※この作品はR-18です。

淫姫絶頂したいフォギア   作:拙作製造機

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天羽奏

ツヴァイウイングの片翼にして最古参の装者。シキが初恋の相手にして、その彼が初めて恋した女性。彼女がシキと関係を持った事から物語は動き出した。
ガングニールの装者であり、彼女がライブ会場で響を守った事で、後の聖遺物関連事件が悲劇的結末を避ける事となる。
シキへ自分よりも大事な女を作らないというルールを提示し、彼の女性関係を受け入れる懐の深さを見せた。
ワールドツアー後は、シキの子を宿すために妊活予定。

風鳴翼

ツヴァイウイングの片翼にして防人であろうとする装者。シキの人生を良くも悪くも狂わせた原因。彼女がシキから生命のスープを採取する事から物語は変わり出した。
天羽々斬の装者であり、シキが彼女も手に入れたいと考えた事で、後のシキハーレムへと繋がる事となる。
幼い頃から風鳴の者として生きていたためか少々世間知らずな面があり、それもあってシキからスケベな事を一番教わる事となった。
ワールドツアー後は、家庭の温もりを得るためにシャトーへ引っ越し予定。


天空(そら)が堕ちる日はこない

 二月に入って間もない頃、遂に我が家の天使が快挙を成し遂げた。

 

「かーさんっ! とーさんっ! きゃろるねーさんっ! えるねーさんっ!」

 

 そう、夢子が五十音をマスターしたのである。信じられないが、これでもまだ生後五か月になっていないのだ。凄まじい成長速度と言える。

 

「夢子、凄いぞ。まだ大丈夫か? もし疲れたなら休んでいいからな?」

「えへ~」

「どうやらまだ平気みたいね。じゃあ、夢子? ガリィ達も呼んであげて?」

「あいっ。がりぃ! みか! れいあ! ふぁら!」

「凄いですっ! 夢子は本当に天才かもしれませんっ!」

「エル、気持ちは分かるけど落ち着いて。夢子、次はちょっと難しいけど、言える?」

「あいっ!」

 

 お聞きの通り、返事も出来るようになったんです。あいっ! そうやって元気よく言って笑みを見せる姿は、本気で愛おしい。

 見ればガリィ達も名を呼んでもらえて喜んでいるようで、ミカなどキラキラした眼差しを夢子へ向けていた。

 

「ばぁねっさ! えるざ! みらあるく!」

「ふふっ、さすがに私の発音はまだ難しいみたいね」

「ですが、凄いのでありますっ! 快挙でありますっ!」

「夢子は本当に天才児だぜ。こりゃ、本気で将来が楽しみだぜ」

 

 エプロン姿のヴァネッサさん達も笑みを浮かべていた。彼女達が我が家に来て早いものでもう一週間以上が経過している。最初こそどこか戸惑いや不安などが見えた三人も、今ではそれらも見えなくなり、炊事、洗濯、掃除と、それらの手伝いとしてスコアのみんなを助けてくれるようになってきた。

 

 それと、ヴァネッサさんなどは元々ファウストローブの研究をしていたらしく、キャロルや了子へそちらの方でも手伝いをしたいと申し出てくれたのだ。

 キャロルとしても、現代の錬金技術を知る事が出来るとあって是非となり、ヴァネッサさんはもう生き甲斐を見出そうとしていた。

 

 エルザちゃんとミラアルクちゃんはまだだけど、少しずつ買い物などで世の中に触れ、ゆっくりとではあるけど将来の目標や夢を考え出しているらしい。

 

「最後だ。私の名も、呼んでくれるか?」

「ふぃーねかーさんっ!」

 

 優しく微笑むフィーネへ夢子が嬉しそうに呼びかけ、これでこの場にいる全員が名を呼ばれた事になる。

 うん、これはまた響達が大はしゃぎしてくれるだろうな。何せ遂に名前を正しく呼ばれるのだ。でも、本当に今でも信じられないよ。異常だと言われても仕方ないぐらい、夢子の成長は早いんだから。

 

「ふふふ、なぁアナタ、これはお祝いをしなくてはいけないな」

 

 夢子の今後を考えて期待と不安を抱いていると、フィーネが夢子を抱っこしながらそんな事を言ってきた。

 

「お祝い……かぁ」

「そうだ。考えてみればまだヴァネッサ達の歓迎会もしていない。いい機会だ。それも含めてやるというのはどうだろう?」

「別に私達は構いませんから」

「そうであります」

「ま、ウチは騒げるのなら歓迎するぜ?」

 

 ヴァネッサさんとエルザちゃんは遠慮するが、ミラアルクちゃんはむしろやって欲しい感じだ。見ればキャロルとエルが既にスマホを取り出しているし、スコアのみんなはもう今夜の事で相談を開始してる。

 うん、俺の言葉を待つまでもなくみんなの答えは出てるようだ。なら、その後押しをするとしますかね。

 

「そうだね。アンジェ達の歓迎会みたいなのはあの南極戦前の決起集会でやったようなものだし、ならヴァネッサさん達のは夢子のお祝いと同時がいいか」

「ああ。その方がそちらもそこまで気を遣わずにいられるだろう?」

「それは、まぁ……」

「夢子のお祝い、と考えるでありますから」

「どっちでもいいぜ。ウチらの歓迎会でも夢子のお祝いでも、ウマいもん食べて騒げるならさ」

「父さん、響さん達への連絡終わりました!」

「アン達へもね」

 

 ミラアルクちゃんの言葉へ重ねるように娘二人が告げる言葉に苦笑する。と、そこで思い出す事が。八紘さん、招待するなら今夜が一番いいのではないかと。

 何もない日に呼んでもいいとは思う。だけど、こういう集まりになる時に俺の現状を改めて見てもらった方がいい気がしたのだ。

 

「キャロル、家への転送結晶、一つもらえないか?」

「? もう使い切ったの?」

「いや、家へ招待したい人がいるんだよ。その人へ送りたい」

「一応聞くけど、誰?」

「翼のお父さんの八紘さん。夢子に会わせたいと思ってたんだ。向こうも家へ招待されるのを楽しみにしてると言ってくれてね」

「翼のパパ、か。分かった。でも、急で大丈夫?」

「何とかするさ。無理だったら……その時考える」

 

 我ながら何とも無計画で行き当たりばったりだが、こういうのは思い立ったが吉日でいこうと思う。なので即行動。まずは八紘さんへ連絡、すると今日は夕方まで予定が詰まっていると返された。

 

「でも、それなら夕方からはどうです?」

『夕方と言ったが、実際には夜だ。午後八時近くまで予定がある』

「逆に言えば八時からは予定がないんですね?」

『ない訳ではないが……』

「それまでと違って動かせない訳じゃない、と」

『……そこまでして今日がいいのかね?』

「俺の、今の我が家を見せるには今夜が一番適してるんです。それと、翼もいますし」

 

 その最後の一言が効いたようだ。渋っていたが、八紘さんは折れるように苦笑しながら招待に応じると言ってくれた。なので、俺はならばとばかりに転送結晶を持って届けに行くと伝え、八紘さんの行先である国会議事堂へと向かう事に。

 

 初めて訪れた議事堂付近を歩いて指示されていた場所へと着くと、八紘さんの護衛らしき男性が立っていた。

 

「要シキさんですか?」

「あ、はい。これをお義父さんへ届けていただけますか?」

「分かりました。念のため、ここで確認しても?」

「どうぞ」

 

 いくら娘の恋人であり未来の義息とはいえ、国の重要人物へ物を渡すのだ。その安全性を確認するのは当然だと思うので素直に了承。護衛の人は小袋の中身を見て、懐から取り出した端末を操作すると少しの間の後頷いた。

 多分だけど転送結晶の画像データがあったのだろう。で、それと完全に一致しているから大丈夫という動きだったんだな。

 

「確認出来ました。確かに八紘様へ届けておきます」

「よろしくお願いします。それと、来てもらえるのを翼共々楽しみにしてますとお伝えください」

「分かりました。では、私はこれで」

 

 去っていく護衛の人を少しだけ見送り、俺もその場を後にする。さて、じゃあ本部へ向かいますかね。

 

「っと、電話か」

 

 歩き出したすぐにスマホが振動。取り出して見れば、相手は何と八紘さん。何かあっただろうかと思いながら通話を選ぶ。

 

「もしもし? どうかしましたか?」

『ああ、今招待状を受け取ったのでな。それと伝言も聞いた。ただ、出来るだけ行けるようにするが』

「必ずとは約束できない、ですよね。構いませんよ。それなら別の機会にその招待状を使ってもらうだけです。これが最後の機会って訳じゃないんで」

『……そうだな。だが、今ので私も決めた。今夜の食事は、君の家でいただこうとな。私の分を、残しておいてくれ』

「例えなくなってもご用意しますからご心配なく」

『そうか。では、また後でな』

「はい」

 

 通話を終えて思う事は一つ。え? もう届いたの? だって、見送ったのついさっきだよ? どうやってあの少しの時間で八紘さんへ転送結晶届けられるの?

 と、そこで思い出したのは緒川さん。あの人、翼の話だと飛騨忍者の末裔とからしい。と言う事は、さっきの人も忍者なのでは?

 

 ……うん、きっとそうだ。でも、忍者だからって本当にあの短時間でそんな事可能なんだろうか?

 

「…………止めよう。深く考えると頭が痛くなりそうだ」

 

 俺の宿した力も大概だけど、忍者ってのも大概だよな。それと、風鳴さんのでたらめな強さとかも。分からないでいた方が良い事って、世の中には結構あるもんだし。

 そう思って歩いていると、どこからともなく聞こえてくる聞き慣れた歌声。顔を動かせば、家電量販店のテレビがつい最近のツヴァイウイングライブの映像を流していた。

 

「これは、ニューヨークでやったやつか」

 

 ツヴァイウイングのワールドツアーも順調だ。マリアの方も同じく順調。ツヴァイウイングはあのマリアとのコラボライブが良くも悪くも知名度を上げる結果となっていたらしく、どこへ行っても注目を浴びるそうだ。

 

―――あたしらも装者って分かったら、もっと人が増えるだろうね。

 

 そう奏が笑って言っていたのを思い出す。冗談だとは思うけど、マリアの人気の一つにはやはり世界を救ったというのがあるんだと分かる言葉だった。

 それ故にマリアは我が家や自宅では解放されたかのようにのびのびしている。特に俺と二人などは、ただのマリアであれるからか甘え方なども凄い。

 

―――ねぇ、いつさせてくれるの? 深夜の、お・さ・ん・ぽ。

 

 再び日本を離れる際の見送りで、俺へ耳打ちしてきた言葉なんか良い例だ。早めに首輪とリード、用意しておこう。

 

「……そんな風に考えるのも久しぶりかもな」

 

 夢子が生まれてから俺の中でエロへの欲求が変わった気がする。前まではただエロい事がしたいって感じだったけど、今はみんなを愛したいって気持ちがあって、最終的にエロへ至るって感じだからなぁ。

 だから今はエロまで行かなくてもみんなを大事に出来ればそれでいい。キスやハグだけでみんなが満足してくれるのならって、今の俺は思ってる。

 

 ……まぁ、エロい事をしたくない訳じゃないけどね。

 

「っと、今日は電話日和か?」

 

 珍しいなと思いながらスマホを取り出せば、メールの着信が複数。ほぼ同時って辺りで何となく察した。展開すればそこには予想通りの名前の数々が。それと、文面は今夜の事への反応なのだが、どこか引っかかるものがあった。

 

―――今夜、楽しみにしてますっ! その後も……楽しみにしていいですよね?

