ブルースクウェアの『影鰐』は巧妙だった。
解散後音沙汰どころか元々いなかったのでは?
と思わせるほどに隠蔽する力に優れていたのだ。
矢面に立たされた神父が中心に芋づる式に逮捕されたが、そのツリーの中にブルースクウェアNo.3はいないかったのだ、そもそもそんな人物は自分達も麻薬を使ったがゆえの妄想とされた。
現段階、この過去の話では、さらに悪質だ。
獲物は麻薬を知られると問題になる者達だ。
坊っちゃん学校、お嬢さん学校、名門私立。
幼稚園からの受験のストレス、小学生らも受験のストレス、学業、交遊関係、加えて少なくとも複雑な家庭環境それもストレスが貯まる、ストレスを安易に解決するのも麻薬である。
「なぁ、いつのもくれよ」
「まいどあり」
麻薬をする者は理由がある。
薬物乱用は実際、社会のあらゆるストレスから手を出す事があまりにも多いのだ。
精神安定剤よりも、いや、元々精神安定剤もそういう側面があるのだが、脳内麻薬を過剰に分泌させるのならばやはり麻薬だろう。
合法ドラッグの地下クラブの『雲井』とも繋がりがある、いや、正確には『奈倉』と繋がりがあった。
「やぁ奈倉さん」
「何だ!何が目的だ!金か!」
「そう慌てないで下さいよ、雲井さんとしてのカリスマ性はどこにいったんですか?」
「…………で、何が目的だ」
「なるほど、これは思考実験か」
「?」
「君は罪悪感に縛られて洗脳を簡易にされてる」
「臨也なら、そういう事をしても不思議じゃないですね」
「もしも彼が街から消えたら君は自由になれるのかな、それとも弱みを引き継ぐやつがいるかもしれない」
「何が言いたいんですか?」
「僕が君の弱みを漁って結果的に折原臨也に近づく、彼はコウモリキャラだ、善悪で彼を判別はできない、けどね、そこから生まれるのは善悪はっきり判断できるんだぜ、彼の情報網とかも根こそぎ奪いたいね」
「それで俺に何がメリットが?」
「君は野球賭博で負けたからストレスをもってしまった、地下クラブが今どうなってるか知らないけど合法ドラッグは色々問題があってね、一つは効き目が薄くなるって事なんだが、僕はただ麻薬を売りたいだけさ」
「そうですか、買わせてください」
「よーしよしよしよし、いい子だ」
「どうせ拒否権は無いんでしょ?」
「あるわけないでしょう? 君みたいな奴には一番売りやすいんだ、このストレス社会に少しでも癒しを与えるあくまで、慈善事業に近いのさ、まぁ、折原臨也は自ら捌かないけど、そういう愚かさは愛すると思うよ?」