その時を境にしてリオは変わった。
あるいは壊れた、と言うべきだろうか。
「あっ♡ 旦那様、お帰りなさい♡」
「……あぁ、帰ってきたよ。リオ、良い子にしていたか」
「えへへ……♡」
いつものように鉄格子を潜って地下牢に入ってきたヨアヒムに、リオは自らすり寄った。
じゃらり、と音を鳴らす首輪と鎖を気にした風もなく彼に甘える姿はさながら
尻尾でもあれば、それを振って出迎えていただろう。
ヨアヒムはそれを当然のような表情で受け入れて彼女の頭を撫でた。
掌に納まる小さな頭。指の中で水のように滑る美しい金の髪。
撫でられるがままのリオは童女めいた顔立ちに屈託のない――――悩み一つない子猫のようなあどけない笑みを浮かべた。
「ん♡」
「ん、だけじゃわからないぞ」
「旦那様、意地悪。………ちゅー、して♡」
「わかった。ほら、顔上げろ」
「んっ……♡」
目を閉じてキスをせがむ姿は小さな子供か、あるいは餌をねだる小鳥のようだ。
頭一つほどの身長差がある二人の口付けは実際、大人と子供が戯れるような構図だったかもしれない。
だが最初は口先を啄み合うようなバードキスから始まったそれも、ほんのわずかな時間も経たないうちに淫らな深い口づけに変わっていく。
くちゅくちゅ、ぐちゅぐちゅ、と唾液を混ぜ返す粘った音。はぁ、と湯気が立つほどに熱い二人の吐息が混じり合う。
男の首に腕を回しながらしなだれかかるリオの裸身はもう既に甘酸っぱい汗に濡れていた。
上気したような朱色が差す、眩いほどに白い肌をむずがるように目の前の主人に擦り付ける。
ヨアヒムはそれに応えるように、唇を離さないままに抱きしめた。
小さく華奢で、柔らかくて愛らしい少女の矮躯は彼の腕の中にすっぽりと納まる。
愛おしさが込み上げてきてぎゅっと力が籠るが、リオはそれを喜ぶように小さく身を震わせた。
「……キス、好きか?」
「すき……♡ ちゅーするの、好き♡」
「オレの事は……?」
「だいすき、あいしてる♡♡」
「オレもだ。……愛してる」
「ん♡♡ 私も……♡♡」
「大好きだ。愛してる。本当に可愛いなお前は……」
「もっとぎゅってして……旦那様にぎゅってされると安心する……♡♡」
「あぁ、ぎゅーだけじゃなくて、ちゅーもだろ……?」
「んっ♡♡♡ ちゅー……♡♡♡♡」
濃厚なキスの合間に、囁き合うような睦言を交わす。
吐息交じりの二人の言葉は砂糖漬けになっているかのように甘い。
その一方で両者が絡み合う姿はどうしようもなく淫靡なものだった。
はぁ、はぁ、と荒い息を吐きながら男を見上げるリオの瞳は焦点に霞がかかったようにぼやけて熱く潤んでいる。
うなじに滲む汗は甘く香り立ち、上気した頬は熱に浮かされたように赤い。細い頤を唇から零れた涎が伝う。
見れば既にミルクプリンのような乳房の先の、さくらんぼのような乳首が色付いて勃ち上がっているのがわかるだろう。
男の体に裸身を摺り寄せる行為はさながら健気な自慰行為だ。
黒革の貞操帯を今も履かされている下半身、その内腿を溢れ出た女蜜が伝う。
「そんなに我慢できなかったのか?」
「ん、ぁっ♡ ごめんなさい……♡♡」
「……淫乱め。どうせ、オレがいない間に一人でへこへこ腰を振っていたんだろう?」
「で、でも……
「言い訳するな。……どうやら今日も、変態ペットにはキツいお仕置きをしてやらないといけないようだな……」
「……っ♡♡♡」
お仕置き、とその言葉を聞いた瞬間リオの背筋が
張り型付きの貞操帯でじっくりと焦らされ続けた秘部。中のその熱さを訴えるように、形の良いヒップをくねらせる。
少女のその顔は怯えるようにも慄くようにも見えて――――その実どうしようもなく悦んでいるようにしか見えない、そんななんとも婀娜っぽいものだった。
すっかり雌奴隷さながらに墜ちきった表情で、リオは愛して止まない
「リオは旦那様がいないとお股をぬらしてついついオナニーしちゃうド変態マゾ
******
ざり、と乾いた音がする。
粗末な作りの
