※この作品はR-18です。

The Unlimited Horizon   作:白臼

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ep.44 Fallen 2(※)

 

 

 

「……リオ」

「ん……っ♡」

 

 鞭で秘部を打たれて絶頂し、床の上に身を横たえていたリオをヨアヒムはそっと抱き上げた。

 肌が赤いのは鞭打たれたからだけではなく、紛れもなく興奮の証でもあった。

 抱きしめるヨアヒムの体に腕を回し、胸元に顔を埋める仕草は愛らしい童女のようだ。

 しかし湯上りのようにほんのりと赤く汗ばんだ肌と匂い立つ愛液の甘ったるい香りは少女を酷く艶めかしいものに見せていた。

 

「んっ、ぎゅー……♡」

「…………」

 

 猫であればごろごろと喉を鳴らしていただろうというように旦那様(ヨアヒム)に甘えるリオ。

 彼女のはらはらと乱れた長い髪を梳いて戻しながら、ヨアヒムはまたもやムラムラと湧きあがってくるものを感じていた。

 先ほど扱いて抜いたばかりだというのに沸騰するように湧いてくるそれは、どうしようもない暴力的な性欲だった。

 この腕の中にある小さく柔らかく、華奢で愛おしいものを滅茶苦茶にしてやりたいという下劣で加虐的な欲望。

 

「リオ……。もっと、お前の事をオレのものにしたい……オレだけのものにしたい……」

 

 口を突いて出た言葉は紛れもない本心だ。

 鎖で縛って、体を犯して、身を傷つけて、心を壊して。

 それでも『もっと』という思いが拭えない。

 

 もっと鍵をかけるように、

 もっと深くまで暴くように、

 もっと傷を刻むように、

 もっと原型が無くなるまで。

 

 リオという人間の何もかもを奪いさって、その上に自分という人間の証をくまなく刻み付けたいという……そんな思いがヨアヒムを突き動かしていた。

 それは愛という名の欲望であった。所有欲、征服欲。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、という極めて身勝手で――――逃れようのない、欲。

 

(――――なんて、醜悪)

 

 そこまで自覚しておきながらヨアヒムは止まるという術を持たなかった。

 反吐が出そうな自己嫌悪が胸の内から滲み出てきても、それを止めようという気概は沸いてこなかった。

 なぜなら、彼の腕の中で少女が蕩けた(かお)で囁くのだから。

 

 

「私ももっと旦那様のものになりたいです……♡♡

 ――――だから、もっといじめて……♡ もっとひどいことして……♡♡」

 

 

 夢見るようなうっとりした表情でリオが媚び(ねだ)る。

 ヨアヒムは無言のままに、彼女の小さな体を痛いほど抱きしめた。

 

 脳裏に響く良心の声を黙殺しながら。

 

 

******

 

 

 がらがら、と音を立てて地下牢の隅から引っ張られてきたのは木製の台の上に横倒しにした三角柱を載せたようなものだった。

 長らく放置されていたせいで随分痛んでいたが、テオドラが整備したことで使()()に耐えうるものにはなっている。

 加えてただ使えるようになっただけでなく、多少の改修も施したことでまた別の用途が増えていた。

 

「ここに、お前を跨らせる。馬に乗せるみたいにな」

「……っ♡♡」

 

 この器具は俗に三角木馬という代物である。

 本来なら跨らせた対象の股を()()()苦痛を与える拷問器具だが、性具として調整されているためそこまでの凶悪さはない。

 ただ三角柱の上辺はやや丸みを帯びているものの、それでも股を割られ、陰部に体重による圧迫を強制されるのは相応の苦しみを与えるだろう。

 

 その上、改修された木馬はその上辺部分の真ん中あたりに窪みのような穴が設けられていた。

 そこにヨアヒムは一本の張り型を嵌め込みながら、リオに向けて前述のように宣告したのである。

 リオはその張り型のデザインに覚えがあった。

 以前も使ったことがある、魔石を仕込むことで振動するタイプの張り型であった。

 

「は、ぁ……っ♡♡」

 

