「………やれやれ。」
私は深々と溜息をついた。
目の前にあるモノをはたしてどうしてくれようかと、途方に暮れているのである。
ペットというものは大なり小なり飼い主にとって可愛らしいから飼育するものだ。
飼い主はペットを愛玩することによって癒しを得られるし、ペットは飼い主に可愛がられることによって充足感を得る。ウイン・ウインの関係なのだ。
翻って私の目の前に横たわっているこれは実に可愛らしくない。
私の美的感覚からはかけ離れまくっている。
「いやぁ、実に無様です。解剖台に磔にされたカエルの方がまだ風情があるでしょう。」
風呂の排水溝の蓋にこびりついたぬめりを品評するような気分で吐き捨てると、
実に聞くに堪えない。
「何をうごうごと呻いているんですか?ただでさえ口を開けば気持ち悪いのに、口を塞いでもまだ豚みたいな声が出るんですか。」
ストッキングを履いた足でそれの顔を横から踏む。
爪先で頬のあたりをグリグリと踏み躙ると、猿轡を嚙まされたそいつの口から「うー、うーっ」と呻き声が漏れた。
もうお分かりだと思うが、そこにいるのは一人の人間の男性である。
ただし、四肢を大の字に広げる形でベッドに縛り付けて、目隠しと猿轡がされているが。
男の体格は筋骨隆々で職人が丹精に彫り上げた石像のよう。
そんな男がベッドに縛り付けられたながら股間のペニスをガッチガチにいきり勃たせた上で、豚のような声を上げているのだ。
目に余る醜さである。
「ガーノンさんってば本当にド変態ですよね。私みたいな女の子に縛られて、こうやって足蹴にされて、おちんちんガチガチに勃起させてるんですし。いやぁ、救いようがないですねぇ。」
「う、うぉぉ………っ、んほお゛ぉぉっ!?」
「さっきからその豚みたいな声が耳障りなんですが。」
というわけで目障りな彼の股間の肉棒を踏み潰す。玉じゃないだけ有情だと思って欲しい。
足の裏で感じられる彼のペニスは血が巡って熱く硬く勃起していながら、生々しいグニグニとした弾力があった。
下腹に押し付けるようにして踏みつけて足の指の付け根の辺りで竿を擦ってやると、ガーノンの腰がびくびくと震えた。
「いやですねえ、足の裏でドンドン硬くなってるのがわかりますよ。あぁ、ストッキングに汚い汁がついてるじゃないですか。」
足の指で亀頭と尿道をグリグリと抉ってやる。
軽く握ったり指先で擦るように足の指を動かすと尿道口から先走りの汁が滲み出してくる。
まるで涎を垂らす犬のようだ。しかもその唾液がストッキングに沁みてきている始末。
足の裏全体でシュッシュッ、と竿から亀頭までを擦ってやるとガーノンはやはり聞くに堪えない声を上げた。
さらなる快感を欲しがるように浅ましく空腰まで使っている。四肢を拘束している鎖がガチャガチャと煩わしい音を立てる。
「発情期の犬でもこんなに腰を使いますかねえ?そんなにおちんちんからお汁をビュービュー吐き出したいんですか?自分のお腹と私の足をオナホ代わり使って、精液無駄打ちだなんて、ちり紙に吐き出した方がまだマシでしょうに。」
足を離すと爪先でにちゃりと透明な汁が糸を引く。
彼の腹筋に足先を擦りつけて拭いてから私は改めてその男根を見下ろした。
鉄の芯でも入っているように硬く立ち上がっている彼のペニス。その先端の赤黒い亀頭は大きく張り出した雁首と相まって奇形の蛇のよう。
鈴口は欲求不満を表明するかのように先走りを垂らしながらピクピクと震えていた。
爪先で小突くと精液を汲み上げるように根元の睾丸が収縮しているのが見て取れる。
「はぁ、まったく節操のないダメチンポです。女の子の足でゴシゴシされるだけでイっちゃいそうになる無駄弾撃ちには躾が必要なようですね。」
そういうわけで私は予め持ち込んでいた道具類をベッドの上に用意した。