座ったものが手足を傷めないようにという最小限の配慮しか感じられない何ともしなびた敷物だが、それ故にそのみすぼらしさがこの地下牢には似つかわしかった。
犬か猫にでもあてがうようなそ造りのそれは、そこに這いつくばるものに自らの立場を思い知らせるような雰囲気があった。
「はっ、はっ……♡♡」
そして――――そこにリオは丁度動物のように四つん這いの姿勢を取っていた。
本人も知らず漏れ出る荒い息は発情した犬猫のようだ。……いや、『ようだ』などという言葉を使うまでもなく、その身を昂らせているのは明らかだった。
後ろに突き出すようにされた尻。剥きたての卵のようにつるりとして、それでいて桃のように色付いているその合間から覗く陰部は漏れ出た淫らな蜜に濡れ光っていた。
今日も貞操帯の張り型に嬲られ続けた肛門と膣孔は、久方ぶりに触れた外気の冷たさと抜き去られた責め手を無意識に焦がれてひくひく、と妖しく蠢いていた。
綺麗な臀部の谷間の菊門は充血したような赤色に爛れ、リオの呼吸に合わせて弛緩と収縮を繰り返す。そうして緩く口を開いた瞬間、ほんのわずかに腸液に濡れる内臓が垣間見え、カと思えば恥じらうようにきゅっと括約筋が締まってその姿を隠した。
視線を降ろせばその下にあるのは淫らな雫を垂らす女陰である。慎ましやかな縦筋を思わせる陰唇は今や、中に湛える愛液に満たされている様を示すように内側から綻び、いやらしいピンク色の肉襞をその表に覗かせていた。
陰唇の上端、彼女を背後から見ているものにとっては下端、そこには既にぴんと勃ち上ったクリトリスが自らの大きさで包皮を捲りあげていた。
貞操帯の黒革の下に押し込められていたその快楽神経の塊は人の手で扱いて欲しがっているかのようにも見えた。
そしてその表面に陰唇から伝ってきた愛液が纏わりつき、しばらくしてから糸を引きながらぽたりと
「ひゃんっ♡♡」
その瞬間、パァン!!という大きな音が立つ。
空気が弾けるような破裂音。或いは乾いた拍打音。
音源はリオの臀部であった。
彼女の白い尻の表面に興奮によるものだけではない、鮮やかな朱色が差している。
――――パンっ!!
「ひぅっ……♡♡」
「――――何を嬉しそうにしているんだ」
もう一度強い音が鳴り、臀部の朱色が深くなる。
そしてヨアヒムの酷薄なそれでいてどこか興奮したような声がリオに掛けられる。
彼の手に握られているのは鞭であった。
黒くて細い柄に、平たく薄い革帯のような物を多数束ねたような造りの――――俗にバラ鞭と言われる類のモノである。
この鞭は外見こそ物々しいが衝撃が分散しやすい造りになっているため痛み自体は大したことがない。
だが、その代わりに音は大きく派手であり、打たれた者に「鞭打たれている」という自覚を与えるには十分に過ぎる。
「んっ♡ くっ♡」
「こうやって尻を叩かれて、喘いで……そんなにこれが気持ち良いのか?」
「あ゛っ♡♡♡ ご、ごめんなさい……っ♡ いやらしい子でごめんなさ、きゅふっ♡」
パンっ、パンっ、と無情な尻打ちの音が地下牢に木霊する。
そして、その度に鞭打たれているリオは甘い声を上げて喘いだ。
尻に朱い色を刻まれていくたびに、尻穴はきゅっと空気を甘噛みするように窄まり、女陰からは新しい蜜が絞り出されて滴った。
明らかに鞭で打たれて感じている証拠である。
鞭の衝撃は尻を介して下半身全体に伝播する。
そうして尻穴と膣に衝撃が伝わり、疼きに疼いている二つの孔は自分が嬲られていると感じてはしたなくも喜びの声を上げるのである。
……そして何よりこの状況。
愛おしい人の前で動物のような無様な四つん這いを晒し、その尻を罵声交じりに鞭打たれるという被虐的な状況こそが、何よりもリオの脳髄を被虐的な興奮で犯すのである。
もう彼女はそうしてヨアヒムの前に屈従することに興奮するような性質を植え付けられてしまった。
そうなってしまったのである。
「きゃうんっ♡♡ きゅふぅんっ♡♡」
打擲の音に合わせて首輪から垂れた鎖がちゃりん、ちゃりん、と音を鳴らし、長い金糸の髪が薄暗がりの中に翻る。
