※この作品はR-18です。

淫姫絶頂したいフォギア   作:拙作製造機

64 / 83
無理矢理なサブタイですが、まぁ意味合いとしては、生ける未知の存在の最高点って辺りです。つまり、シェム・ハさんの一番輝ける時って事ですね。


AXZ(Alive X-factor Zenith)

「ほ、本当にここなのか?」

「ああ、間違いない。神の棺とやらは、この下に眠っている」

「なら早く行動するぞ。いつ局長達が気付いて動き出すか分からん」

 

 全身を隠すようなローブに身を包み、顔さえも隠して話す複数の錬金術師達。彼らがいるのは極寒の地、南極。分厚い氷と冷たい大気に守られる、凍れる大地。

 

 彼らは、意図的に情報を流されたと知らぬまま、ここを訪れていた。ここに眠る、強大な力を狙って。

 

「よし、ならまずは邪魔な氷を除去するか」

 

 そう言って一人の錬金術師が何かをばらまく。それはアルカ・ノイズを呼び出す結晶。それから出現したアルカ・ノイズ達は、命じられるまま南極の氷を排除するようにその力を振るう。

 

 その頃、アダム達と言えば……

 

「さむ~いっ!」

 

 全身を白一色に染め上げた格好のティキが文句を述べる。かつてはなかったイヤーマッフルさえしている辺り、生身の体となった事が良くも悪くもティキにとって大きな変化であった事を示していた。

 

 そう、アダム達もまた南極にいた。それも、先程の錬金術師達からそう離れていない位置に。

 

「我慢しておくれティキ。ここは南極。当たり前なのさ、寒いのは」

「だから留守番していた方がいいと言ったワケダ」

「あーし達もラピスを寒冷地仕様にして何とかだもんねぇ」

 

 言いながらティキを温めるように抱き寄せるアダムを見ながら、プレラーティは苦い顔をし、カリオストロは自身を包むファウストローブを眺める。

 以前の長野での戦いで得た構想を基に、プレラーティが調整して誕生した寒冷地対応のファウストローブ。それは、どこか雪国で生きる者達の格好を模していた。

 

 そのため、カリオストロとしては若干の不満もある。

 

「でもこれ、ちょっと可愛くないのよね。もこもこしてて嫌いじゃないけど、あーしのやる気、少し削がれちゃうわぁ」

「機能性の前には美術性など犠牲になってしかるべきなワケダ」

「たしかにこれは温かい。多少動きにくさはあるが、寒さで体を縮ませるよりはマシだろう」

 

 一見すると南極観測隊かと思われてもおかしくはないサンジェルマン達三人。その視線は、氷を除去して神の棺を見つけようとしている者達へ向けられている。

 余談ではあるが、アダムもさすがに寒いと思ったのかその首元には白いマフラーをしている。ただ、それだけではあったが。

 その防寒具を増やしただけで彼は十分南極の寒さに耐えられるのだろう。今も普段と変わらぬ態度でいられる辺り、そういう事なのだ。

 

「……いつ頃仕掛ける?」

「奴らが神の棺を見つける直前か、見つけた直後だ」

「一番気を抜く瞬間なワケダ」

「僕も、それを推奨するよ、当然」

「あったかーい」

 

 シリアスな雰囲気の四人の錬金術師と違い、どこまでも平常運転のティキである。今もアダムに強く抱き着いてその温もりを喜んでいたのだから。

 

 そんな彼女に四人が小さく笑みを零す。だが、それも一瞬。すぐに表情を凛々しくすると前方の様子を見つめた。

 

「……合図なワケダ」

 

 そのプレラーティの呟きにサンジェルマン達が頷いた。行動開始の合図が来たのだ。そう、南極近くへS.O.N.Gが来たと言う合図である。

 エルからプレラーティへの着信。それも、ワンコールで切れる所謂”ワン切り”と呼ばれるものだ。ちなみにS.O.N.Gが南極付近へ来れた理由は、キャロルがアルカ・ノイズの反応を察知したというもの。つまり、一度やってのけた成功を利用しての嘘ではないが真実でもない理由である。

 

「局長、仕掛けるなら今かと」

「そうだね。なら、頼めるかい?」

「おまかせよん」

「局長は、ティキとここで見ていればいいワケダ」

「三人共、気を付けてね」

 

 心配そうな声をかけるティキへ、サンジェルマン達は安心させるように笑みを返して頷き、そのままその場から跳んだ。

 その背を見送るティキの頭を、そっとアダムの手が撫でる。その優しくも不慣れな手付きにティキは苦笑して顔を動かした。

 

「アダム、ちょっとくすぐったい」

「おや、それはすまない。まだ慣れていないものだからね、何分」

 

 そんなやり取りがされていると知らず、サンジェルマン達はアルカ・ノイズが作り出した穴を覗き込んでいた錬金術師達へと接近を果たそうとしていた。

 

「そこまでだっ!」

 

 突如響いた声に錬金術師達が慌てて振り向く。と、その表情が一瞬にして強張った。

 

「さ、サンジェルマンっ!?」

「カリオストロにプレラーティもいるぞっ!」

「な、何故こんなにも早く……まさかっ!?」

「気付くのが遅いワケダっ!」

「そ~んなおマヌケさん達には、きっついオシオキが必要ねっ!」

 

 狼狽える錬金術師達だが、当然のようにアルカ・ノイズを追加で呼び出す。その数の多さに三人は呆れつつも、その身に纏う輝きで薙ぎ払っていく。

 それに負けじと錬金術師達はアルカ・ノイズを追加で放つ。おそらくだが、一応警戒もしていたのだろう。巨大アルカ・ノイズまでも出現させたのだ。

 

「あら、おっきなのまでいるなんて……」

「意外と用心していたワケダ」

「そのようだ。だが、我々には時間稼ぎにもならない事を教えてやろう」

 

 が、そこで三人も予想だにしなかった現象が起きる。突如巨大アルカ・ノイズは大きくその身を震わせたかと思うと、その腕を自らへ刺して消滅したのだ。

 

 あまりの光景に三人だけでなく錬金術師達さえも目を見開く中、その場の全員へ聞こえるようにある音声が響き渡った。

 

『御覧の通り、アルカ・ノイズはS.O.N.Gが無力化出来る。どれだけお前達が手を加え変質させようと、それが人に害を為す限り、錬金術の申し子は静かに消え去るのみ』

「……キャロルらしい。一番インパクトの強い相手を待っていたな」

 

 聞こえてきた声にサンジェルマンは一人呟く。おそらく先程の光景を全世界へと中継させたと察して。それは何も世界中の人々へ安心を与えるためだけではない。パヴァリアに属する錬金術師達やアルカ・ノイズを使って事を起こそうとしていた者達への警告でもある。

 

「ふ、ふざけるなっ! そんな事が出来るはずはないっ!」

 

 一人の錬金術師がその言葉に対して噛みつくようにアルカ・ノイズを放つ。だが、それらも出現した瞬間に次々と自死していったのだ。

 

『分かってもらえただろうか? 最早世界の脅威たりえるのは本当のノイズのみ。人が手を加えて作るアルカ・ノイズは脅威たりえない。何故なら、それは今を生きる人が作ったものだからだ。失われた時代の技術ではない以上、今の人間にそれを阻止出来ない道理はない』

