※この作品はR-18です。

The Unlimited Horizon   作:白臼

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第二十五話 グロキシニア・シルヴァティカ 後(※)

 

 

 

 「……………♡」

 

 初老の男の手が少女の頭を撫でる。男の指先は老いて節くれだっているが、その手入れの良さも相まって醜くは見えなかった。むしろ、長く使い続けられた木製の筆のようにも見える特有の風格さえ漂っていた。

 その男の手が髪を梳くように撫でると少女はふにゃり、と力の抜けた笑みを浮かべる。それはさながら飼い主に甘える子猫のようだ。

 こう書くとまるで親子、あるいは祖父と孫のような温かくも微笑ましい家族の一場面のようかもしれないが、その実態は言い訳の仕様もなく淫靡なものだった。

 

 少女………リオ・オーガスタが纏っているのは、幼い少女の愛らしさを引き立てるような桃色のリボンで飾った白の下着一式であり、それ以外には身に着けているものはない。

 いや、敢えて付け加えるならば――――――その首には赤い革の首輪が一本巻かれていた。

 さながらその身が男の所有物、あるいは愛玩動物(ペット)であることを示すように。

 

 そして男………ネーロ・パガニーニはそんな淫猥な格好をした少女を見下ろして、深い微笑みを浮かべていた。

 その表情は微笑ましいものを見守るような慈愛の色と、隠しきれない劣情が同居したものだった。

 

 「………………は、ぁっ♡」

 

 ネーロは笑みを浮かべたまま、リオを撫で続けていく。少女の艶やかな髪、瑞々しい頬の感触を味わうように。

 その手がつぅ、と顎のラインを添うように這い、首輪の下に潜るように首筋をなぞる。

 さらに、男の指先はまるで芸術品を鑑定するような慎重さと、舐めるようなねちっこさを合わせたままに少女の耳元やうなじをなぞっていく。

 

 その手先から与えられるじれったいような、くすぐったいような感触がリオの情欲を煽る。

 漏れるような吐息を零して、彼女の意識が初老の男の乾いた指先に集中する。その男の指に耳の裏を軽く掻かれるとそこからぞくぞくっ、と背筋が震えた。

 またその掌が頬を包むと、その大きさと温かさが心地よくて自ら甘えるように頬を寄せた。

 

 初老の男と幼気な少女の二人しかいないホテルの一室。

 両者の吐息しか空気を震わせるもののないこの空間だが、その中に微かに衣擦れの音が混じった。

 リオが何かを我慢するようにもじもじとその太腿を擦り合わせているのだ。

 

 「リオ、どうかしたのかい?」

 「………ぁ、ネーロ、さん………私………………。」

 

 ネーロの疑問の声にリオは何かに恥じ入るように顔を伏せた。その人形のように白い頬に微かに朱の色が差す。

 白いガーターストッキングに覆われた少女の瑞々しい太腿。そこの何らかの不満を訴えるように少女は内腿を擦り合わせていた。

 

 「どうかしたのか、言ってくれないとボクにはわからないヨ?リオ。」

 

 そう優しく声をかけるネーロの表情は相も変らぬ微笑みのままである。

 だが、そこには今や隠すこともない好色な色と、人の困る様を見て楽しむような悪戯気な色があった。

 彼はリオの頭を撫でながら「なら見せてもらおうか」と彼女の耳元で呟いた。

 男の吐息が耳を擽って、リオは背筋を戦慄かせた。

 

 「リオ、ベッドに仰向けになりなさい。」

 「は、はい………。」

 

 優しく、それでいて有無を言わさない男の声。

 それに従うようにリオはベッドの縁に腰かけていた尻を浮かせてから、その上で仰向けになった。

 ベッドのシーツの上に少女の長い金髪がさっと広がって散る。

 

 「………そうだ、それでいい。そして、こっちに向けて脚を開くんだ。」

 「………………っ」

 

 男から再度の命令が下される。リオは一瞬息を呑みながらも――――――それに従った。

 白のストッキングに包まれている少女の細い脚が、ゆるゆると開かれていく。

 レースに飾られた純白のショーツ。乙女の秘所を晒すような格好にリオの脳裏が羞恥で赤く染まる。

 

 「閉じてはいけない。自分で脚を持つんだ。」

 

 ピシャリ、と叱責のようにネーロからの声が飛ぶと、リオはやはりそれに従順に従った。

 長手袋に覆われた手を恐る恐る伸ばして、内腿に手を添えて脚が閉じないように自分の手で押しとどめる。

 

 「んっ………♡」

 

 傍から見れば自分の意志で男に自分の股間を晒している、さながら痴女のような恰好。

 反射的に脚を閉じようとして、でも男からの命令がある以上はそれもできない。

 

 恥ずかしくて、はしたない。

 そんな恰好を強要されているということにどうしようもない羞恥と――――――興奮を覚える。

 リオは頬を赤らめて目を伏せながら背筋を昇ってくる、震えるような熱さに身悶えした。

 

 「なんだい?キミのここはもうこんなになっているじゃあないか。」

 「ぁっ……………ぅんっ♡」

 

 はしたない開脚姿勢を強いられているリオの股間に、ネーロは無造作に手を伸ばした。少女の体がビクン、と跳ねる。

 男の指先が捉えたのは三角形のショーツの中央近く。ポッチのように浮き出た一点だった。更にその下にはラインを引くように濡れたような跡がある。

 

