※この作品はR-18です。

The Unlimited Horizon   作:白臼

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第十六話 三鞭酒(※)

 

 

 

 がこん、と硬く軽い音とともに木扉を開く。

 他の場所を図書館と呼ぶなら、この安全地帯は図書室と形容するのが適切という程度の広さだった。

 本棚で壁が埋まっているのは毎度の事。部屋の目立つ場所には数人が腰かけられる椅子とテーブルが用意されていた。

 やや手狭ではあるが休憩を取るには不都合を感じさせない程度のスペースだ。

 

 「いやぁ、私も流石にそろそろ休みたかったところですからね。キムロさんも気兼ねなく休憩していってくださいね。

 あぁ、お腹は空いていませんか?簡単なものなら用意できますよ。」

 「リオ殿………。あー、うむ、そうだな。ただ、拙者は…心苦しいのだが………。」

 

 私は荷物や装備を机の上に置いてから、軽く体を伸ばしつつキムロの方へと振り返った。

 しかし、彼は部屋の入り口辺りで突っ立ったまま居心地が悪そうにしている。

 彼の左腕が額の汗を拭う。

 

 「言いそびれたが拙者は疲れているというよりは………なんというか、力が有り余って仕方がない………というか、昂っているのが止まらん状態なのだ………。

 ………うむ、そうだな、拙者は部屋の隅で素振りでもしていよう。うむ、それが良い。リオ殿はその間に何か軽く摘まめるものでも用意してくれたら有難く思う。」

 

 彼はそう言いながら手持ちの荷物を私と同じように机の上に置いた。

 キムロは一人でうんうんと自分に言い聞かせるように頷きながら、脇差一本を持って部屋の隅に行こうとする。

 

 ――――――が、私はステップで進路へと割り込む。逃がすつもりはない。

 

 「まぁまぁ、そう仰らずに。気が落ち着かないというのでしたら………如何でしょう、気が落ち着く紅茶でも淹れましょうか?」

 「い、いや、それには及ばぬっ。」

 「………ふぅーん。」

 

 なんと、私の茶が飲めないと申すか。

 

 キムロは赤らんでいた顔をまた一段と紅潮させて頭(かぶり)を振った。

 目も泳いでいるし、さっきから言葉がしどろもどろになる回数が多い。色んな意味で気が落ち着いていないのは明白である。

 

 私は目を細めて薄く笑った。

 多分、物凄く悪い表情(かお)をしていたのだろう。キムロが半歩後ずさる。

 だが私はそれを追うように一歩踏み込んで、彼の胸元にそっと指を這わせた。

 

 「ふふ………っ♡」

 「リ、リオ殿………?」

 

 胸に残る、先ほどついて治ったばかりの白い傷跡。

 日焼けで色付いた肌と傷の白さのコントラストが生々しくも艶めかしく私の目に映る。

 羽で擽るように指でなぞれば、その肌の熱さと硬い胸板の感触が私を楽しませてくれる。

 目線を上に寄こせばキムロは顔を強張らせて固まっていた。

 

 「んふっ………♡」

 

 胸に触れていた指を離して、そっと指先を口に含んだ。

 彼の胸の上に浮いていた微かな汗の味がする。しょっぱい以外に感じられない味だが、これが男の体液だと思うと無性に興奮する。

 軽く舌を、唾液を指先に絡ませて、唇を見せつけるようにゆっくりと開いてから指を抜く。

 透明の唾液がわずかに糸を引く指が私の目の前にある。

 

 「リオ殿、何を………っ。」

 「何を、だなんて………………気が昂っていらっしゃるんでしょう?」

 「………………っ」

 

 ひゅっ、とキムロが息を呑んだ。

 私が彼の袴の股間部分に片手を添えたからだ。

 案の定、褌で締め付けられている彼のそこ(・・)は袴の下で硬く硬く立ち上がっていた。

 

