ボバ・フェット(偽)はウィッチと共に空を飛ぶ - Another Story 作:KeI77777
KEY(ドM)と申します。
今回は、ブレイブ・ウィッチーズ編だゾ。
あ、前回の時よりちょっとさかのぼるゾ。
伯爵への人気に草。
それでは、ご覧ください(KBTIT)
KEY(ドM)
「う”っ!!」
雁淵孝美は焦っていた。
502戦闘航空団の基地まで船で向かっていた矢先に
大量のネウロイによって襲撃を受けていた。
そして、自身も傷を負い、落ちていく。
(・・・う・・・。)
朦朧とする中、下を向くと妹である
雁淵ひかりが受け止めようとしているの彼女には見えた。
何とか持ち越えたようとするも、体から
力が抜けていき、重力に従って落下していってしまう。
あと少しで、船に落ちる。
自分がやられればネウロイに妹ともども船が。
----ああ・・。
声が彼女には聞こえた。
----あ”あ”あ”あ”・・・。
それは、だんだんと彼女の方に近づいてくる。
-----・・・にあえええええっ!!
そして、下で受け止めようとしている妹にぶつかりそうに
なったその時、割り込む影が一つ。
背中のジェットパックから火を噴き、
雁淵孝美を抱きかかえて上昇する。
朦朧とする意識の中、彼女はその人物の
かぶっているマスクに右手で触れる。
「・・・・あ、なたは・・・?」
・・・しゃべらなくていい。
そういうと、その人物は
甲板にいる雁淵ひかりに彼女を渡す。
ひかり。彼女を頼む。
「あ、あなたは・・・?」
その言葉に答えることもなく、
マスクの男はネウロイに向けて飛んでいった。
「・・・!!私も・・・!!」
◆
俺としたことがなんて様だ。
以前、508に所属してた頃の孝美から
思い出を語られたときのシーンが脳裏に浮かぶ。
----『最初は私、502に配属される予定だったんだけど、
着任する前の戦闘で怪我をしてしまって・・・。』
だから、戦闘が行われたというここで長期間待っていた。
---彼女を助けるために。
(・・・・くそっ!!)
左手のリストミサイルからミサイルを放ち、
右手のブラスターでコアを破壊する。
落ち着け、最低限度の止血はしてある。
回復魔法が使えるジョゼが付きさえすれば
彼女は助かるはずだ。
だが、それでも目の前でウィッチが落とされるのを
見るのはつらい。
今回の人生では二度と周りに利用されないよう
陰から彼女たちを守ると決めていた。
・・・本当にぎりぎりまで戦闘に参加できなかった。
ブレイブ・ウィッチーズが持ちこたえるまで
戦えれば俺の勝ちだ。
ブラスターを二度、三度と照射する。
パキィン、とガラスが砕けたような音を立て、
崩壊していく怪異。
だが、相手の数がいかんせん多い。
(・・・っ!切り札を使うか?)
マロニーのネウロイ研究所から奪い取った
データで作ったとあるもの。
テストは行っているものの、
実戦で使うのは初めてなだけに
躊躇していた。
腰にあるホルスターにしまっていた
それをいよいよ抜こうかと
ためらっていると、ネウロイが
誰かからの射撃によってチリとなっていく。
「・・・・やああっ!!」
声のする方を見れば、雁淵ひかりが
両手に抱えている狙撃銃で敵を
狙い撃ちしている。
・・・なるほどっ!
初めてこの場面に居合わせたので
今までなぜ彼女がブレイブ・ウィッチーズに
入れたのか実際にはよくわからなかったが、
こういうことだったのか。
・・・・そこのウィッチ!!
「・・!は、はいっ!!」
俺が大声をあげると、近くに
寄ってきながら敵を狙撃し続ける彼女。
もう少しで近くの基地から援軍が来る!!
それまで動き回って時間を稼げ!!
「え、は、はいっ!!」
俺の言葉に従って、回避行動を優先して
飛び回るひかり。
これでよし。
・・・問題は、少しでも多くの数をここで落としておくことか。
そうしてミサイルをぶっぱなし、ブラスターを撃ち続けていると
両手がだんだん重くなり、指の感覚がなくなってきた。
・・・・っ!!
体をネウロイのレーザーがかすめ、
手が少し火傷した。
・・・ああああっ!!
背中にあるミサイルをぶっぱなし、
中型の装甲をコアごと撃ち抜いて
撃破する。
ぜえっ、ぜえっ、と息を切りながら
飛び回り続ける。
・・・まだか?!
彼女が徐々に被弾してきた、
このままでは・・。
「あ・・・・。」
一際大きなネウロイが彼女の前に
姿を現すと、恐怖で動けなくなる彼女。
そこに向かおうとすると行く手に立ちふさがる
他のネウロイたち。
・・・っどけっ!!どけえええっ!!