赤く腫れた尻がくねくねと艶めかしく、あるいは無様に揺れる様は許しを乞うているのか、或いは誘っているのか。
鞭を打たれて嬌声を上げる様は正しく奴隷――――いや、それ以下の雌奴隷の有り様だった。
ただの奴隷では鞭を振るわれて股を濡らすような醜態は晒すはずもないだろう。
「もっとだ、もっと反省しろっ!鞭で叩かれて気持ちよくなるいやらしい雌ですって謝れっ!!」
「んくっ♡ ごめん、なさいっ♡♡ おしりっ♡ おしりっ、むちでたたかれてっ♡♡ きもちよくなっちゃうへんたいでごめんなさいぃ……っ♡♡♡♡」
「ああそうだっ!お前は変態だ!変態だからオレがこうやってわざわざ躾けてやってるんだからなっ!!感謝しろっ!!礼を言えっ!!」
「ぁ、ぁっ、ありがとうございますっ♡♡♡ だんなさまありがとうございますぅっ♡♡♡ だいすきぃっ♡♡♡♡」
「…………っ!!」
少女に鞭を振るいながら、ヨアヒムは僅かに苦い表情を浮かべた。
一瞬の間に幾つもの彼女の姿が脳裏を走る。
初めて会った時のどこか怯えた顔、食事を取るときの綻んだ笑顔、自分と話すときの何処か呆れたようで楽しそうな表情、一人肩を抱いて震えていた時のこと……。
走馬灯のように過ぎるそのイメージが、今目の前で喘ぐ彼女の淫らな現実に押しやられていく。
人形のように愛らしい
(……それでいい、それでいいんだ。オレが、そう選んだ)
奥の方で響く胸の痛みを無視しながらヨアヒムは自分自身にそう言い聞かせる。
《《あの日の夜)》の獣の牙を首筋に突き立てられているような恐怖と、狂ったような哄笑と血飛沫の幻影を振り払えるのなら何でもよかった。
リオが、
「リオ……」
「はぁっ、はっ、はぁ……っ♡♡」
いつしかヨアヒムは鞭を振るう手を止めていた。
思考に没頭しすぎていたようだった。
二人の荒い息が薄暗い空間に木霊している。
何度も鞭で叩かれたリオの臀部はすっかり紅葉のように色付いて腫れていた。
見れば背中や太腿にも鞭の痕が痛々しく残っている。
その充血したような赤い色を見ているとヨアヒムは頭の奥が痛むような気がしたが、それは努めて無視をした。
リオは力尽きたように倒れていた。
四つん這いになる体を支えていた両腕は崩れ、さながら
金糸のように光沢のある長い髪が荒い床の上に散らばっている様は、さながら荒らされた宝物庫のような無情さを湛えていた。
そんな状態でありながら、尻だけは掲げるように挙げたままだというのが何とも憐れだった。
「……だんな、さま……♡♡」
だが、そんな中でちゃらら、と鎖の音がする。
リオが後ろへと小さく首を向けた音だ。
あどけなささえ感じる愛らしい顔、その頬を赤く染めながら睫毛を震わせて背後の
は、は、とか細くも逸るような呼吸音はまるで盛りのついた動物のようだ。
蕩けたように潤む
熟れた桃のような色合いの尻が誘うように、媚びるように踊る。
華奢さと瑞々しさを両立する美しい太腿から尻にかけてのラインが、娼婦の踊りのように緩やかにくねる様は何とも例えようもなく淫靡であった。
「リオ……」
それを見て、改めてヨアヒムは自分の股座がいきり立つのを感じた。
本当は此処に入ってきた時から勃起していた剛直。その昂りを再度意識した今、スラックスの内側では彼の雄がはち切れんばかりの怒張を見せていた。
だがそれはあくまでも《《表れ)》の一つだった。
彼の中に沸々と込み上げてくる劣情、その表れの一つの形に過ぎなかった。
土下座のような姿勢で粗末な敷物の上に突っ伏して、尻を突き出して
その犯罪的とさえ言える絵面に、酷く嗜虐的な衝動が胸の内に湧いてくるのをヨアヒムは感じていた。
目の前にあるものを無茶苦茶にしたいという攻撃的な欲望。自分一人のモノであるという証を刻み込みたいという独占欲にも似た気持ち。
愛らしく無垢なものをこそ自分の手で踏み躙って汚したいというどうしようもなく下劣な情動。
それらは彼が自らを紳士たらんと戒めていた中で抑え込まれていた、