―――ツアーでの疲れを吹き飛ばしてくれると、色々期待していいですか?

―――分かってると思うけど、今夜は寝かせねーぞ。……寝かせないでくれるよな?

―――今夜の宴、久々に血が滾るわ。アナタも、そうでしょ?

―――歓迎会喜んで参加させてもらうデスっ! で、で、その後もあるんデスよね?

―――今夜のお誘い、ありがとうございます。お礼に、私も今夜シキさんを誘っていいですか?

―――今日のパーティー、響と一緒に行かせてもらいます。勿論泊まり……でもいいですよね?

―――今夜の件、聞いたよ。あたしも参加するからさ、色んな意味で楽しませてよ?

―――私、お料理作るの手伝いに行くんですけど、シキさん、今夜食べたい物何かありますか?

 

 うん、見事にセレナを除いてエッチを匂わせてるというか期待してるよね、これ。いや、セレナのも勘ぐればそういう意味にとれなくもないか。

 思えば、神の力の一件以降でそういう事をしたの、了子とフィーネだけなんだよなぁ。機会がなかったってのもあるけど、何というかみんなキスだけで満たされてくれるみたいで、ハグにキスのコンボで終わってしまっていた。

 だけど、これを見るとどうやら満足していたのは心だけらしい。みんな、体の疼きが大きくなってきたんだろう。さっきの考えもあってか、こっちもその気になり出してきたし、丁度いいのかもしれない。

 

「……返事、送るか」

 

 そうやって邪魔にならないように道の端へ移動して九人へ返事を送り、さて本部へと歩き出そうとしたところで再び震えるスマホ。返事へのリアクションかなと思えば、今度はアンジェ達からだった。

 

―――今夜の件、楽しみにしている。その、出来れば、女としても楽しみにしたいのだけど……いい?

―――聞いたわよ。今夜、パーティーやるんですって? あーし、綺麗なオベベ着ていくわ。で、それを脱がす事、させてあ・げ・る♡

―――夢子の祝いと三人の歓迎会、是非参加させてもらうワケダ。それと、その後に我々の親睦会も開催してくれると信じているワケダ。

 

 思わず天を仰いだ。これ、裏で示し合わせてないんだよな? と言う事は、奏達だけでなくアンジェ達も体が叫びをあげだしてるって事か。

 思い出してみれば、彼女達三人は俺の生命のスープがある意味で完成されたところで、それをしっかりたっぷり味わってる。その疼きは下手をすれば装者達を超えてるかもしれない。

 

「…………覚悟、決めるか」

 

 三人へ返事と一緒にある提案を送り、俺は再度奏達へメールを送る。その内容は同じ。

 

―――今夜、アンジェ達も一緒でいいかな?

 

 

 

 その日の夜、要家のリビングに、将来暮らす事になる者達が勢揃いしていた。

 

「アンさん、これ美味しいですよ!」

 

 サンジェルマンへフォークに刺したエビマヨを差し出す響。それを見てサンジェルマンは小さく躊躇いを見せるも、ならばと意を決してそれへかぶりついた。

 

「…………たしかに美味しい」

「でしょ? で、あとの私のオススメはぁ……」

「立花響、あれは何だ? 鳥を揚げた物だと思うのだが、見慣れぬ白い物がかかっている」

「へ? ……ああ、あれは多分唐揚げに大根おろしがかかってるんですよ。ポン酢をかけて、さっぱりお肉が食べられるから美味しいです」

「ポン酢、か。それなら以前食べた事がある。そうか。なら試してみよう」

 

 意外に食へ興味を示すサンジェルマンを、響が意外そうに見つめてから嬉しそうに後を追う。そんな二人を眺めて微笑む者達がいた。未来とヴァネッサである。

 

「アンさん、響に影響されてるみたいです」

「そうみたいね。私も意外に思ってるもの。あのサンジェルマンが、あんな表情を見せるなんて」

「ヴァネッサさんが知ってるアンさんってどんな感じだったんです?」

「そうね……」

 

 未来の問いかけに過去の記憶を呼び起こすヴァネッサ。そんな二人の手には、サラダパスタが乗った紙皿があった。

 

 そのサラダパスタを作った一人であるエルザは、初めて食べる料理の数々に感激していた。

 

「はぁ~……美味しいであります。この家の料理は、どれもこれも美味しくて涙が出そうなのであります」

「気持ちは分かるデスよ。アタシもファラ達の作るご飯は大好きデス」

「エルザ、これも美味しいよ。はい」

「あっ、ありがとうであります」

 

 人懐っこい切歌とまず仲良くなったエルザは、その流れで必然的に調とも仲良くなろうとしていた。調が差し出したふろふき大根の一部を紙皿へ載せ、エルザは手にしたフォークで早速とばかりに口へ入れる。

 

「はふっはふっ……ん~っ!」

「どう?」

「お出汁が染みてて美味しいデスよね?」

「はいでありますっ! 私め、このダシの味が好きでありますっ!」

 

 エルザの答えに微笑み、切歌と調は嬉しそうに頷いた。そんな和やかな三人とは違い、やや険悪な雰囲気の者達がいる。クリスとミラアルクの二人だ。

 

「もういっぺん言ってみろ。事と次第によっちゃ、あたし様が黙ってねーぞ」

「へっ、何度でも言ってやるぜ。耳の穴かっぽじってよーく聞きな」

 

 刹那、二人の視線が激しく交錯し、火花が散った―――ように見えた。

 

「食事の時の飲み物は水が一番だぜ! 何だって合うし、好き嫌いもないからなっ!」

「バカ言ってんじゃねえ! 飯の時の飲み物はお茶に決まってんだろ! しつこい油にはウーロン茶、甘いもんには緑茶や紅茶。物によって使い分けりゃ料理の味をもっと引き上げてくれるんだ。水じゃそんな事は出来ないだろ!」

「使い分けなきゃいけないから言ってるんだぜ! それに、ウチは緑茶の渋い感じが苦手だ。エルザもそう言ってる」

「はっ、これだからお子様は。いいか? 大体な」

「そこまで。クリス、あまり熱くならない」

「セレナ……」

 

 白熱しそうなクリスの前へ割って入ったのはセレナだった。そして、それを見たミラアルクが何かを言おうとするも、それは出来ずに終わる。

 

「ミラアルクもよ。クリスの性格を分かった上で挑発しない。本当は今の話題もそこまで熱を持ってないでしょ?」

「そ、そんな事もないぜ。だけど、たしかにちょっとオーバーだったかもな」

 

 マリアのお姉さんオーラ全開の雰囲気にヴァネッサを連想し、ミラアルクはバツの悪そうな反応を返す。初対面時からミラアルクがある意味で苦手そうだなと判断した相手の一人、それがマリアであった。

 言うまでもなくその姉としての雰囲気などが理由なのだが、一番はそのスタイルがヴァネッサに近いというのがある。しかもヴァネッサと違い本当に姉をしてきたため、ある意味で彼女を超えているのだ。

 

「分かってるのならいいわ。クリスも貴女と仲良くしたいと思ってるの。それは、分かってあげて?」

「……ああ」

「ありがとう。セレナ、そっちは?」

「大丈夫。もうクリスも落ち着いたから」

「別にあたしはとさかになんてきてねーつの」

 

 セレナの傍で居心地が悪そうな顔をしているクリスを見て、マリアが小さく笑う。響達学生組では姉のような立ち位置なクリスも、セレナや奏の前では妹分となる事を思い出して。

 

「そうかもしれないけどそう見えたの。ミラアルク、出来ればクリスとの交流でケンカ紛いの方法はもう少し仲を深めてからにして。分かったと思うけど、クリスは少し熱くなりやすいから」

「お、おう。てか、仲を深めたらいいのかよ?」

「うん。その頃にはお互いに仲直りの仕方が分かってるだろうからね」

 

 言い終わってセレナは小さく微笑む。その笑顔にミラアルクは頬を掻いて視線を動かした。

 

(あー、こいつも苦手だぜ。何て言うか、お姉ちゃんオーラある奴多すぎだろ、こいつら)

 

 マリア、翼、奏、セレナ。この四人がミラアルクが苦手だろうと思った人物である。見事なまでに姉気質を持った者達ばかりで、どれだけミラアルクが姉属性を苦手としているか分かろうと言うものだ。

 それでも彼女達と距離を取るつもりがない辺り、ミラアルクも要家の影響を濃く受けつつあるのだろう。三人だけで支え合っていたところへ、突然与えられたあったかい場所。その雰囲気と温もりに、ミラアルクもまた変化を迎えていたのだから。

 

 要家の新入り三人がそれぞれで交流を図る中、カリオストロとプレラーティはと言うと……

 

「たしかに可愛いじゃない」

「エプロンにフリルが付いて可愛いワケダ」

「メイドをイメージした服だゾ」

「より使用人らしくと思いまして」

 

 ミカやファラが付けている新しい服装を見て感想を述べていた。これまでは従来の服装であったが、新しく用意した物はどちらかというと装飾的な要素が強いためだ。

 そう、これはシキの好みを考えた四人が申し出た物。要は、響達に起きている体の疼きにも似た感覚をスコア達も抱きつつあるという事である。

 メイド姿となってシキからスープをもらおう。そういう考えがあってのエプロンドレスなのだから。

 

「ガリィちゃんとしてはそこまで大きく変わった感じはないんだけどねぇ」

「地味な変化でも結果はきっと派手になる。いっそ、シキを旦那様とも呼ぶ?」

「そんな事したら、シキの事だから照れちゃうんじゃない?」

「あるいは、いっそその気になってしまうかもしれないワケダ」

 

 揃って笑いながら話す様は、一度は戦い合った者達とは思えない程の光景であった。いや、それだからこそ今は笑い合えるのかもしれない。

 共に命を賭けて信じるもの、守りたいもののためにぶつかりあった。それを知るが故に、戦う事がなくなった今、互いに相手を信じ笑みを向け合えるのだろう。

 

 そんな周囲の様子を眺めて了子とナスターシャは微笑んでいた。了子の腕の中には夢子がいる。

 

