大変遅れて申し訳ございません、第3部スタートです。
第113話
……鉄血世界に帰還して約10年の月日が立った、引きこもりのクソニートがまともな人間になり、父親として、神としてやっていくには長い年月だった。
神世界に戻った時に美しき女神達を土下座させた時は痛快だったなぁ……
大豪邸の寝室にナンバーワンの女神が俺の横に寝ていた。
「ん……♡あ……♡」
心地良い夢を見ているのだろうか?すやすやと寝息をたてているのを見るとこっちも幸せいっぱいになる。
「ふわ……♡あっ……♡」
俺は堪らず、彼女のおっぱいに触れる、途端にいやらしい喘ぎ声をあげる。
「そう……♡そこよ……♡……!あ、貴方!おはようございます!」
「ああ、おはよう、俺以外の男のエッチな夢でも見ていたのか?」
フミタンは顔を真っ赤にして否定した。
「そ、そんなわけないじゃないですか!」
「今日はあの日だったな、よし繋も起きているだろうな、朝食にしよう」
俺達二人は全裸から着替える事にした、高級感溢れるクローゼットから白い下着を着る我が妻だった。
「勝負下着か?」
「ええ、今日は貴方のお父様とお母様に会う日ですから……」
そう、今日はフミタンを現実世界に連れていき、両親に挨拶をする日なのだ、無論親父とおふくろには会うことは伝えてある。
「俺も勝負下着とやらに着替えるか……」
俺は真っ赤なふんどしを身に着けようとした、そしたらフミタンがクスクス笑っていたのだった。
「貴方、いくらなんでもそれはやりすぎですよ」
「そ、そうか?」
「モビルスーツの戦いの時に履いていた下着とかはどうでしょうか?」
「ああ、確かに……」
俺はそれを履くことして、ズボンとシャツを着た。
「そういえば、もうここでは敵と戦ってないな……」
平和ボケ、と言うのだろうか、ゾクシュは最早遠い星でギャラルホルンが戦っている存在になり、最近はデザインもフレにまかせている。
「でも、シュミレーターで繋とよく戦っていますわね?」
「……まぁあんなのはお遊びだよ、俺に似て筋はいいみたいだが」
繋は確かに才能がある、まるで水を吸ったスポンジの様にドンドン成長していく、だが親としては戦いや暴力の世界には居てほしくないのだ。
親になって気づいたことがある、昔俺のおふくろがドラゴンボールを見せてくれなかったのはようはそういうことだろう、暴力をふるってほしくないのだ。
しかし、実際のところはドラゴンボールを見たからと言ってフリーザの様にバンバン人を殺す訳ではない、これは見せたくないというのはある程度尊重するべきだろうが、これは見たいというのも尊重するべきだろう。
俺達二人はリビングに向かった、繋は早起きしたのかトースターにパンを入れている。
「パパ、ママ、おはようございます!」
「おはよう繋、今日も元気だな!」
男の子だがかわいい天使の様だ、母親に似たのだろう。
「サラダを作るわ、二人とも待っていてね」
「新聞をとってくる」
今どき、紙の新聞を取っているとは俺もまだまだオールドタイプだな……
火星は今日も気分の良い晴れだった、日本晴れならぬ火星晴れと言うのだろうか、俺は笑いつつポストに入っていた手紙やダイレクトメール、そして新聞を取ってリビングに戻った。
「パパ、コーヒーにする?」
「ああ、そうだなコーヒーでミルクと砂糖たっぷりだ」
「目玉焼きとサンドイッチ出来ているわよ」
素晴らしい食卓だ、やはり家族揃って朝食を食べるのは良い。
「なになに、太陽系派と外宇宙派の軋轢進む……か」
平たく言うと、太陽系派というのは、火星や地球などを中心とした俺達が住んでいる側とフレが戦っているくじら座などの外宇宙側の仲は年々悪くなっている。
「全く……兵器や食料を作っているのは俺達太陽系側あっての事だろうに……」
無論、鉄華団も太陽系側だが超長距離の運搬の仕事についても依頼して請け負っている。
「貴方!新聞を読みながら食事するのはやめてください」
「ああ、済まないいつもの癖でな」
まあ……オルガとビスケットと相談して料金を少し安くするか、フレも許してくれるだろう。
「繋、この前言ったようにお父さんとお母さんはおじいちゃんとおばあちゃんに会いに行って結婚の許可を取ることにした」