「これで……」

「チェックメイト、なワケダ」

 

 がくりと膝をついていく錬金術師達。アルカ・ノイズを封じられ、錬金術師としてはサンジェルマン達に及ぶはずもなく、更にシンフォギアまで来ているのだ。もう彼らに逆転の目は欠片もなかった。

 拘束されて身動き一つ取れなくなった錬金術師達を後から現れたアダムが引き受け、サンジェルマン達は巨大な穴へと視線を落とす。と、そこへ響達も姿を見せた。

 

「サンジェルマンさん」

「立花響か。あれを見てくれ」

 

 言われるまま穴の中を見る響達九人。そこには氷の中に閉じ込められるように存在する、明らかに異質の物体があった。それこそが目的の物と察し、全員は一旦穴から離れた。

 

「この者達はそちらへ預けた方がいいだろうか?」

「そうね。あーし達よりもS.O.N.Gの方が優しいだろうし」

「局長は、ティキを連れて装者の一人と共にそいつらを連行して欲しいワケダ」

「分かったよ。で、そのまま置いてもらうさ、ティキは」

「ティキ、みんなの事応援したいんだけど……」

「それは出来るさ、傍にいなくても」

 

 不満そうな表情を見せるティキをアダムが優しく抱き寄せる。その温もりにもティキの表情は晴れない。だからか、響は彼女へ視線を合わせて握り拳を見せた。

 

「そうだよティキちゃん。だから少し安全な場所で私達を応援してて。ね?」

「……その方がみんなが頑張れる?」

「というより、その方が全力で目の前の相手へ向かって行ける、だね。あんたの気持ちは嬉しいけど、ここにいるとあたしらはあんたの事を守る事も考えないといけないからさ」

 

 奏の言葉にティキは頷き、アダムへ視線を向ける。それが了承の合図と受け取り、アダムはその場から錬金術師達を連れて移動開始。ティキは未来が抱えてその場から離れる。

 その背を少しだけ見送り、残された者達は再び穴へと視線を向けた。そこでサンジェルマン達がある事に気付く。

 

「そういえばシキはどうした?」

「あーし達を援護するって言ってたけど……」

「まさか寒くて諦めたワケダったり?」

 

 その言葉に響達全員が一様に苦い顔をした。そして代表してマリアが告げるのだ。

 

「彼は公にはあの力を失った事になったの」

「……そういう事か」

 

 世界中に神の力を使えないと思わせるため、シキはその力の行使を諦めざるを得なかった。いくら極冠の地である南極とはいえ、その様子を見る術がない訳ではない。

 

 だからこそ、シキは今、これまでにない程の強い悔しさを抱いてモニタを見つめていた。

 

「……みんな」

 

 拳を握りしめ、シキはモニタに映る女性達へ想いを募らせる。せめて響達だけでも神の力でエクスドライブへ変えたかったのだが、それさえもどうして可能にと問われてしまうとなり、彼はせめてと九人の女性達へ想いを込めたキスをして送り出したのだった。

 

「やっと、アナタもあいつと同じ気持ちになれたか」

「フィーネ……」

 

 苛立ちと無力さを噛み締めているシキへ、フィーネがどこか微笑みながら声をかける。彼女の視線はシキから弦十郎へと移った。

 

「……そうか。風鳴さんは、こんな気持ちをもっと前から……」

「ある意味ではアナタの方がより強いかもしれない。あいつはノイズなどと戦う事が出来ないからだったが、アナタは戦えるにも関わらずだからな」

「いや、それでも風鳴さんの方が悔しさも申し訳なさも強いはずだよ。俺と違って、あの人はいきなり戦えるようになった訳じゃない。何度も、ギアを纏えれば、炭化さえ防げればって、そう思ったはずだ」

 

 一度も目をモニタから逸らさず、直立不動のままでいる弦十郎を見てシキはそう噛み締めるように告げる。その在り方に強い男を見て。

 その視線に気付いたのだろう。弦十郎はチラリとシキを見やると、微かに笑みの形に口元を歪めてすぐに消した。その笑みをシキはこう捉えた。

 

―――だからこそ、今の自分に出来る事を全力でやるんだ。

 

 出来ぬ事へ拘り、出来る事をしないのは愚の骨頂。男ならば、大人ならば、今自分に出来る事へ全力を注げ。それが、出来ぬ事をしてくれている者達へのせめてものお返しなのだと。

 そう考えてシキは視線を弦十郎からモニタへと向ける。今の自分に出来る事は、愛する者達の姿を見守り祈りを送り続ける事だけと思って。

 

 丁度その時、モニタの向こうで状況が変化しようとしていた……。

 

 

 

 ゴゴゴゴゴッって、そんな感じで地面が、ううん足元が揺れる。これ、不味い。

 

「一旦距離を取るぞっ!」

 

 すると奏さんが叫んだ。私達は揃ってその場から大きく後ろへ下がる。ただ、みんな視線は前に、穴に向けたままで。

 

「この震動は、やはり?」

「しかねーだろ。けど、どうして今になって動き出しやがった?」

「おそらくだが、感じ取ったのかもしれない。シキの中に眠る、アレを」

 

 サンジェルマンさんの言葉に私は一度だけ本部がある方向へ目を向ける。もしかして、未来達が丁度辿り着いてハッチを開けたのかも。

 

「有り得るわ。そろそろ未来達が本部へ到着してもおかしくないもの」

 

 マリアさんの意見も私の予想と一緒だった。でも、そんな言葉に真っ先に反応したのは翼さんだった。

 

「まさかっ!? ハッチの開閉だけでシキさんに眠る力を感じ取ったのか!?」

「あるいは、私達や機械が感じられないだけであの力は存在感を放ってるのかもしれません。なんたって、神の力なんですから」

「私もその意見に同意するワケダ」

 

 調ちゃんの言葉にプレラーティさんも頷いたところで一際大きな震動が。これは……さっきのが出て来ようとしてる!

 

「来るデスよっ!」

「ああん、もうっ! 忙しないわねっ!」

 

 穴から何かが這い出てくる。それは、さっき見た神の棺だった。そして、何か周囲に飛んでる。あれ、何だろう? 嫌な予感しかしないけど。

 

「周囲を何かが飛んでいるな……」

「おそらく防衛システムか何かだと思うワケダ」

「なら、役割分担しましょ。あーし達三人であの飛び回ってるの。そっちは棺の破壊に全力」

「引き受けた。聞いての通りだ。あたしらの歌、南極に響かせるよっ!」

「「「「「「「了解っ!」」」」」」」

 

 連携とかを考えれば、私達ギア組とサンジェルマンさん達ローブ組で分けるのが一番。奏さんの指示はみんなも予想してたみたいで、大きな混乱も疑問もなかった。

 と言う訳で行動開始! 私は一人棺へ向かって突撃。と、それを邪魔するように周囲を飛んでる奴が攻撃してくる。当たってもそこまで痛くなさそうだけど、当たるつもりはない。

 

「よっ! とっ! はっ!」

 

 右に左に、時には上にと動いて私は棺へと迫る。握り締めた拳を思いっきり叩き付けようとすると、ガングニールがそれに応えて唸りを上げた。これなら……っ!