 男はそこをまるで注意深く見分するように、指先でそこを弄った。

 浮き出た突起を弾き、濡れた部分をなぞりあげる。

 その度にリオの口から押し殺すような喘ぎ声が上がる。

 

 「キミのココ、とココ。ボクが今触っているところだ………。これは今、どうなっているんだい?」

 「………か、かたくなって………ぬれてます。」

 「あぁ、そうだ。なら場所の名前も言うんだ。」

 「く………クリトリスと……………おマンコ、です。」

 「そうだ、よく言えたネ。」

 

 恥ずかしさに身を震わせながらリオは自分の秘所の名前を口にした。

 ネーロは労うようににこやかな笑みを浮かべ――――――指先をぐっとショーツの中に押し込んだ。

 

 「ぁぁっ!?」

 「ボクはキミの頭を撫でていただけなのに、キミはそれだけでクリトリスを勃起させておマンコを濡らしていたと、そういうことだね?」

 「は、はいぃ………っ♡」

 

 男の細い指先がショーツへと沈み込んでいくと、奥から押し出されて来た果汁が白い布地を濡らした。

 指先で押し込まれた微かにざらつく布地が秘所を擦りあげ、リオは思わず背筋を反らして声を上げた。

 そのままくりくりと男が指先を捻ると、布に擦られる快感が股座から押し寄せてきて少女は身を震わせる。

 

 それでも彼女は自分の脚を開く手を離すことは無かった。 

 むしろ、無意識のうちに股間を男に差し出すように腰を浮かせる始末である。

 

 「わ、私は、リオは………首輪を付けられて、頭を撫でられるだけでおマンコを濡らす………へ、へんたい、ですぅ………………♡」

 

 リオの口から、自分で自分を貶めるような、そんな背徳的で淫虐的な言葉が勝手に突いて出る。

 脳裏が真っ赤に染まるようなはしたない言葉。それを口にすると毒のような熱が体を駆け巡って、背筋が妖しく震えた。

 下腹から熱いような、粘るような何かがドロドロと流れ出ていく。

 

 ショーツの奥からどぷり、と愛液が絞り出される。

 男に捧げるように大きく股を開いて、なおも何かをねだるように少女は腰をゆらめかせた。

 被虐の味を思い出した少女の目が熱く潤んで初老の男を見つめた。

 

 「ふぅん。リオ、キミは変態さんなんだね。」

 

 ネーロの指摘にリオはコクコクと頷いた。

 男の顔に微笑みの皺が一層深く寄る。

 

 「それなら………変態のキミに相応しい贈り物があるんだけど、受け取ってくれるかな?」

 「あ、ありがとうございます………♡」

 

 はぁはぁ、と厚い吐息を漏らしながらリオが感謝の言葉を告げる。

 ネーロはそれを見て、劣情に満ちた笑みを深めた。

 

 

******

 

 

 「んぅ………ふぅっ、ぁぁ………………っ♡」

 

 身を伏せたリオが身悶えする。

 皺が寄るほどにシーツを握り締める。吐息を漏らしながら苦悶に、あるいは官能に眉根を寄せる。

 下半身から立ち上るそのむず痒いような感覚を堪えるように呻きながら、その額をぐりぐりとベッドに押し付ける。

 

 「ぁん………っ♡ だめぇ………そんなところ………………っ」

 

 肩越しに振り返りながら上げる抗議の言葉。

 だがそれも眦を力なく下げて瞳を潤ませながらではかえって婀娜っぽく響くものだった。

 

 うつぶせの、さながら背中を伸ばす猫のような姿勢。幼い矮躯ながらもすらりとした背中とくびれのある腰回りの美しい曲線が強調されている。

 だが同時にそれは臀部を背後に突き出すような卑猥な体勢でもある。

 そしてガーターのラインで丸みを飾られた彼女の桃のようなヒップ、そこにいまネーロが手を掛けて、そしてその顔を埋めていた。

 

 「うん?しっかり綺麗にしてあるんだろう?なら何も問題はないじゃないカ。」

 「あぅ………んんっ♡ で、でもぉ………………♡」

 「ふーむ?」

 

 わざとらしく疑問の声を上げてから、初老のエルフは再び少女の尻の間の中心――――――菊門に口を付けた。

 微かに桃色がかった茶褐色の、少女の最も秘めやかな窄まり。そこに男の唇が触れて、ちゅっ、とキスを落とす。その音をわざと少女に聞かせるように。

 そしてその皺の寄っている菊蕾をまるで革でもなめすかのように男の舌が這いまわる。その周囲の括約筋を按摩するようにじっくりとねっとりと、である。

 

 「んぅ………………………っ♡」

 

 アナルを舌と口で愛撫されるという、屈辱的で倒錯的な責め。

 男の舌に窄まりの中心を突かれるとくすぐったくて、でも何処か心地よくて思わず腰を捩ってしまう。その動きは男に不満を訴えるようでもあり、更なる責めをねだるようでもあった。

 

 既に数十分男に舐めしゃぶられているアナルはすっかりと解れてしまっている。

 男が舌先に力を入れて押し込めば、あっさりと菊門はその入り口を開いて外からの異物を迎え入れた。

 その状態で舌がつぽつぽ、と出し入れされるとリオはシーツに顔を伏せて荒い息を吐いた。

 はぁ………っ、という熱を帯びた息が口元を濡らす。

 

