この世のすべての存在や現象は、さまざまな原因や条件によって常に移り変わるものであり、少しの間もとどまっていないこと。また、この世が無常で、はかないものであるたとえ。
過去が未来を上になるか。
未来が過去の下になるか。
現代社会の病巣は膿だらけ。
笑えるような泡沫のグロさ。
そして、彼等は狂い出す。
街が新たなる贄を求めるように。
彼が六年六ヶ月六日ぶりに帰って来た。
それが封印を解かれた悪魔のようであり、何より魔王の凱旋にも似ていた。
とあるクラブ、脱衣ショーをしたり暗がりに乗じて性行為をするような者達。
酒を糧に色欲に溺れる空間。
そこに彼はやってきて、全てを貶めた。
酒を飲み、彼は突如歌い出した。
奇妙で不気味な歌である。
その裏社会の陰惨さをテーマの曲はその場にいた全ての人間の愛とやらを歪める。
そこから猟奇的で凶悪な事件が起こり彼はそれを一通り見物した後に立ち去った。
そこにいた偶然いた恋人が怯えながら失禁していた。
諸行無常。
まるで災害が忘れた頃にやってくるように。
彼はやはり突然再来したのだった。
禍も三年置けば用に立つ。
わざわいも時がたてば、幸いの糸口になることがある、時間差は関係ないし、特段時間の完璧な調整など人間が時計でない以上出来ないだろう。
さりとて、それが本物の悪魔ならば。
外道であるのは確かだ。
それがどんな街を歪めるのか。
例えば、三頭池八尋に出会い。
「よければ僕とカラーギャング創らない?」
「遠慮します、初対面ですし」
「スネイクハンズにまだターゲットにされてないんだ、他の人格に頼ったのが間違えだったぜ」
「何を言ってるのですか?」
「不思議な事」
「…………変わった人ですね」
奇妙で道化師のようだとも思った。
しかしそれは失礼になると思い言わなかった。
「僕はね汚名挽回したいのさ」
「…………?」
「出来れば正義の味方のヴィラン役になりたいね」
挽回」という言葉には「巻き返しを図って本来の良い状態に戻る」という意味がある。
そのため「汚名挽回」は「汚名を被っている状態から元に戻る」という解釈が可能なため、「汚名返上」と同じ意味であるととらえることもできる。
似たような用法の言葉として「疲労回復」を思い浮かべれば理解しやすいだろう。
また、同じ「挽回」を用いた言葉でも「遅れを挽回する」「劣勢を挽回する」という言葉が一般的に使われているが、これも遅れや劣勢をもう1度得る、と言う意味では使われない。
つまり過去を懐かしむあまり過去という亡霊に憑依されたいのだろう、それが事実か偽りかはともかく。
「間違った使い方はしていないよ?」
「覚えておきます」
「テストなら汚名返上って書きなよ」
「はい、どうして過去の自分を未来の自分に投影するんですか?」
「現在の自分に満足してないからさ」