 ヨアヒムが潤滑剤代わりの油を表面に塗り込めると、格子戸の外から差し込む蝋燭の明かりに照らされて禍々しい男根の紛い物がてらてらと光る。

 その無骨な造形(フォルム)の棒が自分の胎を掻き分けて突き刺さっていくことを想像して、リオは熱い息を吐いた。

 下腹の奥に心臓がもう一つ付いたかのように、とくんとくん♡、と熱いものが込み上げてくる。

 先ほど絶頂を一度経験したばかりの膣孔が、またもやとろとろと汁を零し始めた。

 

「そんなに熱っぽい目で見られていると、嫉妬してしまうな」

「ご、ごめんなさい……♡」

「大丈夫だ、その分はお前を虐めて憂さを晴らすさ」

「えへ……♡ ありがとうございます……♡」

「虐められる側にお礼を言われると複雑な気分だな」

「そういうの……だめ、ですか?」

「いいや、そんなことは無い。―――――とても、興奮する」

 

 だから今から滅茶苦茶にする、とヨアヒムがそう囁くとリオは顔を耳まで真っ赤にして淫蕩な笑みを浮かべた。

 三角木馬に張り型を固定(セット)したヨアヒムは、言葉で睦み合いながら今度はリオの体を拘束した。

 拘束とはいっても足首と太腿をベルトで繫いで固定した程度のものであったが。

 

 脚を折り曲げた状態で固定され、歩けない彼女をヨアヒムはひょいと後ろから抱え上げた。

 ちょうど子供が用を足すときのような、前に大股を開かされる屈辱的な体勢。

 以前に姿見の前で後ろの孔を犯されたときのことを思い出したリオの体はそれだけで火が灯ったような疼きを覚えた。

 

 そしてそれは間もなく満たされることになるだろう。

 彼女が運ばれたのは当然のように先ほど張り型が設置された三角木馬の真上だった。

 鞍の代わりに男根を模した性具が屹立するそれは、また別種の拷問器具が或いは処刑器具のようにも見えた。

 

 その禍々しい外観を見下ろしたリオはごくり、と生唾を呑んだ。

 それは果たして恐怖だったのか、はたまた期待だったのか。

 

「んっ♡♡ ……っ、んっ、んぎぅぅぅ――――……っ♡♡♡」

 

 屠殺される豚のような鳴き声を上げる。

 ヨアヒムに抱えられたリオの体が張り型の上に下ろされた。

 既に彼女の膣内(なか)はぐずぐずに蕩けている上に、張り型の表面に油が塗布されていたこともあって痛みは薄い。

 だが、体重の()を上に乗せるようにして硬い棒が胎内を掻き分けていく衝撃は凄まじいものがあった。

 

 文字通りに股座から内臓を一息に串刺しにされる。

 潤んでぬかるんでいた膣肉が暴力的なまでの勢いで刺し貫かれていくのは身を引き裂かれるような()()()()を伴った。

 痒くてたまらなかった皮膚を、強引に肉ごと削ぐような暴力的で破滅的な悦び。

 

「ふぅ゛っ、ぅっ゛、んんぅぅぉぁ゛ぁ゛……っ♡♡」

 

 リオの喉から濁った嬌声が絞り出される。

 馬の背の上で女の子座りを強制されたような体勢。自身の体重を、張り型を咥え込んだ膣肉と――――その奥の子宮で受け止めさせられる姿勢。

 最も大事な(おんな)としての中心部分を暴力的に下から突き上げられ、歓喜と苦痛が入り混じった汁が股間から絞り出された。

 たまらず前に手をつこうとしたリオだがその手首はヨアヒムにがしりと掴まれてしまった。

 

「腕はこっちだ」

 

 彼はいつの間にか天井の梁から下がっていた鎖を、リオの両手首の革枷とつなぎ合わせた。

 両腕を万歳と掲げるように鎖の長さを調整すればさながら空中に磔にされたように彼女の体は固定されてしまった。

 陶磁器のように滑らかな肌の裸身を隠すものは何もない。

 枷を確かめるようにリオが鎖をかしゃん、と鳴らすが、当然のようにびくともしなかった。

 虜囚の身に堕とされたような被虐的な仕打ちが、彼女の倒錯的な興奮を否応なく煽った。

 

「それと……こっちもだな」

「っ……♡」

 