「改めて見ると、凄い光景ですねぇ」

「ええ。本来ならば出会うはずのなかった者達や今は生きていない者達がいますから」

「私達がそうですもの」

「本当に。シキさんの能力が始まりを作り、それを起点に様々な運命が変わっていった結果です」

「あいっ」

 

 夢子の合いの手に二人が思わず笑った。何よりもシキがいなければ絶対にいない存在がそこにいたからである。

 

「ふふっ、夢子こそがその最たるものでした」

「そうですね。私とあの人がいなければ、ですから」

「ふぃーねっ!」

「ええ、フィーネもそうね。フィーネがいたから母さんは父さんと結ばれたんですもの」

 

 つんつんと夢子の頬を突き、了子は笑みを浮かべる。ナスターシャもそんな様子を見て優しく笑みを見せていた。

 幼い命は癒しにもなり励みにもなる。血が繋がっていようといまいと関係なく、その無垢な瞳と笑顔に人は活力をもらえるのだ。

 

 了子は研究一筋で生きてきた。それが子を望んだだけでも大きな変化なのに、今や研究と夢子を天秤にかけて迷うぐらいにまでなった。それも夢子という命が起こした、小さな、けれど大きな変化である。

 

「夢子が誕生日を迎える時、どうなっているのでしょうか。楽しみでもあり怖くもあります」

「大丈夫ですわ。フィーネも言ってます。この子は夢を名に持つ子だ。きっとみんなの夢となってくれるだろうって」

「……そう願いたいですね」

 

 シキと同じくこの家の中心となっている幼子を見つめ、ナスターシャは柔らかく笑みを浮かべる。フィーネが告げた、みんなの夢となる。その言葉通り、希望の存在となってくれるようにと。

 

 

 

 その頃、主人でもあるシキは翼と奏を伴って転送ポートとでも呼べる場所にいた。八紘を出迎えようとしていたのである。

 

「あたしもいていいのかね?」

「うん、奏にもいて欲しい。お父様に紹介したいんだ。私の大切なパートナーで、大事な親友だって」

「俺も八紘さんへ一番に会わせるなら奏だと思ってた。翼の夢を支える片翼だから」

「……ま、二人がそういうならあたしは構わないけどさ」

 

 少しだけ照れるように顔を背ける奏をシキと翼が微笑んで見つめる。と、そこへ淡い光が生まれた。

 

「これは、中々奇妙な感覚だな」

「お父様っ!」

 

 戸惑う八紘を見て、翼が嬉しそうに駆け寄る。その声に気付いて顔を上げた八紘へ翼が抱き着いた。シキと奏が苦笑する中、翼との久々の対面に八紘もどこか嬉しそうに笑みを浮かべる。

 

「翼、嬉しいが放してくれ。要君達に笑われている」

「いいのです。シキさんも奏も私にとっては家族も同然。それに、二人の笑いは嘲りなどではないのですから」

「そうは言ってもな……」

「翼、未来の義息に笑われるのは、男として恥とまではいかないけどあまり居心地のいいものじゃないんだよ。お義父さんの面子と心情も少し酌んであげて」

「……分かりました。シキさんがそう言うのなら」

 

 男としてのと、そう言われてしまえば翼としても引き下がるより他はなかった。

 八紘はそんな娘の対応を見て、すっかりシキの妻らしくなっていると感じて苦笑する。

 そして自分から翼が離れるのと同時に、その視線をシキへと合わせた。

 

「今夜は招いてもらって感謝する」

「こちらこそ、本当に来て頂けて嬉しい限りです」

「そうか。それで、そちらの女性は確か天羽奏さんとお見受けするが」

「あ、えっと、はい。あたしが天羽奏です。いつも翼には世話になったり世話したりですが、よろしくお願いします」

「か、奏っ!」

 

 奏のあまりにもな自己紹介に慌てて詰め寄る翼だが、その様を見て八紘はむしろ楽しそうに笑った。

 

「ははっ、そうですか。こちらこそ、娘の夢を支えてくれている事、礼を言います。これからも翼をよろしく頼みます」

「お父様ぁ……」

「何だ? お前が天羽君の世話になっているのは事実だろう。私とてツヴァイウイングの事ぐらい知っている。それと、お前の私生活の事もな。私を誰だと思っている?」

「ううっ、少しは片付けなども出来るようになったもん」

「そうそう、食事の後片付けぐらいはね?」

「奏っ!」

「一つ大事な事を忘れてるぞ奏。翼がだらしなくなるのは自室だけだって」

「シキさんっ!」

 

 奏とシキにからかわれ、顔を真っ赤にして怒る翼を眺め八紘は優しく微笑む。そこには、年頃の女性らしい自分の娘がいたのだ。

 風鳴の家に生まれ、呪われた血と自身をどこかで卑下していた頃の影は一切見えなくなった、そんな姿が。

 

(翼、いい出会いをしたな。私では、お前をこうは出来なかっただろう。お前を普通の娘に戻したのは、紛れもなく要君と天羽君だ。その縁、大事にするんだぞ?)

 

 からかうように笑うシキと奏へ文句を言いつつ、笑顔を見せる翼に八紘は心からの安心を抱いていた。この二人の傍にいれば翼の笑顔が曇る事はないと、そう確信して。

 

 ややあって、翼が落ち着いたところでシキが八紘を案内する形でリビングへと動き出す。途中、奏が八紘へ翼の昔話を始めた事で翼が恥ずかしさから騒ぎだし、八紘に翼の可愛らしい一面をこれでもかと見せる事になった。

 

 そして、八紘を連れてシキ達がリビングへ顔を出すと、一斉にその場の視線が動いたのだ。

 

「みんな、紹介するよ。翼のお父さんの八紘さんだ」

「お初にお目にかかる。私は、ここにいる風鳴翼の父で八紘と申す者。以後、お見知りおきを」

「お、お父様?」

 

 時代がかった物言いをする八紘に翼が困惑するも、そんな彼女へ八紘は微かに笑みを浮かべてこう告げる。

 

「どうした? 防人のお前を真似てみたのだが?」

「っ!? お父様っ! 私はそこまでではありませんっ!」

 

 そこで場がドッと弾けた。声を出して笑う者達もいれば、声に出さずとも笑みを見せる者達もいる。全員が一瞬にして悟ったのだ。八紘なりの溶け込み方だと。

 この場では自分は翼の父でしかない。それを分かってもらうための、ちょっとした愛嬌だ。そう誰もが察して笑みを見せる。

 

「はじめまして風鳴さん。櫻井了子と言います」

「ナスターシャ・セルゲイヴナ・トルスタヤです」

「これはどうもご丁寧に。お二人の事は弦からも聞いています。これからも、世のため人のためにその知恵を貸していただきたい」

 

 まずはと自分の前へ歩み寄った了子とナスターシャへ、八紘は言葉と共に小さく会釈をする。そこで顔を覗かせる彼の防人としての部分。それに翼の父らしさを見たのか、二人は小さく笑みを見せて頷き返す。

 

「八紘さん、了子が抱いているのが俺と了子の娘、櫻井夢子です」

「おお、この子が……」

「う?」

 

 初めて見る八紘に不思議そうな顔を向ける夢子。その愛らしさに八紘も微かに頬を緩め、更に幼き日の翼を思い出したのか笑みを零した。

 

「夢子、じーじって呼んであげて」

「何?」

「あいっ。じーじー」

「っ?! 何と……」

 

 シキの言葉に訝しむ表情を見せた八紘だったが、その後に夢子が発した言葉に衝撃を受ける。だが、夢子から呼ばれた”じーじー”との呼び名にゆっくりと表情を緩めていく。

 

「……この幼さで、既に言葉を使うか。それに、こちらの言う事も理解しているようだな」

「はい。ご存じかもしれませんが、了子は先史の巫女でもあります。その事と俺の事もあるので、普通の子とは違うのかと」

「それでもこの子は人間だ。どのような生まれであれ、生まれてきた命に罪はない。要君、君も親なら心に刻んでおくのだ。子は親を選べない。だからこそ、親が子にとって最初にして最後の防人なのだと」

「はい、分かっています。キャロルとエルを娘にすると決めた時から、俺はあの子達の父であり親なんだと決意出来ましたから」

「お父様……シキさん……」

 

 見つめ合う二人の父。その姿とやり取りに翼がそっと胸を押さえる。何故なら翼は知っているのだ。彼ら二人が自分の出生について知っていると。

 故の言葉、故の想い。大切なのは自分の血を引くか引かないではなく、その命を己が子と思えるか否かである。だからシキも八紘も本来であれば子ではない命を子として思い、愛し、守ろうとしているのだから。

 

「じーじー」

「ん? ああ、心配しなくていい。何もお前の父と言い争っている訳ではない」

「う?」

「伝わらないか? ならば、ケンカしている訳ではない。分かるか?」

「あいっ」

「ははっ、不思議な子だ。言葉が分かると言うよりも、接していると心が通じ合うような気がする。それに、とてもよく笑う子だ」

 

 言いながら八紘がそっと夢子の頭を撫でる。すると、その行動に夢子がとても嬉しそうに笑って見せた。その笑顔が八紘には同じ頃の翼を連想させ、その視線を翼へと向けさせる。

 翼は、八紘を見て瞳を潤ませていた。これまでの時間で父が自分を想う気持ちは知っているつもりだった。だが、改めて聞いた言葉で感極まっていたのである。

 

「翼、どうした? 何故涙を浮かべている?」

「……ぐすっ、お父様とシキさんが泣かせる事を言うからです。それと、夢子はシキさんと了子さんの子ですが私達の子でもありますし、キャロルやエルにとっては妹です。ファラ達やアン達に、最近この家へ来たヴァネッサ達にとっても家族です。だから、夢子の防人はこの場にいる全員とお思い下さい」

「そうか……。これだけの守り人がいれば、きっとこの子の未来は明るいな」

 

 ゆっくりとその場にいる者達を見回していき、八紘は噛み締めるように告げる。何しろ顔ぶれが顔ぶれだったからだ。

 九人の装者に先史の巫女、四人の錬金術師に四体のオートスコアラーがいる。更にナスターシャやエル、ヴァネッサ達もいるのだ。これほどまでに頼もしい家族はいないだろうと。

 

「あの、出来ればその中に八紘さんも入っていただきたいんですが」

「……私も?」

「はい。夢子は、俺に似ず賢い子です。お義父さんを、八紘さんをじーじーと呼んだのは、何も俺に言われたからじゃありません。貴方が自分の祖父だと、そう感じ取ったから呼んだんです」

「私を、祖父と?」

「そうだよな、夢子」

「じーじー、じーじー」

 

 キャッキャと笑いながら八紘を呼んで手を伸ばす夢子。その姿に八紘は暫し固まり、やがて静かに笑むとその小さな手を優しく掴んだ。

 

