「し、ししし、司令官さんっ! 司令官さん!? 絶対、離れないでくださいよっ!? 絶対、ずっとギュッとしたままですからねっ!? 司令官さんっ!?」
「わかった、わかったから」
提督が呆れたように羽黒にうなずいてみせる。だが、彼の最愛の秘書艦はと言えば、提督に抱きつき、おのれの肢体を存分に提督に押し付けながら、周囲の海水を沸かさんとばかりに真っ赤になってしまっていた。はぁ、と提督が苦笑いし、ぽんぽん、と羽黒の黒髪を撫でてやる。
「別に、そこまで恥ずかしがることはないだろうに」提督が優しく言った。微笑すら出来ないのは厄介だったが。「ここ、艦娘しかこないビーチだし。というか皆、捜索のために散らばってるからすぐ傍には誰もいないし」
「そ、そそ、そんな! そんなこと言ったってぇ!」
羽黒が今にも泣きそうな瞳で提督を揺さぶった。そのたびに、羽黒の柔らかな裸体が提督を誘惑した。
「もしかしたら、み、み見、み見見み」
「大丈夫。大丈夫だってば。そのためにこうして抱き合ってるわけだし。そもそも水の中なんだから陸からは見えないし。みんなが羽黒の水着を見つけ出すまでに、誰かに見られることなんか無いさ」
「は、はぐぅ!!」
羽黒が真っ赤なままうなだれた。提督が、不安そうな羽黒をぎゅっと抱きしめて、顕になってしまった乳首やら秘部やらを己の身体で周囲から隠しながらため息を吐いた。どうしてこうなった。いや、羽黒が水着を流されたからなのはわかるんだけれども。わかるんだけれども!
羽黒ちゃんがいろいろ流される()お話
「……みんな、遅いですね」
「ま、まぁ、羽黒の水着ちょっと青っぽかったからな! 海上迷彩みたいになって見つけ辛いんだよ、うん!」
「……慰めなくても大丈夫ですよ……」
と羽黒は言うものの、こんな調子で言われても提督がうなずけるわけがなかった。
皆、と言っても妙高型と川内型合同のプライベートな海水浴だったから羽黒と提督を除いて6人しかいないのだが、ともかく羽黒の水着を捜索に向かってはや30分以上。たかが30分ではあるのだが、現在全裸の羽黒にとってはたかがなどと形容できる状況ではない。着慣れない水着、甘くなった紐の結びがもたらした、羽黒痛恨のミスの代償はあまりにも大きかった。
「……司令官さん?」
早く見つからないかなー。約得だけど少し危ういんだよな主に下半身が、などとうじうじ考えていた提督に、直前まで落ち込みに落ち込んでいたはずの羽黒が少しばかり焦ったような視線を向けていた。
「ん、だから心配するなって言っただろう? せっかくのおニューの水着なんだから、きっと見つかる――」
提督が羽黒を落ち着かせようと、目をつむり先程の言葉を繰り返した。それから、きっと納得行っていないだろう羽黒を見ようと目を開けて――羽黒の顔が視界いっぱいに広がっていることに、ようやく気づいた。
「手、手が使えないので、し、失礼します――ちゅっ」
羽黒の唇が、提督の唇に吸い付いたのはその瞬間のことだった。何が起きたか分かっていない提督が目を見開くそのさきで、羽黒が些か眉をしかめた。ちろ、と唇を舌でなめられる。
「は、羽黒さん?」
暖かなその感触は、名残惜しいことにすぐに消え、後には困惑する提督だけが残された。羽黒にどもりながら確認すると、真っ赤な顔に、先程までとは別種の羞恥と、若干の青色が配合されていた。
「司令官さん、もしかして、寒い、ですか?」
「ん? 別にそんなことはないが」
「だって、唇、青っぽくなって」