手に取ったのは手の平サイズの小皿とボトル入りのローションである。
小皿にローションを適量注いでからもう一つの道具――――――つるりとしたシリコン(正確にはそれっぽい)素材の棒のようなものだ。
柔らかくて弾力のあるそれをプラプラさせながら、小皿の上のローションに漬け込んで全体を浸らせる。刺身を醤油につける要領で。
そのシリコン棒全体がしっかりと濡れているのを確認する。
そして私は小皿の上に余ったローションをガーノンのペニスの上に垂らした。
糸を引く粘度の高い透明な液体が亀頭の上に注がれて屹立する男根全体を濡らしていく。
表面を粘液が滑り落ちていくごとに竿全体がびくびくと震える。
「あぁ、言い忘れていました。勝手に出したら潰しますよ。」
下の陰嚢を指先でつつきながら低い声でそういうと、中で睾丸が上に引っ込む様が感じられた。実に良い気味だ。
やがて皿内のローションを垂らし終えると、ペニス全体がぬらぬらと粘液で濡れ光っていた。
亀頭はパンパンに張りつめて、中にどれほどの血が巡っているのか想像を掻き立てる。
先端の鈴口は先走りのカウパーとローションに濡れてパクパクと喘ぐようにその口を震わせている。
そして私は――――――その尿道口にシリコン棒を突き立てた。
「ん゛お゛おおぉぉぉぉ………っっ!?」
ガーノンが聞くに堪えない濁声で喘ぐ。
それを無視して私はシリコン棒を尿道に慎重に挿入していった。
棒の先端部分は非常に細くなっていること、事前にローションで濡らしていること、棒自体弾力性が非常に高いこと………尿道に傷をつけないように配慮はしているが、それでもここは非常に繊細な箇所である。
尿道というのは元々液体が通ることしか想定していない管である。そこに固体を挿入されて拡張されるのはどのような気分なのか。
おそらくは相当に痛いものがあるだろう。私は不用意に管が裂けてしまわないよう慎重に、慎重に棒を押し進めていった。
「お゛………ッ、お゛ぉぉ………………ッ!!」
猿轡の端から泡を吹きながら呻き声を漏らすガーノン。体全体がおこりのようにぷるぷると震えている。
ゆっくりゆっくりと挿入していたシリコン棒だが、やがてそれも終わりの時がやってきた。
最後まで目一杯入れると鈴口の部分から取っ手のようにちょこん、と棒の先端がはみ出している。
内側から拡張されているせいだろう、竿全体が一回り大きくなったようにも見える。裏筋の辺りなど目に見えて内側からぼっこりと膨らんでいる。
「よしよし、痛いのちゃんと我慢できましたねー。いいこいいこ………。」
猫なで声であやしながら彼の太腿や腰のあたりを擦ってあげる。
これはガーノンのダメチンポへの躾なのだ。
躾はただ厳しくすればよいというものではない、頑張ってできたことはちゃんと褒めねばならない。
ガーノンは辛い尿道挿入に耐えたのだからその分は労ってあげなくてはいけない。
大事なのは飴と鞭である。
息を荒くして見悶えるガーノンが落ち着くまで体をさすったりしてあげたりしながら、しばし待つこととする。
「うー………っ、う゛ー………っ!!」
つつつ………、と指を滑らせて彼のペニスの表面を這うように撫でる。
ローションがにちゃり、と指の先で糸を引く。
張りつめるその男根に粘液を塗り広げるようにゆっくりと優しく全体を指と手で愛撫する。
手の中でびくんびくん、と竿が跳ねて彼の腰が何度も浮く。もっと刺激を欲しがるように。
「そんなにがっついたらダメですよ………♡ 尿道に物を突っ込んでるんですから、力を入れて扱いたりしたら傷が付いちゃうかもしれないじゃないですか………♡」
ガーノンはじたばたと足掻くように体を震わせるが、手足を縛る鎖が硬い音を立てるばかり。
わずかに動く腰を揺すって私の手におねだりをするしかないのだ。