「そうか、そうか。どうやら私は心の繋がりで子を、孫を得られるらしい。ははっ、嬉しいものだ。孫など、見る事はおろか得る事さえ出来んと思っていたが、こんなにも早くその予想を覆されるとは」

「じーじーっ!」

「ああ、そうだぞ。私が、お前の祖父だ。じーじーだ」

「じーじーっ! じーじーっ!」

「こらこら。そんなに強く掴むな。ふふっ、本当に不思議な子だ。名の通り、人の夢となってくれるかもしれないと、そう思えてくるような力を感じる」

 

 真っ直ぐ自分を見つめて笑う夢子に、八紘は眩しいものを見るような目を向ける。それを見たシキは微かに笑みを浮かべると了子へ目配せした。その意図を察して了子も小さく頷き、夢子を八紘へと差し出したのだ。

 

「どうぞ、抱いてやってください」

「……いいのかね?」

「むしろ、駄目な理由がどこにありますか? 夢子にとって八紘さんはじーじーなんです。是非、抱いてやってください」

「…………そうか」

 

 おっかなびっくりと思いきや、そこは風鳴の男か八紘はしっかりと夢子を抱き抱えると様になるような抱き方を見せた。

 

「おおっ、重いな。すくすくと育っているとこれだけで分かる。愛されているのだな」

「ええ、二人の姉さんに二人の母さんがいます。それに、いつでも家族の誰かが夢子を見ていますから」

「二人の姉と母、か。それだけでなくこれだけの家族がいる。そうだな。これで愛されていないはずがないか」

 

 そう言って八紘は翼へ目を向ける。その視線を受け、翼はどこか驚くような表情を見せた。

 

(お父様が、笑っている……)

 

 その微笑みは翼が初めて見た表情だったのだ。八紘の、これまで見せようとしなかった、風鳴の者ではなく一人の父としての顔である。

 

「翼、夢子は可愛く利発で将来が楽しみな子だ。だが、私にとっての本当の初孫は、残念ながらこの子ではない。言いたい意味、分かってくれるか?」

「っ……はい」

「そうか。いつになってもいい。私にお前の子を、翼の子を抱かせてくれ。急がずともいい。お前の気の済むまで飛び回り、歌を休む事になった後で構わない」

「っ! はいっ! 必ず、必ずお父様に抱いて頂きます。私とシキさんの間に生まれた子を、お父様の孫を、絶対に……っ!」

 

 そこまでだった。もう翼の視界は霞んで見えず、辛うじて見ているのが八紘であると分かるぐらいになっていた。

 夢子という血の繋がらぬ孫を抱いて、八紘が抱いた個人としての願い。生まれて初めて聞いた、父のワガママ。それに翼は感極まったのである。

 翼だけではない。父と娘のやり取りは、その場にいた一部を除く者達にも刺さっていた。特に響と未来は強く影響を受けていたのだ。

 

(お父さんも、やっぱり同じ事言うのかな……? 私が産んだ子を抱きたいって……)

(響と私が同じ人を好きになって、その人のお嫁さんになるのをきっとお父さん達は反対する。でも、今日の事を見てると、夢子ちゃんを抱かせてあげたらもしかして……)

 

 ただ、響はともかく未来は若干怪しい発想を浮かべていたが。

 

 八紘の来訪による出来事はそれで終わりを迎えた。食事を翼と共にしながら装者達やエル・キャロル姉妹と触れ合い、八紘はかつてシキが告げた夢が現実へ近付いている事を感じて内心苦笑する。

 だが、そこで彼は思うのだ。そのシキが見ていた馬鹿げた夢。それを実現させる大きな要因となっているのが、あの夢子なのではと。

 

 何せ彼自身も触れ合って心を癒されたのだ。血のつながりなど意識しなくなる程、夢子との触れ合いはあったかいものだったために。

 

―――これは、他の家も私の二の舞を踏むかもしれないな。

 

 シキ達に見送られながら八紘はそんな事を思ってシャトーを後にする。その背広の内ポケットには、次回用の招待状が静かに煌めいていた……。

 

 

 

「はぁ~、さっぱりした」

 

 一人風呂上りで呟く。時刻は午後十時を過ぎ、我が家は静まり返っている。キャロルとエルは今日早上がりしたらしく、明日早く出ると言っていたのでもう寝ている頃だろう。

 夢子も八紘さんとの初対面で疲れたのか、後片付けを始める頃には了子の腕の中でぐっすりだったし、今頃はスコアの誰かが見ていてくれている。

 

 廊下を歩きながら俺は久しぶりの場所を目指す。そう、大広間を。俺が初めて装者ハーレムを実現した場所だ。

 何故そこを目指すかと言えば、理由は一つしかない。おかげで今の俺は板につき始めていた父親モードから懐かしさを感じるスケベモード。正直チンポが痛いぐらいに勃起している。

 

「……何せ今夜は」

 

 奏達九人だけじゃなくアンジェ達三人を加えたハーレムエッチなのだ。色々あったけど、さすがにこの状況は想像しなかったなぁ。

 ……ま、俺がスケベモードじゃなく父親モードだったからだと思うけど。それにしても、まさか土壇場でアンジェ達が了承するとは思わなかった。自分達三人ならともかく、奏達を入れてはさすがにってそう言ってたし。

 

「だけど、きっと八紘さんと翼のやり取りの影響だな」

 

 アンジェ達も子を産みたいと、そう強く思ったんだ。そしてそれは奏達も同じく。元々エッチしたいって気持ちになってたとこに、夢子を抱いて嬉しそうにする八紘さんだもの。

 あれを見て、みんな少なからず思ったはずだ。この家では、生まれてくる子は何があろうと祝福されるって。俺は実際そうだし、お義母さんもそうだと思う。

 お義父さんもそうだって今回の事で分かった。時間はかかるかと思うけど、いつかは立花家の皆さんや小日向家のお二人もそうなってくれるようにしてみせる。

 

「……でも、一番はきっと最初からみんなの中にそういう気持ちがあった、って事だといいな」

 

 子を望む気持ち。俺の子なら産んでもいいって思う心。それが根底にあっての今夜だと思いたい。そう考えながら俺は大広間のドアを開けた。

 

「…………え?」

 

 ドアを開けたら、そこにはいつかのように布団が何組も敷かれていた。それはいい。俺が面食らったのは、その布団の前に寝間着姿のみんなが綺麗に揃って三つ指ついて頭を下げている事。

 アンジェ達まで例外なく、まるで時代劇とかで旦那を迎える妻のようだった。予想だにしない光景に戸惑っていると、俺の反応に気付いてか目の前の女性達から小さく笑みを漏らす声が聞こえた。

 

「せーのっ」

「「「「「「「「「「「「お待ちしておりました、旦那様」」」」」」」」」」」」

「っ?!」

 

 響の合図で全員が揃って言葉を発する。その内容に俺は息を呑んだ。ヤバい。何がヤバいって、今の一瞬で俺の中で何かのスイッチが入った事。

 裸じゃないし、エロい言葉を言った訳でもない。ただ、全員それぞれの寝間着で三つ指ついて出迎えてくれただけ。それだけなのに、俺は今、猛烈に彼女達を愛したいと思ってる!

 

「みんな、嬉しいよ。ありがとう。だけど、ごめん。今の俺は、そんなみんなに優しい男や夫の顔なんか出来そうにない」

 

 そう俺が言うと、全員が揃って顔を上げた。その表情はとても嬉しそうな笑み。だけど、どこか艶を感じさせるものでもあった。

 

「いいんだよ、シキ。あたしら、とっくにそうなんだから」

「はい。私達、シキさんと赤ちゃん作りたいって思ってるんです。まだ私と未来なんか駄目なのに」

「それを言うなら私と翼もよ。今妊娠なんてしたら、世界中で騒がれるわ」

「本当だ。奏だけは平気そうな顔をしてるのが憎いぐらい」

「ホントです。私だって許されるならお母さんになりたいのに……」

「その点、アタシ達はまだマシデスよ」

「駄目だよ切ちゃん。学院卒業はまだ来年なんだから」

「私は問題ないですからね、シキさん」

「あたしもだ。す、好きなだけママにしてくれ」

「私も、構わない。母になれるのならなりたいんだ。他ならぬ、アナタの種で」

「あーしもよ。もし子が出来たら、その時こそあーしが本当に女として完成されると思うの」

「シキの男で我々を完全な女として欲しいワケダ。子を産む事で女はその体を完成させるのだから」

 

 言いながら一人また一人と立ち上がり、着ている物を脱いでいく。その下には、きっとそれぞれで用意出来る一番の俺を興奮させるであろう下着が出てきた。

 マリア、クリス、リオはそれぞれ黒と赤と紫のガーターベルト。思わず唾を飲むぐらい、はっきり言って超エロい。

 切歌、調、レティはそれぞれがライムグリーンとパールホワイトとレモンイエローのリボンをあしらってある可愛らしい上下。似たデザインだけど、どこか未熟な感じを漂わせる三人には似合ってる。

 響と未来は、響がオレンジで未来がライトパープルのレースをあしらった上下。この中だと大人しい感じだけど、あの響と未来がってだけでもクるもんがある。

 で、一番の衝撃はここかもしれない。奏、セレナ、翼、アンジェは、何と乳首とマンコの部分にスリットが入っていたのだ。色は、奏がダークレッドでセレナがピンク、翼がダークブルーにアンジェが真紅。

 

「あ、アンジェ? それ、君が自分で選んだのか?」

「そ、その、カリオストロにアドバイスはもらったが、選んだのは私だ」

「翼は奏と?」

「は、はい。海外は、そういうものが日本よりも派手だと聞いたので」

「でも、結局日本で買ったんだよ。向こうで色々と見学はしてきたけどさ」

 

 ここまではいい。アンジェは世間知らずな面があるからそれが変な形で作用した結果だと思えるし、翼は奏と二人で選んだと分かる。問題は彼女だ。

 

「セレナ、君は?」

「……シキさん、こういうの好きかなって。駄目、でした?」

 

 はい、隠れ淫魔を発見しました。そうだったそうだった。こう見えてセレナはムッツリスケベのエロエロ娘だった。今だって、言いながらチラリとスリットを広げて見せてきたよ、この子。

 

「シキさん、私達へも一言くださーい」

「くださーい、デス」

 

 エロさの欠片もないように思えるけど、俺には分かる。今、響も切歌も乳首が勃起し出しているって。それと、頬がほんのり赤くなっているので若干の恥ずかしさもあるんだろう。

 きっと、アンジェ達三人が原因かな。いや、もしかするとこんな大人数はあの夜以来だからそれもあるのかも。

 

「じゃあ、響と未来は俺のために買ってくれた物? それとも元から持ってた?」

「実は……ね?」

「二人でシキさんに見せるために買ったんです」

 