総合的には真っ赤な顔のままであるからいっそ滑稽かすら有るものの、羽黒の様子は真剣そのものである。あぁ、と提督にもようやく合点がいった。羽黒と抱きしめあって早30分。だが、羽黒が水着を流されたのは、提督とじゃれ合っているさなかのこと。つまり、それ以上に連続で水に浸かっているわけで。
「大丈夫。平気さ」提督が肩をすくめた。言われて初めて、肌が寒気を訴え始めたことは丁重に無視している。
「で、でも」
「このまま陸に上がったら、恥ずかしいんだろう?」
「それは、そうですけど、でも司令官さんが」
「はいはい。一応でも軍人を舐めない。この程度でガタはこないさ。はい、この話お終い!」
提督がおどけてみせた。だが、色んな意味で罪悪感に苛まれている羽黒はといえば、はいそうですかとはうなずけないらしい。内心で、裸を衆目(羽黒の妄想だが)に晒す羞恥と提督に迷惑を掛ける申し訳無さが交錯しているのが提督にも丸わかりだった。
「……ん」
羽黒がゆっくりとうなずいた。あ、と提督が声を上げそうになる。こういうときの羽黒には覚えがある。生来の真面目さが焦りと絡み合い、斜め上の判断を決心したときの顔であった。
「は、羽黒? 本当に気にしなくて」
「ん、しょ」
「おぉう」
提督が今度はたまらず声を上げた。羽黒の柔らかな双丘が、いや肢体すべてが提督の腹から胸板にかけてを擦り上げたのだった。おまけに、股の方では羽黒のすべすべな脚が割り込んできて、提督の脚に絡まってきている。羽黒の柔らかさすべてが提督を愛撫しているのだった。
「こ、ここ、こうやって擦れば」羽黒が真面目な顔で提督を見つめた。「少しは、暖かく、なったでしょうか……?」
「う、うん」提督がぎこちない笑顔を浮かべた。
「良かった」ホッとしたように、赤い顔が久しぶりに良性に歪んだ。こういう状況じゃなければもっと見ていたいな、と提督が素直に思った。
そのくらい、提督はといえば危機的な状況にあった。足は砂を踏みしめているから、体力的な問題ではない。ただでさえ、裸体の良い人に抱きつかれているという興奮物の状況に加えて、その柔らかな乳房が、すべすべの脚が、触り心地がよく、かと言ってたるんでいるでもない腹が、全てが提督の膚をくすぐっているのである。確かに提督の体がポカポカしてきたが、それは間違いなく摩擦熱以外のエネルギーによるところが大きかった。付け加えるならば、そういう風に滾った熱量が男のどこに向かうか、提督は羽黒よりもよほど理解があった。
「ふふ、司令官さん、どこか痒いところはありませんかー?」
カラ元気なのか単純に楽しくなってきたのか。羽黒がここ30分で初めて明るい声を出した。そのたびに、もにょりふわりと羽黒の柔肉が提督に押しつぶされ、形を変えていく。それだけならまだマシだったが、胸元に至っては変幻自在なのが丸わかりなのだ。真っ赤な可愛い尖りが、寒さから固くなって提督の皮膚を転がるのが、触覚と視覚の両方からよく、よぉく分かった。
「あー、そうだな。下の方かな」提督がついに降参した。
「下、ですか? 具体的には――」
と羽黒が聞きただそうとしたところで、ごそという音が提督の下腹部から聞こえた。羽黒の脚、というか太もも、もっと言えば内股に近い部分が提督の股間に触れ、布一枚を隔てた中で暴れん棒が擦れた音であった。あははと提督が笑う。羽黒の頬が赤熱して周囲の水が湯だった。
「あ、し、司令官さん。あの、その、もしかして――ご、ごめんなさいっ!」
自分がどれだけ恥ずかしいことをしていたのか、ようやく理解したらしい羽黒が、密着した中でやれる限りに頭を下げた。もちろん、提督が邪魔になっているから、その目の前で頭がこくんと縦に揺れた程度である。目をつむり、その片隅に涙が見えさえしなければ、きっと必死さが分からなかったであろう。まぁ、今更もう遅いんだけれども。