 「………ぷはっ。ふぅむ?なんだい、駄目だ駄目だ、という割にはキミのココはすっかり喜んでいるじゃないカ?」

 「ひゃぁう………っ!」

 

 一度少女の菊門から口を離したネーロが少女の股座に手を伸ばした。

 そこには包皮から剥き出しになってすっかり勃起したクリトリスと、奥から熱い果汁を涎のように垂らす陰唇があった。

 男の指がそっと摘まむように陰核を捉えると、そこからズンと重たく鋭い快感が走ってリオは嬌声を上げた。

 グミのような弾力のあるそれをネーロの指はクニクニと捏ねまわす。一見すると無造作な所作だが、敏感な少女の性感帯に痛みを与えず快楽だけを与える、ある種熟練の手つきであった。

 

 「ケツの穴を舐められながらクリトリスをこんなにもそそり立たせていたんだネ?キミは本当にいやらしい子だなァ。」

 「あっ………♡ あぁっ♡ ごめんなさいっ、いやらしい子でごめんなさいっ♡」

 

 敢えて詰るような男の言葉にリオは反射的に謝罪の言葉を発しながら身悶えた。

 男の指先が少女の勃起陰核を捏ねるとそれがコントローラーにでもなっているかのようにリオが背筋を反り返らせる。長い金髪が背中の上で波打つ。

 陰核から与えられる快感が体を走るたびに、少女の陰唇からぽたぽたと淫蜜が滴った。先ほどまで責められていた肛門が軽く口を開いてひゅくひゅく、とその入り口を開閉させている。

 

 「あぁ、でも心配しなくて大丈夫サ。ボクはそんなキミが好きだからネ。それに………ちゃんと贈り物があるって言っておいただろう?」

 

 ネーロはリオの桃色に血が通った尻を撫でながらそう声をかけた。

 そしてややあってから、ネーロはそれ(・・)を取り上げて、彼女の尻の間に押し付けた。

 

 「ふぁ………っ!?」

 「大丈夫。痛くはないヨ。」

 

 なにか生暖かくて柔らかいものが菊門に押し付けられている。その奇妙な感覚に驚きの声を上げて肩越しにリオの目がネーロを見やる。

 男が手にしているものは透明な粘体状の、それでいてある程度バナナ状の形状を保っているスライムめいた何かだった。

 そのスライムのような物体はまるで意志を持っているかのように、少女の肛門を押し広げて、中の直腸へと潜り込んでいく。

 

 「ぁっ、ゃぁっ………………!」

 

 閉じているはずの括約筋が広げられて、その間を生暖かいものが通り過ぎていく。まるで便が逆流していくような異常な感覚。

 だが、愛撫によって柔らかかく解された肛肉が引き延ばされていく感触は微かな疼痛交じりの、快感にも似たものとして少女の脳内で処理されていた。

 後ろから見ると、幼気な少女の肛門が透明の粘体によって割開かれ、直腸の粘膜まで透けて見えている様が何とも淫猥であった。

 

 このスライム状の物体の正体は、ネーロが魔法によって作り出した疑似生命体であり、区分としては動像(ゴーレム)に近しいものであった。

 降霊術師(シャーマン)という魔法職を修めているものはその名の通り霊体を操る魔法を使用する。

 その魔法の一つに疑似的な霊体を魔力によって作り出す『創霊(エクトプラズム)』という技能が存在している。

 この人造の霊体は創造者の意志によって動かすことが容易であり、主に人形や像などに封入することで動像(ゴーレム)を作成するために使用されることが多い。

 

 つまりこのスライムもその応用の一つである。

 ネーロは風呂場のお湯に霊を吹き込むことによって自在に動くお湯の塊を作成し、今それをリオの肛門に潜り込ませているのだった。

 

 「だからね、このようなこともできるのだヨ。」

 「うっ、あぁっ………!お、お腹がぁ………………っ」

 

 パチン、とネーロが指を鳴らす。

 するとそれを合図としてリオの直腸内に充填されたお湯のスライムが蠢き始めた。

 創造主の命令に従い、お湯の塊がうねる。まるでそこに小さな手と舌が無数に生えているかのように、直腸の壁を内側から揉み解しなめしていく。

 スライムの素材は人肌よりも幾分か高い温度のお湯の塊である。温水マッサージを施されたリオの腸は内側から温められて程よい熱気を孕んだ。

 

 だが直腸内に異物があるということは体の反射に従って排泄運動が起きるのは必至だった。

 ぐるるる、と温められた腹の奥から腸が蠕動する音が響く。肛門が穴を開いてぷすぷす、と中身を吐き出そうとするが、スライムは創造者以外の命令に従う気はなく腸からは出ようとしなかった。

 リオが思わず腹部を抑えて身を捩る。

 

 「うん、辛いかい?ならこうしてあげよう。」

 「えっ!?あ゛っ、やぁぁぁっっ!!」

 

 再度ネーロが指を弾くと、今度は勢いよくお湯スライムがリオの肛門から飛び出した。

 ぶじゅるるるっ、と下品な音を立て飛沫をわずかに散らしながら透明の粘体がトコロテンのように少女の尻の穴から顔を出す。

 

 「ひっ、ひぁっ、ぁっ!だめ、これだめぇっ………!!」

 

 人前で排泄するという恥辱、抗えない排泄そのものの解放感。

 それを脳が処理するよりも早く、外に出たはずのスライムが再度直腸内へと急速に潜り込んでいく。

 ぢゅるるるるっ、と勢いよく納豆を啜るような音と共に直腸が満たされると、今度は間を置かずに再びスライムが飛び出していく。

 