 

「はああああっ!」

 

 ガツンと一発。だけど硬いっ! さすが神様を守ってるだけあるね。

 

「すっごく硬いですっ!」

 

 素早く飛び上がりながら周囲へ聞こえるように叫ぶ。私がそう言ったからか、サンジェルマンさん達以外のみんなが驚いた顔をしてた。

 

「響が硬いって感じるって事は……不味いね」

「うん、相当の硬度だ。みんな、気を付けろ! やはり容易な相手ではないっ!」

 

 言うなり翼さんが確かめるように棺へ斬りかかる。でも、アームドギアの一撃も傷一つ付ける事は出来ないみたい。奏さんも槍を突き出して同じ結果。それと、二人揃って表情を歪めてた。

 

「二人でダメなら倍ならどうデスっ!」

「四人がかりで……っ!」

「一点集中のっ!」

「一斉攻撃っ!」

 

 すかさずマリアさん達四人が攻撃するけど、それさえダメージらしいダメージになってない。

 

「クリスちゃんっ! 何か考えあるっ!」

「あったらとっくに言ってるっての!」

 

 私は着地して振り向きながら後ろのクリスちゃんへ問いかける。返ってきたのは少しだけ苛立ちが混じった悔しげな声。

 クリスちゃんの攻撃もダメージにはなってない。ううん、私達の攻撃自体があの相手には通用してない。このままじゃ不味い。だって、私達の後ろには本部があって、シキさん達がいる。

 

「イグナイト、いくよっ!」

 

 そんな時、奏さんの声が響いた。キャロルちゃん達が奏さんと翼さんのギアにも組み込んだ対消滅バリア、無駄にはならなかったね、やっぱり。

 

 そう思って私は胸元のイグナイトモジュールへと手を動かす。見ればサンジェルマンさん達も棺へと攻撃を開始してた。それでも、やっぱり通用してるとは言い難いみたいだけど。

 

「「「「「「「「イグナイトモジュール、抜剣っ!」」」」」」」」

”ダインスレイフ”

 

 

 

 決戦仕様となった装者達を見ても、私達に流れや勢いというものは感じられなかった。いや、それは当たり前だろう。何せ、装者達の行動は打つ手がなくなった故のものだ。

 そして、私達もそれは同じ。寒冷地仕様のラピスは、この環境には最適だろうがこの相手には少々不向きと言える。身動きがし辛いのが、ここにきて足枷となってきていた。

 

「装者達が攻勢に出るワケダ」

「でも、さすがにっ!」

「ああ、優位に出来るとは思えないなっ!」

 

 未だに出現する謎の飛行体を排除しつつ、私達は装者達の様子を見守った。八人もの装者達が黒く染め上げたギアで棺へと向かって行く。

 と、その時だ。突如として棺が大きく震えたかと思うと、周囲へ巨大な氷の槍を出現させたのは。私達は多少距離を取っていたために回避が間に合ったが、装者達はどうだろうか。

 

「……サンジェルマンっ! あれっ!」

 

 カリオストロの指さす方へ目を向け、私は息を呑んだ。装者達が全員氷の槍で出来た檻に閉じ込められていたのだ。何とかしようとしているが、どうやら思った以上に強固な氷らしい。

 

「助けるぞっ!」

「私がやってやるワケダっ!」

 

 プレラーティの放つ炎が氷の檻へと向かって行く。だが、あろう事かその炎が消えた後には、何も変わらない光景が広がっていたのだ。

 

「「「なっ!?」」」

 

 信じられない光景に私達は目を疑った。完全に溶け切るのは難しくとも、多少なりとも溶けるはずだ。それが、まったく変化なし。

 

「どういう事だ!?」

「おそらくだが、あの氷は超低温なワケダ。それも、我々の常識を超えたとんでも温度なワケダ」

「そんな事可能なの!?」

「忘れるな、カリオストロ。あれは神の棺。ならば、そこに使われてる技術などは我々の常識を超えていてもおかしくないワケダ」

 

 プレラーティの冷静な指摘に私もカリオストロも返す言葉がない。プレラーティは、言い終えた後で密かに悔しげな顔を見せたのだ。

 それが装者達を助けられない事からくるものか、それとも棺の使う力へのものかは分からない。ただ、このままでは装者達がやられてしまう。

 

「せめて盾ぐらいにはっ!」

「「サンジェルマンっ!?」」

 

 見れば棺が何か攻撃をしかけようとしている。かつて、長野の地で私達を彼女達は守ってくれた。その身を挺して、迫り来る熱と光から私達を守り抜いてくれたのだ。

 その恩返しをする時がきた。そう思って私は装者達の前へと躍り出た。眼前には今まさに攻撃しようとする神の棺。その威力はおそらくあの時の余波を超えているだろう。それでも、私に恐怖はない。

 

「さ、サンジェルマンさん……」

「立花響、他の装者達も今は脱出する事にだけ意識を向けてくれ。お前達は、いや……」

 

 背中へ注がれる複数の視線を感じ取り、私は意を決した。そう、この背にするのは装者達だけではない。愛するシキもいると、そう思ったのだ。それに、守る力は私だけではない。

 

「貴方達は、私達が守るっ!」

「そういう事よ」

「いつかの礼をさせてもらうワケダ」

「ありがとう、カリオストロ、プレラーティ。やるぞっ!」

 

 私の両隣へ降り立つカリオストロとプレラーティに感謝しつつ、私達は同時に錬金術を展開した。そこへ放たれる閃光。それが私達の展開する防御壁へと直撃する。

 両腕に感じる衝撃は、いつぞやの立花響の拳以上だ。だが、耐え切れない程ではない。と、そんな時だ。後ろの方から切羽詰まった声が聞こえたのは。

 

「第二射が来るぞっ!」

 

 その言葉に驚く暇もなく、私達の術へ更なる負荷が襲い掛かった。これはっ……不味い……っ!

 

「「「あああああっ!!」」」

 

 私の声と二人の声が上がるのは同時だったと記憶している。何故なら、気付いた時には私達までも装者達と同じように身動きが出来なくなっていたからだ。

 

 ただし、私達の場合は物理的にではなく体力的に、ではあったが。

 

「シキ……装者達……すまない……」

 

 ぼやけた視界の先では、未だ身動き出来ない装者達へ棺が再度攻撃を放とうとしていた……。

 

 

 

 傷付き倒れるサンジェルマン達。物理法則を無視した氷による檻で閉じ込められた響達。そして、そんな彼女達をまとめて亡き者にしようとする神の棺。

 

 最早これまでかと、そう思われた瞬間、その場へ現れる白い紳士がいた。

 

「すまないね、待たせて」

「あ、アダムさんっ!?」

 

 驚く響達だったが、そこへ神の棺による攻撃が放たれる。サンジェルマン達三人がかりで受け止めたそれを、アダムは一人で受け止めて見せた。

 

「ふむ、さすがに大した物だ、神の棺とやらだけあって。ただし、これが限界か、造られた物では」

 

 アダムは、その魔力だけで言えば並ぶ者がいない程の存在である。以前の戦いでサンジェルマン達が彼と互角に渡り合えたのはシキというアダムへ威圧感を与え冷静さを失わせる存在がいたからだ。

