いくら興味があろうとも、今宵の夜会に参加することはお勧めしかねます。
何故なら、幾ら命があろうとも、到底足りないでしょうから。
第一戦『 』
高層ビルの階段をカツカツとヒールの音を鳴らしながら優雅に登る。
美しい金の長髪。上質な白と橙のドレス。魅惑的な赤の口紅。見惚れる程に綺麗な女性だった。しかし、そんな彼女の手には黒い輝きを放つ二丁の機関銃。名を『
摩天楼の最上階に辿り着くと、彼女はその扉を開け放つ。
「みなさま、お待たせしました。ご機嫌うるわしゅう。私が『亥』ですことよ」
十二支であるならば『亥』は最後に登場するものと、相場は決まっている。
戦士『亥』こと
「…『亥』?…『亥』の戦士かね?では、何故此処に
黒髪長髪漆黒の角を持つ男が仏頂面のままに疑問を投げかけた。それを聞いて一同が驚いたように周囲を見渡す。会場には12人の男女、そして死体が一つ。
「ありゃー…これは物の見事に死んでるな。流石に首チョンパされて生きちゃあいないだろう。ナムー」
会場の奥、そこには無残にも首を切り落とされた死体が転がっていた。死体の前に男が一人しゃがみ込み、祈るように合掌をしている。
見るも無惨な殺し方。一体誰がこれ程に非道い事が出来ただろうか。『亥』の戦士・異能肉は犯人と思しき人物に視線を投げ掛ける。
「僕じゃないよ、僕じゃないよ。証拠も無いのに人を疑うのやめて」
血だらけの刃物をその手に持ちながら、己が無罪を主張する狂人。
兎耳のカチューシャに襟とネクタイとカフスとサスペンダーと綿毛の様な尾の着いたパンツ…そしてハイヒール。それ以外がほぼ全裸の変態男が、何を主張しても説得力の欠片も無いと言う物だ。
「そうだよっ!人を疑うなんてイケナイ事だよっ!なんでそんな非道いことをするのさ!」
つい先程まで仏に祈りを捧げていた男が、狂人を擁護するように声を上げた。
三角耳のカンカン帽に癖っ毛の有る茶髪、猫を思わせる糸目。目の角から一筋涙を流したその顔は、何処か愛嬌があった。
「ようこそ戦士たち」
ダンスホール程の小さな会場。その上階の踊り場に初老の紳士が歩み出る。
姿勢良い姿で立ち止まると、眼下を見下ろして、更に言葉を続けた。
「皆様、お揃いのようですので…それではこれより、第十二回十二大戦を始めさせていただきます。
冷え切った会場に男の乾いた拍手が木霊した。
◇
人口五十万人規模の大都市から一夜にして人払いが成された。残るのは少数の運営陣、そして僅か12名の戦士のみと成った。
しかし、それも半日が過ぎる頃には更に減る。
『十二大戦』
古来より幾度となく繰り返されてきた代理戦争。十二人の戦士の中から勝者を当てる
戦いに生き残り勝利を手にした参加者には、勝者の望む願いが、『なんでも一つ叶う』権利が与えられる。挑戦者達もこれまで数多くの修羅場を潜り抜けてきた
「私は大戦の審判を務めさせていただきますドゥデキャプルと申す者です。
どうかお見知りおきを…」
「早速では御座いますが、これよりルール説明に入らせていただきます。
会場中央にありますテーブルをご覧下さい」
テーブルに視線を向けると席が十二人分。皿の上には紫闇色に輝く宝石が置かれていた。
「その宝石を各々一人づつお取り下さい」
紳士の言葉に従い、戦士達は一つづつ手にする。
各々が一騎当千の戦士、当然一癖も二癖もある。そんな際物達が従順に紳士の指示に従う。それ程、この大戦が持つものの「重み」、「力」が感じ取れた。
「……して。貴方は誰ですかな?