あぁ、なんて無様で醜くいのだろう。盛りのついた犬でもここまで浅ましくはあるまい。
やはり彼にはキツイ躾が必要なのだ。
――――――思わず口元がにやにやと綻ぶ。
「だからそんなに犬みたいに腰を振ったり、豚みたいに鳴いたりしたらダメですって………♡」
「ふご………お゛っ、おぉぉぉ………っ!!」
鈴口の先から覗くシリコン棒の先端を軽く摘まんで、捻る。
するとガーノンの四肢が張り、体が硬直する。ぶるぶると身を震わせながら肌を脂汗が伝う。
シリコン棒の先端は前立腺まで届いているだろう。
その状態で棒を捻られれば当然前立腺を直接刺激され、猛烈な快感が彼を襲うはずだ。
だが射精には至らない。
当然だろう。尿道に直接栓をされているのだから、カウパー汁の一滴も漏らせるはずがないのだ。
指をそっと添えて竿や亀頭を撫でつつ、尿道を傷つけないようにゆっくりと優しく回旋し、軽く前後に抜き差しする。
前立腺を直接扱きたてられる快感、それでいて一滴たりともそれを外へ漏らすことができないという苦痛はどれほどのものだろうか。
ガーノンは轡を噛み締めながら快感と苦痛の二重奏に悶絶している。
どんな気分なのかは
そしてだからこそ、もっとしてあげたくなるのだ。
「ふふ………っ♡」
きっと今の私はとても悪い表情を浮かべているに違いない。
でもこれは躾の一環なので問題はない。はい、理論武装完了。
棒を弄るのをやめてから小休止の気分で下の陰嚢に手を添える。
少しひんやりとしている玉袋の中では長距離走中の肺のように金玉がぎゅんぎゅんと脈動している。
フル稼働して精子を産生する雄の器官。それを掌の上に載せて水風船で遊ぶようにぽよぽよと弄びながら、そこから体内へと延びる精管を指先で捉える。
指の腹でこりこりと管状のそれを按摩してあげると目の前で肉棒が陸に挙げられた魚のようにびくんびくんと跳ねまわるのが滑稽で面白い。
並行して掌全体で陰嚢を揉む。新鮮な精液でパンパンに膨れあがったそこを解すように、柔らかく丁寧に揉みあげる。
「はぁう………………っ゛!?」
ローションを指に塗し、私は指先を彼の肛門に添えた。
陰毛から地続きの、毛がけぶるように生えた汚らしい尻の穴だ。
放射状の皺がよる菊の門をマッサージするように指の腹を押し付けてローションを軽く馴染ませる。
ある程度そこが解れたのを見計らって私は指先をそこにぐっと押し込んだ。
挿入したのは人差し指の先端程度だが締め付けと抵抗感はかなりのものだ。
だが私はそこまで深く入れるつもりはない。
何度か軽い抜き差しを繰り返して括約筋を馴染ませてから指を推し進める。
その最中ガーノンは拘束された体を何度も跳ねさせていたが、無視する。
「お゛っ、お゛おおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!」
腸壁の一か所を押し込むとガーノンが野太い嬌声を上げた。
腸壁のお腹側の一角、つまり前立腺の裏側に当たる場所だ(ちなみに尻側から前立腺を触れたときに栗のように硬くてツルツルした感触だったら前立腺癌の可能性があるので医者に相談しよう)。
無論前立腺の前側からはずっぷりとシリコン棒が突き立てられている。
つまり、これで前立腺を前後から責め立てる準備が整ったことになる。
尻側から前立腺を何度か押し込んでぐりぐりと指圧してやると、ガーノンは背中をぐぐっと反り返らせながら絞め殺されるような呻きを漏らした。
多分射精に至れないままドライオーガズムにでも達したのだろう。
だが、本番はまだこれからだと私は言わせてもらう。
「ガーノンさん、お尻の穴をほじほじされてアクメしちゃったんですか? 可哀想♡」
「う、う゛ぅぅぅ………」
私がくすくすと含み笑いを漏らしながら言うとガーノンは何かを拒絶するかのようにふるふると首を振った。
