※この作品はR-18です。

脱衣麻雀と私   作:叶芽

5 / 9
五回戦

二回戦

 

 

 

東一局 親 私 ドラ {5}(表示牌{4})

 

座順

 

私→愛花→部長→副部長

 

  

 

 

 一回戦終了後、一千万払って眼鏡を回収したのにはそれなりの理由があった。跳満を振り込めば速攻全裸のルールである以上、そして私の目的から考えても、回復にさして意味は無い。こちらにメリットなど無い。

 私は彼らの顔を見たかった。金が戻ってきた時の彼らの表情を。彼らにとって安くない金だ。その金を取られるということは、身を切られるのと同じ。私から戻された一千万を手にした時の彼らのほっとしたかのような表情はそれを証明していた。少しは分かった?身を切られるということがどういうことか。

 東一局、私以外はよく動いている印象だった。局の中盤から終盤にさしかかるころには、上家は{三}を愛花さんからポンしていて、対面は自風牌の{西}を含めて二鳴き、下家の愛花さんも二鳴きで、私を除いて全員テンパイしているように見えた。しかも恐らく高い雰囲気。私は親だったけど、ここは降りた。ツモられるのも仕方ないと思った。

 

「悪いナ…それロンだ…」

「ひっ…」

 

北家 副部長 手牌

 

{④④④⑥⑥77中中中} ポン {三横三三} ロン {7} 

 

トイトイ 中 40符3飜 5200

 

 愛花さんが副部長に5200を打ち込む形で、その局は終わった。彼女の悲鳴は、表情は演技には見えない。同情を誘うという点では100点満点の出来だった。これで彼女はさらに二枚のペナルティ。制服の上着とその下のセーターを脱いだ。脱いでいる時の彼女の手は、明らかに震えていた。

 

私   25000

愛花  19800(-5200) (-5200)

部長  25000

副部長 30200(+5200)

 

東二局 親 愛花 ドラ {八}(表示牌{七})

 

 東二局で危険な臭いを醸し出していたのは対面の部長だった。

 

南家 部長 手牌

 

{■■■■■■■} チー {横123} ポン {55横5}

 

南家 部長 河

 

{⑦九三二①二}

{西七1}

 

 最後の打{1}で恐らくテンパイ。索子の混一、もしくは清一の手。その時の私の手は…

 

北家 私 手牌

 

{四六六②③3366白発中中}

 

 三元牌が切りづらい場であったためにこういう形になったけど、うまくいけば七対子にはなるんじゃないかと思った。最終的に、実際そうなった。

 

北家 私 手牌

 

{六六②②③③3366白中中}

 

 この形に、下家の愛花さんは、{白}を、それも私が張った同巡に捨ててきた。私はごめんと言って牌を倒した。1600。

 実際は、彼女は下位よりも上位に居た方が私にとっては有利だ。ルール上、ワンツーフィニッシュが一番の理想形。彼女が裏切り者であったとしても、彼女から直撃を奪うのは得策ではない。だけど、この局に関しては別だ。

 彼女は親で、対面は明らかに高い手を張っている。ツモられれば彼女は親かぶりで、さらに点差が広がる。ここは私の1600が一番のルート。ペナルティも無い。だから私は牌を倒した。でも、それでもマイナスはマイナス。振り込みは振り込み。彼女の泣きそうな表情はますます同情を誘った。

 

東三局 親 部長 ドラ {六}(表示牌{五})

 

「リ…リーチします…」

 

 しかし捨て牌の内容は強気だし、リーチをかけること自体やはり強気に思える。

 

北家 愛花 河

 

{九6⑦⑥七横③}

 

「やった…ロ…ロンです!」

 

 局の中盤、部長から追っかけリーチをかけられはしたが、最終的に和了ったのは彼女だった。副部長からの直撃、7700。

 

北家 愛花 手牌

 

{三四①②③④④123456} ロン {二}  

 

リーチ 平和 裏2(裏ドラ④筒)  30符4飜 7700

 

 これで彼女は原点復帰し、僅差ではあるけど一位にもなった。残り局は一局。この局で私が和了れば理想形のワンツーフィニッシュ。流れは来ていると思った。

 

東三局終了時

 

私   26600

愛花  26900(-6800)

部長  24000

副部長 25500

 

東四局 親 副部長 ドラ {七}(表示牌{六})

 

南家 私 配牌

 

{三四九①④④⑨1234東白}

 

 悪くない。上手に運べればメンピンツモの700・1300のフィニッシュの形。

 九巡目、目標としていた平和の形は消えたけど、一応イーシャンテンの形には持って行けた。

 

南家 私 手牌

 

{三四③③④④12345北}

 

 {北}を残しているのはこの牌が生牌であるのと、対面が大明カンしていて、新ドラが{北}になっていたから。この牌はテンパイした時に勝負に行こう、ということで抱えていた。

 私はこの形に{8}を持ってきた。場は対面が3鳴きで、下家の愛花さんは二巡前にリーチをしていた。その時私が最も警戒していたのは対面だったのだけど、{8}は対面の現物だった。間違いなくの安牌だと思い。私はそれを切った。

 

 

 

―――切った……

 

 

 

―――切った?

 

 

 

―――何故切ったの?

 

 

 

「ごめんなさい……。ロンです。」

 

 

―――あ…

 

 

―――ああ!!!