 うん、今の言葉だけで幸せ。だけどしっかりとその下着姿を眺めさせてもらおう。おっ、若干二人が恥じらいながらも腕を組んで胸を寄せて……いいね。

 

「シキ、こっちも見るワケダ」

「見て、シキさん。私と切ちゃんのエッチなポーズ」

「デ~ス」

 

 言われて視線を向ければ、レティが少しだけブラをずらし、パンツをマンすじへ食い込ませていた。調はパンツを半分ずらして親指を咥えながら流し目を向け、切歌はグラビアでよくやる脇を見せて胸を強調するようなポーズをしている。大きくなりつつある横乳が素晴らしい。

 

「ほらぁ、あーし達の方も見なさいよぉ」

「こちらは相談や打ち合わせをした訳じゃないけれど……」

「お、お前の好みぐらい分かってるってのっ」

 

 見事なまでのおっぱいマウンテンが、いやおっぱい山脈がそこにはあった。例え命を失ってもいい。そこへ登頂しなければ。そう思わされる魅力が、魔力がある。

 何故山に登るのかと問われれば、そこに山があるからだと答えた人は本当に正しい。俺もその言葉通りに視界に映る山へと登ろうとして……

 

「ていっ」

「いたっ!?」

 

 登山口で止められた。見れば奏が拗ねた顔。その後ろには翼とアンジェ、セレナが似たような顔をしている。四人共に可愛いです。

 

「あたしらは頑張ってエロい奴着てるんだよ? なのにどうしてマリア達へ行くのさ」

「し、シキさん、これでは、これでもまだ足りませんか?」

「私なりに頑張ったんだんですけど……」

「ど、どうすればいいの? 教えて欲しい」

 

 こちらを軽く拗ねながら睨む奏、悔しそうな翼とセレナ、そして縋るようなアンジェ。これだけで俺はイケそうだ。

 

「……じゃ、四人揃って同じポーズをしてくれ。両腕を頭の後ろで組んで胸を前に出す感じの」

 

 そう言うと四人が同時に顔を見合わせた。少しの間の後、奏が翼達の顔をゆっくりと見回して小さく頷く。その次の瞬間……

 

「おおっ……」

 

 自信満々にポーズを取る奏、やや恥ずかしそうにする翼とセレナ、最後によく分からないがやってみたって感じのアンジェ。その様々な山々の山頂が色取り取りの雲間から顔を出し、何とも言えない色気を放つ。

 ああ、こっちの方が山頂を目指すのが楽そうだ。というか、もう目の前に頂きが見える。これは是非ともご参パイしなくては。

 

 そう思った所ではたと気づいた。思考がかなり昔に戻ってきてると。うん、やっぱり俺は思い込みで色々変わるようだ。今、確実俺はスケベモードって思う事で以前のようになっている。

 

「みんな、ちょっと待っててくれ」

 

 なのでそれをみんなにも分からせるため、俺は着ている物を全て脱いだ。それだけでみんなが息を呑んだのが分かる。それと、目付きが変わったのも。

 

「先に言っておく。今の俺、してる最中に無意識で神の力使ってるみたいなんだ。それで、了子もフィーネも今まで以上に幸せになるって、そう言ってくれた」

 

 ごくりと、唾を飲む音が聞こえる。同時に、みんなの視線が俺の顔からチンポへと向いて行くのも分かる。

 

「あと、多分だけど妊娠確率上がってる。いや、確率を上げてると思う。だから、学生組とアーティスト組は避妊した方がいい」

「シキ、あんたって無意識に酷い事言うね」

「え?」

 

 すかさず奏が言った言葉に目をパチクリさせる。何か俺酷い事言っただろうか? 割と常識的な意見だったと思うんだけど。

 ま、それが一部には妊娠しても構わないよねって感じの内容だったのは、酷いと言えるかもしれないか。

 

「今の言葉聞いたら、シキと自然な形で交わりたいって思うに決まってるじゃん。あの二人が幸せになったのも、絶対中に出されたからだろうし」

 

 奏の言葉に全員が揃って頷いた。言われてそうだよなと納得。自分で避妊しない方がいいよと言っておきながら、二言目にはそうしない方がいいって酷いわ。

 

「ええっと……じゃあ、受精か着床はしないように力を使ってみる。これでいいかな?」

「あたしは別にそんな配慮いらねーから」

「私もです。し、シキさんの赤ちゃん、欲しいな」

 

 すかさずクリスとセレナがアピール開始。潤んだ瞳と熱っぽい眼差しでこれでもかと俺の劣情を煽ってくる。

 

「なら私達とてそうだ。遠慮も何も必要ない」

「あーし達は、いつでも産休取れるんだから」

「そもそも完全体が妊娠可能かどうかも分からないワケダし、いい実験にもなるワケダ」

 

 負けじとアンジェ達も動き出す。リオは艶かしく手を動かして脚線美を見せながら視線を胸へと誘導し、レティはブラをずらして上目遣い。アンジェなど、どうアピールしたらいいか分からないようで、とりあえず胸を強調するように腕を組んでいた。

 

「……シキ、私も配慮はいらないわ。だって、私の本当の望みはアナタの子を産んで母になる事だもの」

「ま、マリアっ?!」

 

 クリス達の言葉を黙って聞いていたマリアが突然口にした内容に思わず目を見開いた。彼女の気持ちは知っていたし、分かってもいた。でも、こうして改めて口にされると嬉しさと同時に申し訳なさも感じてしまう。

 

「いいの。世界の歌姫と呼ばれても、それはあのフロンティアの一件で背負った偽りもあっての名。それを甘んじて飲み込み、一生背負っていこうと思っていたけれど、アナタとの時間がそれを変えた。私は、偽りのマリア・カデンツァヴナ・イヴではなく、真実のマリア・カデンツァヴナ・イヴでありたい」

「マリア……」

「ならば私もです。私も、本当の私で生きて行きたい。幸いワールドツアーも半分を過ぎました。なら、今身籠ったとしても大きく問題にはなりません」

「翼まで……」

 

 トップアーティスト二人の言葉は、正直複雑な心境になる。男としては無論嬉しい。これ程の喜びはない言葉だ。

 でも、人としてはそれでいいのかと迷ってしまう。一ファンとしてもだ。やはりファンを裏切らないような形で子供を産んで欲しいと思うから。

 

「仕方ないね。これは三人揃ってステージで歌った後、休業ないし活動停止って宣言するしかないか」

「奏……」

 

 俺がどう答えるべきかと考えていると、奏が苦笑してそう言った。つまり、実質的な引退宣言だ。勿論再開は出来るだろうし、翼もマリアも勿論奏も歌う事は好きだから歌手を辞めたいなんて思ってない。

 だけど、それよりも俺の子を産みたいと、そう思ってくれているんだ。歌手を続ける事で俺の子を産めないのなら、子を産んで歌手を辞める方がいいと。

 

「シキ、勘違いしないでよ? あたし達は歌手じゃなきゃ歌を歌えない訳じゃないんだ」

「そうです。例え芸能の世界でなくても歌を歌う事は出来ます」

「ええ。観客が世界から家族に変わるだけよ。なら、私達にとっては今と変わらないわ。下手をすれば、より一層頑張れるもの」

 

 その三人の言葉を聞いた瞬間、俺は思わず背筋が震えた。今の三人の宣言は、ある意味でファンからの寝取りとも言えると思って。

 俺と出会う前は間違いなく自分達の歌を愛し、応援してくれるファン達のために歌っていたディーヴァ達。それが、今ではファンよりも俺と言い切ってしまうのだ。

 ああ、何て俺は罪深く酷い男だ。だけど、チンポはこの上なく興奮して昂っている。ここまで言われたら覚悟を決めよう。俺は、今夜でこの歌姫達を妊娠させると!

 

「アタシ達も! アタシ達も普通にエッチして欲しいデスっ! いっぱい中出しして欲しいデスよっ!」

「今までずっとナマチンポでエッチしてきたのに、よりにもよってそれがもっと気持ち良くしてくれるってなったらゴムを着けるとか……」

「「酷い(デス)っ!」」

 

 切歌と調の言葉に俺は恥ずかしながら昂っていた。だって、現役女子高生がナマチンポだの中出しだの言うんだもの。意図して淫語を使っているのとはまた違う興奮がそこにある。

 

「二人の気持ちは嬉しいし分かる。でもね、さすがに学院を中退。それも妊娠でなんていうのは」

「なら、もし私達の卵子がシキさんの精子とキスしちゃったら、その受精卵を体から取り出してください」

「え?」

「神の力なら出来ると思うデスよ。フィーネの力で了子さんは似たような事してたデスし」

「……そう言えば夢子はそうやって生まれたんだっけ」

 

 そこで俺がそう言ってしまったのが最後の流れを決めた。そう、最後の二人が俺の言葉にしめたと言う顔をしたのである。

 

「はいは~いっ! じゃあ、私と未来も同じ事をお願いしま~すっ!」

「あと、もし受精してた場合は、出来たらコールドスリープみたいな処置をして欲しいです。来たる日に、私達の子宮へ戻してあげたいから」

「だね。いっそ成人式の日とか?」

「ふふっ、色んな意味で”せいじん”になっちゃうね」

「ああ、もうっ! 分かったよ! 何があっても俺はみんなを守るし支えるって決めたんだ!」

 

 そこで一旦深呼吸。少しだけスケベな俺ではなく大人の真似をする俺へ戻る。

 

「夫として、男として、何より人として君達を愛してる。だから、全ての責任は俺が取るから。みんなの人生、今日ここで確かに預かる」

 

 激しくではなく静かに、だけど力強く宣言した。すると、少しの間を置いてみんなが下着を脱ぎ始める。けれど、俺には分かった。それが何を意味するのかを。

 

「……綺麗だよ、みんな」

 

 俺の目の前には、一糸まとわぬ十二人の戦姫がいた。ただ、それは表向き。実際には淫姫だ。俺に抱かれて肉欲を知り、快楽を刻まれ、チンポを求めるようにされてしまった女達。

 今も、その陰部からは雄を誘う蜜を垂れ流し、おっぱいの先端の蕾を主張させて視線を引き寄せ、妖艶な笑みで心を惑わそうとしているのだから。

 

「本当は一人ずつじっくり愛したいけど、それはまた別の機会を必ず作るから。今夜のところは、全員まとめてで許して欲しい」

 

 その言葉に全員が嬉しそうに頷いてくれた。絶対近いうちにみんなと一対一でエッチする機会、作ろう。

 

「じゃ、早速だけど始めようか。えっと……チンポ舐めたい人~」

 

 真剣なのは前半まで。後半から一気に空気感を変えてスケベモードへ戻す。すると、俺の馬鹿げた言葉に一斉に上がる手。やばい。これ、テンション上がる。

 