「うん!覚えている!」
繋は元気よく答えてくれた、更に俺は続ける。
「上手くいけば、お母さんは現実世界で妊娠して、出産する事になるが、もう一度赤ちゃんに戻る覚悟はあるか?」
「うん!ある!」
俺の子供とは思えないくらい本当に良く出来た子供だよ……
「じゃあ朝ごはん食べたら、お父さんとお母さんは準備して出発するから繋も学校に行ってくれるか!」
「いいとも!」
こうして俺達は出発する事にした。
「なんだか、自分の家なのに緊張してきたな……」
「貴方……しっかり!私の戸籍とかちゃんと持ってる?」
「ああ、勿論だ、死ぬほど確認したからな」
フミタン・アドモスは言うまでもなく鉄血世界の人間だ、したがってそのまま結婚するとまずいので、戸籍を作って名前を「後文枝」という名前にした。
「戸籍をいじるのは初めてじゃないけど、流石に現実世界でやると興奮したよ」
「チャイム鳴らします?エイッ!」
「あっあっ!ちょっと待って!ああ鳴らしたのね……」
ピンポーンという音がなり、ガチャリと親父が出てきた。
「おおう!確かに写真で見た通りの……いやそれ以上のべっぴんさんだな!」
親父はウキウキとした表情だった、フミタン、もとい文枝もペコリと頭を下げる。
「後文枝と申します、宜しくお願いいたします」
「さあさあ、ここで立ち話をするのもなんだから家に入って!」
俺はそう言って二人を入れた、そして俺は親父に聞いた。
「お母さんは?」
「それがな……お母さんはそんな話聞いてないって言うんだよ!」
流石にこれには俺達夫婦は驚いた、当たり前だろう、人生を決める大事な日にそんな事をど忘れするなんて聞いたことが無い。
「ええっ!この前ちゃんと話したじゃないか!」
「あの……もしかしたら今日はご挨拶だけをして、早めに帰った方がいいんじゃないですか?」
流石に彼女も不安を隠せない顔をしていた。
「心配ない!心配ない!こんな器量が良い女性を捕まえるなんて友にには勿体無いくらいだよ!」
俺達はリビングに入った、テレビをつけながらぼっーとした顔したおかんがお茶を入れていた。
「母さん、なにテレビをつけているんだよ!消すよ!」
「全く、なんでそんな大切な事を言わないのかね……」
それを聞いた瞬間、「ああ母さんもボケはじめているんだ……」と痛感した。
俺とフミタンは椅子に座り、親父とおふくろは対面するかの様に座った、まるでタッグバトルの面接の様だ……
「後文枝さんだよ母さん、凄い美人じゃないか?」
「出身はどこ?」
いきなり母さんが聞いてきた、しかし大抵の質問は想定したので打ち合わせ通り文枝は答えてくれた。
「東京の上石神井です」
それから母さんは「大学はどこ?」とか聞き始めた、フミタンは冷静にそれに答えてくれる。
「で、僕のいる会社に入って、社内恋愛と言う事になったんだよ!」
「あなたに聞いているんじゃないの」
おふくろの目は今まで見たことが無いような黒い目をしていた。
「それで結婚したら子供は作るの?」
「ええ、在宅ワークをしながら子育てをしようと思います」
「駄目よ、子育ては神聖なものなんだから、仕事しながらなんて駄目よ」
……どうも様子がおかしい、母さんも確かに働いていた時期はあったが結婚をきっかけにやめたのでそういう気持ちになるのが分かるが、明らかに嫌っているような印象を受ける、嫁姑戦争早くも勃発か……
「母さん、その考えは古いよ、今の女性達は昔よりもっとタフでガッツがあるよ」
親父が助け舟を出してくれた、流石にサラリーマンで様々な女性を見てきた経験があって、彼女の優秀さを見抜いたのだろう。
「お父さんにも聞いていません」
しかしどうにもこうにもテコでも動かず母さんは鍵をかけて自分の部屋に入ってしまった。
「そういえば母さんは最近、自分の部屋に引きこもって何かしているみたいだなぁ……」
親父がそう言う、確かに手芸だの絵を描くだの、そういう趣味はあるが、今日は異常だと思った。
「おかげでこっちのほうをしてくれないんだよ!」
スケベ親父がお小指を立てた、安物のお茶を吹き出しそうになった。
「なに、婚約者の前で下品な事を言っているんだよ!」
(あのお父様もおかしくなっているのですか?)