 私は片手を彼の股間に添えたまま、自分の身を彼の体にピタリと寄せた。

 唾液の後を残すように、舌で舐めるように指先で彼の腹筋をなぞる。指に伝わるその硬い肉の感触がどうにも楽しい。

 逞しく熱い体、しっとりとした肌と汗、耳に微かに届く鼓動の音、鼻を擽る男の匂い………。

 

 「ほら、昂ってらっしゃるんでしたら………『休憩』していかれた方が良いのでは………?」

 「うぅっ、そ、その………すまぬ。先ほどから何故かずっと収まりがつかず………。」

 「別にいいじゃないですか。男なんですからこういうこともありますよ。」

 「いや、だが………、戦闘中もずっとというのは明らかに何かおかしい………っ。」

 

 私に密着されてキムロは体をガチガチに強張らせている。ついでに言えば股間の方もガチガチである。

 掌に感じる雄の昂りはさながら熱した鉄杭のよう。

 その太さ、硬さを想像するとそれだけでお腹の奥の辺りから熱が零れてきそうになる。

 先ほどから私の手は何度も袴の上から彼のそこ(・・)を撫でているが、ここまでにした方が良いだろうか。

 流石に下着の中で暴発させるのはまずいだろう。それは些か以上に勿体ない(・・・・)。

 

 「うふふっ♡」

 

 私は一旦彼から距離を取って、机の上に腰かけた。

 キムロは状況についていけないようで困惑した顔をしている。

 

 机を椅子代わりにして私はブラブラと足を投げ出してから足を組んだ。

 足を組むとスカートがわずかにずれて裾の下からストッキングと太腿の境がわずかに外気に晒された。

 私はゆっくりと、あえてゆっくりと自分の足をなぞるように手を動かして自分の足元までもっていき、両方の靴を脱いだ。カーペットの床に二足の革靴が落ちてくぐもった音がする。

 靴を脱ぎ捨てて自由になった足先の指を何度か握ったり開いたりして調子を確かめてから――――――私はスカートの中に自分の手を入れた。

 

 「………………♡」

 

 鼻歌でも歌うような気分で、私はスカートの中のショーツをずり下げていく。

 ただし外から見てスカートが捲れ上がって中が見えないように慎重に、そして焦らすようにゆっくりと、である。

 私はパンツを脱いでいる間、キムロの視線を感じていた。彼の眼は困惑と混乱を呈していながらも、本能的なものに突き動かされるようにその視線は私の下半身に注がれていた。

 するる………と衣擦れの音を立てながら私の脚の上を濃紺のショーツが落ちていく。

 膝下まで来たところで私は片足を引き抜いて、もう片方の足にショーツを引っ掛けたままにした。

 

 「ね、見えます?………私のパンツ、少し濡れちゃってます………♡」

 

 足首に引っ掛けたショーツを晒すように足を掲げる。

 目を凝らすとクロッチ部分がわずかに黒ずんでいるのがわかる。

 太腿をもぞもぞと擦り合わせると奥の方で微かに粘るような感触がする。

 

 先ほどからじっとキムロは何かを考え続けているような必死の貌を浮かべながら、その視線は絶えず私に注がれ続けている。

 当人も自覚していないだろう、その情欲に見開かれた視線。

 そんな目が今まさに自分に向けられていること、自分が情欲の対象になっているということに羞恥とたまらない興奮を感じる。

 ドクドクと胸の奥から巡る血で下腹の奥が疼く。

 

 「………………リオ、殿………………。一つ、聞いてもよいか………?」

 「えぇ、どうぞ。何でも。」

 「もしや………拙者になにか盛ったか?」

 

 キムロは自分の中に渦巻いている情動を抑え込むような、葛藤に満ち満ちた表情でそのようなことを訊いてきた。

 うん、流石に状況が明らかに不自然だったし、私も露骨だったのは認める。

 それに元から隠し立てするつもりはなかったので私は首肯した。

 

