歪んだ兄弟愛
「で、君が本物か?」
「その通りだよ、折原臨也」
道化師の仮面を被った男だ。
両目を隠し、長い舌と歪んだ笑みは隠さない。
「彼は君の弟なんだよね?」
「卓也って言うんだ、俺のは偽名だぜ」
「彼の見られたがりは集団ストーカー被害にあったからだろう?」
「そうだ、仕向けたのは小生だ」
「噂通りの外道さだ」
「まぁ、彼をどう育てるか、現実はゲームであって欲しいと渇望するのは、いけない事か?」
「それも愛の形だと思うよ?タクミ君」
「流石情報屋だ、本名を知られていたとは」
「君はもっと前から家出してたんだって?」
「そこもか」
「えぇ、仕事柄ですから」
「あの魔女創りの趣味も知ってる?」
「彼女達を奪いませんから安心して下さい、愛を育むをそのまま文字通り行っている、出来ればその技能を私に教えてくれませんかね?」
「いいですとも、情報網の三割奪わせて下さいな」
「それだけで充分なんですか?」
「まさか、不満足にも程がある」
「でしょうね、あなたは落ち続けるしか向いていない、堕落の果てにある深淵にたどり着いた時の愉悦を何よりも渇望している異常者だ、取り繕ろわないでくれ、誰の目から見ても君を凡人と思う者はいないよ?」
「あぁ、ブルースクウェアNo.3の座にいる全ての鮫の父だからな、まぁ、謙虚に言えば、あれだ、『何もしなくても周囲を狂わせ破滅させる』というスキル(?)が小生にあるのかもしれないな」
「あなたは運命の輪、なのでしょうね」
「そりゃあ笑殺話だ」
「だって、あなたはどうやっても、騒動の中心にいてしまう、元凶扱いにもされるほどの狂言回しだ」
「あぁ、この池袋は退屈させてくれない」
「あなたは街から歓迎されている、というより、むしろ腫瘍に近いと九十九屋が言ってましたよ?」
「切除には殺し屋と、ヤーさんどっちがやる?」
「あぁ、私の知り合いには闇医者がいますね」
「ははっ、首無しライダーの同居者、か」
「あれ、彼女に興味あるんですか?」
「曾祖父の影響でな、北欧神話詳しいんだよ」
「へぇ、教えてくださいよ」
「デュラハンはヴァルキリーっつうのが堕落した姿だ、姿形は同じはずなのに、積極性が魔性へと変えた、消極的なのは、神様の使いゆえか、神様から離れたら、そうやって積極的になれる、俺はね、ヘルエレシュキガルとかイザナミとか冥府の奥地で女帝気取ってるやつより、あの街に溶け込んで、運び屋やっている彼女に是非とも殺されたいね、いいや、彼女に弟を殺させたいな」