いいかげん名乗りを上げては如何でしょうか?」
紳士の放った重みを含んだ言葉。いったい誰のことかと、一同が首を傾げた。
「ん?俺のことかい?」
そう答えたのは、猫顔のカンカン帽の男。あの狂人を擁護する変人だった。
「聞かれたならば答えねば成るまい!
俺は『猫』の戦士!『好奇心で殺す』!名を
今宵の夜会、招待状は無いが飛び入り参加させて貰うぜぃ!」
威勢良く答える
(……『猫』…見覚えも聞き覚えも無い戦士ですわね)
それを聞いた異能肉は記憶を掘り起こす。今までに渡り歩いた戦場で、その男を識ることがあっただろうかと。
(私が知るのは『丑』『未』『酉』『戌』そして『申』。あそこで首を刎ねられているのが噂の
記憶から敵対者の実力を目算する。誰を警戒するべきか。誰を先に仕留めるべきか。
「…まぁ、良いでしょう。幸い、席も一つ空いておりますし、数合わせにはなりましょう。
貴方の参戦を我々は認めます」
「おう!ありがとうな!」
「それでは皆様、その宝石を噛まずに呑み込んで下さい」
「え?呑み込むの?これを?」
飲み込むには少々…いや大分苦労しそうなサイズの宝石。口に含むだけで怪我をしそうだった。
「必要でしたらお水を用意致しますが?」
「あーうん、頼むわ…」
「でしたら向こうのテーブルの水差しに入っております」
「セルフサービスかよっ!」
音弧はぶつくさ文句を垂らしながらも脇へ移動すると、ガブガブと水を口に含み宝石を呑み下した。
「うぷ…。な、何とか呑めた。胃がゴリゴリする…」
「ご一同、含咽されましたね?
では明かさせていただきますが、それは毒の塊にてございます」
猛毒結晶『
人間の胃酸と独特の化学反応を起こし、およそ12時間で死に至らしめる。
高い硬度を誇り、如何なる物理手段を用いても破壊することは叶わない。
特殊な切り出し方をされた宝石は、喉を通りにくく、吐き出すことも叶わない。
助かるには専用の『解毒剤』が必要となる。
此度の大戦。その勝利条件は、12個の『獣石』を制限時間内に全てを集めることだった。
「では、これが最後の質問だがね。
その頑丈な宝石を…人間が呑み込んでしまった宝石を、一体どうやって集めろというのかね?」
「……方法は各人の手腕とご判断にお任せいたしますが…。
しかし、参考までに申し上げますれば。相手の腹を掻っ捌くのが最も手っ取り早いかと…私などは愚考いたします」
決まり事の最終確認を優勝候補の戦士『丑』が問えば、紳士は何食わぬ顔で平然と言って返した。
「おっし!そうか!では早速!」
意気揚々と音弧なる男は、腰に下げた刃物を抜き取ると、突如己の腹に刃を突き立てた。
「んなっ!?」
一同が驚愕する中、音弧は止まらない。刃を横に引くと、傷口が広がり夥しい量の血が流れた。
血が流れ尽くした頃に、思い出したかのように腹の中から毒の宝石が吐き出され、腹を裂いた愚者はそのまま絶命した。
「…ははっ…ははっ!なんだぁ?そりゃあ?
はははっ!一体何のギャグだってんだよ!訳も分からず出て来たと思ったら!訳も分からずに死にやがった!