 「ひぅ゛っ、んっ、ぃゃぁ………っ!!」

 

 排泄と浣腸。浣腸と排泄。

 お湯の塊が肛門括約筋をその柔らかさと温かさで持って何度もぐじゅぐじゅと擦過していく。

 自分の排泄口から湧きあがる充填の苦悶と解放の快感が幾度も脳を叩き、リオは泣きよがった。

 

 「あ゛っ、あぁっ、あうぅぅ………………っ!!」

 「気に入ってもらえたみたいで何よりだネ。じゃあ、スライム君とばかり遊んでないでそろそろボクの方も楽しませてもらおうじゃないか。」

 

 お湯のスライムに肛門と直腸を愛撫され、眼尻に涙を浮かべながらベッドの上に身を伏せるリオ。

 ネーロは、娘をいたわる父親のような優しい手つきで彼女の矮躯を抱き上げた。

 はぁはぁ、と息を荒くするリオの肌は既に快感と羞恥でピンク色に赤らみ、じっとりと汗をかいていた。純白の下着と桃色の肌とのコントラストが何とも艶めかしく男の眼を楽しませる。

 彼はそれを見てにっこりと微笑むと、少女の桜色の唇を奪った。

 

 

 

 そこからネーロの愛撫が始まった。

 男の指先はあくまで細やかに、そして優しく少女の幼気な矮躯の上を踊る。

 さながら皮膚表面から深部の異常を見つけ出そうと触診する医師のように慎重に、そして繊細にである。

 

 「はっ、ぁ゛っ♡ はぁ、ん………………っ♡」

 

 男の腕の中でリオはただでさえ桃色だった肌を更に紅潮させながら悶えた。

 彼の巧みな指捌きは否応なく少女の性感を探り当て、皮を一枚一枚剥いでいくようにそれをつまびらかにしていくのだ。

 

 羽箒の毛先で擽るように指先が、頬を頤(おとがい)を首筋を耳たぶをうなじを撫でる。

 肌の上に浮いた汗の球を掬うように、鎖骨や肩や二の腕を、あるいは乳房や脇腹、ヒップや太腿を滑っていく。

 その強いとは決して言えないもどかしいような刺激が繰り返され、リオの肌の感度を巧みに高めていく。

 

 そして頃合いを見て少しづつ愛撫に力がこもっていく。

 指の腹で擦るような動きから、五指と掌で包みこむような動き。

 ベビードールの上から、男の手が少女の形の良い胸丘を揉み解す。

 下着の生地の手触りの良さと乙女の乳房の張りのある柔らかさに相好を崩しながら、ネーロは彼女に快感以外の感覚を与えないよう、慎重に慎重にその双丘を揉みしだいた。

 

 男の指と手が蠢くとリオは切ない吐息を漏らし、その乳首を肌着の上にぷくりと浮きだたせた。

 その先端を男の指先がそっと摘まむとじぃん、と甘い痺れがそこから湧きあがる。リオは思わず首を反らして吐息交じりに喘いだ。

 

 「はぁっ♡ んんぅ………♡」

 

 ネーロの膝の上にリオの体が載せられ、背後から抱きすくめられる。

 愛撫の際、男に体を預けて腕の中にすっぽりと包み込まれるこの体勢がリオのお気に入りだと彼は知っているからだ。

 

 甘い花のような香りを立ち昇らせる少女のうなじにキスをしてから、ネーロは可憐な耳たぶを甘噛みし、耳穴に舌を出し入れして舐めしゃぶった。

 ぴちゃぴちゃ、と淫猥な水音が脳を犯すように反響しリオは背筋をぞくぞくと震わせた。

 

 下着の上からの乳房の愛撫はなおも続いているが、それだけで終わるものではなかった。

 ひとしきり胸の弾むような感触を味わった男の手の片方は、今度は反射的に閉じられている少女の太腿の間に伸ばされた。

 するり、と巣穴に入り込む蛇のような自然さで手が股の間に潜り込む。

 すでにしとどに濡れそぼっている女の秘所の愛液を潤滑油代わりに、男の指が陰部を擦りたてる。

 くちゅくちゅくちゅくちゅ………、とくぐもった粘着音が断続的に響くたびにリオは腰を震わせた。

 陰核と陰唇、女の性器から発生する熱い性感が少女の体を走る。ストッキングに包まれた足先の指が何かをつかむようにぎゅぅっ、と縮こまる。

 

 「あ゛っ♡ ゃ、ぁっ♡」

 

 半開きの口元から唾液の滴を零しながら少女が喘ぐ。

 男の指先が鉤状に先端を曲げ、その慎ましやかな陰唇の中に埋没していく。

 埋め込まれた指先を少女の狭隘な膣がぎちぎちと食い締める。初老の男の骨ばった指の節でも痛みを全く感じないほどにはその膣(なか)は愛液で潤っていた。

 

 絡みついてくる乙女の肉襞を掻き毟るように、男の指の腹が内外を前後する。

 ぐちゅぐちゅと音を立てながら重点的に責められるのは膣の前面であった。

 そこは丁度尿道の真裏であり、陰核の根元に当たる部分だった。膣内のざらついた襞を男の指が引っ掻くたび、伝播する衝撃がクリトリスを根元から焼く。

 それでいて男は手の平を巧みに使って陰核を上から挫るように刺激していた。粘土の小塊を丸く成型するように掌の下で姫豆が転がされる。

 深部と上部から与えられる快感がボルテージを上げ、リオは目の裏で火花が散るような快感を味合わされる。

 