 「えぇ、キムロさんに飲んで頂いたお酒、あれがそうですよ。」

 

 あの酒は『奇奇鬼毒三鞭酒』という大陸東方から流れてきた薬酒で、鹿、狼、海獣の魔物三種の陰茎(ペニス)と多種類の薬草を漬け込んだ酒である。

 効果は疲労回復、滋養強壮、精力増強(・・・・)。

 今回キムロに飲ませたのはお猪口一杯分だが、もっと量を増やせば枯れかけのじいさんでも愚息をいきり立たせて猿のように腰を振る代物だ(翌日腰が逝ってるかもしれないが)。

 ちなみに私が持っているのは小分けされた瓶一升分だが、これでも相当値が張った。効果には満足しているので出費しただけの価値はあったと思うが。

 

 「お、お主は………っ!!」

 「いけませんか?」

 

 頬をひくつかせて怒り笑いとも言える奇妙な表情を浮かべるキムロ。

 短い付き合いではあるが彼のそんな表情を見るのは初めてで何だか可笑しかった。

 だから私はあくまで微笑(わら)う。

 

 「だって………キムロさんが仰ったんじゃないですか、ドラゴンゾンビと決着を付けたら私を抱いてくれるって。」

 「そ、そうだっ。確かにそうだが………っ!!」

 「ならいいでしょう?だって私、キムロさんと会ってからずっと、待ちぼうけだったんですから………。」

 

 少し体を後ろに傾けて、片手を後ろにやって机の上に手をついた。

 足を組んで指先を太腿に這わせ、ほんの少しスカートの裾をめくる。濃紺のストッキングとガーターベルト、暗青のスカートの間から見える素肌をわざと彼の眼に晒してやる。

 無意識のうちに舌で唇を舐める。自分の中に渇きを感じる。心臓の熱が体から水分を奪っていくかのようだ。

 

 「ね………だから、私のここ(・・)、キムロさんのおちんちんが欲しい欲しいってずっと泣いてるんです………♡ 見て、みます………………?」

 

そっと焦らすようにスカートを捲る。今はもうお尻の辺りまで見えているだろうか?

 いよいよ愛液に濡れたそこ(・・)が外気に触れそうになったところで、何処かでブツンッ、と何かが切れたような音がした。

 

 「リオっ、殿………っ!!」

 「えっ、キムロさ………きゃっ?」

 

 その音に気を取られた瞬間、私は机の上に軽く突き飛ばされるような形になっていた。

 軽く足を組んでいたせいか机の上にうつぶせになるような形だ。

 肩越しに振り替えると、目を血走らせて息を荒げたキムロが私の背後に仁王立ちになっていた。

 完全に何かが吹っ切れてしまったようなその形相はまさしく飢えた狼のよう。

 

 そのギラついた視線と目が合った時、思わず子宮がきゅん、と跳ねた。

 

 「あぁぁぁ………!あぁっ、もうっ!リオ殿、どうなっても知らぬぞ!!お主の、お主のせいなのだからな………っ!!」

 「………そう、そうなんですっ。全部私のせいですからっ♡ キムロさんのおちんちんで私にお仕置きしてください…っ♡」

 

 我知らず息が荒くなる。

 肩越しに振り返りながら猫のように尻を振って媚びる。彼が発情した狼なら、私はサカッている猫でいい。

 

 キムロが引きちぎるかのように袴と褌を脱ぎ捨てると、そこで窮屈に抑え込まれていたマラが勢いよく飛び出した。

 薬酒の影響だろうか、その陰茎は以前見たときよりも一回りも大きく太くなっているように見えた。

 黒ずんだ幹のような竿とパンパンに張りつめた赤黒い亀頭がビキビキにそそり立っている様を見て、思わず唾を飲んだ。

 あれ(・・)が自分の中を掻きまわす様を想像するだけでドキドキと胸が高鳴る。

 

