第130話
「フフフ、へへへ、ハハハ、面白いじゃねぇか!」
「カンベ・ヘイジロウの冒険 お片付け大作戦」を読んでいた、片付けができないという登場人物の問題に対して、ヘイジロウ達が物を売ったり、物々交換をしたり、捨てたものがなんだかんだあってゴミ怪獣になるなどばかばかしい話だ。
「環境問題に対して説教臭いところ多少あるものの、がきの俺にはこれぐらいが丁度いいや!」
俺は自分の寮に戻った事でリラックス出来たと思う、喉が乾いたので冷蔵庫からお茶を取り出し、ゴキュゴキュと飲む。
「大変だ!僕の世界にも!」
俺はファットさんの連絡を受けて行く事にした、師匠の友人は師匠も同じってな!
「おいおいまじかよ……ゴミだらけじゃあねぇか……」
「自慢じゃないけど、僕も片付けが苦手でね……」
幸いな事に臭い匂いがするものがなく、ばっちいものもないのも良かったと思う。
「タタミイワシさんのところもやられたらしい、ケイくんとアリサさんがなんとかしたみたいだけどね……」
「ふん、三次元のオンナに夢中のアニキの事なんか理解出来ないな……」
「それは人それぞれ様々な考え方があるよ……多様性の時代だよ」
「多様性の中から正しい答えを一つ見つけ出せば良いんだろ……」
「それは違う、ある程度認められないものはあっても認めなきゃいけないよ……」
どうにも難しくていけない、俺は頭が使うのが苦手なんだ……
俺は、疲れてきたので眠たくなってきた……その瞬間あるものを見て驚いた。
「カンベ・ヘイジロウじゃないか……」
汗だるまになりながら、彼も戦ったのだろう、タオルで汗を拭いていた。
「あの子は?」
「さあ?ここら辺は開放したエリアだからね、アバターもその本から参考にしたんだろう」
髪の毛はボサボサで服は挿絵の通りの白いシャツと黒い短パンだ。
「ハハーン……中身は現在の海寺のおっさんだなぁ?頭が悪い俺だって分かる答えだ」
レディ・レントンで鍛えた頭脳があるしな。
「ここで捕まえて真意を聞き出せば親父も元に戻るだろう……」
その前に知らないフリをして近づこう。
「よ、よう、大変だったな!喉も乾いているだろう!飲みに行かないか?」
「まぁ……はぁ……」
彼は曖昧な返事をしたが、強引に連れて行く事にした。
「アーイス!アーイス!アイス有給!」
「アーイス アーイス 求人、 アーイス アーイス高収入!
アーイスアイス 求人、 アーイスアーイスアルバイト!」
バニラトラックからアイディアを頂いた、アイストラックがけたたましい音楽とともに大きな道を練り歩く。
「すごい所だな……」
カンベくんはそう言いながら風俗コロニーを俺と一緒に歩いていた。
「だろう?この宇宙でもお気に入りの場所さ!」
R18という大きな暖簾がかかった巨大な門が目の前にあった、一応最近のガキはませているとはいえ、最低限のルールを守ってくれないと困るからな……って俺もガキだったか!
「ここの巨大暖簾をくぐれば、その人の肉体年齢や精神年齢が分かるという代物さ!さあさあ潜ろう潜ろう」
ピンポーン!音がなり空中に画面が表示される。
名前ゴウダ・タツ
精神年齢おこちゃま
肉体年齢オトナ
「おこちゃまだって!やかましい!」
俺は突っ込んだ。
「……次は私か……」
戦々恐々という感じで、彼も入った。
ピンポーン
カンベ・ヘイジロウ?