 無論、これまでの愛撫の最中も彼女の直腸内に充填されたお湯スライムは運動を止めていない。

 宿主であるリオの肉体の意志とは無関係に、創造者の命令に従って何度も肛門を出入りして括約筋を擦りあげる。

 元がお湯の塊でしかないためその柔軟性は括約筋や皮膚を一切傷つけることは無い。むしろその温度で血流がよくなり健康的に解れているほどだ。

 だが現在の行動の主目的は直腸内のマッサージに移行していた。

 器用にリオのお腹の中をまさぐり、その温度を内蔵に染み込ませるように丹念に捏ねまわす。

 その刺激は主に直腸の前面、つまり膣側に集中していた。

 僅かな肉越しに膣が捏ね繰り回されていく。背後から膣洞が圧迫されると溢れ出た淫蜜がぐちゅちゅ………と膣口から絞り出される。

 腹の中に何本もの小さな指を突っ込まれて掻きまわされるような異様な快感にリオは悶え泣いた。

 

 「うーん、そろそろいいかナー。」

 「ふぅ、ぁ………っ!!」

 

 ネーロがリオの耳元で囁くように呟いた。

 彼の指は今や二本もリオの小さな陰唇に突き込まれていた。

 その状態でピースサインを作るように男の指が広げられると、みちみち…っ、と音を立てて入り口が広がり、肉色の内部が外気に晒された。

 リオに痛みは全くなかった。縮こまっていた肉を引っ張って伸ばされるような快感がそこにあるだけだった。

 ぽっかりと口を開かされた膣が喘ぐように奥の襞を蠕動させ、濁った白濁の愛液をどろりと吹き零した。

 

 「リオくーん。キミもココにもっと大きなものが欲しいんじゃないかナー?」

 

 ふぅっ、と少女の赤らんだ耳に息を吹きかけながらネーロがわざとらしく問う。

 指がじゅぽん、と滑稽な音を立てて引き抜かれると、開かされていた陰唇が何事もなかったかのようにくるまってその入り口を閉ざした。

 だが、その慎ましい肉ビラの奥からこぽこぽと湧き出る粘液は空腹を訴える唾液のようにも見えた。

 

 「あ………っ」

 

 きゅぅ、とリオが太腿を縮こませる。

 責め手を欠いた女の淫らな場所がどうしようもない寂寥感を訴えている。体の中に蓄積された火薬のような性感が最後の一押しを待って燻っていた。

 赤らんだ肌の上に男の指が焦らすように這わされる。抱きしめられる体、その背中に押し付けられている熱い昂りの事を意識するとごくり、と喉が鳴った。

 

 「………ぉ、………んぽ………………♡」

 「聞こえないヨ?」

 「お、おちんぽ………♡」

 「ボクのチンポをどうして欲しいんだい?可愛い子猫ちゃん(キティ)。」

 「………………♡」

 

 雄を求める、女としてあまりにはしたない懇願。

 それを口にさせられる恥辱がリオの脳裏を真っ赤に染め上げていく。

 氷色の瞳を涙も零しそうなほどに潤ませて少女が口を開く。

 

 「わ、私の………リオの、おマンコに、入れてください………♡」

 「ボクのチンポを、キミのマンコに入れて、それでどうして欲しいんだい?」

 

 リオは顔を真っ赤にしながら、泣き出しそうな目で背後の男を振り返った。

 ネーロは彼女の潤んだ目を見返して一層楽しそうに目元を緩ませた。彼は続きを促すように少女の唇に自分の指先を添えてゆっくりとなぞった。あまつさえわざとらしくグリグリと腰を少女の背中に押し付ける。

 待ちわびている男のそれ(・・)を意識させられる。リオの陰唇からごぷり、と白濁した本気汁が漏れる。

 

 「………リオのおマンコに、ネーロさんのおチンポを、つっこんで………………ぐ、ぐちゃぐちゃにして………っ♡ 私のどろどろまんこっ、ちんぽでぐちゃぐちゃにしてっ、おちんぽ汁びゅーってして、いっぱいイかせてほしいのぉ………………っ♡」

 

 眦を伝い落ちる涙は屈辱か、あるいは喜悦か。

 リオの淫らな懇願を聞き届けたネーロは「よく言えたね」と微笑んで彼女の頭を優しく撫でた。

 そして少女の小柄な体をひょい、と手品のように前後にひっくり返すと――――――躊躇なく、その魔羅で幼気な陰唇を刺し貫いた。

 

 「ひゃぁうぅぅぅっ!!」

 

 首輪を巻かれた喉を晒しながらリオが背筋を反り返らせる。

 待ちかねた男の肉棒による女の園の蹂躙。少女の痴態を眺め続けてきたこともあり、男のそれは初老にも関わらず、在りし日の猛りを取り戻したかのような雄々しさに満ちていた。

 さぞや女遊びに慣れているのだろう淫水焼けで黒ずんだ肉竿がその硬さを知らしめるようにリオの陰部を串刺しにする。

 

 濁った愛液でドロドロになっている雌肉を熱くて硬い雄が一息に掻き分け、押し広げていく、自分の体が引き裂かれるような快感。それが奥まで届き、子宮口までめり込んでいく。