彼の尻の穴は呼吸のリズムに合わせて収縮し、私の指を何度も締め付けた。
「ガーノンさんのおチンポは足でゴシゴシされて精液無駄撃ちしそうになるダメおチンポなんですから………気持ちよくなりたいだけならわざわざ射精しなくてもいいじゃないですか………♡
だから精子びゅーびゅーしなくてもアクメできるように、ガーノンさんのこと女の子にしちゃいますね………………♡」
返事など聞いていない。私は微笑みながら一方的に宣言して彼の前立腺を苛め抜くことにした。
片手の親指と人差し指で輪っかを作って彼の男根の先、亀頭に添えて上下に扱く。
ペニス全体に塗されたローションでぬるぬると滑るのに任せて、意図的に力を込めて雁首を摩擦する。
既に彼の体も尿道の拡張感に慣れた頃合いだろう。
通常の手扱きで射精を促すようにちゅこちゅこと音が立つように速いペースで手を動かす。
無論出口を塞いであるため、彼のペニスは絶対に精液を吐き出すことはできない。
私が扱くたび尿道を塞ぐシリコン棒に指が当たり、奥深くにある前立腺まで刺激が伝わっていることだろう。
通常より一回り程膨張した勃起ペニスが痛々しいほど反り返って跳ねまわる様が、どれほど彼が射精を待ちわびているのかを伝えてくる。
だがそんな情けなど私は与えない。解放することなく更に容赦なく責め立てる。
ペニスの根元、精子を産生し続けて既にパンパンになっている陰嚢に私はしゃぶりついた。
とは言っても噛んで食い千切るようなカニバな真似はしない。
あくまで口の中に含んで舐め転がすだけだ。
唇を使って陰嚢全体を揉み解しつつ、精管のあたりをきゅっと締め付ける。舌を使って中の睾丸をころころと転がしてしゃぶる。
手を使って陰嚢を揉んでいたのを、口を使って再現するような口戯。
この状態では口から息ができないので自然と鼻だけで呼吸をすることになる。
ふぅふぅ、と鼻息荒くなってしまうのが少々恥ずかしい。
息を吸うと彼の陰毛とそこから立ち上るつんとした雄臭い匂いがした。あまり悪い気はしない――――――むしろ私も興奮を煽られる。
お
さっきから肛門に挿入しっぱなしの指ももちろん休んでいない。
指の腹でぐりぐり、と挫るように前立腺を嬲る。
前からシリコン棒を刺激する方の指の動きと連動するように尻側から刺激すると玩具のスイッチを捻るようにガーノンが嬌声を上げた。
ただ前立腺を弄るだけではつまらないので、指の関節部分の節を肛門に引っ掛けるようにして弄る。
軽く指を出し入れすると、そのまま押し出すように直腸が蠢いて肛門が口を開く。
その際の抵抗感に逆らうように指を深々と突き込むと彼の腰がびくびくと跳ねまわった。
「あ゛、ア゛ォぉ………………!!」
ガーノンが獣のような声で吠える。
彼の中では名状しがたいほどの快感が猛り狂っているはずだ。
普通なら尻から前立腺を嬲られてトコロテン射精でもしているはずなのだろうが、彼は現状一滴たりとも射精はできない。
必然的にドライオーガズムに至るのだが、これは射精と違って一回出せば小休止というわけにはいかない。
刺激を続ければ続けた分だけ、快感を許容できる閾値は低くなり何度も飛ばされる。
私は彼の体にメスイキの快感を教え込むように幾度も執拗に前立腺を抉った。
彼がイくとその度に絞め殺される小動物のような哀れな嬌声が漏れて、四肢が鎖の音をがしゃがしゃと立てながら突っ張った。
「ふぅぅ゛………ッ!!んんんぐ、ぉぉおおお………………ッ!!」
「ふふふ………っ♡」
ひとしきり弄んでから一息ついて彼を見下ろす。
痛々しいほど赤く腫れあがって勃起したペニスは下腹に着きそうなほどに反りかえって、尿道を串刺しにされながら瀕死の魚のように震えるばかりだ。
