「シキさん、お邪魔しまーす」
「邪魔すんぞ」
「いらっしゃい。好きな場所に座っていいから」
笑顔の立花さんとやや険しい顔の雪音さんが部屋の中へ現れる。俺はそんな二人を出迎えるも内心疑問符だらけだった。何せちょっと見せて欲しいものがあるときたのだ。何かは分からないが、二人の様子からあまり楽しいものではないらしい。きっとアレだろう。そう思いつつ二人のために飲み物でもと動こうとしたら、何故か袖を軽く引っ張られた。
「何?」
「えっと、実はシキさんにお願いがありましてぇ」
「生命のスープってやつを見せてくれ。あと、材料とかも教えてくれよ」
「……やっぱりそうなんだ」
薄々はこんな日が来ると思ってた。特に雪音さんの飲んだドリンクが生命のスープから作られたと聞いた時、真っ先にこの状況が脳裏に浮かんだぐらいだ。長い間人に頼れない状況で頑張ってきた雪音さんなら、正体不明のドリンクを飲んだ以上自分の目で確かめに来るだろうと。
「あの、もし無理なら諦めます」
「いや、そんな事はないよ。了子さん達にも見せるなとは言われてないしね。ただ材料は無理。ごめん」
「……つまり他の事は言われてんのか」
「まあね。これ、詳しい事を知られると他国に狙われる可能性があるらしいから」
その言葉に小首を傾げる立花さんと理由へ思い当り息を呑む雪音さん。この辺りは雪音さんらしいかな。だからこその嘘の言い訳なのだが。そこから始まる簡単な嘘理由の説明。生命のスープは俺しか生成出来ない。でも俺は滅多に一人で行動しないし常に警護がつく。だが、その製法や材料などを知っている者は他の国にとって狙いやすい存在。しかしツヴァイウイングはもうトップアーティスト故に護衛がついてもおかしくないし、二人は護身術も出来る。了子さんは今やフィーネさんでもあるので同じく大丈夫。さて、では立花さんと雪音さんは?
「このバカはともかくあたしは」
「いざとなったらギアを纏って人を攻撃出来る? しかも躊躇いや迷いなく」
その言葉に雪音さんは黙った。立花さんは言うまでもない。きっと彼女達はそんな事出来ないし、お互いにさせたくないんだろう。俺だってそう。だから奏も翼も後輩二人を大事に守っているのだ。でも、どうしてその二人から遠ざけるべき相手の中に俺がいるんだろうか。とにかく、俺の説明で二人は納得したようだった。でも、ここである程度生命のスープに関して教えるのは仕方ないだろう。俺が逆の立場なら納得しても見るぐらいはいいだろって、そう考えるだろうから。
「ま、それでも見るぐらいはいいよ。それに雪音さんは知らずに飲んだ訳だしね。生成するから少し待っててもらえる?」
「い、いいのか?」
「見るだけで分かるぐらいなら他の国へ提供したりしてないよ」
「ナルホドっ!」
「その、何かわりぃな。恩に着る」
「いいっていいって」
生成と言っても二人のエッチな姿を想像してオナニーするだけだけどね。ちなみに場所はシャワールーム。後始末が簡単だし、何より声や音も誤魔化せるからだ。少し申し訳なさそうな雪音さんとワクワクしている立花さんを残し、俺は一人シャワールームへ。それにしても後五分早かったら面倒な事になってたなぁ。何せツヴァイウイングがいたのだ。そう、訓練終わりで汗も流さず俺の精子を飲みに来たために。ノックされた時に慌てて消臭スプレー使ったから匂いに関しては誤魔化せてると思いたい。
「さて、じゃあ生成しますか。……何か言葉だけ聞くと錬金術みたいだな、これ」
馬鹿な事を呟きながらシャワーからお湯を出させると俺はチンポを握る。何度か見た事のある立花さんのギア姿とチラリと見た雪音さんのギア姿を思い浮かべ、その二人がこちらへいやらしいポーズをする妄想をしながらオナニー開始。本来ノイズと戦うための姿で男を誘うなんて妄想は、思っていたよりも興奮を誘う。特に立花さんは普段元気な活発系なのにスタイルが意外とエロいし。雪音さん? 言うまでもないだろ。何だよ、あのロリ巨乳。二人揃ってエロいんだよっ!