そしてそれは同時に彼が嫌う、彼自身の父親から受け継いだ忌まわしい遺産の一つであった。
「仰向けになれ」
「んっ……♡」
「上を向いて寝て、自分の手で股を開くんだ。オレによく見えるように」
「は、はい……っ♡♡」
命令を下す声は刃のように硬質な響きがあり、それでいて隠し切れない興奮に満ちていた。
そして命じられた側のリオはそんな高圧的な態度を取る主人に媚びへつらうような、卑しくも甘い笑みを浮かべて体を横たえた。
金色の絹糸のような髪が汗に濡れた少女の裸身に絡みながら、乱れたように床に広がる。
服従の姿勢を取る犬のように腹を見せて横たわったリオは、続いて言われた通りに手を脚に添えて自ら股を開いた。
「ふぅ、ぅ……♡♡」
「……もっとマンコを突き出せ」
「は、いぃ……♡♡」
すらりとした両脚をはしたなくもMの字に大きく開いた下半身、その間の股座に秘されるべき女の淫らな花が咲いている。
催促されたように陰部ごと前に突き出すようにして晒された陰唇は、すっかり綻んでとぷとぷと蜜を零していた。
今も見られて、曝け出すことに興奮しているのか、
その上橋のクリトリスに至っては包皮を完全に剥きあげてひくひくと震えている。リオの手が自由になっていればたまらず扱きあげて陰核絶頂を貪っていただろう。
(見られてる見られてる見られてる見られてる見られてる見られてる……♡♡♡♡♡)
こうして自らいやらしい姿勢を取り、それをじっくりと視姦されるのはリオにとって堪らない毒だった。
他人の眼は
以前に姿見の前で犯されて以来、自分で自分の姿を意識することはリオにとって欲情の
自らの淫蕩さを客観的に認識して、自らを辱めることで興奮する性質……つまりは
彼女がそういったモノに目覚めてしまったのも、このような状況下では仕方がなかったと言えるだろうか。
「だんな、さま……♡♡」
ぽつりと零れ出た、濡れた声の呟き。
親しい友人、あるいは愛おしい恋人。
……そう思っていた相手に屈服し、屈従したことを示すようなその呼び名を口にすること自体が、リオにとってはいまや興奮を煽るスパイスでしかなかった。
被虐の悦びがぞくぞく、と背筋を震わせる。それは背骨に蜂蜜と猛毒をぶち込まれたような、甘ったるくて骨が溶けそうな愉悦だった。
――――そして、ひゅっ、という風切り音が彼女の耳に届く。
「ひんっ♡♡♡♡」
身が
曝け出された急所を鞭で打ち据えられ、その衝撃にリオは目を剥いた。
手酷い仕置きを受けた陰部がひくひくっ、とその実を震わせる。
中から吹き零した果汁は涙のようだ。主人からの折檻を受けてはらはらと泣き崩れる。
だが、
「イったな。変態め」
「は、はい……♡」
「腰を引かせるな、もっと前に出せ。鞭で打ちやすいようにだ」
「はい……っ♡♡」
「礼はどうした」
「ぁ、ありがとうございます……っ♡♡♡」
リオがそこに感じたのは痛みだけではなかった。
じんじんと打ち据えられた敏感な部分が熱を持って疼く。
それは苦痛のようでもあったが同時に埋火のようにじりじりと身を焼く官能のようでもあった。
いや、どちらにせよ同じことなのかもしれない。
痛みと快感は事ここに至っては垣根などない。
痛みは被虐であり、被虐は倒錯して快感になる。
貶められているという事実、汚されているという事実、それ自体が興奮の材料になるのだから。
じんじんと赤く充血する陰唇と姫豆を言われたようにぐっと前に突き出しながらリオは卑屈な笑みを浮かべた。
一瞬痛みに竦んで引けてしまった腰を、鞭の前に捧げるように開く。
呼吸のリズムに合わせるように蠢いて収縮を繰り返す淫穴がくちゅり、と誘うような粘った音を立てる。
「あ゛っ♡♡ んっ゛♡♡♡ きゃぅん♡♡♡」
それから再度、何度となく鞭の音が響いた。
パン!!パンっ!!と弾けるような音と共に幾筋もの革帯が少女の雌の部分を叩く。
その度にリオはか細い悲鳴を上げた。ただそれは悲鳴と呼んで良いものだったかどうか。
桜色の唇を綻ばせ、頬を林檎のように赤く染めてあげる甲高い鳴き声は発情した猫のような嬌声だった。