随分と体を張って笑いを取りに来てくれたなぁ!」
『辰』の戦士の高らかな嘲笑が鳴り響く。ここに居た13人の戦士は、戦いを待たずして11人になった。
「いや~危ない危ない…。危うく毒でオッ
でも、これで一安心だな!」
「っ!!?」
一同が再び驚愕した。
先程絶命したはずの音弧が何事も無かったかのように『獣石』を拾い上げると、それをズボンのポケットに納めた。
(……血痕すら無い?一体どんな手品を…)
音弧の足下にあったはずの血溜まりはいつの間にやら消え失せ、真っ白な床が新品のように輝きを放っていた。
「…ほう?此度の大戦、どうやら面白くなってきましたね」
進行役のドゥデキャプルはその様に新参の男を評価した。最も口から出た言葉とは裏腹に歯噛みしたような貌をしていた。
「それでは世界が世界に誇るべき強靱なる戦士達のご健闘をお祈りします」
そう告げると紳士は闇の奥に消えた。
◇
残ったのは12人の戦士達。
視線が交差する。殺意が飛び交う。一触即発の事態だった。
「みんな!ちょっと聞いてくれる?提案があるんだけど!」
声を上げたのは一人の女性。背中に大きな鞄を背負った女。『申』の戦士だった。
「このルールならみんなで協力すれば、誰も死なずに済むかも知れないわ!
私に賛同してくれる人はいるかしら?」
真っ先に手を上げたのは『猫』と『子』だった。
「貴方…本当にいいの?貴方の場合、お腹に毒は無いから、生き延びさえすればそのまま一人勝ちよ?」
「いや?勝利自体には興味が無いし、生き残りは多いに越したことは無い。
それに…「美人のお誘いは
八重歯を覗かせニコリと笑う音弧。親指を突き立て、『申』に向けて爽やかに言い放った。
「俺も…乗るよ。誰も…死なずに済むなら…それに越したことは…ない…」
寝ぼけ眼に欠伸を噛み締めながら『子』はそう口にした。
「それで?あんたを優勝者に祭り上げて、あんたがみんなを生き返らせる…って算段かい?」
「少し違うわ。それだとちゃんと生き返らせるかどうか不安が残るでしょう?
私の必勝法はもうちょっと安心感のあるものよ」
「具体的な方策は言えないのかい?少なくとも交渉するには、もう少しばかり『材料』を提示するべきじゃ無いの?」
「…ごめんなさい。まだこの場で直ぐには言えないわ。この案は決行直前じゃ無いと意味が無いの…」
「まぁ、そうまで言うならこの場では引き下がるけど…後でちゃんと説明してよ?」
「…えぇ、必ず。他にはいるかしら?」
『申』の呼びかけに『猫』『子』、そして後から『丑』『酉』『午』が手を上げた。発案者を含む全6名、『申』の同盟は早くも一大勢力と化そうとしていた。
(…まずいですわね……。
バトルロイヤルで勢力が出来るのは避けるべきこと……。さらにそこに、私に匹敵する優勝候補、天才『丑』がいるのは最高にまずいですわ)
勢力が過半数を超えようものなら勝敗は決する。多くの者が勝ち馬に流れ、流れに逆らった僅かな者が負け犬として排される。
(乗るべきか…反るべきか…)
異能肉の中に葛藤が生まれる。確かに勢力に乗ってしまえば、この先楽に事を運べる公算が立つ。
だがしかし、異能肉としては『申』の…
されど、異能肉は昂ぶる感情を宥める。
(しかし、ここで場を乱すのは優雅ではありませんわ)
そうしている内に遂には7人目が手を上げた。血濡れた刃物を滴らせ、高々と掲げて賛同の意を示したのは…狂人『卯』の戦士。
それを見た瞬間、『丑』『酉』『午』はそっと手を下げた。
当然だ。素人目に見ても常人を逸脱した出で立ちに気配、傍に居るだけで身の毛もよだつ。
「オーケーありがとう!平和主義者が三人もいてくれて嬉しいわ!」
三名が辞退した所で『申』の戦士は勧誘を一度締め切った。最終的に頭数が減ったものの、しかし四名されど四名。全体の三分の一に相当する勢力となった。
「他のみんなも気が変わったらいつでも言ってきてね。
じゃあ君と…おーい!そっちのウサ耳とネコ耳の人ー!こっちに来て…」
「!!」
次の瞬間だった。足元の床に稲光が走った様に亀裂が駆け抜け、会場が崩落した。
天にも昇る摩天楼から奈落の底へと堕ちていく十二人の戦士たち。彼等の戦いの火蓋と共に切り落とされた。
◇
(…誰が床を崩したのかわかりませんでしたけれども、その戦士には要注意ですわね。
何らかの特殊な技能なのか、それとも……)
高層ビルからの自由落下。『亥』の戦士・異能肉は事態を考察しながらも状況に対処する。
両手に持つ二丁の愛銃から熾烈な火砲を撃ち鳴らし、彼女を害する瓦礫の山々を鎧袖一触に撃ち払う。
遥か天上より地に降り立つと異能肉は辺りを見渡した。
(まあ「チーム申」の成立が妨害されたのは喜ばしいことですわ。
ですが、あの申は真っ先に始末したいですわね)
では、どう動こうか?
