少林寺拳法に存在する(と、言われている)禁断の拳法。
ーー毒手である
朱砂掌(しゅさしょう)とも呼ばれる。
多種の毒草・毒虫等をを調合した猛毒を瓶に満たしてそれを毎日拳で突き、長い年月をかけて拳に徐々にその毒を増強させる事で完成する。
完成した毒手はかすり傷一つ与えるだけでそこから毒が浸透し、やがて相手を死に至らしめると言われる。
劇的な設定が少年の心をくすぐるのか、少年向けのバトル漫画でよく取りあげられる。
隻腕の彼が蛇皮の手袋を外す。
そこにあったのは毒々しい色合いをした手だ。
片方は別にーー自らの拳を毒入りの薬に突き刺すため修行を開始した当初は激痛に襲われることになる。中にはその痛みに耐えかねて腕を切断する武闘家もいるほどーーゆえに切断したのではない。
彼もまた罪歌を追うものである。
切られた右腕に義手をつけない。
その話は置いておこう。
彼が喧嘩ではなく殺し屋としての顔だ。
もちろん、武器所持だけで銃刀法違反。
警護が厳しいところでは武器を取り上げられる。
一流の殺し屋とは、毒を使う、暗殺とはそれだ。
加えて、彼は貫手も会得している。
貫手(ぬきて)とは古流の流れを汲む一部の格闘技や武道に見られる手技である。
少林寺拳法では角手(つのて)、プロレスにおいては地獄突きという名称で使われている。
やり方は簡単で、指を真っ直ぐに伸ばした状態で指先を使って相手を突くだけ。
指先の一点に威力が集中するため、高い貫通力を誇り、主に相手の目や喉に対して使われる。
しかし危険な技のため、普通は型の中でしか使われない。
貫手の稽古をするジムや道場はほとんど存在せず、貫手を完全に物にした格闘家や武道家は少ない。
ーーーが、彼はアクション漫画よろしく人体の貫通すら可能だ、平和島静雄にダメージを追わせれるほどの威力、彼を基準にしても、数ミリ単位なのだが、それでも偉業である。
で、だ。
殺し屋としての仕事は簡単だった。
家出少女達に管理するのが飽きた世話役からの仕事。
選別をした。
魔女として相応しいかどうかを。
そこから素っ気なく殺していく。
彼は無差別に魔女を創らない。
馬鹿で、惰性的で、苛立ちを覚える女もいる。
フェミニストを自称しながらその区別はする。
女としての価値を失う。
生きていれば幸いだと思う。
そんな下らない存在は一種の罰を与える。
その中で見つけた宝石の原石は二つだけ。
一つはその殺戮光景に興奮して濡らしてた女。
もう一つは土下座してまで、弟子入りを祈願した女。
「政治家の娘と、虐められてた少女、か、向いてるね」