「それにしてもあれだなぁ、最近の若者って何を考えているのやら、それでも壊れやすいのは相変わらずのようだねぇ」
目の前に自殺した死体があった。
借金を作った女子高校生の死体。
「あははは!あー、やっぱり闇金ってこれだからやめられない、人の不幸は蜜の味というが蜜を買ってるようなモノだ、まぁお前だがな!」
八坂はそんな事を言った。
タクミがそんな彼に言う。
背後で夢野久作のドグラ・マグラを読みながら、狂いをまったく感じないで言った、そもそもその死体にすら興味がなさそうに見えた。
「本当だな、蜜を買っているようなモノだ、昔はよく密造していたのだがな、そういう蜜のための培養器を沢山持っていた、あれは黒い天国と言うべきだな」
「そうですか、培養器ね…………悪趣味ですな」
「そもそも血塗れだの青褪めた、だの飽き飽きだ、裏社会は暗澹とした雰囲気が良いんだ、その二つは当たり前、希望が見えないならもっと無くしてしまえ、希望の奪い合いこそがこの裏側ってモノだ、昔はどっち付かずで表側に無理矢理戻されたがな、まだ戻れる余地がある、と勝手に思った、悪とは隠蔽力があってこそ、他人に嘘をつかせて、欺瞞を強いてこそ悪党だ、目立ちたがりなんざ悪人に相応しくない」
「今のあなたはどうなんですかね?」
「赤林に殺されたがってるように見えるか?」
「そうとしか思えない、あなたはわざわざこの街に油を吐き出しにきた、もう何もかも燃えてしまえ!って破滅願望でしょ?でそこから不死鳥のように伝説は甦る?ですか?かー!闇金今なら利子を減らしたくなる!しないけど!」
「あぁそうかい、そうだな、この街に四十万よりも怨みがあるのはこっちだ、相手にされた、が、見下された、どいつもこいつも忘れやがって、その眼球まで焦がしてやるよ、連中に恐怖の味を思い出させてやる」
「うんうん、それってFGOでいえばアヴェンジャーだよね、岩窟王の逆ヴァージョンみたいだよね、没落貴族さん」
「そうだ、八坂今度はちゃんと自殺する前に教えてくれよ、たまには下衆な事をして昔の余韻に浸りたいんだ」
「折原のヤツよりたちが悪いですね、自己愛のための供物ですか、バリバリサイコパスじゃないすかー」
「だったらどうした?そうだなぁ、昔虐めたヤツを連帯保証人にしようかな、脅してでも、さ」
「良いアイデアだ!さぞ!沢山連れてきてくれるんでしょうねぇ!赤林をどう嵌めるんです?いやー本当に楽しくなってきましたねぇ!」