ブラスターをぶっぱなし、
ネウロイを蹴散らすも、体当たりされ、
銃を落としてしまう。
そして、その怪異どもの後ろにとあるものが
見えたとき、俺は思わず笑みを浮かべる。
・・・俺の勝ちだ。
次の瞬間、ネウロイが次から次にコアを撃ち抜かれて
塵になっていく。
ブレイブ・ウィッチーズ。
第502統合戦闘航空団のお出ましだ。
今の俺には彼女たちが天使に見えた。
しかし、今ばれるわけにもいかない。
・・・一体、どれくらい俺のことを
思い出されているかもわからない。
そんな中、彼女達に俺のことがばれるのは
マズイ。
背を向け、一人戦場を後にする。
-----ただいま、ブレイブ・ウィッチーズ。
小さな声で誰にも聞こえないようにつぶやくのだった。
◆
「・・・。」
グンドュラ・ラルは司令室で考え事をしていた。
先の戦闘の事。
雁淵孝美の事実上の脱退。
そして、その後を継ぐことになる雁淵ひかり。
だが、それよりもはるかに彼女の心を
とらえて離さないものがあった。
-----『ラル。』
あの姿は・・・。
その時、ドアノックされる。
かぶりを振るって、いつもの調子に戻り
彼女は入れ、と告げる。
がちゃり、とドアが開けられると
そこには自身が見知った人物が2人いた。
エディータ・ロスマン曹長。
ヴァルトルート・クルピンスキー中尉。
グンドュラ・ラル少佐と同じカールスラント出身の
ウィッチであり、戦友である。
「・・・なんだ?」
グンドュラが二人に司令室に来た用件を尋ねる。
すると、ヴァルトルートは笑いながらからかった。
「・・・今は、色々一度に起きたけど、
彼のことに関して話に来たんだ。」
「そうね。・・やっぱりいいことがあったわ。」
熱っぽい声で笑顔を見せるヴァルトルートと
ロスマン。
そんな彼女たちに向かって真顔のままグンドュラは言う。
「・・・忘れるものか。彼は私の傷を笑わないでくれたんだぞ。
・・・・あの格好をした人物は一人しかいない。」
そういうと司令室が沈黙に包まれる。
しかし、とある疑問が彼女たちの前に沸いた。
「・・・どうして、彼は私たちの顔を見るや否や
逃げたのかしら?」
「たぶん、僕と結納するのを恥ずかしがっているからじゃ
ないかな?」
「は?」
「ん?」
眉間にしわを寄せてすごむロスマンに対して
肩をすくめて「ジョーク、ジョーク。」と
からかうヴァルトルート。
「僕たちの前に姿を見せる気はなさそうだったね。
・・・・ちょっと許せないかなぁ。」
ヴァルトルートは右手をぎゅっと握り締め
怒りを少し露にした。
ロスマンも口では何も言っていないものの
どこか同じく不満そうな表情を浮かべている。
「奴にもイロイロとあるんだろう。」
その色々、を想像すると三者とも
違う反応を見せた。
ロスマンは計算した。
少なくともこの二人を味方につければ
彼をとらえられる可能性が高まると。
ヴァルトルートは勘で気づいた。
三人共倒れが一番まずい。
ならばこの二人を利用したほうがいいと。
そして、グンドュラ・ラルは想像した。
彼が502にいる他のウィッチたちに
ばれたらどうなるかと。
----『好きっていったのにっ!!』
----『左手がいいですか?右手がいいですか?
・・・失うなら利き手じゃないほうが
生活に支障が出にくいですよね。』
----『・・・・・・・・・。』
少なくとも一人占めするどころではない。
彼が自分以外の人間に殺されてしまうのも嫌だ。
なにより、一緒にシャワーを浴びる以上のことを
まだしていない。
(・・・いやだ。)
普段、鉄面皮で感情を表に出さない
彼女は思わず心の中でつぶやいた。
「・・・共有しないか?この3人で。」
「・・・・実は、僕も同じことを考えて
ここに来たんだよ。」
「・・・ある意味、これまで以上に
親密な付き合いになりそうね?」
三人は部屋の中で静かに笑った。
ぶえっきしょい!!
・・・寒気が止まらない。
・・・・まさか。
い、いや。
なるべく彼女たちに見えないよう隠れながら
飛び回っていたし。
大丈夫。大丈夫。
・・・・うん。
毛布にくるみながらベッドで
寝ているのだった。
502の始まりだゾ。
部分的に覚えていることが弊害となって
雁淵孝美を助けられなかったゾ。
悲しいなぁ・・。(諸行無常)
え?その後?
・・・・彼女が目を覚ますのは
三か月後だから(震え声)
感想、くれ。
KEY(ドM)