陰嚢も行き場を失った大量の精子でパンパンに張りつめて膨らんでいる。中の睾丸がいっそ哀れなほどに震えている。
散々指で穿られた尻の穴はだらしなく口を開いている。卑しくも責め手の指をねだるようにパクパクと開閉するのが何とも淫猥だった。
私はそんな痴態を見せる彼の陰部周りを優しく、あくまで優しく撫で擦りながら声を掛けた。
「ねぇ、イきたいですか?ビンビンに勃起したおチンポから男の子のお潮びゅーって出したいですか?」
「うーっ゛!!うぅーっ゛!!」
私が猫撫で声でそう語りかけるとガーノンはかくかくと首振り人形のように首を縦に振った。
ついでに腰もおねだりをするように空腰を振っている。何と醜い有様だろうか。
でも一杯頑張ってメスイキできたガーノンにはご褒美を上げねばならない。
「えぇ、わかりましたよ。ではこうしましょうか。」
そういうわけで私は彼の足を縛る鎖を解いた。
そしてその状態で足を大開きにさせたまま、腰を上げさせて上の方へと返して膝が頭の横に着くような形に倒した。
開脚後転を途中で留めたような………所謂まんぐり返しの体勢で固定した。
無論、この状態だと彼の顔面の目の前にまでペニスが迫ることになる。
「じゃあ、この状態で射精してみましょうか。今までずっと、おちんちん我慢してきましたからね。いっぱい出したらすっごく気持ちがいいですよ………♡」
ガーノン自身の目の前で私はペニスを扱き始めた。
雁首と亀頭を激しく摩擦する射精のための動きだ。
ついでに片手で陰嚢を解して、舌先で肛門をつついてやる。
舌の先端で彼の尻の穴がヒクヒクしているのがわかる。呻き声のボルテージが上がって彼の快感の度合いが挙がっていくのを感じる。
「いいですか、出そうになったら『イく』ってちゃあんと言うんですよ♡ 女の子みたいに♡」
「イ゛、イ゛ううぅぅぅッッ!!イ゛うぅぅぅぅッ!!」
「はやっ」
思わず素になって驚いてしまったが、実際にイきそうなら是非もないか。
私は彼の陰部を嬲る手と舌を加速させて絶頂感へと導いていった。
「じゃあ、カウントしたら栓抜きますからねー♡ いっぱいおちんちんミルク自分にぶっかけながらイっちゃいましょうねー♡ 3、2、1………。」
「んぉお゛お゛ぉっ、イ゛うぅぅぅぅーーーーーーっ!!」
0、とカウントを終えると同時に私は尿道を塞いでいたシリコン棒を引き抜いた。
ずるるるっ、という物凄い手応えとともに尿道栓が抜かれると、びくんびくんびくん、と痙攣を起こしたかのように陰茎が震え、次の瞬間勢いよく精液が噴き出した。
ぶじゅるるるるるるるるるるっっっっ!!!!っとホースに詰まったゼリーを絞り出すような音と共に吐き出される精液。
実際その表現はあまり間違っていないだろう。その射精された白濁はまるでゼリーか何かのようにべっとりとした濃厚なものだった。
半固形の粘つく精液がぽっかりと穴のように開いた鈴口からどぴゅどぴゅと勢いよく絞り出されていく様は一種の爽快感さえあった。
そして当然、その大量の精液は余さずガーノン自身の顔面にぶちまけられることになる。
「おっ、お゛っ、お゛っ、おォォォ………………っっっ!!」
びちゃびちゃと自分で自分の顔に精液を引っ掛けながら恍惚とした顔を浮かべている強面の男という酷い絵面。
自分の顔面で孕みたいんですかこの変態、などとヤジの一つでも飛ばしたいところだが、せっかく射精絶頂の心地よさに浸っているところのようなので邪魔しないことにする。
ゼリーじみた特濃精液の射精はたっぷり一分強ほど続いただろうか。
顔を白濁で染めたガーノンは強烈な絶頂感のあまり、そのまま大の字で気を失ってしまった。
「はいはい、よく射精できました………♡」
彼の頭を撫でてやる。手の指に感じるのは髪のゴワゴワした感触………………とべったりと手にこびりつくドロドロの黄ばんだ白濁液だった。
