「よぉ、首無しライダー」
「誰だ?」
折原臨也の番号だったので通話を開始したがまったく違う男の声だった。
「泉井蘭っていう悪人だ」
「…………青葉の弟か」
「弟がいつもお世話になってます」
「そんな事はいい、何のようだ?」
「昔、家出少年を家まで運んできてくれって頼まれただろ、ありゃ実はブルースクウェアNo.3だったんだよな、運命って残酷だよなぁ?」
「はぁ? あんな人畜無害の少年が?」
「まさか今時の若者は腸が黒いヤツばっかりなんだ、多重人格って知ってるか、主に、温和で大人しい主人格と強気で攻撃的な別人格が同居している状態が一般的に知られる、詳しくは知らないが」
「それがあいつか?」
「なわけねぇだろ、怒った時人間が違って見えるだけだ、それにあいつは自分から頭のネジを外すタイプでな、TPOは弁えてる、だからえげつねぇ、だからこそブルースクウェアNo.3でいられたんだよ」
「どういう事だ」
「いやな、あいつは暴力は意味がなければふるっちゃいけないと思ってるんだ、無意味なのが暴力って思う不良にとっては異端児といいところなんだが」
「無駄な暴力は振るわないんだろ?」
「いや、無駄な暴力はふるうんだよ、強姦は当たり前、尻の穴を犯すのは当たり前、肉便器にするのは当たり前、奴のは性暴力が好きだったゲス野郎でね、しかも麻薬の売人の元締めだったからな、青崎さんが赤林との和解として贄にさせてもらう事になってる」
「仲間を売るのか?」
「あんな危険因子を仲間と言えるやつは仏か濡井村ぐらいなモンだら」
「お前がそう言うぐらいには危険なのか?」
「当たり前だ、こうして俺が警告するぐらいだからよ、それは簡単な話だ、奴が街に帰って来た」
「赤林に狙われてるのに?」
「どうやら関西の方のでかい組織を丸め込んだらしい、今ではそこの幹部でインテリヤクザをしてる」
「おいおい、そこまでイカれてるヤツなのか?」
「普段は美少年で、愛されキャラって感じで女にモテモテだが、その女達が数ヶ月後にはどいつもこいつも死んだ目をしている、三ヶ島沙樹もその中の一人らしい、あと、非日常から日常に連れ戻してしまったお前を憎悪している、逆恨みじゃない、おせっかいをした結果だ、だからもう、運び屋は廃業しろ、依頼主ごと迷惑がかかるぞ、今度の敵は、あれだ、復讐鬼だ、過保護な母親を殺人未遂するぐらいには鬱憤が溜まってた男だぜ、そんな奴が自分に不満足を与えたお前を生かしておくと、いや、あれだな、結婚生活が破滅するかもだぜ?」