思案をした矢先のことだった。
「うわぁぁぁっ!!?」
上空から黒い影が堕ちてくる。異能肉は銃口を向けるも間に合わず、影は彼女目掛けて落下した。
そのまま影が異能肉の体に覆い被さる様に倒れ、彼女を組み敷いた。
(くっ!不覚っ!私としたことが何という失態をっ!)
銃を手にした彼女の弱点は懐に入られることだった。銃器の旨味はその射程と手数と制圧力にある。しかし、それも銃身の内側に潜り込まれては意味を成さないのだ。
大戦開始から僅か5分42秒。彼女の喉元に『死』が突き付けられた。
眼前の影、襲撃者の戦士は異能肉の瞳を覗き込む。細い糸目がハシハシと見開かれ、驚いた様子だった。
「……
そう呟くと襲撃者…『猫』の戦士・音弧は異能肉の豊かな胸の膨らみに、顔を静かに
「…っ!?ふんっ!!」
「おぎょっ!?」
状況を察した異能肉は動いた。足の筋肉を動かし、膝を上げる。振り上げた膝は音弧の股、その中心へと吸い込まれる。
流石の戦士と言えども、所詮は男。全世界男性の共通ウィークポイントにインサートした音弧は堪らずに悶絶。その身を怯ませた。
惨めなミジンコの様に這い回る変態を異能肉は蹴り飛ばすと、足蹴にし銃砲の斉射を男に叩き込んだ。
火砲は先程よりも激しく、先程よりも強く、先程よりも私怨を持って、その引き金を引かれた。
「…一体何なのですの?このヘンタイは?」
銃声が鳴り止む頃、視線の先には灼き焦げた骸が一つ。異能肉が屠った、音弧の死体だった。
「酷いなぁ?子供が作れなくなったら、如何するの?」
「キャアアアアアッ!!??」
異能肉から優雅とは到底懸け離れた悲鳴が響く。
ゆっくりと背後から忍び寄った音弧が両手で、たわわに実った異能肉の乳房を鷲掴みにしていた。
「あっ、好い
(どういうことですの!この男は今し方、私が確かに殺したはず!)
視線を向ければ、先程音弧の死体が転がって居たはずの場所は血の跡一つ消え失せていた。
ルール説明の際、音弧は自らの腹を掻っ捌いて毒の宝石を取り出した。あれは当初、手品かイカサマの類だと予想を立てていた。
しかし、実際には異なる。戦いのプロたる異能肉が彼の銃殺を確信したのだ。それを
だが悠長な事は考えていられない。音弧は今も異能肉の乳房を揉み拉くだけでは飽き足らず、その乳房の中心にある突起物を抓み始めた。不必要に刺激が体を走り、強い不快感を与えてきた。
「いや~猪の肉って『ぼたん』って言うけど、正に的を得ているよな?
何せ『
「ちょっと!どこを触って…んんっ!?」
「んー…このツレナイ感じ、やはりツンデレさんなのかな?