 だが、拘束はこれで終わりではなかった。ヨアヒムの手がリオの臀部を撫でる。

 鞭で幾度と打たれて赤らんだ形の良い尻たぶ、その合間にまで彼の指が這う。

 秘するべき菊門の窄まりは度重なる調教で男の指先に触れられ掻き分けられることに悦びを感じる場所になり果てていた。

 きゅっ♡と肛門括約筋がキスでもするかのようにヨアヒムの指の腹に吸い付くが、あくまでそこがどの程度解れているかの確認に過ぎなかったのか、指はすぐに離れていった。

 釣れない態度に不満を訴えるかのようにぱくぱくと入り口を開閉させる後孔だったが、突如として思いもよらない感触がそこを襲った。

 

「んひぅ……っ!?」

 

 びくん、とリオが背筋を跳ねさせる。

 肛門に当てられたのはひやりとした金属の感触だった。

 彼女のそこにあてがわれているのは先端部分が丸くなったJの字型の金具と思しきものだった。

 ヨアヒムはその先をリオの尻穴に引っ掛けると、手枷と同じように鎖で上に引き上げた。

 

「は、ぁぐ……っ♡」

 

 肛門から金具がめり込み、先端の球状部が直腸の肉に食い込んだ。

 尾骨と仙骨を裏側から持ち上げられるような異様な感覚にリオは呻く。

 これはアナルフックという責め具であり、今彼女が体感している通り尻の穴を上から吊りあげながら内部を嬲るための器具だった。

 

「はぁ゛っ、ぁっ♡ ひぅ……っ♡♡」

 

 フックで後ろから肛門を吊られたため、必然的に彼女の骨盤は前に傾けられる。

 だが、あまり前に体重を傾けすぎると三角木馬の座面にクリトリスが押し付けられて鋭い快感に襲われる。

 かといって後ろに体重を預けようとするとやはり後ろの孔に食い込んだ(フック)が深々と直腸を抉るのである。

 どちらに身を任せようとも違った刺激に襲われ、そうして決めあぐねるように体勢を前後させていると――――股座に突き刺さった張り型が胎の奥を抉る。

 

「かっ゛、ぁ゛っ、ひゅぅ……っ♡」

 

 ごりゅっ♡と一際深く子宮口に模擬亀頭が刺さり、リオは目を剥いた。

 じっとりと甘酸っぱい汗を滲ませながら腰をくねらせる様はさながら淫猥な乗馬だ。

 鞍も鐙もない木馬の側面をつつ、と汗ならざる液体が一筋伝う。

 掠れた吐息を漏らす少女の眉間に皺が寄るが――――それは苦悶のようにも、あるいは深い官能の表れであるようにも見えた。

 ……いや、事ここに至ってはそのどちらにも大した差はないのだろうが。

 

「さて、良い見てくれになったな」

「………………っ゛♡♡♡」

 

 そう言ってヨアヒムがリオの顎を掴んで前を向かせる。

 そこにあるのは今や思い出深い姿見である。

 縦長の鏡に映されているのは縛られて木馬の背に乗せられたリオ自身の姿だ。

 両腕と尻の穴を鎖で吊られ、三角の上辺を痛々しく股間に食い込ませた自分の姿を改めて客観的に認識して、彼女は()()()と背筋を震わせた。

 

 ただその場に放置されるだけでも乱れて悶え狂うだろう、哀れな囚われの身……。

 他ならぬ自分がそういうものに成り果てていることを俯瞰して、倒錯的な悦びに耽る。

 

「……はっ、はぁっ♡ はぁ……、あぁ……っ♡♡」

 

 桜色の唇から漏れ出る息は陶然として熱く濡れていた。

 潤む瞳は鏡に映る自分自身の姿に魅入られたかのよう。

 腕を吊る鎖が引っ張られてかしゃり、と無機質な音を立てる。

 それもまた自分を縛るものの堅固さを確かめて悦に浸るような、婀娜っぽい仕草だった。

 

「ひゅぐ、ぅっ……♡♡♡」

 

 突如、体を内側から揺さぶる振動が襲い掛かりリオはくぐもった声を上げた。

 魔道仕掛けのディルドが彼女の中で動き始めたのである。

 自身の体重がかかっている張り型は胎奥まで深々と突き挿さっている。

 先端部が子宮を下から潰すかのように押し当てられたまま小刻みな振動を与えられてリオは仰け反った。

 内臓を直接撹拌されるような衝撃で体が内側から砂のように崩れていく様を幻視した。

 

「あっ、ぐ♡ んふぅ、ぁ゛っ、ぁ゛っっ♡♡♡」

 