精神年齢オトナ
肉体年齢子供
俺は敢えてカンベ・ヘイジロウのことを知らないフリをして会話をした。
「あんたそういう名前なのか?」
「ああ……どうもそうらしい……」
頭に触れる仕草をした、どうもおかしい。
「記憶がないのか?」
「ああ……よくわからないだが……」
「まぁ……少し休んでから医療コロニーに向かおうか」
それにしても「カンベ・ヘイジロウ?」という名前の表記もおかしいし、ますます怪しいな……
(……一人、体調が悪い人間がいる、年のために救急車を用意してくれ)
(承知いたしました)
俺はテレパシーで職員に連絡をした、鉄血世界はフィクションから作り上げた二次創作の異世界とはいえ、他所の世界から来たお客様が倒れる事がある。
俺は後継者として、初めてのお客様が倒れて亡くなりました、ではシャレにならない。
幸いな事に頭の悪い俺でもそういう対策は頭に浮かんだ、このコロニーだって医者はいる。
俺達は一番近い「おっぱぶダブルオーッパイ」に向かった、そこで個室に入った。
「スメラギさん、オンナはまた今度にしてくれ……少し調子が悪いみたいなんだ」
「承知いたしました」
カンベ氏はポケットから何やら錠剤を取り出し、それを水も使わずに飲んだ。
「ありがとう、少しスッキリしたよ」
「……アルコールも飲める状態じゃなさそうだな……」
「……君はさっき精神年齢子供と出ていたな……こんな風俗店やアルコールも飲むなんておかしくないか?」
痛いところを突かれた。
「いやこの世界はフィクションを元にした世界だし、肉体年齢も変えているし……」
なんとかして反論した、しかしながらカンベ氏は次にこう返した。
「大体既存のキャラクターを風俗にさせるとか制作者に対して無礼だと思わないのか?」
横ではアップテンポな曲が流れていて、喘ぎ声が聞こえてきた、安い店だからか、防音が出来てないのだ。
「別に二次創作なんて誰でもやっていることでしょうが……」
俺は過去でヤマト完結編でブチギレていた海寺のおっさんを思い出した。
外見や声の質こそ違うが、口調の荒さからそれを彷彿とさせた。
「そもそも風俗なんてバレたら妻に怒られるからね……さっさと帰るよ」
妻?妻がいるのか!?いや……過去に行った時に海寺氏は井下というオンナがいたが……結婚したのか?
「ああ、お気をつけて」
俺はドアを開けて、彼を帰した。
「さて……何処に向かうのかな?」
開けた瞬間、小さな発信器を指で飛ばした。
軍隊でスパイの訓練をしたのが役に立つとは。
モニターの点滅する表示と店で流れているBGMの曲がたまたまあっていたことに俺は気にいった。
「成果なしか……」
海寺のジジイだと思っていた、カンベ・ヘイジロウは色々な能力者の世界を渡っていて、単に旅をしているように思えた。
「わからん、何故カンベ・ヘイジロウの冒険の出来事が俺達の世界で起きるんだ?わからん……あいつは何者なんだ?何しているんだ?」
そこに通信が入る、親父からだ。
「すまない、お客様からリクエストが大量に届いているんだが、今はこんな状況下なのでできない、なんせフミタンや時々カルタも監視に来るからね」
「それは良いけど……こういうことがあったんだ……」
俺はこの前の事をかいつまんで説明した。
「うーむ、推理するには材料が足りないな……」
「親父でもそんなことがあるのか」
「うむ、発信器をつけたのは正解だったな、とりあえず俺も考えておくからな、安楽椅子探偵ならぬベッド探偵だワハハ」
のんきすぎるぜ親父……
俺はメール送信された大量のリクエストメールを見た。
「メガトン級ムサシのと女の子カワイイ!エッチしたい!」
「ゲッターロボアークに乗りたい!」
「サクガンの世界に行きたい!」
「ジーズフレームの世界にも行きたい!」
「境界戦機の(以下略)」
などなど、親父はこんなにもリクエストを貰っていたのか……
しかしながら、今現在どうなるかわからないのでやるにしてもショートだな……
そんな中、ある作品のリクエストに目が止まる。
「これならなんとかなりそうだな……」
神聖ブリタニア帝国は謎の敵「エネミー」によって攻撃をされていた。
かねてからイレブンと呼ばれていた日本人はエネミーを影から支援したり、称賛していた。
ブリタニア帝国側は地球にいる人間達に協力を呼びかけたが、呉越同舟など夢のまた夢だった。
そんな中、ユーフェミア・リ・ブリタニアはエネミーとの交渉に単身向かった。
目の前には、巨大な円盤があり、溶接のあとや窓すらない。
(……大きい……そして素人目にも未知の金属や我々が知らない技術を使っている……)
先の戦いでナイトメアは惨敗したのであった、黒の騎士団による手引きの噂もあるがはっきりとしたことは分からない。
「なんとしてでも交渉に成功して犠牲を止めなくては……」
「こんにちわ、ユーフェミア・リ・ブリタニア殿ご機嫌うるわしゅう、私の名はドラゴン・カッターと申します、カッターとおよび頂きれば光栄です」
黒い軍服を着た男が現れた。
「カッター殿、貴方の提案を飲めば、日本のブリタニア市民と日本人の命は保証するというのですね」
「簡単です、貴方は結婚すれば宜しいのです、結婚式の準備は全てこちら持ちなので」
「政略結婚という訳ですね……」
キッと彼女は睨むが男は意に介さない。
「まぁとりあえず『お見合い』をしましょうか」
広い白い部屋の中床から白い上等な椅子とテーブルが静かな音と共に現れた。
(なんて無機質な部屋なの……)
ウィーン、扉から何者かが現れた。
「あなたでは無いのですか!?」
彼女が見たその姿とは!?