうだね。そのためにも沢山エッチしよう」

「うんっ!」

 

 軽く幼児退行しているようなセレナだが、それはそれで可愛いとしよう。なのでまずはキスをする。当然のようにセレナが舌を入れてくるのでこちらもそれに応じて舌を絡める。片手は胸を揉み、もう片手でマンコを愛撫。もう必要のないぐらい濡れているのを確認し、俺はセレナを見つめた。

 

「じゃ、入れるぞ」

「きて?」

 

 両腕を伸ばして俺を待つセレナに心があったかくなるのを感じながら、チンポをゆっくりと彼女の中へと侵入させていく。やはりいつもよりも熱い膣内で俺は確信した。もうセレナも吸収量を満たしていると。

 

「セレナ、どうだ? いつもと違うか?」

「うん、違うよ。いつもよりシキさんのコックを感じる気がする。お腹が熱くて、ずっとキュンキュンしてるんだぁ。シキさん、早く赤ちゃんの素、ちょーだい?」

「……ああ、あげるよ。その代わり、セレナのエッチな声と顔、いっぱい見せてくれ」

「はーい」

 

 蕩けた顔で笑みを見せ続けるセレナだが、意識はちゃんとあるんだろうな。翼も似た状態の時、後からそう教えてくれた。ただ、やはりというか何というか精神的ダメージを負っていたけど。セレナもそうなるんだろうかと思いながら、俺は彼女の子宮をノックするように腰を動かし始めた。

 

 切歌や翼の時もそうだったけど、やはり熱が凄い。何となくだけど、危険日の時の奏はこんな感じの膣内だった。もしかして、スープをしっかり吸収させると体がそういう状態と勘違いするとか? 確証はないけど、感覚的にそんな気がする。

 

「ああんっ、シキさんのビッグコックが気持ちいいとこに当たるのぉ。もっと、もっとして」

「セレナ……んっ」

「んぅ……」

 

 一番深くへ腰を打ち付けながらキスをする。そのままグリグリと子宮へチンポを押し付けるように動かす。すると、セレナが嬉しそうに舌を絡めてくる。そのまましばらくそうしていると、不意にセレナの舌が離れた。

 

「……セレナ?」

「ぅ……シキさぁん……」

 

 何故か若干涙目になっているセレナと見つめ合う。と、そこで理解した。酔いのようなものが冷めたのだと。

 

「恥ずかしがる必要ないよ。俺は嬉しかったし、あんなセレナも可愛かった」

「で、でもぉ……」

「多分だけど、あの方法を使うと当分は同じ状態になると思うよ。慣れてくれば違うだろうけど」

「……分かりました。なら、早く慣れるぐらいエッチしてくださいね?」

「勿論。じゃ、気を取り直して……」

「んっ……シキさんのが動いたぁ」

 

 すぐに蕩けた顔をしてくれるセレナを愛しく思ってキスをする。そこからは当初の予定通りのイチャイチャエッチとなった。

 

「な、何だかこれは恥ずかしいです」

「そう?」

 

 背面座位でこちらに背を預けてもらいながら胸を揉みしだきつつキスしたり……

 

「あっ、これ……いつもと違う感じする」

「当たり方が変わるからかな?」

 

 横抱きにして突いてみたり……

 

「んんっ! 声、出ちゃう……」

「頑張れ頑張れ。もう少しで浴室だから」

 

 俗に言う駅弁スタイルで移動したり……

 

「ああっ! そこぉ! そこが好きぃ!」

「セレナは後ろからが好きなんだな」

「はいっ! 大好きですっ! 奥に立派なコックが届くからぁ!」

 

 浴室では立ちバックでガンガンセレナの子宮をノックした。ちなみにそれぞれ一回出す度に体位を変えたので、この時点で結構疲れていた。セレナもマンコから精液が流れてきたのを見た時は、軽く驚くと共にそれが意味する事を理解して嬉しそうに微笑んでいた。天使のような淫魔の笑顔って感じではあったけど。