(いや確かにおふくろがおかしくなっているのは確かだけど、親父はこういう人なんだよ!)
「フフフ、アハハ」
「ワハハ、親父、冗談は顔だけにしてくれよ!」
「ハハハ、すまんなぁ!」
テレパシーでそれを聞いた瞬間、フミタンは初めてこの家に来て笑ったのだった、ヤレヤレまさか親父のおかげで助かるとはな……
「俺の部屋に案内するよ、二世帯住宅のつもりで作ったから広いと思うよ」
「ああ、俺も作ったからな!」
「親父はよせばいいのに手伝いなんてするからぎっくり腰になったり、大工さんにも迷惑かけたじゃないか!」
「ユーモアのある人なんですね、お父様は」
クスクスと階段を上がりながらフミタンはそう言った、親父も1階にある部屋に入った。
「ここが俺の城の一つだ!」
「こんなに散らかっているんですか?」
「い、いや……これでも綺麗に片付けたと思っているんだが……」
作りかけのガンプラや玩具、漫画や小説、仕事に使う書類などは確かに机にあるが……
「こういうのは散乱しているって言うんです!」
仕方がない、俺はフミタンと一緒に片付ける事にした。
「繋だってもっと綺麗にしてますよ!」
「す、済まない……俺とはそこは似てないからな……」
俺は床に置いてある漫画や本を本棚に入れた。
「また、こんなにガンプラや玩具を買って!きちんと作ってから新しいのを買ってください!」
まるで母親が二人いるようだ……二人の母性で苦労も2倍だな、いやそれ以上かもしれない。
「あっ!フミタン!そこは開けちゃ駄目だ!」
ベッドの引き出しを開けた瞬間、彼女は激怒した。
「またこんなに下品な薄い本を買って!しかも私にそっくりじゃないですか!」
しまった!鍵をかけとくべきだった!お宝のエロ同人、しかもキャラクターはフミタンだ!
「済まない!本当に済まない!」
プリプリと怒る彼女に向かって俺は土下座した。
「まぁ……夜の営みの参考資料だと思えば許しましょう……♡」
「ありがとうございます!」
俺は飛び上がって、彼女を抱きしめる、彼女も嫌な顔どころか、明らかに発情してOKサインを出している、俺達はベットに座って二人で手を合わせる。
「貴方……♡」
「文枝……!」
その瞬間、ドアの辺りから熱い視線を感じる、なんと親父がビデオカメラを出して撮影しているではないか!
「親父!何やってんだよ!」
俺は猛烈に抗議の声を上げる、すると親父は悪びれた様に言い訳をする。
「い、いや家族の記憶を撮ろうと思ってな……」
「貴方……まずはタワーマンションから通いません?」
「おっ!通い妻か!」
「親父は黙っていろよ!」
こうして、フミタン・アドモスこと後文枝の現実世界の生活が始まった!