 その感触に襲われた瞬間、リオは軽い絶頂を極めた。

 

 「―――――――――………っっっ♡」

 「おやおや、入れただけでイってしまったのかい?」

 

 ぎちぎちと膣肉で肉竿を味わうように食い締めて、縋るように男の体に抱き着く。

 目の奥にハートマークが浮かぶような蕩けた表情で男の腰に足を絡ませる。汗に濡れた矮躯を初老の男の細木のような体に擦りつけて続きをねだる様は、さながらサカりのついた猫のようだった。

 

 「うんっ、イったのっ!おチンポでイったのっ♡ イかせてっ♡ もっとおマンコイかせてぇっ♡」

 

 はぁはぁ、と涎を垂らすような飢えた女の表情(かお)。

 肉棒に奥まで刺し貫かれた腰をかくかくと揺すって男に媚びる。その腰振りで発情マンコがぐちゃぐちゃと勃起チンポと擦れ合ってリオはゾクゾクと背筋を震わせた。

 

 少女のおねだりが心に響いたのか定かではないが、ネーロは一旦その場に横たわった。

 リオは彼の腰の上に座り込む体勢。体重をかけられる体勢になったことで男の肉棒が一層深く子宮にめり込んだ。

 下腹の奥から、体の芯が甘く蕩けていくような圧迫感にリオは身を捩らせて悶え泣いた。

 

 「んんっっ………♡」

 

 きゅんきゅんと子宮が甘く疼く。初老の男の肉勃起をお腹の奥で咥え込んで味わうのもつかの間、寝そべったネーロが下からその腰を突き上げる。

 どちゅんっ、どちゅんっ、と杭打機のように肉棒が少女の陰唇に突き込まれていく。

 リオが腰の上に跨っていることもあり、黒ずんだ雄の勃起が幼気な少女の性器の口をみっちりとこじ開けている様も、そこが体液の飛沫を撒き散らしながらまぐわっている様もネーロからはよく見えた。

 その淫らな様を見て一層興奮した彼は年甲斐もなく大いにその腰を振るった。まるでトランポリンのようにベッドの反発力をうまく使った腰遣いは老練の技とも言えるだろう。

 

 「あっ♡ あ゛っ♡ あんっ、んっ♡ ん゛ぁっ♡」

 

 男の腰遣いは実に巧みなもので、ただ単に下から突き上げるだけでは無論なかった。

 ある時は少女の腰を掴んで軽く浮かせ、入り口周辺を執拗に掻き毟ったかと思うと、一息に落として奥まで抉りぬく。

 あるいは互いの腰をがっちりと密着させながら臼のように擦り合わせる。

 または腰の動きはほどほどに、自分の上に座り込む少女の体に手を伸ばし、愛でるかのようにその体を手と指で撫で回した。

 

 男が腰遣いを変える度にリオは入り口近くのGスポットを掻き毟られ、子宮口を捏ねまわされながらクリトリスを陰毛で擦られ、体幹への愛撫で忘れかけていた別の性感を呼び起こされた。

 巧みなテクニックに翻弄され次から次へと体に注がれる快感にリオは嬌声を上げながら咽び泣いた。

 

 それを特に楽しんでいたのは彼女を悦ばせているネーロであった。

 人形のように見目麗しい少女が雌の快楽に飲まれて身を捩り喘ぐ様の何と美しいことだろうか。

 淫猥な色彩の照明に照らされながら長い髪が千々に乱れ、汗に濡れた玉肌に張りついている。

 淫らな汗に濡れて赤みの差した肌と白く愛らしい下着のコントラストはある種の芸術性さえ感じさせた。

 快楽に潤んで涙の滴さえ浮かべている冬空色の瞳、桜色の唇から漏れ出る蕩け切った喘ぎ声。

 それを演出しているのは自分なのだと思うと、ネーロは心中の黒い欲望が満たされる充足感を覚えざるを得なかった。

 

 「あっ!? ………あっ、ぁっ♡ んぁぁ゛ぁ………………っ♡」

 

 リオが突如背筋を丸めてぶるぶると震えだし、下腹を押さえる。

 その際バランスを失ってしまい、上半身がぺたんと倒れ込んで男に抱き留められた。

 男に抱きしめられながら、リオは甘ったるいすすり泣きを漏らした。

 

 その異変の正体は彼女の腹の中だった。

 腸内を占有し肛門から直腸までをずっと愛撫してきたお湯スライム。

 それらはここに来て活動を再開し、その矛先を直腸の奥の方に向けた。丁度それは膣の裏側であり、子宮口の近辺に当たった。

 男の陰茎とスライムの二つに挟まれてグリグリと圧迫される膣が悦びの火花を散らせる。

 

 特に二重に責め嬲られる子宮口の快感は凄まじいものだった。

 腰の奥から体が溶かされてしまいそうな快感。体勢を崩さずとも腰が抜けていただろう魔的な喜悦が、体を内側から焙ってリオは見悶えた。

 

 「あふぅ………っ♡ んぁ、あぁぁっ♡ イくっ、イくうぅぅ………っ♡」

 

 既に男の腰遣いにメロメロに蕩かされていたリオの体にはこれがトドメになった。いや、これはむしろここまで意図的に持ってきたネーロの狙い通りというべきだろうか。

 ともあれリオはその矮躯を寝そべる男の体に摺り寄せながら絶頂の予感に身を震わせる。

 無意識のうちにより快楽を求めるように、勃起した乳首を胸ごとつぶすようにして男の胸板に押しつける。

 