「は、羽黒、べ、別に他意が、他意があったわけじゃなくってですね、ね? 司令官さ――んむっ!?」
羽黒が口づけできるのであれば、提督に出来ない道理はない。提督が羽黒の唇に吸い付いた。暖かくて、塩気があって、そして甘い。海水で失った体温、それを回復できるだけのカロリーを得るべく、提督がその甘味をついばんでいく。ん、ふぅ、と羽黒が震え、それに応じて肢体が震え、提督に伝わってきた。もはや、熱量の貯蔵は十分であった。
「ん、ちゅる、ぷぁっ! はぁ、はぁ、し、しれいかん、さん!?」
「うん。気づいてもらえたと思うんだけど。ごめん我慢できない」
「あ、あのっ! ここ外っ! お外でっ! 今はいないけど、みんな居てっ! あのっ!」
「見通しは良いし、羽黒、目は良いだろう?」
「そ、それは――い、いえっ! やっぱり駄目ですっ!」羽黒がぶるんぶるんと赤い顔を左右に振った。「こ、今夜、いっぱいシましょ――あんっ!!?」
提督が、羽黒の形の良い尻を揉んだ。海水の中とは言え、いや海水の中だからか。瑞々しくぷりぷりとした尻肉に、提督の指が一本一本形作られるように沈んでいく。真っ赤になって提督を見つめる涙目に気を良くしたのか、さすさすと今度は表面をくすぐった。
「ぁ、あんっ! しれいかんひゃ、ふぁっ!?」
びくん、と刺激に驚いた羽黒が提督の方へと逃げてきて、乳房が押し付けられた。ふにゃん!と羽黒が再び鳴く。真っ赤になった羽黒から、何で喘いだのか窺い知ることは出来なかったけれども、取り敢えず胸元に生じた硬い突起のせいだろうと当たりはすぐに付けられた。
「嫌がる割に、体は準備万端みたいだけど?」
「こ、これは、その、そう! 寒いからですっ! だかひうんっ!?」
「温かいと思うんだけどなぁ」
と言いつつ提督が指を挿し込んだのは、尻肉と尻肉の間であった。菊門を掠るように人差し指を動かすと、面白いように羽黒の体が身悶えして、そのたびに敏感な部分が提督と擦れて声が上がった。
「し、司令官さんっ! お、お尻、だめっ! 駄目ですっ!」
慌てたような抗議の声が、提督の首元から上目遣いとともに送られた。多少とは言え荒くなった息が、熱と共に提督をくすぐる。
「でも、こうすると俺も暖かくなるんだけどなー」
羽黒がうっと口ごもった。未だに、罪悪感にかられているらしい。あるいは、別の理由からこれ幸いと飛びついただけなのかもしれないけれども。
「ひぅっ!」
尻穴を擽られ、羽黒がぶるぶると身を震わせた。上半身がくねり、提督の膚の上を、再び赤い尖りが走った。布越しに、提督の股間に熱いものが当てられる。羽黒の顔が一気に蕩け始めた。
「ほら、もっと胸こすって。一緒に温まろう」
「あんっ! きゅ、急に、あっ! 乳首、んぅっ!!」
言いながら提督が身を揺すると、羽黒がいやいやと快感に浸った顔を左右に振った。その拍子に海水がばしゃばしゃと音を立て、屋外であるということを羽黒へと嫌というほど実感させる。羽黒が羞恥に顔を歪めた。提督でなければ、快感と羞恥、どちらの理由によるものか区別など付かないだろう笑みだった。
「羽黒」提督が獰猛な笑みを浮かべ、羽黒がひぅと鳴いた。「もう、イキそうでしょう?」
羽黒があらん限りで首を左右に振るう。提督が窄まりを指で穿った。羽黒が飛び上がって水しぶきが上がった。顔に付着した海水は、塩を残してすぐにでも消え去りそうだ。
「我慢しなくていいぞ。羽黒、恥ずかしいの好きだもんな」提督が優しく、しかし大きく指を動かしながら、あやすように言った。「お外で、真っ裸になってするの、好きだもんな」
「やぁ! 違う! 違うのっ!」