 だが淫棒の震えに耐えかねて背筋を反らせば当然のように後ろに向けて荷重がかかり――――尻穴がフックに食い込まれる。

 つるりとした質感の、それでいて冷たく硬質な先端球が職腸の粘膜をぐりゅりゅっ、と攻め嬲る。

 そうやって虐められるのが辛いのか、それとも心地よいのか。刺激から逃げるようにリオの腰が木馬の上でくねって卑猥に踊る。

 尻穴を釣り上げる鎖がその腰の動きを囃し立てるようにかちかち、と音を立てた。

 

「ぁっ゛、あっ♡♡ ぅぁっ、ぁ、ゃっ、あ゛♡♡」

 

 数分と経たないうちにリオは、途切れ途切れの喘ぎを漏らしながら身を躍らせる淫らな人形と化していた。

 股座から体の芯を串刺しにするディルドは直接子宮を震わせてくる。

 それは自分の体の中心を、砂の城をシャベルで殴りつけるように、原型さえ留めなくなるほどに崩していくような暴力的な快感だ。

 頭の隅に残っている理性がそれに不安を覚えて、少しでも負担を逃がそうとして重心をどうにか張り型の真上から逃がそうとする。

 その動きは結果として膣内を自らディルドで抉って撹拌するような行いになった。

 汗を滲ませながら前後左右に下半身を捻る様は、傍から見れば騎乗位で腰を振るのとさして変わらない。

 おまけにそうやって動くたびに鉤が肛門に食い込み、陰核が木馬の背で潰されるのだ。

 快楽から逃げようとして足掻くほど深みに沈んでいく地獄にリオは瞳に涙さえ滲ませながら喘いだ。

 

「は、あ゛っ♡ あぁ、っぁ、……っっ♡♡」

「……可愛いな」

 

 そうして悶え踊るリオの姿を眺めて、ヨアヒムは愛おしさを感じるほどに優しくそう呟いた。

 人形のように小さく愛らしく、猫のようにしなやかで瑞々しい矮躯の少女。

 その四肢が冷たい革と鎖によって縛り上げられ、幼気な女の園を男根の紛い物で抉り抜かれた痛々しい姿。

 眉間に皺を寄せて荒い息を吐く姿は苦痛に耐えかねているように見えてその実、その瞳はこのような辱めの中に官能を覚えているかのように蕩けた色を湛えていた。

 

 苦しみと悦びの狭間で空色の瞳が潤んで滲む。その眦から零れ落ちた涙の雫をヨアヒムの瞳がそっと拭う。

 指の背が触れた頬は驚くほど柔らかく滑らかで、そして熱かった。

 その肌を堪能するのに躊躇は無い。

 ヨアヒムの手と指が愛玩物(少女)を愛でるように撫で擦る。

 

「お前の肌も、髪も、こうやって虐めれば虐めるほどに綺麗になっていくな。こうやってオレの手だけで磨いて、誰の手にも目にも触れさせずに、ずっと手元に置いておきたい……」

「ぁ、ら、だんぁっ、しゃま……っ♡♡」

「大好きだ。愛してる」

「わらっ、わらひも……♡♡♡」

 

 呂律の回らない口で、それでも条件反射的に紡がれる愛の言葉。

 そんな有り様さえも愛おしくてヨアヒムは彼女の口を己の口で塞いだ。

 少女の口の中は甘い唾液でぬかるんでいる。林檎の果汁のような味わいのそれを小さな口腔から啜りあげるように深いキスをする。

 健気にも絡んでくる可愛らしい舌は構ってとせがむ子猫のよう。逆に絡め取ってあやしてやれば喜びと共に悩ましい吐息が零れる。

 「んっ♡ んっ♡」と鼻にかかったか細い喘ぎは聞いているだけで胸の内を優しく掻かれるようなむず痒い心地よさを男にもたらした。

 

 指の間で梳く髪が流れていく手触りが心地よい。絹のように細く滑らかで、金のように艶やか。

 そんな長い髪が乱れて汗に濡れ、裸身に絡みついている様は淫らで美しかった。

 小さな頭はそれ自体が掌に納まるようで髪の質感と相まっていつまででも撫でていたくなる手触りだ。

 なにより快感に喘ぎながらも、頭を撫でてやると無意識にすり寄ってくる様が小動物のようで愛らしい。

 

