黒沼青葉がブルースクウェアNo.3と再開した。
ダラーズ崩壊後、門田に釘を刺された後日談。
あくまでちょっとした旅行先の出来事である。
「こんな所で会うなんて奇遇ですね」
八景島シーパラダイスに折原姉妹と実質デートをしていた彼が、鮫の水槽前で微動だにしない男に話しかける。
「あぁ黒沼君か」
「久しぶりです」
「相変わらず可愛い顔してるね」
「やめて下さい、僕そっちの趣味ありませんよ」
「僕の妄想では君は鬼畜だったよ、狩沢さん達と一緒に考えていたんだけどね」
「勝手に人を題材にしないで下さい」
「ところで君デート?」
「いえいえ、僕が、鮫好きらしいから彼女達が見せたかったようです」
「そうか、横浜中華街で良いフカヒレがある食べれる所があるけど一緒に来る?」
「さりげに誘わないで下さい、貴方と一緒にいるとロクな事が起きないんですからね、疫病神」
「酷いな、なりきりチャットでラフコフのジョニーブラックの物真似が上手い君に言われたくない」
「えぇ、ブラッド・シザーズでしたっけ、あの殺人ギルドの名前は」
「懐かしいねぇ、まぁ黒歴史だが」
「あれは電脳世界の罪歌、と言えるでしょうね、ミーム汚染があまりにも激しすぎる」
「ははっ、あれそんな意味あったんだね」
「リーダーだった貴方が一番効力を知らないなんて」
「現実と虚構の区別はつけようねぇ」
黒沼青葉がそこでにやりと笑った。
「僕とあなた以外ついていなかったじゃないですか、知らないのはあなただけですよ?」
「そうだっけ? 発案しただけだったのになぁ」
「何度もいいますけど、プロキシの仕方もしらないハッカー適正皆無のあなたは他人の脳をハッキングするのが上手かったのは事実です、天は二物を与えなくて本当に良かったですよ、九十九屋にすらサイバー露出狂って言ってたんですよ、少しは学ぼうとして下さいよ」
「そうそう、最近ネクって子と知り合ってね、彼女中々だよ、変な画像を探られたんだけどね」
「それで弱みを握られいつものパターンですか、女に甘い癖、その内致命的になりますよ?」
「君は分かってないねぇ、No.3だった僕の人生哲学は上の命令に従ってれば楽でいいだ、なんだかんだで折原臨也の会社の専務をやってるし、君は、彼に対して同族嫌悪してたが、君は違う」
「どこが?」
「兄弟愛すらまともに構築できないのに、かな?」
「あなたは出来ているんですか?」
「蘭様とはその関係すら超越している関係だ、彼は男の中の男、尊敬して憧れる偉大なる御方だ」
「遂に自分で麻薬手を出したんですか? …………平日で人が少ないからいい者のあなたにはそういう裏社会関係の会話を自重した方がいい」
「いいじゃん、どうせもう隠蔽済みなんだし」
「今度は平和ボケですか?」
「非日常から離れすぎたな」