羽黒が駄々をこねるように首を左右に振った。ぎゅう、と提督に抱きついてきている。快感と羞恥心でメチャクチャになった顔が提督の目の前にあった。
「ん、むぅ!? ぢゅ、ちゅる、じゅう」
提督がいざなわれるように口を近づけ、羽黒の口へと舌をねじ込んだ。健気な秘書艦が、それへと必死に応じている隙に、臀部を弄っているのとは別の手が、羽黒の秘部に近づいていく。肉芽をこしょこしょと刺激した。
「んふぁっ!?」
唐突な快感に驚いた羽黒が口を離し、絡み合った涎が海へと落ちていった。羽黒の白い喉が提督へと顕になった。
「クリトリスも大きくなっちゃって、まぁ」提督が羽黒の耳元に口を近づけて、囁くように指摘した。ぴん、ともう一度肉芽を弾くと、胸元の硬さが大きくなる。「外で擦り付けるの、そんなに楽しかったのか?」
「ち、ちがっ」
「あんなに押し付けてきたのに、今更それは通らんぞ」
「ひぁっ!?」
提督が股間を突き出すと、既に目一杯提督に押し付けられていた羽黒の秘部が布越しに提督のものを食い込ませた。ぐちゅり、という水音が聞こえないのだけは残念だったが、発情しきった羽黒の顔が見られればそれで十分である。
「で、どうしてほしい?」
提督が、本人としては菩薩のような笑みを浮かべて羽黒を見た。しかしもちろん、地蔵菩薩とは閻魔の化身である。羽黒が審判を迫られ、羞恥と期待で顔をメチャクチャにした。おまけに、急かすように提督が秘部をくすぐるのだから貯まったものではない。
それでも、息を荒く吸ったり吐いたりしながら抵抗する羽黒だったが、提督が気まぐれに胸を上下させ、柔らかな乳房ごと乳首をすり潰してやると観念したようである。尖りが提督の肌を、決して滑ったと言えない抵抗を受けながら進むにつれて、羽黒の吐息が荒れに荒れ、顔が耳まで真っ赤になった。蚊の泣くような声が漏れたのはその時だ。
「イきたい、ですっ」羽黒が身を震わせたまま言った。「このまま、気持ちよく、してくださいっ」
「よく言えたな。偉いぞ」
「ふぁっ」
提督が、色に見合った温度をしている頬に、よくやりましたと口づけた。羽黒が心地よさそうに、うっとりとそれを受けてから、表情を蕩けさせた。提督の指が肉芽をこねくり、尻穴を再び穿ったのであった。
「あっ、司令官さっ、激しっ!」羽黒がなにかから逃れるように提督へと抱きついた。「これっ、すぐ、いっひゃう!」
「我慢しなくていいぞ。羽黒の恥ずかしいところは、俺しか見ないんだから」
「ひぅっ!」
羽黒が陶酔するように提督を見つめる。提督が軽く口付けた。羽黒が目をつむり、これから来るであろう快感の波に備えている。提督が、期待に応えるべく、クリトリスを弾きながら、股間を思い切り羽黒のそこへ押し付けた。
「ひ、ぁ。ああああっ!!?」
羽黒ががくがくと震える。乳房が押しつぶされ、蕾が擦られ、更に痙攣が大きくなった。羽黒の顔に急に青色が走ったのはその時だった。
「ひぁ、やぁっ! だめ、だめっ! しれいかんさん、離れ、ってぇ」
「なんだ、急に」
外でという開放感からか、いつもよりも絶頂の余韻が長い羽黒が、急にふるふると首を振った。事情を飲み込めていない提督の耳元に、青と赤が強い顔が近づいて、決死のささやき声が耳に届いた。
「ぉ、おしっこ、漏れちゃ、ぅ」
なるほど、と提督がうなずいた。確かに海に入ってから長くなってしまったわけだし。分かってもらえた、と羽黒が恥ずかしそうな顔の中に微量の安堵を混ぜ込んだ。提督がニッコリと微笑んで、羽黒に言う。
「じゃあ、すっきりしようか。ここで」