お嬢様のツンデレキャラって所謂テンプレートだし、一定の需要は確実にあるよな」
命を狙われることは数あれど、貞操を狙われるのは流石に無い。おおよそ想定とは異なる身の危険、「寧ろ、あってたまるか」という話であった。
彼女の体に指を這わせ体を
「…残念。もっと堪能したかったけど、
戦士の皆が一度は隠遁を選択した状況。姿を現したのは、やはり常識の通じない相手だった。
「誰からでもよかったんだけどーよかったんだけどー…きみは僕にあらぬ疑いをかけてくれたからねー。まったく証拠も無いのに人を疑うなんて…。
人間性を疑うよ」
頭上に揺れるウサギ耳。両手に持った大振りの刃物。半裸以上全裸未満の狂人だった。
刃を突き出し、怒りを込めた瞳で、狂人は異能肉を睨みつけた。
「ちょっと待ってよ!誰しも間違いはあるさ、人間だもの!
互いの間違いを許し合い、認め合う。それが人間ってもんだろ!」
咄嗟に異能肉を庇うように音弧は前に出る。何か良いことを言っているようだが、先程まで淫行に耽っていた唯の変態である。
狂人と変人が向かい合う。状況は急速に変化しつつあった。
(…漂う変質的な雰囲気でわかりにくくなっていますけれど、この戦士…普通にできますわね。
可能ならば強敵同士で潰し合ってほしかったですわ。丑か…ベストは申。まぁ、幸い猫がどういうわけかこちら側寄りにいるようですので、程々に利用しましょうか…)
いざとなったら変態二人纏めて仲良く銃弾を喰わせてやれば良いと判断して、異能肉は状況を静かに見守った。
「駄目だ、ダメダメ。その人は殺す、今コロス。こんなに疑われたせいで、僕の繊細な心はズタズタのボロボロになってしまった…。彼女には償って死んで貰うことにするよぅ。
…でももし、それをきみは邪魔するって言うのなら…殺すよ?」
狂人が殺気を滾らせて音弧を睨む。
それを見て音弧は目を伏せ、深呼吸をした。
「…「この世の女性は
女性の敵の間違いでは無いかと内心ツッコミを入れた異能肉は、静かに身構える。
始まる…十二大戦。第一戦。
「そっかぁ…残念だなぁ。きみとはお友達になれると思ったのになぁ」
「奇遇だな。俺もだよ」
音弧はナイフを抜き、腰撓めに構える。
狂人は双刃を手にし、無防備に構える。
「『猫』の戦士──
『好奇心で殺す』音弧」
「『卯』の戦士──
『異常に殺す』
名乗りを交わすと、先手を取り動き出したのは音弧だった。
一歩二歩と走り出し、三歩目を踏み出した瞬間、音弧は火達磨になった。
「ぎゃあああっ!?」
「!?」
炎はたちまち燃え盛り、必死に抗う音弧を包み込む。
異能肉は反射的に視線を横に向ける。横槍を入れた…いや、
(死体が…動いている!?)
乱入者は首無しの死体だった。唯の死体では無い。あれは先程まで会場に転がっていた死体、『巳』の戦士の死体だった。
背中に大きな燃料タンク付きの火炎放射器から放たれた業火こそ、音弧を焼いた原因だった。
「あ…貴方…『
首無し死体の動く理由。異能肉は『卯』の戦士の能力を看破した。
これ程までに恐ろしくおぞましい能力は無い。死んだ相手を操れると言うことは、この『十二大戦』の必勝法でもある「裏切らない仲間」を作るコミュニケーション能力と言ってもいい。戦況が後半に成れば、死者は増え、『卯』の勢力は拡大する。
「『
僕は殺した相手とお友達になることができるんだ。昨日の敵は今日の友…僕なら一日待たなくても、すぐに友達だよ」
そう言いながら憂城は双刃を罰印に交叉させて振るう。斬擊は音弧の胸を切り裂き深紅の花を咲かせ、炎と混じり真紅となる。
「『巳』の戦士を殺したのが僕じゃないなんて嘘をついてごめんね。きみたちが僕の属性を知っているかもしれなかったから用心したんだ。
でも許してくれるよね?これからきみも僕のお友達なんだから」
音弧が膝から崩れ落ちる。当に息絶えたのだろう。これから死体となって…。
憂城の腹を掻っ捌いた。
「……………え?」
腹部から感じる熱、そして痛みに憂城は目を剥いた。その正面、胸に飛び込むように音弧はナイフを持ったまま全身で当たっていた。
「ずっと…騙してたんだね…。酷い酷いよっ!人を騙すなんてそれは最低な事だ!