「ひゃあぅ゛っ♡♡♡」

 

 リオが喉を反らしてか細い嬌声を上げる。

 ヨアヒムは彼女の唇や頬に幾度も細かいキスを落とした後、その形の良い耳にも口づけをした。

 その反応に気をよくした彼は敢えて耳たぶを唇と舌で愛撫を咥えた。

 耳元で弾けるリップ音とぬるりとした舌の肌触り、時折吹き込まれる吐息。

 繊細な耳朶に感じるくすぐったさは背筋から下まで伝って半身がびくつくほどだった。

 

「ゃぁ゛……っ♡♡♡」

 

 もじもじと身をくねらせて、(かぶり)を振って逃げようとするそんな仕草も男の嗜虐心をそそる。

 鎖を鳴らして体を捩らせるリオをこれ以上逃げられないように、腕でそっと抱きしめながらヨアヒムは首筋にもキスをした。

 仄かに赤らんだ肌と金色の髪の境、甘酸っぱく汗が香り立つうなじに強く吸い付けば唇の痕が残る。

 それは何とも独占欲と所有欲を満たしてくれる、淫猥な刻印(マーキング)だった。

 

「かわいいな……。ほら、もっと可愛い所をオレに見せてくれ」

「んっ♡♡ んくっ♡♡」

 

 ヨアヒムの腕が体の前に回る。

 男の掌の中に易々と納まる乳房は、小ぶりながらも重力に負けず形の良いお椀型を維持し続ける美しい造形(つくり)をしていた。

 そっと手で覆えば汗ばんでしっとりとした肌の手触りと乳腺の張りさえも感じられる心地よい弾力が伝わってくる。

 それだけでいつまでも触れていたくなる手触りだった。

 いや、彼にしてみればリオの体で触れていて飽きるような場所などどこにもないのだが。

 

 掌で乳房の表面の皮膚を撫で擦り、指先で優しく乳首を捏ねる。

 既に硬く勃ち上っている胸の先の突起はまだ青い花の芽のよう。

 ぽとりと落ちてしまわないように指であやしてやれば、くぐもった可愛らしい声がリオの喉から漏れた。

 そんな愛らしく恥じらうような声がもっと聴きたくなってヨアヒムは念入りにそこを弄り回した。

 指の腹で押さえては捩じり、側面を指先で軽く掻いては摘まんで扱く。

 

「んふぅぁ゛っ♡♡ あぅ゛っ♡♡ はぁ、ぁっ゛……♡♡♡」

 

 こうなると乳首は弦か鍵盤のような物だった。ヨアヒムが爪弾けばリオがそれに合わせて咽び泣く。

 敏感な乳突起から打ち込まれる電流のような快感が彼女の体を踊らせる。

 痺れるような乳悦に身をくねらせれば木馬が責め具となって陰部の三カ所を苛んだ。

 胎奥、陰核、肛門が無意識に体を捩るたびに器具に食い込まれ、果肉から溢れた汁のように雌液を滴らせる。

 その快感に乳首のそれが混じり合い、痛烈な火花(スパーク)となってリオの中で弾け飛ぶ。

 

「く、ぅぁ……っっっ♡♡♡♡ ィ、く……っ♡♡ イくイくイくイくイく……っっっっ♡♡♡♡」

「あぁ、いいぞ……。幾らでも、好きなだけイけ……」

 

 調子の狂ったオルゴールのようにリオが絶頂を訴える。

 目の前に迫ったそれが恐ろしいのか、そこから逃げるように手首を吊り下げる鎖を握り込んで少しでも腰を浮かそうとする。

 ただ本来の彼女ならいざ知らず『隷属の首輪』の効果で筋力が著しく制限されている今のリオにそんな力は残っていないし、許されてもいない。

 華奢な腕の筋肉がふるふると震え、息を荒く吸い込む腹筋が外から見てもわかるほどに何度も勢いよく収縮する。

 

 そしてヨアヒムはそんな彼女の下腹に手を添えて、「怖くないよ」と宥めるようにゆっくりと撫で擦った。

 それは一見優しくも見えるが実のところは非常に危険な愛撫でもあった。

 股座から内臓を串刺しにし続けている張り型とその振動で、全身をぐずぐずに蕩かして崩してしまうような子宮性感が目覚めさせられている。

 その上で今も責め嬲られている女の宮を優しく解きほぐすような男の手は、体に込められたなけなしの抵抗力もそぎ落とすようなものだった。

 絶頂の予感に緊張していた全身が強制的に脱力させられていく。抵抗の余地なく、余すところなくその暴力的な性感を受け止めさせられる。

 