 平静さを失わないアダムは、サンジェルマン達三人でも互角にするのが精一杯である程の力を持つ。つまり……

 

「お返しするよっ!」

 

 防ぐだけでなくそれを跳ね返すだけの魔力を持つアダムなら、神の棺の攻撃を凌ぐ事が出来るのだ。

 

「凄い……」

 

 第二射を放とうとしていたところへのそれは、エネルギー同士の誘爆を起こして神の棺へのダメージとなる。そんな光景を見つめ、無意識にマリアが呟いた言葉はその場の全員のものでもあった。

 

「早いよ、驚くのは。それに、こんなものじゃないはずだ、神の棺は」

 

 視線を前から逸らす事なく、アダムはそう告げて息を吐いた。平静さを失ってはいないが、彼とて神の棺相手に緊張感を持っていない訳ではない事がそこから窺える。

 そしてアダムは告げる。未だ身動き出来ない響達へ、一筋の希望となり得るだろう事実を。

 

「それと、朗報だ、君達に。連れてきたよ、援軍を」

「援軍……?」

 

 その時だった。その場に優しい歌声が響き渡ったのは。その歌は、響達の体へ活力を与え、サンジェルマン達の体へは癒しを与える。

 セレナにも似た事は可能だが、その歌声がもたらす効果はそれ以上と言えた。当然そんな事が出来る者はもう一人しかいない。その彼女は、神々しささえ感じるような白に身を包んでアダムの隣へと降り立った。

 

「未来っ!」

 

 響の呼ぶ声に未来は小さく微笑んで頷いた。その手にしたアームドギアを展開し、鏡のようにするやそこから淡い光を照射する。その温かな光が響達を捕えていた氷の檻を溶かし始めた。

 

「アダムさん、響達は私が何とかします。だから、それまでお願い出来ますか?」

「いいよ。任せておきたまえ、この僕に」

 

 未来へ答えると同時にアダムはその場から跳び上がって神の棺へ向かって行く。しかも、位置取りとして未来達を危険に晒さぬ様な場所へ。

 その配慮には、アダムの微かな、だけども確かな変化と成長が見える。完全で完璧な存在、アダム。そのあるはずのない発展性が芽生えたという、彼の可能性の萌芽であった。

 

「不思議だ、本当に。こんな力があるんだね、彼女達の歌に」

 

 たった一人神の棺相手に戦うアダム。その戦い方も以前とは違っていた。力任せに戦うのではなく、基本は回避に専念し要所要所でその強大な魔力を使って攻撃するという、慎重なものへと変化していたのだ。

 あの時、創造主の一人から言われた言葉。それを胸に周囲を観察するのがアダムの常となった証である。それが戦い方にも影響し、相手の出方を窺っていたのだから。

 

 未来の優しくも強い歌声に背を支えられ、アダムは孤軍奮闘していた。その一方、傷付き倒れていたサンジェルマン達にも変化が起きていた。

 

「二人共……立てそうか?」

「何とか、かしら……っ」

「この歌に……ラピスが共鳴しているワケダ……」

 

 未来のギアに搭載された新たな姿、アピーズ。その基となっているのはラピス・フィロソフィカスである。故にアピーズ状態の彼女が歌う歌は、ラピス・フィロソフィカスのファウストローブを纏う彼女達へも影響を与えるのだ。

 

「……不思議だ。この歌を聞いていると痛みが、薄れていく……」

「それと、力が湧いてくる感じもするわ……」

「おそらくだが……あの神獣鏡のギア、ラピスのデータを使っているはずだ。それが我々のファウストローブにも影響を及ぼしているワケダ」

 

 ゆっくりとではあるが立ち上がり、三人は一度大きく息を吐いて頷き合う。その場から力強く跳び上がり、神の棺と戦うアダムへと合流しようとしたのだ。

 

 そして未来の照らす温かな光に包まれていた響達もまた、溶け始めた事による氷の強度低下もあってその脱出に成功していた。

 

「やっと動けるデスよ」

「うん、未来さんの歌、あったかくて元気が出る」

「さっすが私の陽だまりっ!」

「相方自慢はそこまでにしろ。このままじゃあの棺桶は壊せねーぞ」

 

 笑みを浮かべる響へクリスの冷静なツッコミが入る。その後に続いた言葉も、装者達の感じていた事だった。イグナイトになったところで多少の状況改善でしかない。そう誰もが分かっていたのである。

 

「マリア、何か案ないかい?」

「そうね……」

「あの、さっきの未来の歌を聞いて思い付いた事があるんだけど」

 

 思案顔になるマリアを見て、セレナが一歩足を踏み出して奏へと声をかけた。だが、それは周囲全体への呼びかけでもある。

 セレナが提案したのは、未来の歌が起こした現象を踏まえたもの。装者達だけでなく錬金術師達さえも活性化させた、アピーズの歌による効果。それを利用しての、逆転案だった。

 

「今の未来のギアなら、きっとあの時のシキさんに似た事が出来ると思う」

 

 その最後のまとめに誰もが理解した。セレナが狙っているのはアピーズの能力でのギアとローブの強化なのだと。

 あのアダムとの戦いでシキは神の力を使い、ギアとローブ、異なる二つの装束を強化してみせた。それも、ギアなどはイグナイト状態のままで。

 

「成程な。未来のギアはラピス由来の能力を有しているがギアでもある。フォニックゲインを高めると同時に、ラピスへも影響を与えて変化を促せるかもしれない」

 

 翼の言葉にセレナが頷き未来を見る。その視線の意味を理解し、未来は凛々しく頷いてみせた。

 

「分かりました。やってみせます。みんなの手が目標に届くように、私がこのアピーズの力で」

「うしっ! そうと決まれば、だ。前衛をあたしと翼、響にマリアで受け持つ。ザババコンビとセレナは未来の護衛と可能なら邪魔者の相手。で、クリスは邪魔者重視で時々援護」

「相手の能力は今まででトップクラス。だけど、無敵じゃない。ここでしっかり勝って、ギアで戦う事ない世界にしましょ」

 

 奏とマリアの言葉に頷き、装者達はそれぞれに動き出した。神の棺へと向かう者達、その周囲の防衛システムを破壊する者達、そして戦う者達へ歌を届ける者に。

 

「暁光、始まる世界。響信、繋ぐ世界。永愛、帰る場所を、陽だまる場所を」

 

 未来が歌うは、正鏡・シェンショウジン。歪んでいた鏡は、幾多もの出会いと思い出などを得て真にあるべき姿を取り戻したのだ。

 その奏でる音色と歌声が、南極の地を駆け抜け、生ある者達を包み照らす。かつては戦いを憎み己を許せないと歌われた歌は、己にしか出来ない事を自覚して周囲を支えるのだという意思に満ちた歌となっていた。

 

(響達を戦わせたくないのは変わらない。でも、だからってそれを止めるのは違う。今の私に出来るのは、戦う響達を支えて一緒に戦う事。少しでも早く、みんなが戦いを終わりに出来るようにっ!)