安堵の表情のまま固まった羽黒を尻目に、提督が菊穴を再度穿った。やっと絶頂の細波を耐えきったはずだった羽黒が、想定外のところからの刺激で力が抜ける。すがりつくように羽黒の腕が提督を掴み――対照的に、下の口が緩んだ。
「ぁ」羽黒が気の抜けた声を出した。目が絶望に見開いている。「ぁ、ぁぁぁあああ」
提督の股間の周り、海水が急に暖かくなったように提督には感じられた。いや、実際にそうなのであろう。提督にはそうは見えなかったが、少なくとも、羽黒には海水が黄ばんで見えていることは間違いない。
「そら、全部出しちまえ」
「やぁ……やぁああ……止まら、ないよぉ……」
提督が慈悲など無く尻穴の指を前後させた。切羽詰まっていたものからの開放感と、一般常識から考えて酷く恥ずかしい行為をしている背徳感を耐えるように、羽黒が駄々をこねながらただただ提督にすがった。弱々しく提督に回された腕が、快感に震えている。
「ぁ、うぁ」
最後に、羽黒がぶるりと体を震わせる。どうやら、最後の一滴まで出きったらしい。その証拠に、窄まりを責めても先程までのような激しい反応はない。過呼吸気味の呼吸の上で、瞳孔が思い切り開いた羽黒の瞳が、焦点の定まらない目で提督の胸板を見つめていた。
「漏らしちゃった……」羽黒が、何らかの大罪を犯したかのような口調で言った。「司令官さんの前なのに、お外なのに、漏らしちゃったよぉ……」
「気持ちよさそうで羨ましいよ」
震える羽黒に、提督が誂うように言ってやると、涙目が不機嫌そうに提督を向いた。いじめすぎたか、と提督が苦笑いする。あやすように、羽黒の唇に吸い付いた。
「ん、ちゅ……ちゅぅ」
舌の出し入れもない、子供のようなキスだったが、羽黒にとっては何よりも安心する接吻だったらしい。涙目のまま頬が膨らんだ。
「ごめんごめん」提督が頭をなでた。「可愛かったよ」
「……変態さんだ」
「外でこんなことしてる以上今更だろう」
自分で言いますかそれ、と羽黒が拗ねる。それから、おずおずと周りを見回した。
「……姉さんたち、まだ戻ってきませんね」
「関係ないかな、それは」
「んっ」
真っ赤な顔でそんな事言う秘書艦に、提督が股間を押し付けて教えてやった。「この状況で放り投げるのは、なしだよ」
「……えっち」
「羽黒のせいでもあるからな? 何せあんな気持ちよさそうにおしっこ」
「わぁ! わぁー!」
羽黒が慌てて声を出す。ショックは収まったようだが、まだまだ回復しきっていないらしい。可愛らしい反応を楽しみながら、提督が自身の水着を足まで下げた。
「あ、ん」
羽黒がぶるりと身を震わせた。今まで海パン越しでしかなかった提督の一物が直にあたったのであった。ぬるり、と羽黒の粘液が肉棒を伝う感覚に提督が身を委ねていると、羽黒の腕がぎゅうと提督を締め付けた。どうやら、同じように提督の熱さを感じているらしい。
「羽黒、もうちょっと脚上げて」
「は、はい」
ん、と羽黒の股が開かれた。暖かかった太ももの感触が半減し、提督のそこが寒さを訴える。だが、割りを食った太ももも、すぐに納得することになる。代わりに、提督自身が暖かさに包まれるのだから。
「ぁ、おっき、ぃ」羽黒が呻くように言った。
「羽黒も、いつもより濡れてないか?」
「……そんなこと、ないです」
そっぽを向いた羽黒の瞳が、中を掻き分けられる快感で絶えず小刻みに震えた。提督が、徐に腰を強く押し出す。肉を押しのけ、穂先がすんなりと押し込まれた。ふぁ、と羽黒が鳴き、顔を真っ赤に染めた。
「今度、鎮守府の敷地内でしてみようか」提督が笑った。「羽黒、もっと悦びそう」
「こ、ここで十分ですからっ」
「ほぅ。やっぱりいつもより感じていると」
「……ぁぅ」