「ああっ、雪音さんの巨乳に挟んでもらいたいなぁ。立花さんのお尻で扱いてもらうのもいい……。もしくは脇かな? あとは揃って口を開けて舌伸ばさせて精子をおねだりさせたい……」
俺の脳裏で繰り広げられる現役女子高生の淫らな姿。まだきっと男を知らないだろう体へ、男を象徴するものを突き付け白濁の化粧を施してやりたい。出来る事ならそのまま俺のチンポで貫いて、俺だけの雌にしてみたいとまで考えたところでこみ上げてくる感覚が。二回出したと思えない速度なのは、やはりおかずが普段使わないようなものだからかね。
「二人とも、出すぞ……っ!」
脳内のギア姿の戦姫二人へたっぷりぶっかけるイメージをしながら、射精を用意してあるコップの中へ行う。三度目とは思えない量と濃さ。自分でも軽く驚くが、毎日のように二人の美女を相手にし、時には大人の女も相手しているのだ。これぐらいはもう当然の事になりつつある。……でも、本当に俺って何発出せるんだろう? とりあえずコップを持って一旦シャワールームから出る。そしてコップを洗面台へ置き、もう一度シャワーへ戻って軽く体を流して終了。
「でも、これって何か興奮するな」
うら若き乙女二人が何も知らず俺の精子を見るのだ。きっと何か変に思ったりしても、気のせいだろうと己を納得させて精子を見たりするんだろう。……うん、想像はここまでにしよう。そうしないと二人の前に出て行けない。
「お待たせ」
「あっ、シキさん。もう生成出来たんですか?」
「うん、まあいつもの事だしさ」
「慣れてるって事か。でも、ホントはえーよな。生成場所がシャワールームなのも何か関係あるのか?」
「ごめん雪音さん。それも」
「……知らない方がいいって事か。わりぃ」
「いいよ。で、これが件の物」
俺の手にあるコップ。その中身は当然俺の精子。それを二人の女子高生が興味津々に見つめている。やっぱこの状況くるもんあるなぁ。とりあえずこのコップを二人が覗き込み易いようにし無言で待つ。すると二人はどこか不思議そうな顔でコップの中を覗き込む。
「何かどろっとしてるね」
「ああ。それに……いい匂いだ」
「やっぱりクリスちゃんもそう思う? これってさ」
「間違いねえ。ここの前で嗅いだ匂いだ」
「じゃ、やっぱりそうなんだ」
「色は……白濁色か」
「ね、クリスちゃん。これって何かゼリーみたいじゃない?」
「……マジだな。ゼラチン質のもんでも使ってんのか?」
あー、たまらねぇ。可愛い女子二人が、俺の精子を前にややうっとりした顔で会話してるこの非日常感。しかも、さっきから見てると二人して何度も鼻を動かしてるので匂いを嗅いでいるようだ。それって俺の精子の匂いが気に入ったって事だよな。て事は、俺がちょっと調子に乗れば、この二人も奏達みたいに出来るって事じゃね?
「何なら触ってみる?」
「えっ!? いいんですか?」
「直接はダメだけどね。手のひらに少し垂らしてあげるから」
「あたしもいいか?」
「もちろん」
俺の申し出にやや上気した顔で嬉しそうに両手を差し出す立花さんと、おそらく匂いが原因で頬を赤めながらも両手を差し出す雪音さん。その光景さえも今の俺には淫靡に見える。内心で色々と悶えそうなものを抱えながら、俺はゆっくりコップを傾けた。まず立花さんの手のひらへ精子が流れていく。少し垂れたところでコップの傾きを戻す。続いて雪音さんの方へ。そちらにも少し垂らしたところでコップの傾きを戻した。
「うわ、すごいヌルヌル。ボンドに似てるかも」
「どっちかって言うとデンプン糊みてえだな。見ろよ、この粘つき」
「おおっ、糸が出来るね。それとやっぱりいい匂い」
「……分かってると思うが舐めるなよ?」
「あ、当たり前じゃん。いやだなぁ、クリスちゃんってば」
じと目で立花さんを見つめる雪音さんだが、何となく彼女の方が舐めてみたそうに見えるのは気のせいだろうか。と、そこで思い出す。雪音さんはあのドリンクを飲んでいる事を。だからきっと俺の精子を無意識に欲しているんだ。どうする? さすがに教えず飲ませるのは気が引ける。よし、断腸の思いだが正体は教えず出来る限り関わらせない方向でいこう。
「教えられる範囲で言うと、それは出来る限り飲まない方がいいんだ」
「「飲まない方がいい?」」
「そう。でも、そうするとリンカーと同じような効果を発揮してその効力は上。しかも副作用はないから奏は飲んでる。今じゃ適合係数もかなり高くなったんだ。で、翼は万が一に備えてかな。絶唱一回ぐらいなら平気で使えるらしいからね。だから絶対飲まなきゃいけないなんて事ないんだよ」
「……それだけか?」
「え?」
「クリスちゃん?」
俺の言葉に雪音さんが不審さを全開にした声で問いかける。何か雪音さんには疑っている事があるんだろう。でも、こっちには察しがつかない。どうも立花さんも心当たりがないようだし、ここは素直に聞いてみよう。
「えっと、雪音さんは何か気になる事があるの?」
「……あのドリンクを飲んでから、訓練終わりにみょーにそれを飲みたくなるんだよ。だから、これに中毒性があるんじゃねーのか?」
