幸いな事に狸型のゾクシュはあっさりと倒され、俺は一旦休暇を取りやめ、くじら座の最前線に戻る事になった。
「司令官がお呼びです」
俺は通信を受けて、クソババアの部屋に行く、中は広くてお偉い軍人らしいと言える。
「司令官、只今戻りました」
中には彼女と俺しかいなかった。
「タツ、今はプライベートだ、母さんと呼んでも構わないのだぞ」
「そういう、テンプレートめいた会話は苦手なので」
「お父さん、お母さんではなく、〇〇と呼びなさい」というテンプレめいた会話はよくあるがそれ故に飽きるのだ。
「本題に入ろう、お父さんが倒れた」
まじかよ……俺は動揺が隠せなかった。
「あんたは冷血人間だな!なんで冷静にいられるんだ!」
「冷血?私が?」
よく見るとしっかりと握りしめた手はぷるぷると震えていて、血が滲んでいた。
「……はい、これ絆創膏」
俺は能力で取り出した、ありがとうと言いつつ手にそれを貼り、やはりクールに説明を続ける。
「ゴウダ会長も倒れた」
「それは大変だな」
俺も同じ様に会話をしたが焦っていた。
「そしてこれだ」
「……!?透明になっている」
二人の画像が映し出されるが表情は冷静だが、それになっていた。
「食事やトイレなどは出来るようだが、無論医者には見せられない、家族だけの秘密で、会社や鉄華団も知らない事だ」
「原因も分からないのか?」
「そうだ」
車はワープし、トモおじさんの自宅についた、いつ見てもデカイ。
眼が真っ赤に腫れ上がった、フミタンおば様が出てきた、嗚呼あのデカイおっぱいを水着越しに見たのだ!
眼鏡も2つ、おっぱいも2つ、お尻は2つに割れている……
「タツどうした、早く行くぞ」
嗚呼、と言いつつ俺達は二人がベッドで休んでいる部屋に向かった。
巨大なベットに他にアイカツビルドファイターズ世界の社長もいた。
「じゃあやるぞ」
「ええパパ!」
三人は統合され、それぞれ薄かったのが一つになって、濃くなったが、やはり半透明であることに変わりはなかった。
「まるで神の技です……」
「化け物、とは言ってくれないんだな……カルタ、まあどちらかと言うと邪神だよ」
「そんな……」
流石にクソババア……もとい母さんは慟哭する、ウッウッと。
おふくろもフミタンおば様も能力や現実世界のことは全て知らないが、大体理解しているようだ。
それにしても自虐めいたセリフだ、しかしそんな事を言っている場合ではない。
「何が原因なの?」
ケイ兄さんが聞く、しかし親父……親父なのか?おじさんなのか、まぁいい。
「それはお前たちで答えを見つけ出して、解決するんだ、もし答えを明かしても俺に解決できない」
「ヒントはあるよ!」
ケイ兄さんが古ぼけた児童文学の本を沢山取り出す。
「タツ!君は何と戦った!」
「え……嗚呼狸だったよ、巨大な」
「カンベ・ヘイジロウの冒険、妖怪大作戦編だな!」
ほら!と言いつつ、本の表紙を指差す。
「私が戦ったのは巨大な黄金のカブトムシだったな」
「幻のカブトムシを見た!だね!」
そこに通信が入る、空中にオルガおじさんだ。
「トモ!聞いたぞ!風邪を引いたんだってな!」
「嗚呼、大事を取って10日ぐらい休暇を取るよ」
「宇宙で一番忙しい男も返上だな」
「その二つ名は元火星の王候補に相応しいかもな、鉄華団でも新しいゾクシュが確認したんだろ?」
オルガおじさんは頷く。
「嗚呼これだよ、お前が好きな映画に出てきそうなやつだ」
そこには安っぽいホラー映画に出てくるミイラ男が出てきた。
「もっとバカバカしいサメ映画が好きだけど」
フミタンおばさんが頭を抱える、嗚呼こういうときにこういうジョークを言う人なのか。
「カンベ・ヘイジロウの冒険 ミイラ大作戦……」
兄さんが小声でこういう、俺は質問をした。
「それで倒せたんですか?」
「ああ、火炎放射器とかあったしな、おかげでバルバトスも農業用から戦闘用にもとに戻って三日月も復帰さ」
「……なんか申し訳ございませんでした……」
珍しくトモおじさんお父さんがそういう、ああややこしい。
「今更水臭いよ、3年間も不在だった頃に比べたら遥かにマシさ」
俺はチラッとフミタンおばさん、ケイ兄さん、母さんを見た。
不安そうにしているフミタンおばさん、何かパズルを解こうとするケイ兄さん、武人として真剣に巨大なミイラ男を倒される姿を見ているカルタという名の司令官……
「大丈夫だよ、パパは病気を治してまた仕事に立つよ、薄情者じゃないよ」
フミタンさんはハッ!とする。
「昔は俺達の目の前では気丈に振る舞っていたからなぁ……自宅に帰るとわんわん泣いていて、俺達が自宅に行くと目が真っ赤になっていたのがわかるという……」
「あの恥ずかしいので昔話はやめてもらいますか?」
フミタンおばさんがそういう、嗚呼わかるぞ!
昔は一人で慰めていたのだろう、恐らくは改変能力で浮気や不貞、不倫が出来ない身体にされていたのを夜な夜な自ら慰めていたのだろう、オナニーしていた!
「私は涙など流さなかったぞ」
えっへんぷいぷいという自慢げな顔をした、おふくろのオナニー姿なんて想像したくねぇ!
「まぁ今も昔も色々とあるということさ、所で新しくモニターを変えたほうがいいぞ、どうも透明に見える」
妙なところで鋭いオルガおじさんがしみじみすると父さんがこういう。
「世間話をする前にやることがあるだろ……」
ドキッとしたのであろう。
「そうだなじゃあ通信を切るよ」
そう言って終わった、全員がふーと溜め息をついた。
「フミタン、今までの演説やプレゼンテーションで使った俺の画像を集めてリモート用の俺の映像を作ってくれ」
「承知いたしました」
「我々ギャラルホルンもなんとか協力しよう内密にな」
「なんで海寺おじさんの小説のキャラが現れたり、パパが透明にくださいのかな?」
「それを解決するんだ、君たち二人で」
いつの間にかサクラ師匠がいた。
「……!」
母さんが拳銃に手をかけたが俺はそれを諌めた。
「この人は父さんの友人だ、俺達の師匠でもある」
「師匠……」
そうか、彼と彼女はあったことがないか、あったとしても記憶を消されているか……
「どうすれば解決できるんですか?」
「『あのお方』が説明してくれるそうだ」
「「あのお方!!」」
俺達二人は流石に驚いた。