少し逡巡した後、私はそれを口元に運んで舌で舐め取った。
口に含むと何とも生臭い精液の香りが広がってくらくらする。食感はゼリーと納豆の粘りの部分を抽出して混ぜたような何とも濃いものだった。
唾液と絡めて飲み込むと、しっかりとした重たさとともに胃の中に滑り落ちていった。
「……………………………♡」
ちょっとだけちょっとだけ………、と心の中で言い訳しつつ、気絶している彼の顔面に掌をつけて目隠しやらなにやらの上にだまになっている精液を掬い取った。
香りを嗅ぐとつん、とした精臭が鼻をつく。思わず頬が綻んで、うっとりしてしまうよな雄臭さだ。
掌にたっぷりと溜まっているそれに口を付けて啜りあげると、一層匂いがきつくなって頭をガンガンと揺さぶってくる。
心臓がドクドクと脈を打ってお腹の奥が熱くなるような、そんな味わいだった。
「うー………いけませんいけません。頭を切り替えなければ………。」
少し頭を振り呼吸を整えて意識を切り替える。
なんの、ガーノンとのプレイはまだまだ終わっていないのだ。
一回射精させただけで終わりとは誰も言っていない。
彼には自分の精液で顔面をべったりと汚したまま、次のプレイを続行してもらう予定なのだ。
というわけで、ここで取り出したのは柄のついた棒切れのようなもの。棒自体は球状の節のようなものが幾つかついている。
そして柄のつまみを親指で押すとウィンウィンと音を立てて蠢き始めた。
ずばり、これはアナルバイブである。
この世界では多くのマジックアイテムを動かすのに魔石という道具を内蔵して消費するが、現実化の後はこういう風にアダルトグッズをマジックアイテムとして再現する者が現れ始めたのである。
何はともあれ、私はアナルバイブにローションを垂らし、今もまだ気絶しているガーノンのだらしない尻の穴に突っ込んだ。
「ふおぉぉぉっっ!?」
「………おはようございます。お目覚めのケツバイブですよ♡」
相変わらず豚のような悲鳴を上げながら起きるガーノンに、私はにこにこと笑いながらモーニングコールを告げた。
さて、次は魔石式ローターで乳首責めと行こうかな。
******
騎士、と言えばまずどのようなものをイメージするだろうか。
煌びやかなフルプレートの鎧や重厚な剣と槍、勇壮な軍馬………そんなところだろうか。
この国、もといこの世界では騎士と呼ばれるものは全般的に貴族の出身者とされる。
なにせ重装備の金属鎧やら優秀な乗騎はそろえるのにそれなりの財力を必要とするし、使いこなせるようになるにも少なからぬ専門的な訓練を必要とするのだ。
そういった条件を満たせる潤沢な資産と訓練を受ける時間的余裕のある人間と言えば、大抵が貴族であり、騎士が貴族階級出身者となるのは必然的な帰結と言えるだろう。
この国、セプテモールでは一般の兵士と騎士は明確に区別されている。
騎士………『サー』の称号を賜ることができるのは爵位を持つ家系の出身者、あるいは特別な武勲を上げて一代限りの爵位を得たものである。
平民であっても貴族に列せられる機会があるということもあり、この国で兵士に志願する国民というのは存外多い。
まぁ、その中でも
平民出身の騎士と貴族出身の騎士はその装備を見れば違いがよくわかる、とよく言われる。
平民出身者の騎士の装備は当人のこれまで戦い方を反映している。つまり、平民の兵士として支給された比較的身軽な装備の延長線上にあるのだ。
そして貴族出身者は若いころから前述のような金のかかる装備品――――――金属仕立ての全身鎧や、長大な
一代限りとはいえ、功績を持って平民にも
ただし実のところ、『騎士』同士の間では平民出身者と貴族出身者の間で溝ができているのもまた事実。
前者は後者を『金に飽かせたボンボン』と嘲り、後者は前者を『成り上がり風情』と蔑む。