 

 悪を鎮め人を癒す歌が生命の宿らぬ地で響き渡る。文字通り、未来の歌が未来を守ろうとしていた。過ぎ去りし神の復活を鎮めるように。

 

 アピーズの力を発揮している未来のギアは、その歌によって装者へはフォニックゲインを、ラピス・フィロソフィカスを纏う者達へは共鳴による活性化を、そのどちらもない者にさえ癒しを与える。

 戦いを止めるため、今の未来は戦う者達を支援する事を選んだ。力でねじ伏せるでもなく、戦う術を消し去るのでもない。戦う者達を包み、癒し、支える。それこそが、神獣鏡のギア装者としての小日向未来の選択だった。

 

 陽だまりによる歌声が凍れる大地に響き渡る。その温かな旋律と歌声に、一番張り切っていたのは言うまでもなく響であった。

 

「そこだぁっ!」

 

 強烈な一撃が神の棺を揺らす。その硬さも何のその。響は体中に漲る力を感じて躍動していた。

 

(未来の歌が私に力をくれてる。それだけじゃない。ここには、サンジェルマンさん達もいるんだ!)

 

 前回は敵だったアダムさえも共闘している事実。それが響の中で喜びと嬉しさを強くさせる。握り締めた拳は、最終的に繋ぐ手のひらへと変えられると思えるために。

 

「翼っ! 悪いけれど少しだけ一人でアレの相手、お願い出来るっ?」

「分かったっ!」

 

 マリアの言葉へ力強く返事をし、翼は手にした刃へ炎を纏わせ神の棺へと向かって行く。その背を見送る事もせず、マリアは響と奏へ視線を向けた。

 

「三つの槍で強固な殻を打ち貫くっ!」

「いいよっ!」

「はいっ!」

「センターは響、任せるわっ!」

「任されましたっ!」

「いっちょ派手にぶちかますよっ!」

 

 撃槍が烈槍と激槍を伴って神の棺へと迫る。それを見た翼は、ならばとばかりに空高く舞い上がった。

 

「この天羽々切は常にガングニールと寄り添ってきた。三槍による突撃ならば、この刃が煌めかぬ訳がないっ!」

 

 全身に炎を纏い、翼は火の鳥となって神の棺へと突撃していく。上から翼、下からトリプルガングニール。神の棺はその攻撃へ防衛システムとの連携を以って対応した。

 

「そうは……っ!」

「させるか、デスっ!」

「あたしらがいる事忘れるんじゃねーっ!」

 

 だが、その防衛システムは息の合った三人の連携が見事に撃墜していく。ならばと神の棺は全てを薙ぎ払わんとばかりに閃光を収束させ始める。すると今度はそこへ四つの錬金術が炸裂したのだ。

 

「させないよ、それは」

「これだけの人数がいる中で、好き勝手出来ると思わない事ね!」

「どれだけ力があろうと、数的不利は否めないワケダ!」

「勝機だっ! 掴み取れっ!」

 

 集束していたエネルギーへの錬金術により、大きく体勢を崩した神の棺へ四つの攻撃が向かって行く。神殺しの哲学兵装を導くように火の鳥が舞い、その火の粉が三つの光を彩った。

 

「刃と炎でもって翼と成すっ!」

 

 体勢を立て直そうとする神の棺へ、そうはさせじとばかりに翼が斬りかかる。その一撃は不安定な体勢だった神の棺を再び転ばせる事に成功した。

 

「「「貫けっ! ガングニィィィィルっ!!」」」

 

 三つの槍が一つの槍となって神の棺へと炸裂する。その様子は火の粉を纏った事もあって黒炎の槍だった。その凄まじい一撃が、遂に神の棺へ亀裂を生じさせる。

 それは、神殺し故の現象か。あるいは、積み重ねた攻撃と想いが起こしたものだったのかもしれない。とにかく小さな、けれど大きな変化の切っ掛けを掴んだ事は確かである。

 

 この機を逃すなと、そう誰もが思った時だ。神の棺が勢いよく飛び上がり、空へと逃げるように動いたのだ。

 

「逃がすかっ!」

 

 誰よりも先んじて動いたのは奏。装者の中で最古参にあたる彼女が真っ先に勝機の匂いを嗅ぎ取ったのだ。その手にしたアームドギアを、自分達が作り出した亀裂へと突き立てんと迫って。

 

 それは、ある意味で間違っていなかった。確かに勝機ではあったのだ。ただ、この時誰もが忘れていた事がある。それは、自分達にとっての勝機は、掴み取れなければ相手の勝機へと変わると言う事。

 

―――っ!?

 

 それは、誰のものだったのだろうか。驚きに息を呑む音が聞こえ、全ての視線が一か所へと注がれていた。

 亀裂へと突き立てられるはずのアームドギアは、神の棺の脚部によって止められていたのだ。それも、逃がすものかとばかりにしっかりと。不味い、と誰もが思った時には遅かった。動きを止められた奏へ、神の棺は当然のように攻撃を放ち氷の大地へと叩きつけたのだ。

 

「がはっ!」

「奏っ!」

 

 大きなクレーターを作り血を吐く奏へ翼が血相を変えて駆け寄る。その間、サンジェルマン達は錬金術で亀裂を狙う。だが、それは当たり前のように神の棺が弾くように防いだ。

 ここが、流れの変わり目だったのだ。亀裂という、見るからにねらい目を作ってしまった事により、攻撃する側はそこへ否応なく意識を向ける事になり、防ぐ側はそこへ意識を割けばいいだけになってしまったのだから。

 

 結果、戦況はこう着状態となる。ただし、それは緩やかに響達の不利となっていく。場所は南極、極寒の地。いかにギアがあろうと、それはこの環境に適しているとは言えないためだ。

 サンジェルマン達はローブを寒冷地対応にしているため、この極寒の地にも適応出来ているが、響達のギアはそうではない。更にイグナイトとアピーズは使用時間限定の姿だ。長期戦にはそもそも向いていないのである。

 

「このままでは……」

 

 奏の負傷、寒さによる体の疲れと動きの鈍化。そして、決戦仕様による制限時間からくる焦り。見るからに勢いを失っていく装者達を見て、サンジェルマンは脳裏に敗北の二文字を浮かべた。

 状況を一変させる手は既に響達になく、またサンジェルマン達さえもないに等しい。アダムの黄金錬成でも神の棺に効果を与えられるか不安があるのだ。

 

「サンジェルマン、どうするのよ? このままだと全滅するかも」

「装者達の消耗が激しくなってきたワケダ。やはり普通のギアでは、この環境での長期戦は厳しいと言わざるを得ないワケダ」

 

 カリオストロとプレラーティの視線は、苦しそうな表情で戦う響達へと向けられていた。未来の歌によるバックアップがあるために何とか戦線を維持できているが、最後の一押しをするだけの力がなくなっていたのである。

 奏がダメージによって満足に動けない事を受け、その護衛に人数を割いている事が要因であった。何故本部へ退却しないかと言えば、その動きで神の棺が本部に気付き攻撃する可能性を考慮していたのだ。

 

「局長がいるおかげで何とか劣勢は免れてはいるが……」

 

 戦い方を従来から改めたアダムは、神の棺の狙いを装者達から自身へ向けるように動いていた。彼の持つ凄まじい魔力は神の棺としても要注意らしく、その狙いは今のところ上手く行っていた。