人間性を疑うよっ!」
音弧は細い目からハラリハラリと涙を流し、必死に訴えかけていた。しかし、手は止めない。
ザクリザクリと鋭利な刃物が何度も憂城の腹を刺す。血が
音弧が憂城の腹に拳をねじ込み、毒の宝石を引き抜くと、その激痛に憂城は血溜まりにその身を沈めた。
「でも…仕方ないんだよね?それがきみなんだよね?
わかったよ…きみが「殺した相手」と友達になれるなら。きみと俺は『ズッ友』だよ!!」
第一戦『兎にも
設定
「『九死に一生を得る』なんて言うけど、10回チャンスがあって9回は
つまり、ソシャゲの10連ガチャでSSR引く確率より高いって事じゃないか?そう考えると「案外、イージーモードだなぁ…」って、俺は思うんだよ…意外と爆死するだろ、アレ」
名前:戦士『猫』──
『好奇心で殺す』
本名:
欲しい物:「幸せが欲しい」
性別・容姿:男性、癖っ毛の茶髪、糸目、猫顔、中肉中背。
趣味:三味線
装備:ネコ耳付きカンカン帽、銀色のロケット、カジュアルスーツ、サバイバルナイフ1本、ワイヤーガン1丁、ホルスターベルト、投擲用鋲数本。
性格:陽気・狂人・助平
能力:『
死後自動発動。死んだ記憶を保持した状態で、死ななかった可能性に跳躍する。
その際事象が書き換わる瞬間が、ゲームの処理落ちの様にラグ(タイムパラドックス)として世界に残滓を残す。
早い話が「死を
行動方針:
・十二大戦の破綻
・女性メンバーにセクハラしまくる
・女性メンバーの全生存
タイトル案:
第二話 『猫も杓子も爪を研ぐ』
第三話 『鵜の目鷹の目仔猫の目』
第四話 『隙を窺い、
→『たくらだ猫の隣歩き』
第五話 『羊の皮を被り、猫を被る』
第六話 『
→『虎は猫の心を知らず』
第七話 『猫鼠同眠(共)』
第八話 『猫鼠同眠(謀)』
第九話 『窮鼠は得てして猫を噛む者』
第十話 『豚に念仏、猫に経』
→『
第十一話『結構
→『豚に念仏、猫に経』
第十二話『毒皿舐めた猫が科を負う』
◇
後書き
ニコニコ静画マンガのお試し読み『十二大戦』のタグに「汚いえとたま」と書いてあった、「じゃあ猫追加してやんよ!」となったのが発端。
息抜きがてらに勢いとノリだけで、さっと設定作って書いてみた。
初っ端兎狩りをしたのは…
①海外の干支には兎の代わりに猫が入るものがある程度、散見するため。
②こいつ死ぬだけで女性メンバーの生存率かなり上がるんじゃね?
…と言う理由から。兎さんにご退場願いました。
しかし…
①絶望的低文才(難しすぎて書けない)
②原作未読
③アニメ未完
④原作ブレイクがパない(再編を強いられるレベル)
⑤そもそも西尾維新作品の小説を殆ど読んだことが無い(めだかボックス漫画全巻・小説読破、刀語シリーズアニメのみ、物語シリーズ未読・未視聴)ため、作風及びキャラクターの掘り下げが出来ない。
…等の理由に没。
…求む、どなたか書いてくれ(チラッ)