などと、色々とうかつな秘書艦を責めていると、亀頭が硬いものにあたった。奥の奥まで入り込んだらしい。文字通り串刺しにされた羽黒が、ん、ふ、と快感を堪えている。
「動くぞ」
提督が、言うのと同時に腰を動かした。じゃぱ、と周囲の海水が波立ち、それをかき消すくらいの羽黒の喘ぎ声が聞こえてきた。羽黒がかぷりと提督の胸に噛み付いた。耳が真っ赤だ。
「声、聞かせてよ」
「やらぁ……恥ずかしい……」
羽黒が首を横にふる。胸元で押し付けるような熱い空気が走っていき、こそばゆい。紛らわすように提督が腰を打ち据えた。
「ひゃんっ!」
羽黒が震え、躰の赤さが増した。どうやら、提督に口を押し付けるだけでは声を抑えきれないらしい。やはり、いつもよりもだいぶ感じているようだ。
「羽黒」
一突きするたびに過剰な反応を見せる羽黒も愛しいものだったが、なにぶん提督も我慢が過ぎていた。それに、大声で喘いで見つかるのもそれはそれで不味い。どうしたものかと思ってから、なにかひらめいたらしい提督が、羽黒の額に口づけた。
「しれいかん、さん?」
「ん」
快感と羞恥がごちゃまぜになり、濡れた子犬のように提督を見つめる羽黒に、提督が唇を突き出してみせた。一瞬だけキョトンとして見せてから、羽黒が意図を察したらしい。おずおずと、提督のそこに自らの唇を付けた。
「ん、ちゅる、れろ、んふぅっ!!」
今度は舌を絡ませ合いながら、提督が羽黒をもう一突き。熱い羽黒の膣肉が提督に道を開けるのを愉しめば、羽黒がくぐもった声をあげた。甘い吐息が提督を中から犯していく。意識を他に向けようとも、背中では羽黒の腕が提督を強く抱きしめ、真正面では羽黒の乳房が
歪んでいた。いや、くすぐったく動き回る熱い尖りを考えるに、羽黒が上体を動かしているらしい。
「ん、れる、ふぁ、んちゅっ」
溢れ出る快感に抗うべく、羽黒が必死に舌を動かした。薄目を開けて羽黒の様子を見やれば、まるで乳飲み子のように提督に吸い付く羽黒がいる。いきり立った肉棒からの刺激とは別に、外見相応の幼さを見せる羽黒に、得も知れぬ快感が提督を襲った。愛おしそうに羽黒の舌の相手をしてやりながら、提督が羽黒の尻をそっと撫でた。
「んひぅっ!!」
びくん、と羽黒が震え、膣がきゅうと提督を締め上げた。胸がただただ押し付けられ、腕が提督にしがみつく。真っ赤な顔が、精一杯頬を膨らませて威嚇した。
「ぷぁっ、はぁ」
「ごめんごめん。さわり心地が良くって、つい」
「つい、じゃないですっ! んにゃっ!?」
むぅと膨れて小動物のように起こる羽黒に口先だけで謝りながら、提督が尻たぶの間に指を挿し込んだ。さわさわ、と穴に入れないまでも、周りを撫でながら突く。羽黒の膣がそのたびに提督を締め付けた。
「おしり、はぁっ!」
「気持ちいい?」
「…………」
提督が聞きただすと、真っ赤な顔がそっぽを向いた。それから、赤色が観念したように上下に動く。
「お外、なのに。お尻も、されて、こんな、のぉ」
「またイキそう?」
羽黒がこくんと恥ずかしそうに、しかし切羽詰まったようにうなずく。提督が、素直に腰の動きを早め、羽黒が喘ぎ声を必死に抑えた。羞恥と期待でぐちゃぐちゃの顔が、奥を小突かれるたびに歪んで、提督へと押し付けられる。
「羽黒。中に、出すぞ」
全身に愛しい人を感じる多幸感と、仄暗い支配欲を満たされた提督が上り詰めるのは早かった。全てを提督に委ねて快感に喘ぐ羽黒もそれは同じこと。はい、と喘ぎ声の中で明瞭な声が聞こえてきた。
「ぜんぶ、私に、くださいっ」
羽黒の言葉を合図に、提督の腰の動きが更に早まる。明確なラストスパートだった。羽黒が喘ぎ声を押し殺しきれず、甲高い嬌声が提督の一物を耳から苛む。羽黒が、懇願するように提督を見つめた。