 

 

 しまった。『彼女』が居た。何故切った?彼女は味方とでも思ったの?彼女が高めを私から和了らないとでも思ったの?油断した。完全に油断した。私は…心のどこかで彼女に同情していた。それにワンツーフィニッシュが理想?馬鹿言わないで。仮に彼女が点を取ったら、金を取ったら、その金で服を返して貰って向こうを回復させるに決まっているじゃない。馬鹿だ…。私は何を切っている…。

 

西家 愛花 手牌

 

{三四五六七八②③④⑧⑧67} ロン {8}

 

リーチ タンヤオ 平和 ドラ1 裏1(裏ドラ{②}) 5飜 8000

 

 なんと綺麗なメンタンピン。しかも彼女の捨て牌は…

 

西家 愛花 河

 

{西}({七}){一②7南二}({横⑦})

{東}

 

()内の牌は喰われた牌

 

 この形になんで{5}、{8}が躊躇いもなく切れたの?この間抜け!大間抜けだわ!!上家が{1}通しているんだから先に打{1}でしょ?何やっているのよ私。

 

二回戦 終了

 

私   18600(-8000)

愛花  34900(-6800)

部長  24000

副部長 22500

 

 最悪。最悪のパターンだわ。8000振り込んでまず三枚。そして原点から6400のマイナス、つまりさらに二枚…。一気に全ての服が無くなることになる…。

 

精算

 

私   プラマイゼロ(ペナルティ計5枚)

愛花  +8000万(3コロトップ)

部長  -2000万

副部長 –6000万

 

「で…どうする?君が今持っている5000万。全て僕たちに返してくれれば、君は脱がなくて済むんだけど」

「………誰が…そんなことをするものですか。覚悟ならとうに出来ているわ。今日私は…あなた達を殺しに来たのですから」

「へぇ、一回戦の時は回復したから、今回もそうすると思ったけど、意外だね」

「あれにはそれなりの理由がありましたからね、個人的な。けどこっから私は…金以外、何一ついりません。守銭奴のように金…」

 

 この台詞…言ってみたかったのよね。

 

「でも『この先』どうなるか分かってる?そこの見学者にも『見られる』んだよ?」

「ふっ…。構わないわ。まるで構わない。そんなことは想像の範疇。そちらの好きにしてください」

 

 おじさんに…見られる…か。だけど…一つだけ違和感がある。思い返せば、おじさんがこの部屋に入ってからだ。おじさんが一言も『喋らない』。私のこの行為に、少しくらいは口を出してくれると思ったけど…。おじさんにとって私は、どうでもいのかな…。それとも、口を出さないってことは、私のことを分かっているからなのかな。後者で…あってほしいと思う。

 おじさんは私の後ろのドアの方にいる。制服の上着を脱ぎ、スカートを脱ぎ、下着を外した。他人には見せたことのない部分を、白い肌を、正面の男子たちに見せた。恥じらいの表情などするものか。手を使って隠したりもしなかった。最後に眼鏡を外し、その目はまっすぐと対面の部長を睨み付け、堂々とあろうとした。

 だけど振り返ることだけは出来なかった。おじさんがどういう反応をしているのか。気にはなった。でも確認はしたくなかった。怖かった。犯されることよりも怖かったからだ。

 これは私の油断が招いた状況だ。どこかで、彼女に…愛花さんに頼っていた。駄目なんだそれでは…。だから残り4ゲーム…

 

 

 

―――もう誰にも頼らない

 

 

 

「さて…愛花ちゃんはどうする?8000万持っている。ってことは5枚回復しても3000万のお釣りが返ってくる。ってことは当然……」

「いりません…」

「え?」

「いりません…。何故なら…私も………あ……あなた達を…殺しに来たのですから…」

 

 何……だと……?

 

「ま……愛花…さん……?いいの?」

「ええ…。私も……逃げません……。それに…倒せます。二人なら行けます。打ちましょう。私と貴女で今日…牙城を打ちましょう」

 

 予想外。あまりにも予想外だった。彼女は…やはり味方なのか?

 いや違う…。彼女は私から和了った。躊躇いも無く。(躊躇ってる演技はしてたけど)

 

「オーラス。貴女から和了ってごめんなさい。でも、貴女が覚悟をしているのは知っていました。このゲーム…私か貴女が一位なら勝てるんです。ワンツーフィニッシュが一番の理想形ですけど、どちらかが一位になれるなら…確定させた方が良いんです。私が入ってしまい、こちらの取り分が減ってしまったのは一見マイナスでしょうけど、一人が四人の中で一位を取るか、二人が四人の中で一位を目指すかってなれば、当然後者の方が確率は高いですよね。だから私は今日この麻雀に参加し、そしてさっき…貴女から和了りました」

 

 間違ってない…。言われてみればそうだ。勝率に関して言えば、こちらの方が断然得。それなら彼女の行動には全て筋が通る…。彼女は、もしかしたら味方なのかもしれない。だとしたら私は、彼女になんてことを…。でも…それも罠かもしれない…。けどその罠は?その根拠は?わからない…。見当もつかない…。

 

 

 

―――訳が分からないよ…

 

 

 

 

二回戦結果

 

 

私  ライフ 0

 

全裸(以後ペナルティ毎に何らかのプレイ)

 

愛花 ライフ  5

 

カッターシャツ

スカート

下着上下

眼鏡

 

麻雀部 ライフ

 

残り  3億7000万

 

 

 

 

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