「ぅっ、んっっっっっ♡♡♡♡♡♡ ―――――――――………っっっっっぁあ゛゛゛♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 一息に肺の中身を吐き尽くすような野太い声を上げて、リオは凄絶に達した。

 びくん♡、びくん♡、と壊れたバネ仕掛けのように全身が跳ねまわる。

 不随意に痙攣する体が仰け反り、汗に濡れた金糸の髪が翻って淫美な輝きを見せながら地下牢の闇の中で踊った。

 手首と尻穴を吊る鎖がそれに合わせてガシャンガシャンと音を立てるが結局のところはびくともせずに終わる。

 この期に及んではその吊鎖は役に立っただろう。上から支えるものが泣ければそのまま倒れ込んでいたかもしれないのだから。

 

「……っ♡♡♡♡ ――――……っっっ♡♡♡♡」

 

 言葉もないままにびくびくとリオの体が震える。

 周囲に漂う甘酸っぱい芳香は、全身を濡らす汗と股座から漏れ出して木馬の背を伝う雌の汁の香りだった。

 激しい絶頂の後の脱力で顎に力も入らないのか、だらしなく開いた口の端からは唾液の滴が顎先から滴っているがそれを気にすることもできない。

 

 そして彼女が幾ら絶頂を迎えたとしても彼女を責める張り型は魔道仕掛けである

 リオが絶頂の余韻に身を浸らせる間もなく、上り詰めたばかりの子宮を絶えず下から震わせ続ける。

 ぐったりと脱力した体が、機械的な振動が送り込む快感に生理的な反応を示したように、びくんっ、と跳ねた。

 

「……ひ、ぃぃん……っ♡♡ ゃっ、ゃあっ♡♡ とめ……っ♡♡」

「駄目だ」

 

 涙に溶けた瞳で哀願するリオに、あくまでも冷ややかに――――それでいて楽しそうな表情でヨアヒムは否定を返した。

 いかにも優し気な、愛おしさを感じる手つきで乱れた彼女の髪を撫でて梳き、赤い頬にキスをする。

 

「最初に言っただろう?お仕置きで躾けなんだから……お前にいつ辞めるか決める権利はないんだよ。それに」

「……ぁっ」

 

 耳穴に息を吹き込むように囁きながら、ヨアヒムはリオの頤に優しく手を添えて前を向かせた。

 そこにあるのは二人の姿を映し出している大鏡である。

 鎖に吊られ、木馬に跨らせられた少女とそれを後ろから抱く眉目秀麗な青年の姿が見える。

 

 そして鏡の中の少女の表情は――――、

 

「お前だって、まだ続けてほしそうにしているが?」

「……っ♡♡♡♡♡♡♡」

 

 

 ――――だらしなく頬を緩ませた、淫蕩な笑顔に他ならなかった。

 

 

******

 

 

「は、ぁ゛っ、ぁ゛……っ♡♡♡♡♡♡ ぁ゛ぐっ、ぅっ、ぉ゛ぁっ……♡♡♡」

 

 それからしばらく時間が経った。

 時計がないのでどの程度の時間が経過したのかはわからないが、それなりには経っただろう。

 ただわかるのは最早リオもまともな喘ぎを上げられなくなるほどに嬌声を搾り取られたということだろうか。

 寸断された電波のように途切れ途切れの吐息は掠れたような響きがあり、力の抜けた両腕は磔刑を受けた刑死者のようにだらりと垂れ下がって吊られたままになっている。

 ただ今も振動を続ける張り型に合わせたかのように、びくっ、と時折体が震えて反応を返すだけである。

 三角木馬の足元の床は垂れ落ちた多種多様な体液で変色していた。つんと雌の臭いが鼻につく。

 

「……ふむ」

「っ、お゛゛っ♡♡♡♡」

 