 ただ、それはアダムの疲弊を早くし、より恐ろしい事態を近付ける事と同義である。故に、サンジェルマンはある決断を下す。この状況を変えるための、最善の方法を。

 

「カリオストロ、プレラーティ、私は、歌おうと思う」

「「っ?!」」

「シキには、約束を破る事になってしまうが、それを厭えばもっと悲惨な結末が待っている。ならば、私は歌いたい」

 

 静かな口調でそう告げ、サンジェルマンは二人を見た。その眼差しに秘められた決意と覚悟を感じ取り、二人もまた静かに笑みを浮かべて頷いた。

 

「いいわ。あーしも付き合う」

「ああ、どうせ歌うのならその結果は良いものでなければならないワケダ」

「……ありがとう」

 

 最後に噛み締めるように感謝を述べ、サンジェルマンは神の棺を見つめた。

 

「データのラピスの輝きが装者達を包み癒すのならっ!」

「あーし達が持つラピスなら、その効果は跳ね上がるっ!」

「この命の灯を燃やし、明日を、未来を、可能性を照らし出すワケダっ!」

 

 その叫びにも似た声に、その場の誰もが意識を向けた。そして、同時に聞こえ始める歌声がある。それはサンジェルマンの声。それにカリオストロの声やプレラーティの声が続いていく。

 どこか荘厳で、だが悲しさを秘めているようなそれに、響達は既視感を覚えていた。似ていたのだ。彼女達装者が最後の切り札とする、ある歌に。

 

「……絶唱みたい」

 

 ポツリと未来が呟いた瞬間、装者達の耳に悲痛な声が聞こえてきた。

 

『あれを歌わせちゃいけないっ! あれは、あれはっ、きっとアンジェ達の絶唱なんだっ! その命を燃やして歌う、最期の歌なんだよっ!』

「なんですってっ!?」

 

 マリアが全員を代表して声を上げ、驚愕の表情で三人を見た。神々しいオーラを纏い、三人の錬金術師は歌を歌い続けていた。そう、その歌の名は”死灯~エイヴィヒカイト~”。

 

「ダメだよ、邪魔しちゃ! 歌わせてあげるんだ、最後までっ!」

 

 止めに行こうとする響達へ、アダムは強い口調で制止をかける。その表情はどこか悔しそうなもの。彼は分かっていたのだ。何故三人が歌を歌い出したのか。それが、この状況を変えて一番多くの命を守る事の出来る選択だからだと。

 

「アダムさんっ! でもっ!」

「覚悟したんだ、彼女達は。守りたいと思ったのさ、命を失っても。僕らの可能性を信じて、未来を変えてくれるとっ!」

 

 言いながらアダムの錬金術が神の棺を怯ませる。そこに自身の無力さへの怒りを込めた一撃によって。

 

「だからっ! 彼女達よりも神の棺さ、止めるなら! それとも、希望を見せればいいんだよ、僅かでも!」

「アダムさん……」

 

 そこで響は気付いた。アダムが狙っているのは亀裂の一点。そこを更に大きく出来れば三人の歌を止める事が出来るかもしれないと、そう思っているのだと。

 

「やってみせようじゃない。歌い終わるのが先か、あれが大きくなるのが先か」

「マリアさん……」

「体が万全じゃなくても歌う事は出来るよ。あたしの羽は、また折れちゃいないんだ」

「奏さんっ!?」

「サンジェルマン達が絶唱を使うのなら、私達も絶唱を使おう。二つの異なる絶唱のエネルギーなら、最低でもあの神の棺を止められる」

「翼さん……」

「迷ってる暇はないデス」

「アダムさんも可能性を諦めていません」

「切歌ちゃん、調ちゃんも……」

「それに、あいつらだってシキとよろしくやってたんだ。なら、死なずに済むかもしれねーだろ」

「……クリスちゃん」

「残った時間もあまりないし、これが最後のチャンスだからね」

「セレナさん……」

「やろう、響。みんなで歌えばきっと何とかなるよ」

「未来……うんっ!」

 

 例え三人が死ぬとしても、今するべきは最悪の結末を回避する事。それを響も噛み締め、抱いた悲しみと悔しさを歌へと変える事にした。

 と、そこで彼女はある事を思い付く。それを実行するため、響はその場からサンジェルマン達の近くへと跳んだ。その動きに残された八人は呆気に取られ、すぐにその意図を理解したのか苦笑し、同じようにその場を跳んで響の後を追った。

 

 サンジェルマン達の傍に来た響は、自分の手をサンジェルマンと繋いでいたのだ。

 

「サンジェルマンさん、私、絶唱の負荷を自分へ集める事が出来るんです」

 

 歌い続けるしか出来ないサンジェルマンだったが、その顔は疑問符を浮かべていたため、響は自分の行動の理由を教えていた。彼女は思ったのである。自分達ならば、サンジェルマン達の絶唱の負荷を軽減させる事が出来るのではないか、と。

 要するに、一人では死ぬ結果を、全員で分配する事で回避出来るのではないかと考えたのだ。誰も死なせたくないと思い、手を繋ぐ事を目指し続けてきた響だからこその思いつきである。

 

「で、セレナさんはそれを再配分出来るんです。だから、サンジェルマン達の負荷、私達も背負います」

 

 死なせはしない。そう言外に言われた事で、サンジェルマン達の表情に驚きと微かな笑みが浮かぶ。そこへ残った装者達もやってきて、遂に十二人の女性が手を繋ぎ合った。

 そして死灯へ重なる絶唱。命を賭して歌うそれが、生命宿らぬ大地へ響く。その旋律を背に、アダムは一人奮闘していた。

 

「不思議だね、何ともっ! 背負う事になるなんてさ、誰かの命をっ!」

 

 持てる魔力の全てを使い尽くしても構わないと、アダムはそんな想いで神の棺へ挑み続ける。変化と成長という、人類に宿った可能性。それを自分もと、そう思い直したアダムにとって、その背で他者を守り戦う事は何よりの変化と成長を感じられる出来事だった。

 それと、アダムは感じ取っているものがある。それは、謎の力。他者を守る事で生まれる、心の力とでもいうべきものだ。疲れているはずなのにそれを感じない。もう動きたくないのに動いてしまう。

 

 そんな自分に、アダム自身が驚き、笑い、叫んだ。

 

「あったようだよっ! 可能性が、僕にもっ!!」

 

 強烈な熱量が神の棺へと炸裂する。それがさながらアダムの歓喜の声のようだった。創造主へ聞かせるようなその強い叫びを、思いの丈を、攻撃へと宿して放つアダム。

 

 と、その時だった。凄まじい程のフォニックゲインが彼の後方で生まれたのは。

 

「これは……」

 

 アダムが思わず振り返る程の、力強く温かいそれに、神の棺が大きく震えて警戒を見せる。そこには、揃いの色を身に纏った女性達が立っていた。

 眩しく輝く白を基調とした、ギアとローブ。それを纏う彼女達は、繋いだ手を静かに放すと弾かれるように動き出す。

 

「亀裂を狙わずにぃっ!」

 

 響の拳が神の棺へ打ち込まれる。さしものセミエクスドライブでも強固な装甲を砕く事は出来ない。だが、それでも今までと違う感触を覚えて響は頷いた。

 

