Search&Destroy -true But Whole 作:アンデッド
レインが目覚める3ヶ月前の話です。
LSD総合病院、特別個室。
シュゴ…シュゴ…
「レイン、憶えてるか」
エレンはすがる思いで
過去の思い出をポットに眠る
”妹”に語り出す。
ーーー
ーー
ー
「エレン…」
「なんだ? レイン」
「ダイチくんは何人目だっけ?」
「三番目だ」
「あと12人…張っていかないとね」
『正気かよ、オマエ』
「モチのロンさ。あたしは
教師なんだよ」
「だからー」
ドスドスドス
「子供は護らないとね〜」
『オマエも子供じゃねぇか』
オマエは…強い。
俺よりも意志が強固で
ブレなかった。
操縦したら死ぬ。負けた地球が滅ぶ
というイヤすぎるSF漫画『ぼくらの』。
その世界でやってのけた
一つの快挙。
”死ぬ運命にある年齢バラバラ
15人の子どもを救う”
誰にも真似できないことを
いつも命懸けで成功させるよな。
その15人の中で
特に仲が良かったのは
タッタッタッタッタッ
「チズちゃん!!」
「レインちゃん…」
「モザイク宗家のゴールデンボール饅頭が
買ってきたから食べよ!!」
本田千鶴…通称チズ、14歳。
同い年の中学生。
畑飼という強姦魔のせいで
人生を狂わされた少女。
親近感を抱いていたレインは
畑飼の知り合い6人に
輪姦を撮影され、脅迫。
その事実を聴いたオマエは
すぐに報復に行ったな。
「す…す”みません”でし”た」
「あたしに謝っても意味ないよ」
ギュイイイイイイ
ッギャァアアアア!!
1人目は全身の皮を剥ぎ、天日干しで
山奥に置き去り。
んで、2人目は釜茹に。
ガチャン
「ふぅ〜イイ匂い」
3人目と4人目は10分おきに
ガスバーナーで全身を焼かれ
1時間放置されるのを3日間
実行してみたり
シュバー!!
キュッ、キュッ
「んっー!?ンっー!!」
5人目は自分の指を生で1本ずつ
食わされ、両耳を引き千切られた後に
手脚をレインの両手で捥いだり
グッ
ズボッ
ググググググググ
「あ”あ”あ”あ”ああああああ!?」
ブチブチブチ、グシャッ
6人目は下半身にぶら下がってる
ゴールデンボール二つに電動ドリルで
穴を
スマホで撮影した
クズどもの末路をチズに観せるが
「なんで…勝手なことするの」
「えっ?」
「わたしがやりたかったのに」
昔から…オマエは
相手の気持ちについて
配慮したり、空気を読んだりが
あまり得意じゃない
だから…時折
良かれと想ったことが
相手にとっては余計なことに
なってしまう事がわりとあるよな。
それ以降、チズとは
交流できなかったが
『次はおまえのダチだぞ』
「…」
『めずらしく元気ねぇな』
『大丈夫か?』
「うるさい」
なぜか、敵対している相手に
心配されるハプニングはあったが
感情とは別に
チズを助けることにしたんだよな。
だけども
ドドドドド
「本田さん!?」
ヂャッ
「止めて」
「撃てばいいと思う…」
町を破壊するチズが操縦する
『ジアース』…
国防軍の田中さんは説得しようと
するがオマエは静止した。
そして、無言でハジキの銃口を
チズの後頭部に向ける。
「1ヶ月…どうして死ぬのか
考えてたの」
「チズちゃんは死なない。
お腹の子も」
チズは…妊娠してたのを
初めて会った時から判ってたんだよな。
判っていたから…真っ先に
殺すべき相手のハズである
畑飼を生かしておいた。
どんなクズでも父親だから…
「あたしを見て。あたしを」
「レインちゃんって…」
「馬鹿だよね」
「バカだよ…
「
ホントにどんなことがあっても
言ったこと曲げないよな!
いきなり、チズに峰打ちしたのは
驚いたが。
「しゃああああああ!!?
やってやろーじゃねーか!!!!」
咆哮をあげながら、瞬間移動する。
そのまま…敵を倒したのはスゲェよ。
そっからはもう
「ヤってやらぁ!!」
意地だけで突っ走ったな。
そして、最後の15人目ときに
「ハァ…ハァ…」
『少しやすっ』
「武闘派ナメんなよ。イケるとこまで
イッたらぁ!?」
「センセイ」
「ウシロくん…来なくても
良かったのに」
15人子供たち及び死ぬ運命にある
人々はこの”世界”では生きてはいけない。
だから、違う世界の『国籍』を
デッチ上げてパスポートを作れば
強制的に転送される。
それを15人分以上…デッチ上げるのは
正気の沙汰じゃねぇけど。
「カナを…いや妹を助けてくれて
ありがとう」
「気にしないでよ…
勝手にやってるだけだから」
宇白順、通称ウシロ。
実の妹ではない可奈が
死んだと勘違いして
『契約』したバカ野郎だが
気持ちは痛いほど分かる。
オレも…同じ立場だと
考えたら
同様の決断を下すだろう。
『なぁ』
「時間無いから短く」
『洋子のことありがとな』
『オ…オレ』
『お前のこと結構、好きだぜ』
「気にしなさな」ジャッカ
俺は…止めるべきだった。
オマエのボディガードとして
やるべきだと後悔しているが
あとの祭りだが。
許してくれ…レイン。
オマエが敵を倒し終えたあと
M16A4片手に
「待ってください!だれか!!」
「ここダメだ…もっと人が少」
ダッ
15人を監視していた
国防軍の隊員の制止を振り切り
血まみれでオマエは
政治家になろうと事務所で
演説準備中だった畑飼を
「畑飼ィィィィィ!!!」
「だ、誰?」
「地獄に落ちろやぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「止めろ!」
ドサッ
襲撃して、国防隊員や警備していた
制服警官に一斉射撃されて
病院へ緊急搬送されるとはな…
ー
ーー
ーーー
ウィーン
「よお」
「ずいぶん、早かったな」
「”回収”の合間に来たンだよ」スッ
ギターを抱えた
ウシジマが姿を見せる。
幼じみとボディガード。
2人には会話は無いが
目線だけで通じ合っていた。
あの後、シンジさんが介入して
全て解決したんだよな〜
懐かしむようにそう想いながら
首にストラップを掛け
ギターを弾き、小声で歌い始める。
レインが聴いていることを願って。
原作である『ぼくらの』を読めば
詳しく理解できます。
見切り発車はやっぱ、ダメですね。
ちなみにエレンが最後に
歌った曲は
シャ乱Qさんの『ズルい女』です。
次回作の伏線になる予定です。