「そっか。じゃあ、今から言うメンバーで三分間フェラしてもらうよ。で、どこが一番気持ち良かったかで一番最初のスープ上げるから。さて、そのメンバーだけど……」

 

 人数が人数なので一気に全員でとなるとわちゃわちゃすると思い、最初はちょっとしたゲーム的な感じにした。

 一つ目のチームが奏、マリア、翼。二つ目が響、クリス、未来。三つ目が切歌、調、セレナ。そして最後がアンジェ、リオ、レティである。

 

「順番は年上組から年下組へでお願い」

「では、私達が最初ね」

「そうね。あーしたちで射精させちゃいましょ?」

「そうだな。そうすれば話が早いワケダ」

「ならその次はあたしらか。一気に勝負決めるよ」

「当然。翼、私と奏で援護するからトドメは任せるわ」

「分かった。ご褒美は私達のものだ」

「三番手、かぁ。クリスちゃん、作戦ある?」

「ある。響は後方から、未来は前方から攻撃しての挟み撃ちだ」

「で、クリスはおっぱいで援護、だね」

「ううっ、最後デスか。不安デス」

「切ちゃん、逆に考えよう。私達まで順番がきたら、もうご褒美は目の前」

「そうだよ。その時は、いっぱいエッチな言葉と行為でオチンポ喜ばせちゃおう」

 

 聞こえてくる言葉で興奮と期待が高まる。それと、気付いている事が一つあった。どうやらガリィ達が言ったように、今の俺の体液はかつてよりも効果が高まっているらしく、さっきからみんなが匂いを嗅いでいるのだ。

 

 そう、俺のチンポの匂いを。

 実際、俺の前にやってきたアンジェ達は、すぐにその表情をだらしのない雌顔へと変えた。

 

「ああっ、あの頃よりも思考が溶けそうになるっ!」

「ダメぇ……あーし、この匂い好きよぉ」

「すんすん……はぁ~、何と良い匂いなワケダぁ」

 

 かつての冷たさはどこへやら。アンジェ達は俺のチンポを前にまるで跪くかのようにしゃがむと、その匂いを嗅いで恍惚の表情を浮かべていた。

 だから、俺は無言でチンポを三人の顔へと近付ける。すると、途端に三人が舌を伸ばしてきた。それはもうとてもいやらしい表情で。

 

「アンジェ、リオ、レティ、何て顔してるんだ? 見せてあげたいぐらいだよ、そのだらしないメス顔を。チンポを舐めたくて仕方ないって顔だ」

「な、舐めたいの。舐めたいのぉ」

「シキぃ、チンポ舐めていい? 舐めていいって言って」

「後生なワケダぁ」

「っ……どうぞ?」

 

 待ての状態の犬へ許可を出す気持ちでそう告げると、アンジェ達は弾かれるようにチンポへと舌を這わせた。そしてすぐにその動きを止める。

 俺には分かった。三人は一舐めで軽くイったんだと。ガリィ達でさえ一舐めで充分と言ったんだ。なら、それがエネルギーになる訳ではないアンジェ達ならどうなるかは想像するに難くない。

 

「あっ……ああっ……これはぁ、これはダメぇ! れろっ、はぁんっ!」

「スープと同じぐらい美味しいわぁ。もっと、もっとぉ!」

「じゅるっ、れろれろっ……ふふっ、堪らないワケダぁ」

 

 表情を戻すどころか余計崩してチンポへ舌を這わせるパヴァリア幹部三人。クールなアンジェが一心不乱に裏筋を舐め上げ、飄々としているリオが夢中になって亀頭へキスを振らせ、無表情なレティが緩み切った笑みでカリ首に舌を這わす。

 俺はその間愛おしさを手に乗せて三人の頭を優しく撫でるだけ。だけど、それだけで彼女達からメスの匂いが強くなっていくのだ。

 視線を動かせば、三人の陰部はまるで栓が緩んだ水道のように愛液を流していた。そこを掻き回してあげたいけど、今は無理なのでせめてとその主張する六つの山頂を刺激するだけに留める。

 

「まずはアンジェ山から」

「ふぇ? ああんっ♡ し、シキ、乳首をイジメないでくれぇ♡」

「そう? じゃあ、リオ山へ」

「あはっ♡ もっと強くしてくれていいのよん♡ ううん、強くしてぇ♡」

「ごめん。次はレティ山なんだ」

「ひゃんっ♡ クリクリ好きぃ♡ んんっ♡ 指で弾かれるのも好きぃ♡」

 

 聞こえる声と反応が俺のチンポを喜ばせると知っているからか、三人の声は媚びるような色を宿していた。が、残念ながら時間はここまで。名残惜しいけど、アンジェ達へ交代を告げる。

 

「三人共、そろそろ交代だ。俺としては残念だけど、チンポはお預け」

「「「ぁ……」」」

 

 腰を引くと三人から同時に漏れる切なそうな声。それだけで少し我慢汁が出てしまう。

 

「悪いけどアン、代わってもらうよ。そっちもあたしらの気持ち、分かるだろ?」

「……ええ」

「ごめんなさいね」

「いいのよ。あーし達はこの中じゃ新参だもの」

「ああ。それにだからこそ一番乗りをさせてもらえたワケダ」

「そう思ってくれると助かる」

 

 タッチ交代とばかりに軽く手を合わせて話す六人を眺め、俺は薄っすらとではあるが一つの仮説を思い浮かべていた。

 それは、今の俺は神の力の応用で射精をコントロール出来るかもしれないという事。さっきも実際何度か出しそうな感じはあった。いや、以前までなら出していた。

 その感覚を、俺はまだ出したくないという気持ちで抑えていたんだ。だって、アンジェ達で出したら残りの三組からのトリプルフェラが受けられないから。

 

「……今回も同じ気持ちで対処してみるか」

 

 小さく呟く俺の前で、さっきまでのアンジェ達と同じように奏達が座り込んでチンポを上目遣いで見つめていた。

 

「何これ……今までと違う……ああっ!」

「ええ……何てイイ匂いなの……子宮が、疼く……っ!」

「初めての時を思い出す。ううん、あの頃よりももっとイイ匂い……ス~ッ……はぁんっ!」

 

 奏とマリアが発情したメスの顔をする中で、翼が顔をチンポにつきそうなぐらい近づけ匂いを嗅いだ。で、その結果仰け反った。

 

「おいおい、まだ何もしてもらってないんだぞ翼。奏とマリアもだ。喜んでくれるのは嬉しいけど、そろそろ始めてくれないか?」

「分かった。じゃ、やるよマリア」

「OK。翼、大丈夫?」

「……大丈夫♡」

 

 どう聞いても大丈夫そうじゃない声で返事をする翼へ、マリアと奏は何か言う事なくおっぱいを持ち上げてチンポを左右から挟み込んだ。

 柔らかくて温かいそれに、俺は思わず出しそうになり歯を食いしばる。まだ出したらダメなんだ。最後の一組まで耐えて、その後で全員にぶっかけてやりたい。

 

 そんな俺へ翼がねっとりとした舌遣いで亀頭をチロチロと舐め始める。その様は、とてもではないが防人らしさの欠片もない。

 

「れ~っ……ふふっ♡ とっても美味しい♡ 割れ目もぉ……ちろっ……はぁぁぁぁ」

「ちょっと翼、独り占めはダメだよ。あたしにも……れろっ……っ?!」

「ちゅっ……っ……嘘よぉ♡ 何この味ぃ♡」

「じゅるっ……ぺろぺろ……あはっ♡ シキさんのチンポ、前より美味しいっ♡」

「硬さも熱さも増してるからおっぱいが火傷しそうだよ♡ ちゅっ♡ れぇ~っ♡」

「んっ♡ 本当に火傷するかも♡ ううん、したい♡ シキ、このチンポで沢山イジメて欲しいわ♡」

 

 あ~っ、堪らん。世界を羽ばたく歌姫三人が俺のチンポへ舌を這わし、蕩けた顔でこちらを見上げる様は。それだけで射精したくなる程の光景だ。

 それを神の力でもって抑え込む。俺の強い意志が完全に射精をコントロールしてると、そう実感出来ていた。

 

「奏、マリア、乳首でチンポを刺激してくれ。翼、袋をたっぷりしゃぶってくれるか?」

「「「はい♡」」」

 

 すっかり妻モードな三人は、俺の要求にすぐさま応じてくれた。

 

「んっ……あっ♡ 乳首でチンポ刺激するのって、こんなに感じたっけ♡ おっぱいだけでイキそうだよぉ♡」

「本当よぉ♡ 乳首を擦り付けてるだけで、勝手に体が気持ち良くなってしまうなんてぇ♡」

「ぷはぁ♡ 奏ぇ♡ マリアぁ♡ チンポだけじゃなくて袋もより美味しくなってるよ♡ シキさんの体、どこも美味しくなってるみたい♡ はむっ♡」

「ああっ、いいよ翼。その調子で頼む。奏、マリア、二人で亀頭を沢山舐めてくれるか?」

「「「ふぁい♡」」」

 

 普段の凛々しさはどこへ。そう思うぐらい三人は見事に蕩けていた。俺は奏とマリアのおっぱいを揉み揉みとしながら、時々翼のおっぱいも可愛がった。

 大きくてふわふわな奏っぱいやマリアっぱいもいいけど、控えめだけど感度がイイ翼っぱいも大好きだ。それに、三人共乳首をイジメてあげるとそれはそれはイイ声で歌ってくれるし。

 

 正直時間ギリギリだったけど、最後には一人一人の口へチンポを突っ込ませてもらった。

 

「じゃ、まずは奏っと」

「んむぅ♡ じゅるるっ♡ んんっ♡ じゅるるるるっ♡」

「おうっ……っと、ここまで。次、翼……なっ」

「んぅ♡ んふふっ♡ ぐぷぐぷっ♡ じゅるるるっ♡」

「おおっ、これは……っ! ふぅ、危ない危ない。最後はマリア……だっ!」

「ん~~~~っ♡ んふっ♡ ……っ♡♡♡」

「うおっ!? く、口の中で舌がチンポへ這い回ってる……っ! はい、終わり」

 

 それぞれに一度ずつ出してみたかったけど、それはまたの機会にした。次に現れるは現役JKの三人組。

 

「シキさぁん、もう私限界ですぅ」

「私も、私も早くオチンポ舐めたいです」

「シキぃ、もう始めていいよな?」

「ああ、いいよ。お願い」

 

 待ちきれないとばかりの三人へ、俺は期待に胸膨らませて許可を出す。と、まず響が俺の後方へ回り込んだ。これは、確実アナル舐めだ。で、未来とクリスがチンポの前でしゃがみ込んで準備完了かな?