「…………それってどんな感じ? 飲まないと調子が悪いとか、どうしても飲みたいとかなの?」
「そこまでじゃねえ。時間が経てば戻るし、もし気軽に飲めるなら飲みたいってとこだ」
思いがけない言葉に思わず真剣な声が出た。これは一度奏達に聞く必要があるか。そう思いつつ、ならば余計に雪音さんや立花さんへドリンクも生命のスープも飲ませる訳にはいかないと決意した。……本音を言えばエロい事をしたい。でも、それは本人達の意思じゃないと嫌だし意味がない。無理矢理薬漬けみたいな形でなんかは……なぁ。まぁ、奏や翼がそんな感じだった気がするので今更だけど。言い訳するなら、あの頃は自分の精子にそこまでの効力があるなんて知らなかったんだ。
「分かった。一度奏達や了子さんに聞いてみるよ。貴重な情報ありがとう」
「い、いいって。てか頭上げろよ。その……そっちも知らないってならいいんだ。また何か分かって、教えてもいいなら教えてくれると助かる」
「うん、了子さんに聞いておくよ。で、大丈夫なら絶対教えるから」
「ああ、頼む」
やっと雪音さんから険しさが取れた。でも、まさか本当にそんな効果もあるのか? その前提で奏や翼の事を思い返して結論を出す。きっとないなって。だって、奏も最初の頃は義務みたいなもので飲んでたし、翼だって興味本位で口にしたようなものだ。しかも奏がフェラしてくれるようになったのはその正体を知ってからだし、翼は俺がそそのかすまで毎日なんて来なかったから。
「あ、あのぉ……」
「ん? どうかした立花さん」
「一口舐めるのもダメ、ですか?」
「こんっのバカ! 今言ってたろ。出来る事なら飲むなって」
「で、でもぉ、こんなにいい匂いするし、クリスちゃんだっておいしいって言ってたじゃん」
「んなっ!? そ、それは……」
そこでどうしてこっちをちら見するんだろうか。助けて欲しいって事かな。てか、本当に装者の子には美味しいって感じるんだなぁ。一口、ねぇ。ダメって言うのが良いんだろうけど、立花さんの顔はすごくしてみたそうな顔をしてる。雪音さんも止めようとしてるけど、その顔は悩んでいるように見える。よし、ここは大人として判断を下そう。ダメだって。でも、そう言おうとした時、立花さんが捨て犬のような眼差しでこちらを見てきた。……俺ってダメな大人だ。
「……一口だけだからね?」
「はぁっ!?」
「やったぁ! さっすがシキさん、話が分かるぅ。じゃ、早速……」
あむと指に付いた精子を口でしゃぶる立花さん。その表情はすぐに蕩けるようなものへ変わった。えっと、そんなに美味しいのかね?
「すっごいよクリスちゃんっ! 私もこんなにおいしいもの初めてだよぉ! あー、もっと飲みたいなぁ」
「そ、そこまで美味しいんだ。奏や翼も似たような事を言うけど、そこまで大げさじゃないから」
「本当においしいですっ! これでギアをより安全に使えるなら、私だって定期的に飲みたいって思いますっ!」
握り拳を作って力説する立花さん。やっぱり許可しちゃダメだったかな? でも、あんな顔されたらダメなんて俺には言えない。後で奏達に謝っておこう。そう思いながら俺は視界の隅でこっそり手のひらを舐めている雪音さんを見つけてしまった。
「レロっ……うめぇ。あのドリンクよりも味も匂いも強いな。あたし、これやっぱり好きだ」
「あーっ! クリスちゃんズルいよ、それ! 一口ってシキさん言ったのに!」
どうやら俺の視線を追って立花さんも雪音さんの行動に気付いたようだ。うん、たしかに一口って言った。でも、何も少量とは言ってないんだよな。だからきっと雪音さんは最大効率を考えての一口をしたんだ。この辺りに頭の回転の差がある気がする。
「だから一口だろ。お前な、一口って言われて、何で少しだけしかダメなんて発想になるんだよ。小さくかじっても大きくかじっても一口なら、出来るだけ多く食べるのが普通だろうが」
「うっ……で、でも」
「へへっ、おかげであたしはゼリーっぽいって感じながら飲んだぜ。プルプルしてて味も匂いも強くて最高だった」
「いいなぁ。私も手のひら舐めておけば良かったよ……」
何、この会話。美少女二人が俺の精子を美味しいと言って飲んだあげく、それの事で軽い言い争いをしていた。というか雪音さん? さっきまで君は舐める事を止めようとしてたよね? 何か聞いてると立花さんよりも喜んでないかな。そう思った瞬間、チンポが軽く反応したので慌てて意識を逸らす。うん、これ以上聞いても見てもいけない。とにかく二人にティッシュを渡して手を洗ってもらおう。こうして二人は手を軽く拭き、仲良く手を洗って部屋を出て行った。残された俺は、今後の事を考えてどうしようかと頭を抱えたくなった。
「これ、絶対二人もそれとなく欲しがるよなぁ」
かつての翼を思い出し、チンポが痛い程勃起する。でも、あの時と違って二人へ飲ませるのはダメだ。中毒性じゃない。どちらかというと、とっても美味しい物が簡単に飲める上それが体にも良いからと動いているんだ。その証拠に了子さんは毎日じゃないし、翼もかつてはそうだった。それでも……。
「……もし本当に中毒性あったら奏達に謝って、あの二人にも事実を話して土下座しよう」