幻想は麻薬から
江戸川乱歩の赤い部屋とは、異常な興奮を求めて集った、七人のしかつめらしい男がいた、その中に語り部も含まれるーー。
ここで話したいのは江戸川乱歩異人館ヴァージョンの話だがね、そこでは、麻薬中毒者が幻影達に話しかけ、犯罪だけが、真実で、その幻影は、全て麻薬からの幻想。
語り部は発狂して、道化芝居をしてた事に気づく。
怪人二十面相はそれをつまらないと断言して語る。
「死体を生むのではない、地獄を創るべきなのだ」
さて、なりきりチャットに囚われた少女の話をしよう、そこまでは、猟奇な事を言い合うグロテスクなサークルがあった、それをブラッド・シザーズといい、ギャングというよりは、最も闇が根深い組織である。
リーダーのブラッド、既に怪人ブラッドとして有名な現代人にして、血腥い都市伝説である。
いや都市伝説、というより忌憚の一つだ。
言うのをいみはばかることであったのだ。
ーー麻薬中毒者の悲劇のヒロインは二人。
ストーリーは鮮血の貴公子がやってくる。
その二人にとって流血を楽しむ殺人鬼が理想の王子様であった、
そういう刺激を求めている人間に蜜を注ぐ。
数種類の禁忌の果実をミキサーした猛毒液。
それをバイオレンス好き、或いはデスゲーム好き、刺激ジャンキーと言うべきか。
物語に影響されたからではない。
もはや、自分達で何かしたい原動力となった。
もはや、自分達で人を傷つけたり殺したかった。
サディズム、残虐色情者の孕んだ喜悦の前兆だ。
それは、過去を懐かしむオリ主の実際のネタだ。
そのネタはリアルであり、一種の真実であった。
そのなりきりチャットでは。
殺人鬼に拷問する者、吸血鬼カーミラ。
惨劇の劇作家ミスターブラッドがいた。
全ては脚本上の妄想だった。
全部は演出下の妄念だった。
ブラッドは偶像となったが。
彼女達に直に会うことは一切しなかった。
その内、黒魔術について彼は、話始めた。
その結果、どんどん魔女が生まれていった。
生け贄をする、大量殺人は当たり前になる。
それさえも、ネットを関しての犯罪であった。
九十九屋真一ですら吐き気のする行為である。
悪魔に価値を有されたのは彼か魔女達なのか?
しかし彼女達は助かったと言えるだろう。
解放されたと、救われたと言えるだろう。
カタルシスそのものだ。
カタルシスという言葉は、「心の中に溜まっていた澱(おり)のような感情が解放され、気持ちが浄化されること」を意味する。
もともとは、アリストテレスが『詩学』に書き残した悲劇論から、「悲劇が観客の心に怖れと憐れみを呼び起こし感情を浄化する効果」をさす演劇学用語だ。
結局、それに愉悦を見いだしたのはブラッド個人だ。
それを独り占めして、それを見続けてきた男である。
彼はグラン・ギニョールを現代で見たがった観客だ。
観客以外の何者ではなく、表向きは一般人であった。
それだからこそ、これを吐露して露天した理由とは。
「ーーーセイレム前のファンサービスだ!」
である。