 そしてキムロの手が無遠慮に私のスカートを一気にめくりあげる。

 机の上にうつぶせになっている私は丁度彼に自分の尻を差し出しているような体勢だ。

 隠すことも抵抗することもできす、がしり、と彼のごつごつとした手に腰を掴まれてその下半身を固定される。

 

 「ふー………っ!ふー………………っ!!」

 

 荒い息を吐いているのは私だろうかキムロだろうか。

 彼のペニスが何度も私の陰唇に擦りつけられる。私のそこはすっかり湿り気を帯びていて、そこに硬い男根が当たると内側から溢れた愛液がにちゃっ、にちゃっ、と音を立てた。

 幾度かの往復を繰り返して場所に辺りを付けたのだろう。一番取っ掛かりのあるところ………胎の中まで続く洞の入り口に亀頭の先端がぐぐっとめり込んだ。

 

 「うんっ………ぬぅっ………!!!」

 「ぁっ、あぁーーー………………っっ♡」

 

 私の腰を掴んでいるキムロの手に力が入り、先端がめり込んだ場所を起点に思いっきり腰をねじ込んできた。

 文字通り、体を引き裂かれるような、内臓に杭を打ち込まれているような壮絶な圧迫感。

 まだ潤いが十分ではないのだろう、肉が擦れ合うところにひりつく痛みが走る。

 体の奥から息を絞り出されるような声が出る。

 だが、

 

 「あ゛ぁ………っ♡ きもち、いぃ…………っ♡」

 

 その強烈な圧迫感が心地よかった。

 自分の体が獣欲に蹂躙されているという被虐感と陶酔感が、ぞわぞわと背筋を這いあがってくる。

 寝起きの体の関節を無理矢理ストレッチで引き伸ばされるような、苦痛交じりの快感がある。

 めりめりめり…と膣洞が野太い男根に押し広げられいく、その拡張感がどうしようもなく気持ちいい。

 

 「う、んん………っ♡」

 

 膣奥にまでペニスが到達するが、挿入はまだ終わらない。膣洞を縦に引き延ばすかのようにペニスが打ち込まれる。

 まだ生硬い肉が無理矢理引き延ばされる感覚、膣の奥の子宮口が硬い亀頭に押しつぶされる感覚。

 痛みを覚えるほどに肉が拡張される端から染み出すように快感が零れてくる。

 

 「はぁっ、はぁっ………!………………っ!!」

 

 やがてぴったりと彼の腰と私の尻が密着するときが来た。

 だがその交合感を味わう間も、私の胎を馴染ませる間もなく、キムロは荒い息を吐きながらピストン運動に移った。

 勢いよく引き抜かれるときに膣襞をガリガリと凶悪に張ったエラで掻き毟られてぞくぞくっ、と背筋が戦慄く。

 そしてその勢いのまま入り口の辺りまで戻った陰茎は真っ直ぐに膣奥まで突き立てられた。内臓を下から叩かれるような容赦のない突き込みで思わず声が出る。

 

 「………ぁっ、ゃぁっ♡ はげしい………っ♡」

 

 パンパンパンッ!!と肉と肉がぶつかる音が立つ激しいピストン運動。

まるで幼児の尻たたきの刑のように私の尻にキムロの腰が叩きつけられて乾いた音が立つ。

 肉の拍打音の間に、糊と糊を無理矢理引きはがしてこね回すような粘った音がする。私の愛液が陰茎で撹拌される粘着音だ。

 

 「んんぅぅ………♡ ぁ、足つかない………っ♡」

 

 この机は私の脚の長さより少し高い。

 だから机の上にうつぶせにされている私はぶらぶらと両足を宙に浮かせることしかできない。

 そのため踏ん張ることもできず、男のピストン運動を直接体で受け止めさせられる。

 