こうして生まれる派閥争いがセプテモール正規軍の抱える問題の一つとして指摘されることもあるのだが………これ以上はここで言及するべき課題でもないだろう。
「連日に渡る任務ご苦労だった諸君。次回の任務は三日後の朝、ここに集合するものとする。解散っ!」
「「「「「「はっ!!」」」」」」
夕暮れ時のフロラントの街に男たちの威勢の良い声が響いた。
場所はフロラントの街、正確にはフロラントを擁するミレイン公爵領メディオラ州の守護を担う公立軍隊の一つ、その兵舎の前である。
騎士団の主な任務には外国からの敵兵の侵入を防ぐ国境警備の他にも、街道に魔物が出没した際の対処も含まれる。
たった今解散したこの中隊もそういった巡回警備任務をたった今終えたところである。
「お疲れだったな、これからも頼むぞ。」
「ありがとうございます中隊長!」
中隊長と言われた男――――――ガーノン・デライトが若い兵士の肩を叩きながら微笑みかける。
その兵士はこの中隊の比較的新参といえる人物だった。
任務の経験の浅い彼を労い緊張を解すガーノン。
彼は他にも何人かの若い隊員を労いつつ飲みに誘ったが、それを他のベテラン隊員たちも聞きつけたことで結局中隊全員で飲みに行くことが決まってしまった。
この中隊を預かる
しかし現場の兵士達に対して親身に接し、危険な戦闘となれば自ら最前線に立って盾を構える勇壮な姿から平民の部下達からの信頼の厚い男だった。
ガーノンは荷物を片付けてから改めて酒場へと出立することを中隊各員に通達した。
それから彼は兵舎に併設されている鍛冶工房に自慢の大盾、剣、鎧を預けて手入れを頼んだ。
今回の巡回警備では戦闘はなかったが、それでも愛用の装備のメンテナンスを怠らないのは騎士としての嗜みである。
装備を預けた後は自身の執務室に向かい用務員に水とタオルを持ってこさせる。風呂に入る時間はないが軽く汗を流すためだ。
すると用務員は執務室に手紙が届いている、とガーノンに告げた。
細々とした荷物を片付けながら届いた手紙に軽く目を走らせた後、彼は小さく手紙を折り畳んでから微笑を浮かべた。
「あれ、中隊長。何かいい事あったんですか?」
「ほう、そう見えるか?」
「そうっすよ。隊長、ちょっと笑ってるっぽいっすよ。」
集合場所に戻るとガーノンは既に集まっていた隊員達からそのように声を掛けられた。
口ひげを生やした口元を撫でて、そんなに笑っているように見えるだろうか、と自問する。
「あぁ、確かに良い報せというものはあったな。」
「真ですか、ガーノン殿。」
「おぉ、あれか。堅物の中隊長にもいよいよ春が来たってことですかい。」
「そのようなことではない。」
ざわざわと俄かに盛り上がる隊員達を見渡しながら、ガーノンはどのようにして説明するか言葉を選んでから、このように発言した。
「敢えて言うならば………同志からの鍛錬の誘い………、というところか。」
彼がそう言うと若い隊員は「流石中隊長です」と感嘆を露にし、付き合いの長い隊員たちは「やっぱり中隊長は堅物だな」と笑った。
そのような終始和やかな、されど賑やかな雰囲気でガーノンが率いる中隊の面々は夜の街の酒場へと繰り出していった。
ちなみに、ガーノンが受け取った手紙の差出人の名はリオ・オーガスタ。
ある意味においてガーノンの同好の士といえる人物だった。
(ふっ………実に楽しみだ。)
早くもジンジンと熱い疼きを覚え始めた股間と前立腺。
その昂りを部下に知られないよう、チンポジに気を使いながら騎士は来るべき鍛錬(意味深)の日に思いを馳せるのだった。
『ガーノン・デライト』
子爵家三男坊。盾の扱いに長ける、防御戦に秀でた騎士。
現場主義的な性格で、平民出身の兵士からも慕われる庶民派。
ドM。