 全体をつぶさに俯瞰してから「少しやりすぎたか」などと頭の隅で冷静に考えながら、ヨアヒムはそこでようやく魔石の起動を停止した。

 動力源が無くなったことでようやく張り型が止まった瞬間、一際野太い声を上げてリオがうなだれた。

 (おとがい)を持ち上げて視線を合わせると、少女の瞳は度重なる絶頂と失神の間で余程揺さぶられたのか、どろりとした疲労で濁っていた。

 だが、その眼の奥にはどうしようもなく拭いようのない快感の火が燻っていた。

 理性も思考も焼き尽くして、人間の意識を白痴のようにしてしまう快楽の炎の残り火である。

 

「ん……っ♡♡♡♡」」

 

 無言のままにだらしなく開いた少女の口に軽いキスをしてから、ヨアヒムは彼女の拘束を解きにかかった。

 滑車を緩めて後ろの孔に突き刺さったままの(フック)を外し、両腕を吊る鎖も同じように外す。

 そしてここに下ろした時と同じようにリオの体を抱えて、張り型を引き抜きながら木馬の背から下ろす。

 

「んぉ゛っ♡♡♡♡♡♡」

 

 引き抜く際にディルドが膣肉を逆向きにゴリゴリと削っていったのだろう、半ば気絶しているも同然のリオは体を反らして濁った喘ぎを漏らした。

 見れば少女の膣肉と子宮を蹂躙しつくした疑似男根は余すところなくべっとりと濁った本気汁に濡れそぼり、禍々しさを感じる様相になっていた。

 それに貫かれ続けたリオの膣孔は痛々しいほどに赤く充血しながら、空洞と言うべき程にぽっかりとその入り口を晒していた。

 覗き込めば嬲られ犯されきった子宮口までもが見えるだろう。

 それでも見る見るうちに陰唇が閉じて行って元の慎ましく幼気な外観を(一応は)取り戻すのだから大したものであった。

 

 既にぐったりと全身から力が抜けて自らにしなだれかかるがままになっているリオをヨアヒムはベッドに運んだ。

 足首と太腿を繋ぐ拘束具も解いて脇に放り出すが、それは別段今から彼女を寝かしつけてやろうというような気遣いではなかった。

 何をするかと思えば、彼がいそいそと服を脱ぎだしたところで察することができるだろう。

 

「虐めるのに夢中になってたからな、オレももう一回抜かせてもらうとするか」

「ぁっ……♡♡♡」

 

 服を脱ぎすてて裸になったヨアヒムの股座からは男根が槍のように伸びあがっていた。

 リオがいやらしく悶えて絶頂するさまを間近で愛で続けるのも楽しいものがあったが、その分、彼の男としての性欲は昂り続けていた。

 なんだかんだと言って男というものは精を吐き出さなくては一区切りがつかない生き物なのである。

 

 ズボンとパンツの中で興奮し続けていたペニスは既に射精したのかと思うほどにぬるついていた。

 全体が泡立つような先走りの汁に覆われ、亀頭に至っては矛の穂先めいて鋭くそのエラを張っていた。

 そしてその雄そのものの昂りを見せられ、茫洋としていたままのリオの瞳に光が戻る。

 ただそれは快楽と絶頂の残り火が燃え上がったような、桃色の、淫猥な灯だった。

 

「お、ぉひん、おぃんぽっ♡♡♡♡♡ らんな、しゃまのっ、ぉひんほぉっ♡♡♡♡♡♡」

「あぁ、オレのチンポだぞ。これでお前の事ぐちゃぐちゃにレイプして精液扱き捨てるからな。精液便所に使ってやるから有難く思えよ」

「っ♡♡♡♡♡♡♡」

 

 完全に呂律が回っていない口でペニスを強請(ねだ)る様は完全に性奴隷のそれだ。

 愛すべき旦那様、敬愛すべき主人が自分という雌を愛玩して下さり、あまつさえチンポを穴に突き込んで気持ちよくなってくれるという奴隷根性に満ち満ちた幸福感がリオの脳を支配する。

 くたくたになって力の入らない脚を、健気にも震わせて股を開いてハメられるのを請い願う。

 媚びて、甘えた声を出せば、そうやって愛して貰えると、可愛がってもらえると、気持よくして貰えるとそう彼女は学習していた。

 