 差し出すように尻を差し出して、腰を掴まれて、男の獣欲のままに無防備な体に雄杭を突き込まれて、そしてこの状況に興奮して股を濡らしている自分がいる。

 そんな自分を自覚するとゾクゾク、とした震えが体に走って、いっそう熱いものが頭を痺れさせてくる。

 

 「――――――ッ!!―――――――――ッッ!!」

 

 もうキムロは何を言っているのかもわからない。

 獣のような唸り声を上げながら、たたきつけるように腰を振るう。勢いが激しすぎて小さい私の体はまるで波にさらわれる小舟のよう。

 完全に自分が射精するための、ペニスを扱きたてるだけの動き。

 自分の体がそうやって精液を吐き出すために使われていること、男が気持ちよくなるために使われているということに倒錯した幸福感と高揚感を覚えてしまう。

 

 「うっ、ぁっぁ゛っ、あぁ゛っ♡」

 

 ズンズンと掘削機のように胎奥にペニスが叩きつけられる。

 衝撃が子宮から内臓まで響いて、喘ぐような声を絞り出される。

 気がつけば開きっぱなしになっている口から涎がしたたり落ちて机に染みを作っていた。

 

 「ぬ、う、ぅぅぅぅぅ―――――――――っ!!」

 「んんっ、くぅんっ♡」

 

 何の前触れもなくキムロが腰を勢い良く叩きつけてきたかと思うと、そこでいきなり射精が始まった。

 子宮口にめり込むように押し付けられた鈴口からドバドバと胎(なか)に注ぎ込まれる雄の孕ませ汁。

 グツグツに煮詰めたシチューのように濃くてドロドロの白濁液が子宮にぶちまけられる。

 お腹の奥に感じるその熱く温かいものの感覚に雌の体の本能が否応なく満たされ、脳がふやけそうな多幸感に満たされる。

 

 「んふっ、んん………♡ せーえき、すごいぃ………♡」

 

 伸びをする猫のように背中を反らせて喘ぐ。

 子宮がきゅんきゅんと悦びの声を上げて膣を締め付けさせる。貪欲なイソギンチャクのように陰茎をしゃぶる膣肉が、その雄の逞しさを性感として私の頭に伝えてくる。

 おまんこで食い締めて感じるキムロのペニスは精を吐き出しながらもまだまだ元気で、未だに鉄のような硬さを保っていた。

 

 「ぁっ、ゃん………♡」

 「ふーっ、ふぅー……………っ!!」

 

 その熱さと硬さに感じ入っていると、キムロが私の背中から覆いかぶさってきた。

 机の上についていた私の手がキムロの手に抑え込まれる。

 男の手。剣のマメとタコと傷の跡でゴツゴツとした男の手に私の手が上から押さえつけられる。

 背中に男の胸板が当たる。心臓の鼓動も聞こえそうな熱い胸だ。

 キムロの体にすっぽりと上から覆いかぶさられてしまっている私。

 発情した雄の汗の香りで包まれて、息をするだけでドクドクと鼓動が早くなる。男の熱い体温を服越しに余すことなく感じる。

 

 それと同時に、より一層男のペニスが奥まで捩じり込まれる。

 体重を前のめりに掛けられて鉄杭のような男の剛直がぐちゅり、と音を立てて子宮を押しつぶす。

 絞り出されるように膣の隙間から精液と愛液の混合液が股から垂れて、脚の間を糸を引いて落ちていくのを感じる。

 目の裏でちかちかと快感の白い光が瞬いて、ふらついている足がピンと張る。

 

 「ゃぁあ゛………っ♡ ふかいっ、ふかいのぉ………っ♡」

 

 喘ぐ口元からぽたぽたと唾液が机に落ちる

 思わず身を捩らせても、上からがっちり抑え込まれているせいで身動きができない。

 私を組み伏せているキムロは私の首筋に鼻先を突っ込んで、鼻息も荒く匂いを嗅いでいた。

 はっはっ、と耳元で聞こえる荒い息。自分の体で雄が欲情しているのだという確かな証明。

 