 ネーロはより一層奮起して腰遣いに力を入れる。

 少女の細腰をがっちりと掴み、何度も何度も少女の淫らな肉壺を抉り抜く。

 その陰茎の一挿し挿しがリオの膣内の性感帯を正確に捉えていた。

 雁首のエラが敏感な膣襞を掻き毟り、亀頭が解れた子宮口に突き刺さる。

 直腸から膣を揉みしだくスライムとの連携もあり、急速にそして綿密に積み上げられた快感が頂点に達し――――――ついにリオの脳内ではじけ飛んだ。

 

 「あぁぁ゛っ、イくっ♡ おマンコっ♡ おマンコ、イくぅ………………っっっ!!!!!」

 

 卑猥な言葉を口にしながらリオは男の腕の中で体を跳ねさせた。

 びくんっ、びくんっ、と電気を流されたように何度も何度も体が痙攣する。

 半開きの口からぽたぽたと唾液を垂れ流しながらのあられのない、淫らな雌の表情(かお)を晒しながら、少女は体がぐずぐずに蕩けるような絶頂感に耽溺する。

 たっぷりと体を高めさせられてからの絶頂は、深く彼女の心を飲み込んでいった。

 

 「んっ♡ ん………っ! ん………っ♡ きゃうぅ――――――っ♡」

 

 甘ったるい中イきを味わっていたリオだが、さらにもう一度絶頂の高みに押し上げられた。発情した猫のような喘ぎ声が喉から上がる。

 子宮口を下から押しつぶすように突き込まれていた男のペニスが白濁した精液を解き放ったのだ。

 胎内に広がるじんわりとした温かさ、それが雄の孕ませ汁だと理解した雌の子宮がきゅんきゅんと甘ったるく震えた。

 その快感に身を戦慄かせている間に、もう一か所から襲ってきた快感がリオから法悦の声を絞り出させた。

 

 「あ゛っ、あぁっ!!だめっ♡ だめぇえぇぇぇ――――――っっ♡」

 

 否定の言葉もいまや甘ったるく、婀娜っぽい。

 お湯スライムが肛門を割開いて、少女の意志を無視して飛び出ていく。

 ご丁寧なことに体に節を作るように成型されたスライムは、その節々で幾度も括約筋を擦りあげていった。

 それなりの長さのあるアナルパールのようになったスライムが躊躇なく一息に菊門を掻き抉り、リオは恥辱的な排泄絶頂を味合わされる。桃色に爛れた排泄孔がヒクヒクと痙攣し、凌辱の味を反芻する。

 

 「………………っっ♡ ………………………っっっ♡♡」

 

 立て続けに味わった絶頂感の余韻に総身を震わせる。

 少女が自身の体にしがみついてその甘い熱に体を戦慄かせている間、ネーロはその熱を冷まさないように、優しく、あくまでも優しくその体を撫で続けていた。

 

 

******

 

 

 イきまくってからしばらくの間、具体的にはまともな思考力が戻ってくるまでネーロから後戯を受けた。

 彼の手と唇でたっぷりとあやされた後、自分の意志で首輪を外す。

 ………すると、途端に汗みずくの体で密着しているのが鬱陶しく感じられた。薄情なものだ。

 

 「ん………っ、はぁ………っ♡ もう、いいでしょう………?」

 「おや、つれないネ。」

 

 体の奥が熱く、体の芯が甘怠い。

 息をすると何だか自分の吐息さえ甘ったるいように感じられた。

 強烈な絶頂の味は全身を砂糖漬けにしながら毒付けにするみたいに、心地よくて破滅的だった。

 体をだらん、とベッドのシーツの上に投げ出すと温度差が冷やっこくて気持ちよかった。自分がどれだけ火照っているのかよくわかる。

 

 散々にイかされてからしばらく経ったが、まだその余韻が残っているようだった。

 ネーロは後戯も丁寧で念入りでセックスそのものだけでなくその余韻までばっちりと味合わせてくれる。

 キムロのように若さと体力にあふれたセックスや、ラストルのように優しいセックス、ガーノンのように趣味に突っ走ったセックスと色々なセックスがあるが、こと技術に関してはネーロが一番だろう。

 

 「キミは………。」

 「ん、どうかしましたか?」

 

 ベッドの上に大の字になってぼうっとしていると、同じく横になっているネーロと目が合う。

 皺が目立つ中年のおじさんの顔だ。

 だが、太ってもいないし痩せすぎてもいない適性の体形を維持しているし、鼻筋は整っていて口髭も綺麗なものだ。顔は皺が目立つがそれも愛嬌のうちといえた。

 いわゆるナイスミドル、というやつなのだろう。『こういう(・・・・)大人になりたい(・・・・・・・)』と思わせる綺麗な年の取り方をしたものだと思う。

 

 その彼はシーツの上に広がった私の髪を一房手に取って弄りながら質問してきた。

 

 「キミは………なんていうのか、首輪をつけると少しキャラが変わるネ。」

 「………………まぁ、えぇ。そうですね。」

 

 彼の言葉に生返事しながら私はシーツの上に転がしていた赤い首輪を手に取った。

 なんとなくさっきまでそれを巻いていた自分の首元をさする。

 ………外すと少し首(・)元(・)が(・)寂(・)し(・)い(・)な(・)、などと思ってしまう。

 

