最後の戦いを前に、俺はフラフラと現実世界で遊ぶ事にした、気を張り詰めても身体を壊す気がしたし、サクラさん達もそういう気分だったらしいのでそれぞれ地元で遊ぶ事にしたそうだ。
ぼんやりと街眺め、歩く、何も起こらない平和な世界……
「おい!あれはなんだ!」
誰がそう言った、空を見上げると隕石が次々と落ちてくるのが分かった、文字通り空が落ちてきたんだ。
嗚呼……これだったんだな……俺は自嘲気味に笑った、人々が阿鼻叫喚の中で。
もう、親父やおふくろと会っても無意味だろう、もっと親孝行をしとくべきだった、そう思いながら俺は駆け出した。
この隕石を落としたのは察しがつく、いや推理したところで無意味だろう。
なにもかも、なにもかも、破壊される、嫌な上司や人間、いじめっ子やいじめらっ子、近所のおばちゃんやおじさん、ヤクザやチンピラ、美しい景色や醜いもの、なにもかも、なにもかも。
それよりも俺には、いや俺達にはいかないと行けない場所がある。
「もう時間がない!せいぜいもって数時間ぐらいしか、我々の世界で活動出来ないぞ!」
サクラさんのテレパシーがそう言う、俺も大体そう思っていたところだ。
「行くんだ、最後の戦いに」
「次のワープトンネルを抜けるといよいよ冥王星だ」
「流石に緊張してきたよ」
俺はライドの部屋で自画像を依頼して描かせることにした。
「どうしてこんな事を?」
「何か記念に残したいと思ったんだよ」
「記念……ね……」
「ライド、もうお前はワープトンネルをくぐって来たんだ、大人だよ」
史実のライドはトンネルをくぐることなく、そのまま暴力の世界に留まってしまった。
「僕はまだ大人じゃないよ……」
絵筆をペタペタと塗りながらそういった。
「この戦いが終わったら絵画の勉強でもしたほうがいいよ、どうせギャラは人生の中で使い切れないほど貰えるからさ」
「そうかなぁ……」
「昔はな、いや俺のいた世界の昔の話ではな、12から15をすぎると元服と言ってな、大人になる儀式をしてなったもんなんだよ」
……果たして俺は大人になったと言えるのであろうか?いやそうだろう、嘗ての身体だけ大人で引きこもっていた頃に比べたら。
アラームが鳴った、出撃の準備だ。
「時間だな、後は好きにやってくれ」
そういうのが一番困るんだよなと言いながら彼も準備をした。
「なぁ……少し質問があるんだが」
「なんだ?三日月?このチャンネルを使うなんて珍しいじゃないか?」
「夢でアトラと知らない男がセックスしていた」
「ぶっ!そんなこと俺に相談するな……いやそういうのは逆夢って言って逆になることもあるんだよ!」
フレ!あの野郎!
「そうか分かった」
俺達は出撃し、冥王星が目視出来るほどの距離まで近づいたはずだった。
「クソっ!最後の最後でめちゃくちゃ敵多いじゃねぇか!」
「これが終わったら皆でどんちゃん騒ぎだ!」
昭宏の愚痴にオルガがそう言う、敵の数は例えるならば空が4割で敵が6割ならぬ、前方の宇宙が2割で敵が8割だ。
「敵の攻撃が来るぞ!」
その瞬間、ユニコーンガンダムやνガンダム、Zガンダム、ZZガンダム、
更にキュベレイやサザビーなど敵味方を超えて、ニュータイプの皆さんが壁となってくれた。
サイコフレームが起こす巨大なバリアに救われた。
「ありがとうニュータイプ……いや人類を代表して戦う者たちよ!」
そうだ、俺は少しずつロボットアニメに限らずフィクションから元気を貰っていたんだ、そして大人になったんだ。
そして目の前には、様々な作品の宇宙戦艦やゾイドなどのロボットアニメなどの玩具を元にした敵が現れた。
「畜生!出会いが違っていたら友達になれたかもしれないのに!」
俺はコクピットの中で叫んだ、無論他の誰にも聞かれてない。
オメガレックスの荷電粒子砲が炸裂した!ガンダムフレーム型のモビルスーツが先行していて、盾のように守る。
「さっきの訳のわからない力の要領だ」
「ありがとう!三日月!」
俺はメアリーで先行して進む、そして次々と敵を撃破する。
「トモ!突っ込みすぎだ!!」
オルガの声が聞こえるが俺は通信機を切る。
本物の「敵」と戦わなくてはならない、俺は冥王星の頭上にある巨大な
ゾクシュの基地に単騎で突入した。
「フレ様!先行し過ぎです!死ぬつもりなんですか!?」
もう一人の俺も同じ様に行動していた、やっぱり自分だな。
「全く男って人はいつも自分勝手で!」
やれやれ耳の痛い話だな、俺達はゾイド軍団を倒しつつ、ゲートの中心部に向かった。
「高性能の空間転移爆弾を仕掛けた、周りの奴らも巻き添えにしてやるぜ」
「トモ!トモ!さっさと戻れよ!」
「そういうわけにもいかないかなった、機体がボロボロになっているのでこっちの転移が出来てもあっちからの転移は出来なくなっている」
「なに死ぬような事を言っているんだよ!」
「俺は死なない、必ず帰ってくる!俺は不死身だ!」
「フミタンにどう会って謝れば良いんだよ!」
「絶対に帰ってくると伝えてくれ!」
仲間達の絶叫を尻目に俺は、俺達は全て融合した、行くぞ最後の戦いだ!