陰唇と姫豆を激しく嬲る衝撃はそのまま彼女の下半身全体を揺らした。
時折逸れる鞭が下腹を叩けばその下の子宮までもが被虐の悦びできゅん♡と震えた。
かくかくと不随意に震えてぶれる腰を手で押さえながら、捧げるようにして
「ひゃ゛ぅっ♡♡♡ ぁぃ、あ゛りがとうっ゛♡♡ ございま゛ひゅっ゛♡♡ だんなひゃまぁっ♡♡♡」
リオは壊れたレコーダーのように、
びくんっ、びくんっ、と何度も痙攣するように背筋が反ってその官能を示す。
絶え間なくぐびゅぐびゅと吹きこぼれる愛蜜は最早白く濁っていた。鞭の革についたそれが、時折びちゃりと飛び散って雌の臭いを辺りに振りまいた。
はぁ、はぁ、と荒い息を吐く少女。瞳を潤ませながら主人の鞭に身を晒す姿は健気とも見えたが、その本質は卑しい快楽を
「だんなさま、しゅきっ♡♡ い、っ、い゛ぃぃんっ♡♡♡♡」
そんな彼女を懲らしめようと一際強い一打が叩き込まれた。
ばしぃぃん!!という暗闇の中に尾を引くような長く大きな音が立つ。
敏感になり果てていた淫芽を強かに打ち据えられたリオはその瞬間に達した。
雷光のような衝撃が股座から背骨を伝って脳を炸裂させる。意識が痛烈な白い光に呑まれて弾け飛ぶ。
びくんっ♡と全身が強く強張り、背筋が仰け反って一瞬ブリッジのような姿勢を作る。
やがて体の緊張が解けると糸が切れたかのように彼女の腰が落ちた。
ぜぇ、ぜぇ、と荒い息に合わせて滑らかな腹筋が上下する。あまりに脱力しすぎたのだろうか、股座からちょろちょろと体液を溢れさせているがそれを気にも留めることも無かった。
「はぁ、はぁ、はぁっ……、リオ……っ」
絶頂の余韻に体を痙攣させながら横たわる愛おしい少女を見下ろして、ヨアヒムはスラックスを降ろした。
そうして露出したのはガチガチに硬く立ち上った陰茎だった。
下着の中が余程窮屈だったと言わんばかりの威容であり、今も血管がビキビキと脈動してその怒張を一層強めていた。
先端部は既に溢れだした先走りの汁でぬるぬるにぬめっている。鈴口近くでなどは白濁している有り様だ。
そして彼は――――それを自分の手で扱き出した。
「リオ、リオ……っ!!」
今此処で挿入する気はなかったが、彼自身の興奮はもう限界に達していた。故に一旦《《処理)》する必要があったのである。
幸いながら自慰の為の
鞭打ちという拷問で倒錯的な絶頂を迎えたリオの瞳は今もまだ何処か焦点があわずにぼんやりとしていた。
彼女の瞳は何処か夢見心地のまま自らの手で肉棒を慰めるヨアヒムの事を見つめていた。
絶頂の余韻に脱力しきった体は隠すべきところを隠すことも無く、だらりと地面に伸びたままであり、さながら打ち捨てられた蛙の死体のようでさえあった。
鞭で赤く腫れた下腹部、太腿、そして陰部。中心の股座からは今もひくひくと震える陰唇がこぽこぽ、と女の蜜を垂れ流していた。
愛しく愛らしい少女のそんな痴態が、そんな痴態をさらさせたのは自分なのだという認識が、一層強くヨアヒムの興奮を煽り立てた。
「……っく、ぅ……!!」
「ぁ…………♡」
くちゅくちゅ、と先走りの汁を絡めながら男根を扱く音がし始めて暫く、ヨアヒムはさほど間を置かず達した。
余程興奮が彼の睾丸で精子を煮詰めたのであろう、迸った精液はうっすらと黄ばみさえ見えるほどの濃厚さだった。
迸る白濁汁は当然のように彼の足元のリオに向かって降り注いでいく。
少女の赤らんだ白い肌を男の欲望の煮凝りのような精液が汚した。
びちゃっ、びちゃっ、と重たい音を立てながら雄汁は彼女の腹部、乳房、顔にと散らばっていく。
そんな白濁の
鼻をつくような青臭く、生臭い精液の匂いが辺りに満ちる中、あえて鼻をひくつかせてその空気を吸い込みさえした。
「…………♡♡」
やがてヨアヒムの精の放出が終わった後、リオはおもむろに白濁を指で一匙程掬って口に含んだ。
決して美味いとは言えないはずのそれを、さながら甘いジャムでもあるかのように舐め取って、彼女は艶然と微笑んだ。