 

 気付けば時刻はとっくに夕方を過ぎており、ベッドの上で揃って寝転がっていると同時に空腹を告げる音がした。

 

「晩御飯、どうします?」

「うーん……いっそここを出て食べに行こうか?」

「え? いいんですか?」

「いいよ? 何も絶対宿泊しなきゃいけない訳じゃない。料金さえ払えばだけど」

「……じゃ、もう一回エッチして汗を流してご飯に行きませんか?」

「うん、分かった。じゃあ、その後はちょっと変わった場所で夜を明かそう」

「変わった場所?」

 

 疑問符を浮かべるセレナへ俺はその時をお楽しみにと言ってはぐらかし、その体へ襲い掛かった。それにセレナは楽しそうな悲鳴を上げて……後はイチャラブエッチをした。

 汗を流し、揃ってラブホを出て晩御飯の場所を探す。ああいう事をしたせいか、かなり空腹感を感じているので目ががっつり系の店ばかり探してしまう。セレナはどうなのだろうか。そう思って視線を彼女へ向けると、セレナと目が合った。

 

「……どうかした?」

「えっと、シキさんは?」

「あー、がっつりした物が食べたいなって店を探してたんだけど、セレナはどうなんだろうと思ってさ」

「……シキさんもですか?」

 

 そこで揃って小さく笑った。ひとしきり笑った後、そういう事ならとセレナも食べた事のない物をと考え、丁度良くとんこつラーメンの店を見つけたのでそこにした。セレナもラーメン自体は食べた事があるがとんこつは初めてだったらしく、興味津々といった感じでメニューを眺めていた。

 

「白いスープなんですよね?」

「うん、そうだね」

「シキさんはどうするんですか?」

「ラーメンとチャーハンのセットかなぁ」

 

 がっつり食べたいのでセットが基本。でも、チャーシューメンも捨てがたい。餃子は……セレナと一緒なので止めておく。気にはしないと思うけど、ね。

 

「じゃ、私はラーメンだけにしておこうかな」

「ん。すみませーん」

 

 こうして注文を終えた後はセレナとこの後の事を話し合う。とはいえ、セレナの質問へ俺が答える形だけども。

 

「それで、この後はどこに連れて行ってくれるんです?」

「うーん……ヒントをあげるならセレナが一度行って気に入った場所だよ」

「一度行って気に入った場所……?」

「そう。あの時は時間が限られてたからある意味ゆっくり出来なかったけどね」

「時間が…………あっ」

 

 どうやら分かったらしい。セレナはどこか懐かしむような顔をしていた。そうだよな。もうあれから半年近く経っている。あの頃はまさか義理の娘が出来るなんて考えもしなかったもんなぁ。それが今じゃ娘が三人確定し、義理の母と父も出来る事が決まっている。

 それだけじゃない。綺麗で可愛い奥さんもだ。うん、あの時はおぼろげだった夢がもうかなり形を作っている。それを実現出来るか、あるいは維持出来るかは俺の両肩にかかっているけれど。

 

「はい、ラーチャーセットとラーメンお待ちっ!」

「どうも。さ、じゃあ食べようか」

「はい」

 

 俺の方を見てセレナが何か言いたそうな顔をしていたけど、そこで注文したラーメンなどがきたので食事を優先する事にした。結論から言おう。セレナがラーメンの美味しさに目覚めました。

 どうも今まではカップ麺ばかりで、ちゃんとした店のラーメンは食べた事がなかったらしい。なので、ラーメンとはこういうものだと思っていた価値観をいい意味で破壊されたのだそうだ。

 