 

「へへっ、ほらっ」

「おっ」

 

 クリスっぱいがチンポをしっかりと包み込み、何とも言えない興奮を与えてくる。

 

「じゃあ、いただきま~ふっ」

「あ~っ、未来の口の中にチンポが……おうっ!」

「っぷは……れろれろ……」

 

 クリスっぱいによる拘束からの未来による口撃。このコンボだけでも死亡級なのに、そこへ響が躊躇なくアナルへと舌を伸ばしてきたのだから即死級となる。

 でも、俺には分かった。響の舌が以前よりも大胆になってる辺り、下手すると今の俺、そっちまで彼女達には抵抗感を与えない物へなってる可能性があるって。

 

「響、凄く気持ちいいけど、嫌じゃない?」

「……そ、そんな事ないです♡ 私、シキさんの体ならどこだって、へいき、へっちゃらで舐めちゃいますっ♡」

「ちゅっ……あ、あたしだってそうだぜ♡ シキなら、例え尻だろうが足だろうが舐めてやるからぁ♡」

「私もですよ♡ だってぇ……れぇろぉ……はぁ~……こ~んなにオチンポだって美味しいんだもん♡」

「うっ……未来っ、割れ目に舌を入れて動かすなんてっ……ああっ! クリスもおっぱいに挟んだままで竿を舐め上げるなんて! 何てエロいんだ……っ!」

 

 そう言った瞬間、響が自分を忘れるなとばかりに舌を動かして俺へアピールしてくる。何だろう。アンジェ達が一番普通で、奏達が少しエロさを増し、響達がとんでもなくエロい事をしている。

 このままでは最後のセレナ達など何をしてくるのかと期待と興奮しかない。でも、今はこの三人を愛でていたい。

 

「ひ、響、君も前にきて。それで未来とクリスの三人で亀頭をペロペロしてくれるか?」

「っはぁ♡ ふぁ~い♡」

「クリス、パイズリフェラ気持ち良かったよ。だから、次はそのエロ可愛い顔で俺を興奮させてくれ」

「ったく♡ しょうがない奴だな、シキはぁ♡」

「未来、中央は響に譲ってあげて」

「分かってます♡ クリスと一緒に左右からいっ……ぱぁいナメナメしますねっ♡」

 

 すっかり出来上がった学生三人からはむせ返りそうな程のメスの淫臭がしている。間もなく響がチンポ前へ現れ、未来とクリスと揃ってだらしない顔で舌を伸ばす。

 

「じゃあ、お願い」

「「「ふぁ~い♡ ちろちろ……」」」

 

 可愛い三つの舌が亀頭を這う。そこから出ている粘液を、時に奪い合うように、時に協力して動く様はかなり艶かしい。

 更にそこへこちらを力無き眼差しで見つめる可愛らしい三人の少女の表情が見えるのだ。これで射精しないで済んでいるのは絶対神の力のおかげである。

 というか、そうでもないとさすがに納得出来ないからなぁ。今もこうやってどこか落ち着いていられるの、そういう事だと思うし。

 

「ほら、三人共、そろそろ時間だよ。だからぁ……こうだ」

「「ふにゃっ?!」」

「ふむっ?!」

 

 未来とクリスの乳首を強めに摘み、同時にチンポを響の口の中へ突っ込ませると少しだけ射精する。

 その瞬間、響の目が見開いて―――俺の事を一度だけ妖艶な眼差しで見つめて惚けたような表情で目を閉じた。

 

「交代、だね。未来もクリスもありがとう。響もだ。三人共、また後で」

 

 完全に火照った体を引きずるように下がっていく未来とクリス。ただ一人響だけは、そんな二人と一緒に歩きながらこちらをチラリと見やって舌なめずりしたけど。

 

「真打ち登場デース♡」

「シキさん、お待たせしました♡」

「私達が絶対美味しいミルク、もらいますからね♡」

 

 やってきたセレナ達は既に出来上がっていた。どうやら、これまでの事と俺のチンポからの匂いでやられたようだ。

 ならばむしろこの三人には受け身ではなく攻めの姿勢でいこうと思う。そう思った矢先、チンポを調と切歌が左右からぱくっと咥えてきた。

 

「あむあむ……オチンポ美味しいデス♡」

「はむはむ……うん、前よりも美味しい♡」

「切歌、調……」

 

 トロンとした目でこちらを見つめて二人はくすぐったい感じでチンポへの奉仕を続ける。そこでセレナが参戦。正面からチンポへ舌を這わせる―――と思いきや亀頭を口の中へと収めたのだ。

 

「セレナ……大胆な事するね」

「じゅるっ……っぱ♡ だってぇ、シキさんのビッグコックが美味しそうだったからぁ♡」

 

 うん、隠れ淫魔じゃないね、これ。紛れもない淫魔だ。イヴ姉妹は本当に普段と床で顔が変わり過ぎる。だが、それがいい。

 セレナは俺へそう告げると、再び亀頭を口へ入れて周囲に見えないように舌でそこを愛撫してくる。すると左右からの刺激も変化を起こした。

 

「「れ~っ……」」

 

 切歌と調がゆっくりとチンポの根元から亀頭付近までを舐め上げるようになっていたのだ。

 ただ、視線だけは俺へと向けているので中々妖艶である。うん、エロ可愛い。セレナも媚びるような視線を向け続けているし、この三人も相当エロくなったなと実感する。

 

 だからこそ、ここでちゃんと俺も彼女達を気持ちよくしたい。まずは手を伸ばして切歌と調のおっぱいを堪能する。

 

「んぁ♡ し、シキさん、おっぱいモミモミダメデス♡ ご奉仕出来なくなっちゃうデスよぉ♡」

「ぁ♡ んんっ♡ 乳首クリクリ好きっ♡ あっ♡ モミモミとクリクリ同時大好きぃ♡」

 

 甘い声を出してもっともっとと視線でねだるJK二人。その期待に応えるようにおっぱいへの悪戯を継続させる。セレナへはちょっかいを出せないので、代わりに言葉で弄るとする。

 

「セレナもすっかりチンポ好きになったね。出来るならずっとしゃぶっていたいかい?」

「っはぁ♡ はい、ずっとしゃぶって、ぺろぺろして、ザーメンミルクごくごくしたいのぉ♡」

「そっか。ならその気持ちを込めてフェラしてごらん。そうしたら出てくるかもしれないよ。濃厚一番搾り」

「濃厚……一番搾り……♡ はむっ♡」

 

 マリアとは違った方向でセレナは淫魔だなぁ。それにしても切歌と調は本当にエロ可愛い。俺の愛撫をもっとして欲しいからか、チンポの根元付近まで体を移動させ、そこを舌で奉仕しながら視線を向けているのだ。

 俺がおっぱいを触り易いようにプラスチンポへ奉仕出来るように、であろう。そんな事を考えるいじらしいエロ現役JK二人へ、俺は愛情を込めて悪戯する。

 小ぶりな調っぱいを撫でるように掌で触りながら時々その硬い蕾を刺激し、膨らんできている切歌っぱいへは、大きくなれと願いを込めて優しく揉みしだきつつ勃起した乳首を撫でてやった。

 本当におっぱいは大小じゃないと思う。大事なのはそれが誰のかって事じゃないだろうか。まぁ、大きいのが好きとか小さいのが好きというのは分かるけどね。

 

「っ♡ あっ♡ だ、ダメぇ♡ もうオチンポ奉仕出来ない……っ♡」

「ふにゃあぁ♡ おっぱいも乳首も気持ち良すぎるデスよぉ♡」

「あらら、調と切歌はもう可愛がられる事に夢中だ。セレナ、一人でフェラ頑張って」

「ふぁい♡ じゅぷじゅぷっ♡」

 

 エロくて可愛い笑顔を返してセレナはチンポへしゃぶりつく。俺はと言えば、もうフェラなど諦め愛撫へ身を委ねたエロ可愛い二人の頭を撫でるのみ。

 

「えへへっ、こういうのも大好きデース♡」

「エッチな事もエッチじゃない事も、シキさんとなら嬉しい♡」

 

 いじらしい事を言ってくれる二人だけど、ちゃっかり体を俺の足へ密着させて擦り合わせる事で快感を得ているのは分かってるんだぞ? ま、こっちも二人の乳首が与える何とも言えない感覚が嫌いじゃないから言わないでおくけど。

 ただ、セレナはそんな光景を見てもフェラを止めるどころかもっと激しくした。きっと、自分へ意識を向けてという事だろうと思い、俺はちゃんと見ているよと伝える事に。

 

「セレナ、凄く気持ちいいよ。もし良かったらパイズリフェラをしてくれない?」

 

 待ってましたとばかりにチンポから一旦口を離し、セレナは、マリアやクリスには負けるも奏といい勝負をするおっぱいを使ってチンポを挟み込んだ。

 うん、やっぱパイスリの良さはこの光景と感触にある。特にセレナのように普段清楚な子がしてくれると破壊力が上がる上がる。

 

「んっ……これ、やっぱり難しいですね♡ あんっ♡ シキさんのビッグコックがおっぱいの中で暴れるからぁ♡」

 

 天使のような声で淫魔の笑みを見せるセレナは、とってもエロくて魅力的だ。マリアとは似ているようで違う気質というか、同じ淫魔でも、スタイルで男を魅力するのか、仕草で男を魅了するのかぐらいの差はあると思う。

 で、間違いなくセレナは後者。スタイルが突出しているとは言えないが、仕草などは本当に愛らしく魅力的なのだ。彼女なら、きっとスタイルが恵まれなくても男性から言い寄られる事間違いなしと言い切れるし。

 

 ただ、以前の俺ならセレナのパイズリフェラなんて、きっと五分どころか三分持たずに射精してた。それが今の俺はどうだ? 神の力でこみ上げてくる感覚をしっかり制御しているときた。

 セレナは多分これまでの俺を相手にしてる感覚でいるんだろう。チンポを扱き上げて舐めながら、どこか不思議そうな顔をしている。

 

「もう時間かな。セレナ、ありがとう。調と切歌もありがとな」

「う~っ、残念です」

「シキさん、もう一度チャンスくれませんか?」

「次こそは見事にオチンポミルク出させてみせますデス」

「気持ちは嬉しいけど、一旦終わり。で、みんなこっちに来てくれる?」

 

 そう言うと、続々と集まる全裸の美女達。うん、これなら余裕でやれる。でも、嫌がる子もいるかもしれないので一応言っておこう。

 

「白状するよ。実は、今の俺は射精をコントロール出来るみたいなんだ」

 

 俺が思い切って話した言葉に、意外な程反応がない。だけど、みんなの顔を見てその理由は分かった。みんな、俺のチンポを熱っぽい目で見てるから。多分だけど察してるんだ。俺が今から何をしようとしているか。

 

「だからね、今からみんなへ射精したい。溜まりに溜まったチンポミルクを、顔やおっぱいへかけたい。で、嫌なら離れて待ってて」

 