 (わたし………おかされてる………♡ れいぷされてる………………♡)

 

 その自覚が脳裏を掠めた瞬間、ゾクリ、と猛毒のナイフで背骨を抉られたような異様な感覚が走る。

 寒気のような怖気のような、それでいて熱くて痺れるような危険な信号(パルス)が麻薬のように脳を犯す。

 甘ったるいアルコールを飲みすぎたときのような吐き気を催すような恍惚と昂揚。

 

 「んんーーーーーーっ♡ んんぁあ………………っ!!」

 

 ぎゅうぅっと自分の体全体が強張る。手の指から足の指まで筋肉が収縮する。

 膣までが中をぎちぎちと食いしばるように締め上げた。

 バチバチと頭の中で毒色の快感がスパークして弾けて、私はイった。

 

 「――――――っ!!―――――――――………ッッ♡」

 

 胸の奥が切なくなるような、お腹の奥が甘く疼いて痛くなるような多幸感。

 声にならない悲鳴のような喜声を上げて善がる。

 のたうち回りたいほど気持ちいいのに、上から抑え込まれている私は電気を流された芋虫のようにビクビクと男の体の下で身を捩らせることしかできない。

 その不自由さ、拘束感が被虐的(マゾヒスティック)な快感を煽ってゾクゾクする。

 

 「くぅっ………うぅん………っ♡ あ゛ッ、あ゛ーーーーーーーーーッ♡」

 「ふゥっ!う、うぅぅ………っ!!ぬぅ゛…………………っ!!!!」

 

 私がぶるぶると身を震わせながら絶頂の余韻に浸っている最中、私の中に入っているキムロが動き始めた。

 私の体を上から押しつぶすような体勢のままの、それこそ交尾する獣のような格好での荒々しいピストン。

 一度出した精液を膣内にぐじゅぐじゅと塗り込んでいくような暴力的とも言える腰遣いだ。

 雌に雄がマーキングするような原始的で荒々しいまぐわい(・・・・)にまた私の中の官能が張りつめるようにして昂っていく。

 

 「あぁ…っ! すごいっ、おちんぽすごいのぉっ♡ めちゃくちゃにしてっ♡ リオのおまんこめちゃくちゃにしてくださいっ♡」

 

 涎を口端から零しながら、ドロドロにふやけていく頭は無意識のうちにおねだりの言葉を吐き出していた。

 なけなしの自由を振り絞って尻を後ろに突き出してファックをねだり、媚びを売るようにおまんこを蠢かせてペニスに奉仕する。

 キムロの腰がそれに応えるようにガシガシと機関車のような逞しさと力強さで打ち込まれ、法悦の中で私の意識が轢き潰される。

 

 「ぅんん゛―――――――――ッッッ♡」

 

 見悶えしながら快感に耐えるように机に上半身をぐりぐりと押し付ける。机の上に溜まっていた自分の零した涎で顔が汚れた。

 胸を机に擦り付けるとブラジャーの中で乳房が潰れて乳首が擦れる。それが気持ちよくて私は犯されながら胸での自慰に耽った。

 

 「はぁぁぁっ゛………………♡ あ゛ぁぁーーーーーーーーーっ♡」

 

 意識が寸断されていく。

 危険な酒や薬を呷ったときのような、自我が擦り潰されるという快感。

 思考を放棄し、知性を踏み躙って獣になるという破滅的な享楽に耽溺する。

 

 感覚の隅の方で、また子宮に子種汁が注ぎ込まれるのを感じる。

 だが、まだまだ私を貪っている雄は萎えていなかったし、私という雌もまだまだ満足していなかった。

 

 

 私たち以外誰もいないダンジョンの片隅の小さな部屋。

 そこで私たちは一番(つが)いの雄と雌になって、飽き果てるまで交わり続けた。

 

