※この作品はR-18です。

デュラララ 覧古考新   作:家上浮太

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地獄での裁きでさえ金があれば有利にできるという意味から、何事も金の力さえあればどうにでもなるということ。

逆説的に、金の力が無ければ無力である。


地獄の沙汰も闇金次第

彼の好む獲物は刃物ではない、鈍器である。

彼は、シリアルキラーの家出少女を試した。

 

彼女は再婚の多い不安定な家庭の出身者である。

ネグレクトを受けたという側面ももちろんある。

詐欺、窃盗、破壊行為など軽犯罪を犯している。

 

 

そんなシリアルキラーの彼女を『悲願花』と名付けた、名付け親は『悲劇花』と影では呼んでいた。

 

そんな彼女の異常性を試した。

 

刃物か?

鈍器か?

 

被験者は自分の経営する闇金に潰れた無職の女性。

パチンコ依存症でその軍資金のために金を借りた。

 

そんな被験者を彼女はまずは、鈍器で足を砕いた。

被験者の逃走をまずはしないようにしたのだった。

 

被験者は怯えて足がすくんでいた。

が、遂に強制的座り込んでしまう。

 

次こそ驚愕だった。

 

砕いたばかりの足に刃物を突き立てたのだ。

これには、初めてにしては中々やるな、と思った。

被験者は悲鳴が響く、鶏の首を絞めるのに似てる。

 

「楽しいですね」

 

と、彼女は顔を恍惚しながら泣き笑いをした。

自分があとに戻れない、そんな絶望を感じた。

 

「流石…………ニューミユキちゃんだねぇ」

 

ベロリと舌なめづりして彼女の偽名を言う。

「いやぁ、まさか、ここまで壊れてしまうとは、これはもう、才能としか言うしかないね」

「はい、助けてくれてありがとうございます」

それは何に対しての感謝か。

狂おしい可能性を拓いた事に関する事柄か?

遂に新しい自分、己を覚醒させた事なのか?

 

そもそもタクミは、自分では、あまり犯罪をしない、闇金にしても、問題を起こした私立の優等生を指導したり、麻薬にしても神父を矢面に立たせている。

 

犯罪コンサルタント。

 

といえば、イギリスの犯罪界のナポレオン、ジェームズ・モリアーティを連想させるのは容易い。

 

彼は、犯罪界のヴラドと呼ばれた。

その酷い残虐性はそう例えられた。

 

殺人事件を誘導する、殺人教唆ではないにせよ、その数々の暗躍で吸血鬼と呼ばれる。

 

話は逸れるが江戸川乱歩の吸血鬼は、美貌の倭文子を巡り、三谷と岡田は決闘を行い、岡田は敗れる。その後、岡田は失踪する。その頃から、唇のない怪人が倭文子の周囲に出没する。そして、彼女の回りで次々と人が殺されていく。こらえかねた三谷は、事件の解決を名探偵の誉れ高い明智小五郎に依頼をする。しかし、唇のない怪人は明智を挑発するかのような行動に出る。明智はその名推理で少しずつ事件の真相に迫っていくのだが、真犯人は意外にも…。

 

という話である。

 

確かに彼女を巡って対決する恋敵はいた。

その恋敵こそ、彼女を心から愛した偽善者、或いは光だが、彼女に心から愛された純正悪、例えるなら闇、タクミは、天使と悪魔なら、悪魔の方が相応しい

 

無論、どれも都市伝説にすら上がらない裏社会の忌憚である、忌憚にして、口を閉ざすしか方法の無い事例だ。

 

のちに彼は彼女をこう称賛した。

 

「北欧神話のヘルが現世に現れたような被害だな」




余談だが、彼女はDies iraeのマリィに似ている、彼女に近づく者はすべて死んでいく。そんな彼女を人々は嫌悪し、忌避し、恐怖し、彼女は誰とも触れ合うことなく育っていく、彼女は彼岸花というには相応しい、彼女そのものが『彼岸』であったからだ。
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