 言い終わると同時にチンポを動かす。それが発射の合図だった。離れる素振りも雰囲気も見せなかったみんなへ、俺の神の力がこもった精液が降り注いでいく。

 その白濁のシャワーを、誰もが恍惚の表情で受け止め口を開けて飲もうとさえする。俺のみんなへの想いに呼応して、神の力は本来なら止まるはずの射精を続けさせたからだ。

 

 そして俺は気付いた。俺の精液を受けたみんなが一様に同じ反応を見せている事に。それは……

 

「あっつ~い♡ 未来ぅ、シキさんのチンポミルクが前よりも熱いよぉ♡」

「うん、それにすっごくイイ匂い♡ あっ、ダメぇ♡ 匂いだけイっちゃうよぉ……っ♡」

 

 響と未来がそう言いながら潮を吹いていたのだ。アンジェも奏だってそうだ。みんな、ただ精液を浴びただけで絶頂を迎えている。こんな事、今までなかった。

 そこで思った。今ならチンポで軽くみんなの頬を叩いたら喜ぶんじゃないかって。うん、本格的にスケベモードになってるな、俺。そう確信しながら、俺はまず翼の頬へチンポを何度か当てる。

 

「あっ♡ シキさん、何て事を♡ 精液のついたマラで私を叩くなんてぇ♡」

「言いながら顔が笑ってるよ。翼はとんだ淫乱娘になったんだね」

「はい♡ お忘れですかシキさん♡ 風鳴翼は、貴方専用のチンポケースです♡」

「シキさん……はむっ♡ 私もオチンポでペチペチしてください♡」

 

 翼の言葉に負けじと声を出したのは調だ。人差し指で顔に付着した精液を取っては口へと運び、口の端へ白濁を付けたままチンポをねだるのは中々いい。

 

「なら切歌と一緒にやってあげよう。切歌、調の隣へ」

「はいデス♡」

 

 呼ばれた事を嬉しそうにしながら調のすぐ隣へ切歌が座る。なら、その間にチンポを入れてっと……。

 

「あっ♡ 硬ぁい♡」

「あはっ♡ ホントデェス♡」

「んっ♡ 熱い♡」

「はぁ~♡ 立派デス♡」

 

 交互に頬をチンポで叩く。それを喜ぶ現役JK二人。ああ、いいなこれ。感触よりも視覚に訴えてくる。

 だけどこの二人だけに時間をかける訳にはいかない。なので名残惜しいが次の相手へと移動する。

 

「マリア、セレナ、チンポビンタ、されたい?」

「「されたぁい♡」」

 

 イヴ姉妹は淫魔らしく媚びる声で答えてくれた。当然こちらとしてもそう言われたらチンポビンタするしかない。まずマリアに往復チンポビンタ。

 

「あっ♡ ああっ♡ 何て無様なの私♡ でもシキのだから喜んでしまうのぉ♡」

「さすがだな、マリア。今度二人きりでセックスする時はお前の望む形でやってやるよ」

「そ、そんな事を言いながらチンポビンタしないでぇ♡ 嬉しくてイっちゃうからぁ♡」

「姉さんばっかりズルいっ。シキさん、私にもチンポビンタぁ♡」

「はいはい」

 

 おねだりをしたセレナへチンポを向けて往復ビンタ。その様をマリアが羨ましそうに眺めているのがそそる。

 

「うふふっ♡ チンポビンタなんてとってもいけない事なのに、私嬉しいよ♡ シキさん、もっとぶって♡ その逞しいビッグコックで私を躾けてぇ♡」

 

 マリア程Mっ気はないセレナだが、どうやら今はかなりテンションがおかしくなっているようだ。このままどこまでおかしくなるか見てみたい気もするが、今日はその時ではないのでこれで終了。

 と、そこで思った。これ、焦らしプレイになってると。何せ他の女性達の表情が待ちきれないとばかりに発情しているのだ。早くして、早く抱いてと言うように。

 

「……もう種付けされたい?」

 

 俺のその問いかけに一斉に十二人が首を縦に振った……。

 

 

 

 与えてもらった研究室が嬉しくて、色々とやっていたらついつい日付を跨いじゃったな~。そんな風に思いながらエルザちゃんとミラアルクちゃんがいる部屋へ向かっていた時だった。

 大広間の前を通り過ぎた時、何か良い匂いがした。思わず足を止めて鼻を動かす。うん、やっぱり大広間からしている。

 

「どういう事かしら? こんな時間に使われるような場所じゃないわよね?」

 

 そもそもここは聞いた話だと使われる方が珍しい場所だ。なら、その珍しい事が起きているんだろうか?

 ちょ、ちょっとぐらい覗いてもいいかしら。この匂いが何なのか気になるし、鍵がかかっていれば諦めもつくものね、うん。

 

 そう思ってドアへ手をかける。思っていたような事はなく、ドアはすんなりと開いた。そ~っと中を覗けば、明かりもない中で大勢の人間が動いているのが分かる。

 ただ、目がその暗さに慣れた時、私は思わず口を押えてしまった。そこにいたのは、全裸のシキさん達で、しかも交わっていたのだから。

 

「……まさか、こんな関係だなんて」

 

 私は目の前で行われている行為に唾を飲んだ。シキさんがサンジェルマン達と親しいのは感じ取っていたし、奏達とも親しいと確信していた。

 だけど、まさかそれがこんな関係なんて思いもしなかった。シキさんは、妻と子を持ちながら他の女性と、それも複数の女性と肉体関係を持っていたなんて。

 

「だけど……」

 

 誰もが嬉しそうにシキさんと交わっている。おそらくだけど、これを了子さんも知っているのだろう。と、そこで気付いた。

 このシャトーに何故奏達の部屋があるのか。どうしてサンジェルマン達の部屋までも用意されているのか。それは、シキさんの女だからだ。いつか、彼女達はここへ移り住み、シキさんの妻として暮らしていくのだろう。

 

「……キャロル達もきっと知ってるんだわ。だから、あの時私を見てシキさん好みと言ったんでしょうね」

 

 初めて了子さん達と対面した時、キャロルは私を見てそう言った。シキさんも否定はしなかった。それでも、こういう事へ私を誘わないのは彼も無節操に女性へ手を出している訳ではないという事なのだろう。

 了子さんも、シキさんは相手の合意なしに性交渉を出来ないと言っていたし、本人もそんな事をする気はないと言ってくれた。

 

 こんな事を考えている間も、私の見ている先では男女の交わりが続いている。あのクールなサンジェルマンが見た事のない表情で喘いでいる。

 ち、チンポって、男性器の事よね? それを恥ずかしげもなく連呼出来るなんて信じられない。それに奏も響ちゃんも胸を乱暴に揉まれて喜んでいる。

 

「せ、セックスってそんなにいいものなの?」

 

 一対一でさえ経験ない私が、初めて目の当たりにするセックスがよりにもよって一対多数なんて。でも、そんな非常識なセックスなのに、誰もが嬉しそうで喜んでいるようにしか見えない。

 

「……それに、この匂い……」

 

 私がこの光景を見るに至った切っ掛け。それがこの室内から強く濃くしている。そして私の直感が告げていた。この匂いを出しているものは、シキさんの男性器だと。

 それを裏付けるように、誰も彼もがカウパーや精液を美味しいと言っているのだ。それと、良い匂いだとも。

 

 この匂いを嗅いでいると体が火照り頭がぼ~っとしてくる。なのに、逃げなきゃと思えない。私じゃない私が囁くのだ。

 

―――これを味わってみたい。

 

 気付けば私は自慰を始めていた。あの機械の混ざった体では、決してしなかったしやろうとも思わなかった行為を。

 

「ああっ……な、何で? 何でこんなにも気持ちいいの……っ」

 

 組織にいた頃はした事もあった。だけど、その頃よりも明らかに快感の度合いが違う。乳首がもう硬くなっているし、触ってないけれどアソコも多分すっかり濡れてる。

 視線を下へ動かせば、廊下にいくつかの水滴のような物が見えた。間違いなく私の体液ね。ああ、これじゃ部屋に戻るに戻れない。後で大浴場へ寄って証拠隠滅しないと。

 

 そう思いながら私は自慰を止められなかった。そして、室内を覗き続けるのも。

 シキさんと交わりながらとても綺麗に見える女性達。幸せそうで、嬉しそうで、何だか羨ましくさえ思えてしまう。

 聞こえてくる言葉の中に、何度となく妊娠を望む声があるのも大きい。子を宿すというのは、女にとって特別だ。それだけ相手の男を愛し、その血を、愛情の証を残したいという事なのだから。

 

「はぁ……っはぁ……」

 

 いつしか私は視線をシキさんの男性器へと固定していた。とはいえ、常に誰かと繋がっているから見えないに等しいけど、私はたしかにそこにあるであろう雄の象徴を見つめ続けていた。

 

「あっあっあっ」

 

 声を押さえなきゃと、そう思うのに声が出てしまう。仕方ないから私は服の袖を噛んだ。それでも手の動きは止まらない。ぐちゃぐちゃに濡れたアソコを刺激し続ける。

 と、その時、私の耳にこんな言葉が聞こえてきた。

 

―――受精アクメ来るっ♡ 好きな男の赤ちゃん孕んでイクぅぅぅぅぅっ♡

 

 好きな男の赤ちゃんを孕む。そもそも受精アクメって、どういう感覚なの? そんな事を思ったからか、急に快感が強くなって波のように襲ってきた。

 

「ん~~~~~~っ!?」

 

 思わず体が仰け反る。それと、プシャっという音が聞こえた。荒い呼吸で私はその場に倒れる。ひんやりとした感触を背中で感じ、私はゆっくりと右手を目の前へ動かした。

 

「濡れてる……わね」

 

 愛液で濡れた手を眺めて、私はそう呟くしか出来なかった。気怠い体を何とか起こして立ち上がる。多少ふらつくけど、お風呂に入れない程じゃない。

 

「ただ、着替えが必要ね」

 

 穿いていたデニムは愛液で完全に濡れてしまった。これを穿いたままで部屋に戻る事はしたくない。

 そうなると、これは脱衣所か大浴場で手洗いして乾かすしかないわね。

 とにかく、今はこの場を離れよう。そう決めて私はよろよろと歩き出した。

 

―――お風呂に入ると寝ちゃうだろうから、シャワーだけにしましょ。

 

 

 

 この時、ヴァネッサは忘れていたのだ。自身が犯した過ちに。大広間のドアの前に残った、彼女の愛液が作った水たまりを……。




いつもと変わらない日常、変わらない時間、変わらない笑顔。
だけど、それこそが非日常と思う者達がいる。そんな彼女達も、少しずつその非日常を受け入れ”いつも”とし始めていた。
ただ、新しい非日常を知ってしまった彼女を除いて……
淫姫絶頂したいフォギア「Penny Dreadful?」

「シキさん、少し相談したい事があるんですけど……」

♡マークはアリかナシか

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