次の瞬間、冥王星基地は光に包まれた、無論、死者は誰も出なかった。
「ここは……地球か……」
メアリー大地に立つ、現実世界は阿鼻叫喚の地獄だった、やはり隕石が次々と落ちており、街は街で無くなっていた、俺の作ったガンプラが巨大化しても誰も見向きもしない、というか死んでいるのかもしれない。
「まずは隕石が降ってくる大元に向かわなきゃな」
俺は空を飛び大気圏を突破した、明らかに力が増している、『あのお方』がリミッター解除をしたのであろう。
現実世界の宇宙も鉄血世界と対して変わらなかった。
「どうやら遅刻せずに済んだようだね」
サクラさんがシンカリオンはやぶさに乗りながらそういった。
「子供の頃からは遅刻はあまりしなかったんですよ」
「なんで?」
「学校が近所にあったから」
「ははは、そいつはいい」
『あのお方』側の人間達は次々と集結し、一つの超巨大な軍団を作り上げていた。
俺達のようにロボットアニメの力だけではなく、サザエさんのような日常ものやアメコミヒーローなどもいた。
「みんなよく来たな!私と共に戦う時が来た!」
顔が見えない黄金に輝く彼は移動しながらドンドン巨大化した、そして地球に次々と降り注ぐ巨大な隕石をまるで石ころや砂をはたくような仕草をして防ぐぐらいの大きさになった。
「まるで天元突破グレンラガンやゲッターアークみたいだな」
「ああ全くそのとおりだなぁ」
「私の身体に捕まるか、宇宙を飛べるものはついてこい!」
俺達は感心しながら宇宙を飛んだ、冥王星なんてあっという間に飛び越え、銀河系を超え、全く知らない宇宙にいた。
恐らくは天文学に詳しい人なら失禁するような感動だと思うが……
残念ながら無学なのでわからないよ。
しかし感動はできる、星の名前や銀河の名前は知らなくても感動はできる。
しかし感動している場合じゃないな!
「ようやく来たか、待ちくたびれたぞ!」
やはり巨大化していた『ラスボス』とその部下というか、仲間達が待ち構えていた。
やはりお祭り騒ぎのコスプレイベントの集団というかなんというか敵側もこっちと対して変わりない連中に見えた。
「「さあ!戦いだ!」」
二人の上位存在によって決戦の火蓋は切られた。
最早正義と悪ではない一種のお祭り騒ぎだった、サザエさんがかめはめ波のようなものを撃ったり、河童がモビルスーツを蹴り飛ばしていた、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような遊びだった。
「これがしたかったんだな……」
やっぱりな、と思ってしまう、宇宙であまりにもバカバカしいくらいスケールの大きな戦い。
「しっかり!敵は休ませるつもりはないみたいだぞ!」
「サクラさん!学校のマラソン大会に比べたら遥かにマシですよ!」
俺達は敵側の攻撃に対処しながら進んでいた、そして、俺はAや寺山さんを探していた、しかし目の前にには初めて見るモビルスーツなのに、デジャヴュのようなデザインのガンダムが立ちはだかっていた。
「醜い悪魔……」
複数の手足を持ち、コウモリの様な羽、正に悪魔というにふさわしいデザインだった。
「はじめましてだな、もう一人の俺よ」
そのセリフを聞く前に直感で分かった、こいつは平行世界の俺だと。