 

******

 

 

 「んぉ………っん………。………っぷぁっ…………………えーと、キムロさん………大丈夫です?」

 「うぅ………あぁ………。」

 「………大丈夫ではなさそうですね、これは………。」

 

 嵐のように激しく、夜のように長い情事が終わった後、キムロは椅子にへたり込んでいた。

 その双眸は五徹勤務後にようやく休日を言い渡されたサラリーマンのように虚無的な何かに呑まれていた。

 私は椅子に座っている彼の股の間に顔を寄せて、そのペニスを口で含んであやしていたが、雄の象徴は半起ちのままついぞその力を取り戻すことは叶わなかった。

 

 「まぁ、私も今回は大いに満足でしたし………ここまでにしましょうか♡」

 「あぁ………うぅ………。」

 「………駄目みたいですね、色々と。」

 

 ぐいっ、と袖で口元の唾と薄くなってしまった精液の残滓を拭いながら立ち上がった。

 お腹をさすると、大量に中出しされた精液で下腹部が内側からぽっこりと膨らんでいた。

 手で下腹を撫でていると情事の思い出と、子宮の重たさと温かさを感じて口元が思わず緩んでしまう。

 

 「ふぅーっ………………はぁーっ………………」

 

 自分の呼吸を調整し、胎内の筋肉の収縮具合を調節する。

 今は膣と子宮口を締めて防いでいるが、気が緩むと決壊してドバドバと溢れてしまいそうだ。

 ただ溢れるまでもなくストッキングはセックスの最中に漏れ出た精液と愛液が垂れてぐしょぐしょである。空気が触れると冷えて気持ち悪い。

 ストッキングだけでなく服やら髪やらもぐしゃぐしゃに乱れているので着替えた方が良いだろう。

 

 子宮の中に溜め込んでいる精液はどうしようか。宿のようにシャワーで流すこともできないし、流石にタオルで拭える量を超えている。

 色々と悩んだ末に、後で胎から排泄して自分の昼食にすることにした。

 一食精液で済ませることに別に抵抗はない。このくらいは(・・・・・・)まだまだ(・・・・)マシな方だ(・・・・・)。

 

 「………まぁ、普通の食事も作りますけどね。」

 

 とはいっても人間の子宮に注ぎ込める精液量などたかが知れているのでこれだけでは一食分の食事には物足りないだろう。

 というわけで何か適当に食事を別途用意することにする。

 それに、キムロの分もちゃんと用意してあげなくてはならない。

 今回は私が巻き込んだ形なのでせめてそれくらいはね………。

 

 「お疲れ様、今はおやすみなさい。」

 

 キムロは胡乱だった目を閉じて、今はこっくりこっくりと舟を漕ぎ始めていた。

 寝息でも立てそうな彼の横顔にキスを一つ落としてから、私はまず自分の服の着替えから始めることにした。

 

 

 なお、その後キムロの下半身を丸出しの状態で放置していたことに気が付いたのは、私が食事の前の前菜(・・)を食べ終わったころであった。

 

 

 

 




『三鞭酒』
三鞭酒は我々の住む世界にも存在するお酒の一種であり、狼、鹿、オットセイのペニスのエキスとお酒を配合して作られる。中国山東省原産で、精力増強に効果があるとされる。
今回リオがキムロに盛った『奇奇鬼毒三鞭酒』は、この世界で錬金術師が魔物のペニスを素材に作り上げた代物で尋常ならざる強精作用を持つ。
大陸東方由来の品であり輸送費用の兼ね合いもあって大陸北西部ではかなり高価。それに加えてこれを飲んでハッスルしすぎた中高年が血管を弾けさせて死亡したという事故が相次いだため、ブラックリスト入りした結果流通が規制されたため早々お目にかかれなくなっている。
それでも闇市場(ブラックマーケット)ではちょくちょく販売されている。
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