「すっごく美味しかったです! 切歌や調はこういうの食べた事あるのかな?」

「いや、どうだろう。多分だけど女子高生がラーメン屋に入るイメージはないし、まだないんじゃないかな?」

「なら、近い内に姉さん達と一緒に来なきゃ! えっと、しょうゆにしお、みそとあるんですよね?」

「基本はね。とんこつしょうゆとか色々と派生も含めるとキリが無いのが今のラーメンだよ」

「とんこつしょうゆ……」

「そんなに気に入ったのなら今度からはラーメンの食べ歩きも兼ねたデートしようか。本屋でラーメンの美味しい店が乗ったガイドブックとかあるから買っておくよ」

「ホントですか!? じゃ、楽しみにしてます!」

 

 とびきりの笑顔で答えるセレナに思わず笑みが浮かぶ。何というか、切歌や響辺りも似た反応しそうだ。繋ぐ手と手。絡ませる指と指。それが心の結びつきにもなっているようで、俺はそっと力をこめる。そうするとセレナもそれに応じるように力を入れてくれるのだ。

 そのまま俺達は歩き続け、一軒のネットカフェへ辿り着く。セレナとの初デートのある意味で〆であったネカフェに。さすがに店舗は違うけど、やり直しとセレナが言っていたように今回は普通の過ごし方をしよう。

 

「ここで朝まで過ごすんですか?」

「そうしようかなって思ってる。シャワーとかもあるしね」

「夜更かし?」

「徹夜したければしてもいいよ。漫画を読み耽って、眠くなったら眠ればいい」

「わぁ……切歌が聞いたら大喜びしそうな話です」

「セレナも嫌いじゃないだろ?」

 

 悪戯っぽく笑って尋ねると、セレナはどこか困った笑みを浮かべて頷いた。

 

「実は、私、徹夜ってした事ないんです。だからちょっとワクワクしてたり」

「そっか。なら、楽しもう」

「はいっ!」

 

 こうして店へ入り、ボックス席を運良く確保出来たので朝までのコースを選んだ。セレナと揃って漫画を選びに行き、ついでにと飲み物も注いだ。さて、ではどう過ごそうかな。そう思って持ってきた漫画を床に置き、まずはパソコンへ。

 

「読まないんですか?」

「試しにネトゲでもやってみようかとね」

「ねとげ? ああ、ネットゲームか。どういうのがあるんです?」

 

 セレナが後ろからこちらを覗きこんでくるので、ならと少しずれて隣り合えるようにする。こういう場所のパソコンにはネトゲ用に色んなサイトが登録されている。そこを適当に選びながらセレナへの紹介も兼ねて眺めていく。

 RPGにアクション、パズルやシミュレーションなど様々なジャンルのゲームを眺め、セレナは驚いたり、首を傾げたり、身を乗り出したりと大忙し。何となく切歌も似た動きをしそうだなと思いつつ、ちょっとした冗談でアダルト系のゲームサイトを選んでみる。すると、セレナが不思議そうな顔をした。

 

「あれ、何かここはさっきまでと違いません?」

「うん、大人向けのゲームサイトだからね」

「大人向け?」

「えっと……こういうの」

 

 分かり易いだろうと思って実写系のゲームを選ぶ。そこに表示された内容を示す画像にセレナが小さく声を漏らす。その顔はこういうのもあるんですかとこちらへ問いかけていた。

 

「セレナ、一つだけ俺でも知ってる凄い真実を教えておくよ」

「凄い真実?」

「技術を大きく進歩させるのは、いつだって戦争とエロなんだってさ」

「…………納得出来ちゃうのが悲しいですね」

 

 そう切なそうに呟いてセレナはそっと待機状態のギアを握った。きっとイグナイトの事を言っているんだろう。アルカ・ノイズ対策と並行して行われたガリィ達への対応策。それがイグナイトモジュール。

 セレナは響と一緒で争う事が嫌いな性格だ。だから、どこかでイグナイトモジュールの搭載も嫌だったのだろう。だから今の言葉に感じ入ったのだ。戦争。それは言いかえれば争いなのだから。

 