「弱点ばかりを狙うから進展しないのならっ!」

「弱点を増やして狙いを分散させてやればいいっ!」

 

 ツヴァイウイングの二人が揃って空を駆ける。そのままの勢いを乗せ、二つの羽ばたきが一つとなって神の棺を襲う。その一撃が神の棺を空へと押し上げて、無防備な状態を作り出した。

 

「セレナっ!」

「うんっ!」

 

 イヴ姉妹がそこを逃さず風を裂いて手にしたアームドギアを構える。狙うは亀裂、と見せかけ別の場所だった。神の棺の反撃が虚しく空を裂く中、息の合った姉妹の攻撃が新しい亀裂を作り出す。

 このままでは不味いと悟ったのだろうか。神の棺が周囲へこれまでにない数の防衛システムを展開する。だが、それが一瞬にして消滅した。

 

「あたし様がいるって事を忘れてんじゃねーぞっ!」

 

 クリスのギアが放つ光線とミサイルによって、神の棺の起死回生の反攻の切っ掛けは完膚なきまでに破壊され、その爆発を抜けて二つの煌めきが踊る。

 

「二つあるならっ!」

「アタシ達にお任せデスっ!」

 

 ザババの刃が神の棺へ突き刺さる。二ヶ所の亀裂を更に大きくするようなそれは、まさしく魂を刈り取るに相応しい威力を持っていた。

 

「私達もやるぞっ!」

「言われなくてもっ!」

「重ねるワケダっ!」

 

 三つの属性が神の棺へ向かっていく。と、その途中から残る一属性が合流するように出現する。

 

「忘れてもらっちゃ困るな、僕をっ!」

 

 四大元素の錬金術が一つとなって神の棺を直撃する。キャロルの放つそれよりも強力な錬金術が遂に二つの亀裂を繋ぎ、穴へと変化させて疑いようのない弱点へと昇華させた。

 

「戦いを終わらせるためにっ! あれを鎮めてっ!」

 

 その穴へと凄まじい閃光が降り注ぐ。穢れを払う神獣鏡の輝きがラピス・フィロソフィカスの光を宿して、神の棺を祓い清めるが如く眩い陽光にも似た光のシャワーを出現させたのだ。

 

 その光景をモニタで見つめていたキャロルはある事に気付いて近くにいるエルへ視線を向ける。

 

「エル、ダインスレイフはどうなってる?」

「……大丈夫。不思議だけど何の影響も受けてない」

「影響がない? どういう事だ……」

 

 キャロルの見立てでは、あのサンジェルマン達の歌はラピス・フィロソフィカスの力を極限まで高めるものだった。故にその輝きをイグナイトの状態で浴びればさすがの対消滅バリアでも防ぎようはなく、その結果イグナイトの核となっているダインスレイフを焼却してしまうと思ったのだ。

 

「多分だけど、アピーズのおかげじゃないかな?」

「……アピーズの……そうか、そう言う事か」

 

 エルの意見にキャロルは一つの仮説を思い付いた。アピーズはラピス・フィロソフィカスのデータを基に生み出された姿であり、その歌がギアだけでなくローブまでも活性化させるのは実証されている。

 その姿であの死灯で高まったラピス・フィロソフィカスの輝きを受けた事で、神獣鏡がそのエネルギーをフォニックゲインへ変換、シンフォギアへ与えると共に共鳴現象によってファウストローブを強化させたのではないかと。

 

「アピーズの名の通り、浄化の光を鎮めて全てを癒す力へと変えたんだよ、きっと」

「……かもしれない」

 

 エルのまとめにキャロルも小さく笑みを浮かべ、二人は揃ってモニタへと視線を戻した。そこでは神獣鏡の攻撃で大ダメージを受けたのか、動きを止めた神の棺が映し出されていた……。

 

 

 

「これが最後の一撃となるか」

 

 私は目の前の光景に拳を握る。神の棺はもう虫の息、と言えばいいのだろうか。とにかく最初の頃の圧力も威圧感も失せていた。防衛システムも沈黙したようで、先程から静かなものだ。

 

「立花響、ここは私達にやらせてもらえないだろうか?」

「え? みんなでやらないんですか?」

 

 私の申し出に立花響は小さな驚きを見せた。本当に、どんな状況でも変わらないのだな、君は。

 

「神の力へ縋っていた自分達へのけじめというか、別れを行いたいのだ。他ならぬ神を宿した物を打ち砕く事で」

「そういう事ですか……」

「あたしはいいよ。もしそっちで仕留め切れなかった場合、あたしらがやるけどさ」

 

 天羽奏がこちらを見ながら軽く笑みを見せる。ああ、本当に彼女もまた優しく強い人間だ。思えば、彼女だったな。動けぬ私達を守りながら、死なれたら夢見が悪くなると言ってくれたのは。

 

「私も構わない。心の区切りは必要だ。それが過去の自分へのものなら、余計に」

「そうね、翼の言う通りよ。気の済むようにやってくれていいわ」

 

 風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴが優しい表情で私を見つめてくる。彼女達も強さを持っている人間だと実感する。その言葉に感謝するように私は頷いた。

 

「万が一の時は私達にお任せ」

「キッチリ仕留めてみせますデス」

「だから思いっきりやってください」

 

 月読調や暁切歌にセレナ・カデンツァヴナ・イヴまでも微笑み、私の申し出を受け入れてくれる。更に仕留め切れなかった時の事までも言及してくれる。人の優しさと強さ、それを彼女達も感じさせてくれるのか。

 

「サンジェルマンさん達の背中には、今は私達がいるって事、忘れないでくださいね」

「そうです。だから、信じた正義を握り締めてハートの全部でぶつけてくださいっ!」

「……ああ、そうさせてもらう」

 

 小日向未来と立花響の言葉に笑みを返し、私は顔を神の棺へ向けて告げる。気付けば両隣にカリオストロとプレラーティがいて、目の前には局長が立っていた。

 

「じゃあ、最後の仕上げと行きましょうか」

「派手にやってやるワケダ」

「そうだね。この役目は譲れないんだ、神の力を目指していた僕らだからこそ」

 

 局長の言葉に深く頷き、私はそっとカリオストロとプレラーティの手を握る。二人がその瞬間、小さく驚いた顔を向けてくるが、すぐにそれが微笑みに変わり私の手を握り返してくれた。

 すると、自然と何かが込み上げてくる。これは、もしや立花響の言っていた胸の歌、だろうか? 視線を動かせばカリオストロとプレラーティも同じような表情をしている。ならば、その歌に身を委ねてみよう。

 

 ハートの全部で、信じた正義を握り締めるために……。

 

 

 

「アダムっ! サンジェルマン達も頑張れ~っ!」

 

 ティキの声援に小さく笑みが浮かぶ。モニタには、神の棺へと向かって行くアダム達の姿が映し出されていた。どうも奏達はそれを見守るつもりらしい。

 多分だけど、アンジェ達四人は相手が神という事もあって思う事が多いんだと思う。だからこそ、そのトドメを自分達でやりたいんだ。

 

「過去の自分との決別、かな」

 

 きっとそういう事だと思う。だから奏達も託したし譲ったんだ。神の力を求めていたアンジェ達の、紛れもないそれへの決別。そのための一撃が、今まさに放たれようとしてるんだ。