 そして甲斐性のある旦那様(ヨアヒム)はそんな腰の抜けるほどに疲れている雌奴隷に配慮して、自分から彼女の脚を引っ掴んで股を開かせてあげた。

 そのままぐっ、とリオの頭の横に来るまで両脚を押し上げれば股はVの字に開き切って、腰は上に掲げるように上がっていく。

 本来ならば自分からそうやってお迎えの体勢を取るべきなのに、とぼやけた思考でリオは思った。

 

 だが、そんな一抹の申し訳なさも、尻の穴に亀頭の切っ先をあてがわれた瞬間、性への期待感に塗りつぶされる。

 既に赤く腫れあがるほどに蹂躙され切った膣肉を貫こうというほどにヨアヒムは暴力的ではなかった。それくらいの気遣いはある男だった。

 代わりに目を付けた後ろの窄まりは、アナルフックに嬲られた結果緩く開いてぱくぱくと息継ぎをするように括約筋を収縮させていた。

 その様はくたくたになるまで弄ばれた前の孔を羨んでいるようにも見えた。

 

「ぉ゛゛゛っっっ♡♡♡♡♡♡♡ んく゛っっっ♡♡♡♡♡♡♡」

 

 そんなとっくに準備を終えている肛門に対してヨアヒムは躊躇なく自らの剛直を突き立て、貫いた。

 あっけないほどに容易く肛門括約筋は外からの侵入者を受け入れて陥落する。

 その緩さはもう既にこちらの孔が排泄器官ではなく性処理用の奉仕孔であることを知らしめるようであった。

 その癖、一度咥え込んだ男根に対してはきゅっ♡きゅっ♡と、きつく甘えるように締め上げてきてその健在ぶりをアピールする。

 

 内から外に向けて蠕動する腸粘膜の動きも健在であり、ぐっと意識的に押し込まなければ逆に押し返されそうな手応えであった。

 だが、それはそうやって逆に挿し貫かれることを前提とした仮初の抵抗だったと言えよう。

 強引に掘り進むぺニスの逞しさ、それに屈服させられることを期待して逆らって見せる婀娜の極み。

 その証拠に腰を密着させるほどにまで挿入すれば、うねうねと直腸が媚びるように絡んで肉幹に奉仕するのであった。

 その圧倒的な征服感、雌の肉を支配して(こうべ)を下げさせる感覚はヨアヒムを虜にした。

 

 そうやって組み伏せられて挿し貫かれるリオは今や(ケダモノ)さながらの濁った喘ぎを上げるのみだった。

 ひたすらに嬲られつくして最早指一本動かす力も残っていないような体で、ひたすらに、ただひたすらに雄の欲望を受け入れるだけの肉になり果てる。

 

 Vの字に開かれた両脚の踵がヨアヒムの肩の上に掛けられて、そのままベッドの上に押し倒される。

 開脚前転の途中で固定されたまま、上から折り畳まれるような体勢だ。

 姿勢の関係で絞られた前の孔からぶししっ、と放屁のような音と共に愛液がしぶいて二人の体を濡らす。

 深く深く二人の体が密着して淫らな熱を分け合う。そのままぎゅぅっ、と抱きしめられリオは多幸感で脳味噌が溶け出すような錯覚を感じた。

 

「あ゛お゛っ♡♡♡♡♡ んぉ゛っ、ぉ゛っ♡♡♡♡♡♡ らんなしゃまっ、らいしゅきっっっ♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 ぼろぼろと涙さえ零しながら、舌ったらずな言葉でリオは何度も「好き♡ 好き♡」と訴える。

 どれだけ頭がバカになっても、それだけは忘れ得ない真実だと伝えるように。

 

 肉を打つ音と体液が撹拌される音が混ざった、ばちゅん!ばちゅん!という激しい音が地下に響きベッドがギシギシと軋む。

 ほどなくしてヨアヒムは射精を迎え、煮詰めに煮詰めた精液をたっぷりとリオの直腸に流し込んだ。

 子宮裏にべっとりと子種を塗りつけられた雌の性器が、受精させてもらえたと勘違いしてきゅんきゅん♡と悦びに打ち震えて全身が蕩けるほどの悦びでリオを包み込む。

 反射的に腕の中で跳ねまわる小さな体をぎゅっと抱きしめながら、ヨアヒムはその余韻を味合わせるように腰を緩くひねって精液を流し込み続けた。

 

 早い吐精だったが、彼に焦りはなかった。

 どうせ時間などいくらでもあるのだから。

 

 

 

 

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