「でも、それが悪い事ばかりじゃないさ。それを踏まえて平和の役に立てる事も出来る。要は使い方だよ」

「ふふっ……はい、そうですね。道具に罪はなく、使う人に罪があるんですもん」

「そういう事。みんなは絶対良い事にしか力を使わないと俺は信じてるから」

「シキさんは悪い事に力を使っちゃいましたけどね?」

「……世界のために悪を成したって事で、ダメ?」

「あっ、その言い方はズルいです。姉さんに言いつけちゃおうかな?」

「ごめんなさい。もうしませんので許してくれると嬉しいです」

 

 全面降伏。もう今更ではあるが、俺は結局エッチの最中しか彼女達には勝てないのだ。最近ではキャロルとエルには戦う事さえ出来ず、マムや了子に苦笑される日々。表向き、我が家のヒエラルキーの最下層は俺で決まりと言っていいだろう。

 セレナもそんな俺の情けない姿に小さく吹きだすと笑って許してくれた。その後はセレナは漫画を、俺はネットサーフィンをしながら時折漫画を読むという事をして時間を過ごした。

 

「あふっ……」

 

 日付が変わって一時間近く経った頃、不意に可愛い欠伸が聞こえた。

 

「眠い?」

「あ、そういう訳じゃないです。眠気はあるけど、それよりも目が冴えてる感じで」

「あー、一種の興奮状態かもね。滅多に出来ない事をしてるから」

「かもしれない。こんな事、昔は考えられなかったなぁ」

 

 どこか懐かしみながら噛み締めるようなセレナにこちらは返す言葉がない。基本装者の子達はかなり厳しい人生を歩んできている。例外なのは未来ぐらいだろうか。響もライブの時に生命に関わる怪我を負ったし。

 だからこそ、彼女達は平和というものの重みと有難みを知っているんだろう。一般的という事がどれだけ難しく、また得難いかを分かっているのだ。

 

「この国の有名な歌の歌詞にこんな一文がある。何でもないような事が幸せって」

「……本当にそう思います。失ってから気付いちゃダメなんですよね。日々に感謝して生きる。私、この国で一番心に残った言葉があるんです」

「そんなものがあるんだ。何?」

 

 少し軽い感じで聞いた。気持ちだけはそうじゃないけど、雰囲気だけは変に重くしないようにと、そう思って。セレナがこちらに教えてくれたのは、想像の斜め上の言葉だった。

 

「いただきます。この言葉の意味を知った時、私は感動しました。単なる食事の時の作法じゃない。仏教の、もっと言えば生きる上での大切な心構えが詰まってるって」

「……いただきます、か。そうだね。何気ないけど重い言葉だもんね」

「だから、私は子供が言葉を分かるようになったら絶対これを覚えさせます。意味と一緒に」

 

 そう告げるセレナの顔は、どこか少女ではなく母の顔に思えた。その凛々しくも優しい笑顔に魅入っていると、彼女がゆっくりと近付いてくる。何かと思って見ていると、そのまま彼女は俺へ抱き着いてくるなりこう言った。

 

「私、もう失いたくないんです。嫌な事も辛い事もシキさんと、みんなとだったら絶対笑い話に出来るから」

「セレナ……」

「信じてますから、シキさんの事。みんなで支え合っていけば必ず最後は笑顔になれるって」

「…………ああ、そうだね」

 

 優しくセレナを抱き締めて、俺は自分へ言い聞かせるように答えた。その後は二人で一緒に同じ漫画を読んだ。俺の股の間にセレナが座る形で。

 

―――あっ、まだ読んでません。

―――ごめんごめん。

 

 やがて俺もセレナも眠気が来たので万が一に備えて漫画を返しに行き、寄り添って横になった。多少寝にくかったけれど、それもまたいい思い出になると笑い合って。

 

 最後は、早朝の喫茶店で目覚ましも兼ねたコーヒーを一杯を飲んで帰宅。そこでセレナは部屋で寝る事なく朝食の支度を始める辺り、本当にお母さん向きだなと感心した俺でした。

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