 

「神を人が倒す、か。私には俄かに信じられないな」

 

 その光景を眺めてフィーネが告げた言葉に俺は頷く。確かにそう聞くと信じられない話だ。だけど、だからこう言わないといけない。

 

「でも、どんな物語でも神を倒すのは人間だよ、フィーネ」

「……そう、だったな。思えば、人間そのものが神を倒せる哲学兵装かもしれない」

「そうだね。そして、それこそが可能性なのかも」

「…………可能性と言う名の、力……か。確かにそれは神にはない力だろう。ああ、そうか。だから神に勝てるのか」

 

 人間にしかないものがあるとすれば、それこそ可能性という誰にも分からない要素だ。どうも俺の体を借りてた神様もそんな事を言ってたらしいし。

 未来は、明日は、どうなるか分からない。だから怖いし、楽しみでもある。そうだ。人は誰しも希望であり絶望を内包している。そして、その中で常に希望を選び続けられる人が強いって、そう思われるんだろう。

 

「……きっと、響達はその強さを誰かに与えられる存在なんだろうな」

 

 アンジェ達がそうだったように。願わくば、俺もそんな存在でありたいものだ。これから生まれてくるであろう子供達にとって。

 

「案ずるな。きっと、誰もが誰かの強さを支えている。アナタも、勿論私も」

「……そうだね」

 

 フィーネの言葉に嬉しく思って、俺は笑みを返してモニタを見つめる。そこでは、四人の錬金術師が同時に攻撃を仕掛けようとしていた。

 

―――人の持つ強さ、見せてくれよ、アンジェ……。

 

 

 

 サンジェルマン達の歌う”永輝~エイヴィヒガーブント~”が響く中、遂に神の棺は再度の四大元素合体錬金術の前に動きを完全に停止、そしてその胴体から煙を生じさせたのだ。

 

「……局長、これは?」

「おそらくだけど、役目を終えたんだ、棺が」

「どういう意味よ?」

「棺が役目を終えたと言う事は、その中に収めた遺体を守れなくなったというワケダ」

「そういう事だろうね」

 

 言い終わるやアダムが息を吐いた。その表情はどこか緊張している。分かっているのだ。彼はこれから出てくるのが自身が打ち倒そうと思っていた創造主である事を。

 

 ゆっくりと展開される棺。それを誰もが黙って見守っていた。やがてそれが終わり、アダム達四人が先んじてその中へと入っていく。

 

「……これが、神?」

「正確にはその遺体なワケダ」

「見るからに怪しい腕輪してるわねぇ」

 

 さながらミイラのようなカストディアンの姿に、サンジェルマン達は訝しむような表情を見せる。その遺体の腕には、見事な金色の腕輪がはまっていた。

 

「そうだね。だからこそ、破壊するべきだと思うのさ、僕は」

「破壊、ですか?」

 

 アダムの言葉にさしものサンジェルマンも驚きを見せる。だが、アダムはその腕輪を睨むように見つめていた。

 

「ああ、思い出したのさ、この腕輪を見て。僕を生み出した存在がしていたんだよ、これを」

 

 憎しみさえ感じさせる声にサンジェルマン達が息を呑む。アダムを生み出した存在という事が意味する事と、その相手へ彼が抱く想いを察して。

 

「とにかく、腕輪は回収しよう、僕らが。彼らでは、面倒事になるだろうからね、確実に」

「そこについては同感」

「要らぬ揉め事の種になるワケダ」

「そうだな。なら、私達はこれで撤収させてもらおう」

「サンジェルマンさんっ!」

 

 腕輪を遺体からサンジェルマンが外したところで響達がそこへ姿を見せた。

 

「立花響達か。丁度良かった。私達はこれで失礼する」

「この遺体に関してはそちらに任せるワケダ」

「ティキの事は局長にお願いしておくわ」

「分かった。手を打つよ、この後すぐに」

「えっと、それはいいんですけど……」

 

 響の視線はサンジェルマンの持っている腕輪へと注がれていた。明らかにこの遺体絡みと察していたのである。

 

「これか。すまないが、これは私達で調べさせてもらう。君達は信頼出来るが、まだ国連などは信頼出来ない」

「揉め事の種にして争いさえ起こしかねないワケダ」

「聖遺物だものねぇ。それも、カストディアンの」

「そうは言われてもねぇ……」

「私達もさすがにそれを見逃す訳にはいかないわ」

 

 困った表情で奏とマリアがアダム達を見る。個人としてはサンジェルマン達の意見に賛成なのだが、S.O.N.Gの人間として黙って持って行かせる訳にはいかないのだ。

 だが、そんな事はアダム達も分かっていたのだろう。複雑な顔をする装者達へこう持ちかけたのだ。

 

「ならこうしよう。初めからなかったんだ、腕輪は。だから、ここは退かせてもらうよ、僕らは」

「……そういう事か」

 

 翼の苦笑混じりの呟きに誰もが似た表情を浮かべていた。カストディアンの遺体というだけでも世界にとっては大きな収穫だろう。そうアダムは暗に告げていた。

 先に棺へ入ったアダム達を何とか追い払って遺体を守った。そういう事で世界を納得させてくれと、こういう訳だった。

 

「ではな、装者達。また会おう」

「まったね~」

「再会を楽しみにしているワケダ」

 

 まずサンジェルマン達がその場から転送結晶でいなくなる。それを見届け、アダムは一つの転送結晶を取り出した。

 

「これを、届けてくれないか、ティキに」

「分かりました」

 

 しっかりとそれを響が受け取り、アダムもその場から転送結晶で消える。残された響達はミイラのような遺体を見つめて本部へ連絡を入れた。

 

 これで神の力を巡る一連の事件は終わりを迎える。世界は残された神の棺や遺体の分析へ乗り出したものの、当然のように分かる事などないに等しく、あの神の力を再現する事はおろかそれへ迫る事さえも出来ずに終わったのだ。

 

 残された腕輪も、後日シャトーにて響によって神殺しの力にて粉砕。人類や地球を恐怖に陥れるはずの存在は、その名さえも知られる事なく復活の術を無くされて終わる。

 

 ここに、古から続く人と神の因縁は終結した。戦いは、終わったのである。

 

 ただ、それは世界全体として見た場合だ。シキ個人としては、まだ戦うべき相手が残っていた。

 

―――神の力への鍵は失われたか。だが、扉はまだ残っておる。

 

 不気味に笑う老人。その存在こそがシキが最後に対峙するべき敵であり、平和を脅かす者。風鳴訃堂、その人物との直接対決が、静かに迫っていた……。




神殺しは人そのもの。それこそシェム・ハへの最大の皮肉となりました。
人を使って不死身となろうとした神は、その道具によって誰に知られる事もないままその運命を断ち切られたのです。合掌。
さて、本作ではラスボスどころか名前さえ出てくる事なく終わった神と違って、最後に立ち塞がるはおそらく人類最強にして最恐の存在、風鳴訃堂です。
シキの、ハーレムというか幸せ家族計画にはこの上ないラスボスでしょう。

……神の力で殴って改心(洗脳とも言う)で解決じゃダメですかね?(ぉぃ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。