「しれいかんさんっ! ぎゅって! はぐろ、ぜんぶ、ぎゅうって!」
提督の腕が上がり、羽黒の背中に巻き付いた。力を強く込める。羽黒はこの程度で壊れないという確信があったし、この秘書艦にはまだまだ教育が必要なようである。羽黒を抱きしめるのに、懇願される必要など微塵も存在しないのだ。
「ふぁ」
全身に提督を感じた羽黒が、目に見えて顔を蕩けさせた。そうなってしまえば、あとはもう耐えられるわけもなく。
「ふぁあ! ふぁあああああああああああっ!」
羽黒が全身をがくがくと揺らし、膣を思いっきり締め上げる。羽黒の甘い吐息が漂う前に、提督が下半身から力を抜いた。
「ふぁ、出てる、司令官さん、いっぱい……」
膣道で精を迸らせると、脱力した羽黒が寄りかかってきた。さほど激しい行為でもなかったが、どうやら精神的に来るものがあったらしい。
「お疲れ様?」
「何か、普通に泳ぐよりも疲れました……」
困ったようにハニカミながら、提督の耳元で甘く囁かれた。ぽんぽん、と羽黒の頭を撫でる。それから、ニヤリと口角をあげてみせた。
「那珂たちに見られなくて残念?」
「そ、そんなことないですっ」落ち着いてきた頬を再び赤く染めながら羽黒が大きな声で言った。それから、思い出したかのようにあたりを見回した。「そ、そう言えば、姉さんたちも川内さんたちもまだですね」
「何だ、忘れるくらい夢中だったのか。嬉しいね」
「違いますっ」
言いながら、提督が羽黒の中から一物を引き抜いた。とは言え、羽黒はと言えばもともと全裸。それ以上の後処理も必要ない。
二人、余韻に浸りながら抱きしめ合い、少し場所を移して――流石に行為があったその場に留まるのも居心地が悪かった――待つこと更に10数分。足柄が羽黒を呼ぶ声が聞こえてきたのはその時だった。
「足柄お姉ちゃん」
「羽黒。あんたまだ提督とひっついてたの?」
呆れたような足柄が、はい、と羽黒に水着を渡した。
「これに懲りたら、お気に入りの水着はもうちょっときちんと着てあげること。良いわね?」
「ご、ごめんなさい……。ありがとね、お姉ちゃん」
「私たちはともかく、川内たちが戻ってきたらちゃんと謝りなさいね?」
「はい……」
それから、羽黒が提督からおずおずと腕を外した。思えば、これほど長く抱き合ったのも、睡眠中の無意識を除けば数少ない。行為中の熱やら汗やらが、二人の間に入り込んだ海水で急速に洗い流されていく。ぁ、と羽黒が名残惜しげな声をあげて、足柄が不思議そうに首を傾げた。
「ま、ともかく」足柄がパン、と手を叩いた。「皆には集マレ信号出しといたから、戻ってきたらまた遊びましょ――」
足柄の表情が固まったのはそのときであった。怪訝そうに水の中を見る顔、その頬の部分が軽く赤へと染まる。額に青筋がたった。
「提督?」
「ど、どうした、足柄」
「何で海パン脱いでるのよ」
『あ』
提督と羽黒が間抜けた声を出した。そりゃ、たしかに羽黒は全裸だったが、提督はそうではない。ナニが終わったならば履き直す必要があった。
「まぁ、深く追求はしないであげるわ」妙高姉さん怖そうだし、と足柄が笑った。「恥ずかしいから早く履いちゃってくださいな」
「そ、そうだな」
提督がバツが悪そうに足元に手を伸ばし、砂を掴んだ。首を傾げてから、もう一度砂を掴む。ようやく水着を着直した羽黒が不思議そうに提督に寄ってきた。それから、提督の事情を察したらしい。
「……流された」
「えっ」
「あっ」
間の抜けた声が、寄っては返す波とともに消えていった。
提督の私室へ走れ羽黒! 妙高姉さんにバレる前に替えの海パンを持ってくるのだ!(ネタバレ:間に合わない)