 「首輪をつけたキミはさながら愛らしい子猫ちゃん(キティ)。しかしていつもの、そして今のキミは至って奔放な山猫(リンクス)だ。………………果たしてどちらが本当のキミなのだろうね?」

 「………今更気にすることですか?」

 「今だから聞けること、かナ?」

 

 ピロートーク、という奴だろうか。

 彼の表情は好奇心たっぷりといった顔だ。

 なので、こう返すにとどまった。

 

 「別に、どっちも私ですよ。」

 

 くるくると指先で首輪を回しながらそう独り言のように呟いた。

 人間、誰だっていくつもの側面(ペルソナ)を持っていて使い分けているものだ。

 私だって、そうだ。

 

 「―――――――――あぁ、でも………。」

 

 首輪をぼうっと眺めながら思い返す。

 子猫のようなあるいは飼い猫のような自分は、あの人(・・・)との思い出でもある。

 今でも思い出すたびに胸の奥が締め付けられる。美しいとは決して言えないけれど、それでも大事な私の記憶。

 熱くて焦がれるような、深くて溺れるような、『私』が『私』になった………一春の思い出………。

 

 「でも――――――どうしたんだい?」

 「いえ、何でもないですよ。――――――ただ、お酒を切らしていたな、と思いまして。」

 「ふむ。どの種類だネ?」

 「『モント・ブランカ』です。」

 「あれかー。結構高いしレアなんだけどネー。もう飲んじゃったのかー。」

 「探しといてもらえません?お金は払いますので。」

 

 自分の考えに没入する前にネーロが口を挟んできたので適当に応えておく。

 ちなみに『マウント・ブランカ』はこの前キムロと一緒に二本も空にした白ワインだ。

 あれは結構なレア物で、この前買うのにもネーロの伝手を使った。今回も彼の世話になる。お金はこっちが出すけど。

 

 「ふーむ。他ならぬキミの頼みなら………ネ。」

 「ちょっと、ひゃんっ♡」

 

 思わず黄色い声が出てしまったのは彼がまた私の体に触ってきたからだ。

 相手に警戒心を微塵も与えない、素晴らしく滑らかで自然な手つきで尻を触ってくるその技術は熟練の助平である。

 

 「あっ、ちょっ、そこ………っ♡」

 「ちゃんと休憩もしたからね。そろそろ第二ラウンドと行こうかと思ってね。」

 

 そう言いながら彼の指先が私の尻の間………お尻の穴にぐっ、と埋め込まれる。

 そこは彼の創霊(エクトプラズム)スライムに散々解されたせいですっかり敏感になってしまっている。

 熱くて痒くて、そして恥ずかしいところに指が突き込まれて体がぎゅっと強張る。

 でも燻火のような性感が残る体は早くも新しい快楽の予感に昂り始めていた。

 お胎の奥が熱くなって、つい彼の指を括約筋で締め付ける。その感触を脳裏にまざまざと描いてしまう。

 

 「ん………っ♡ で、でも………まだ、そっちは半勃ちじゃないですか………っ」

 「それは………これからキミが勃ててくれるということで。」

 

 私の方にまだ項垂れたままのペニスを差し出してくるネーロ。流石の彼でも回復力は年相応のようだ。

 私はしばらく唸った後、手淫で彼の勃起を手伝ってあげることにした。

 

 (んー、これは後でアナルセックスかなー………♡)

 

 口には出さずにそう考えながら彼のペニスを手で扱く。

 これが勃起して私の尻の中に突き込まれることを想像すると、思わずクリトリスが勃起した。

 やっぱりスライムだけでは物足りない。私の体はもっと熱くて硬いものを入れてほしくて仕方がないのだ。そこが前であれ、後ろであれ。

 

 どうやら首輪があるにせよないにせよ、私の性癖が根本的にマゾヒストであることには変わりがないようだった。

 その事が――――――あの人(・・・)との繋がりがまだ自分の中に残っているようで嬉しくて、でも少しだけ申し訳なく(・・・・・)感じた。

 

 

 

 




『降霊術師(シャーマン)』
職業の一つ。魔法職。条件を満たすことで契約した魔物を霊体として呼び出して使役する。魔法の使い方は主に三種類。
召喚(サモン):召喚した霊体を直接ユニットとして使役する。ものによっては戦闘の他にも冒険・探索などに役立つ能力を持つ者もおり、汎用性は非常に高い。ただし召喚した霊を維持する分の魔力(MP)は送還しない限り回復しないため、多数の同時召喚時や術者自身が戦闘に参加するときなどには慎重な扱いが求められる。
憑依(ポゼッション):呼び出した霊を物品や人間に取り憑かせることでステータスを変化させる。どのような変化が生じるかは召喚霊によって異なる他、媒体の相性によって効率や持続時間にも差が出てくる。主に前衛と兼任する『魔法戦士』型の降霊術師(シャーマン)が多用する。憑依合体とかオーバーソウルとか言えば大体あってる。
創霊(エクトプラズム):霊を呼び出すのではなく、魔力によって疑似的に作り出す魔法。創造された霊の能力自体は低いが、非常に扱いやすい。消費の安い即席の戦闘ユニットとしても使えるが、人形などに込めて動像(ゴーレム)を動かすために使うのが一般的。自我を持つ召喚霊は媒体内に留まるのに時間制限があるが、創霊(エクトプラズム)は自我がないためほぼ無制限とされる。
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