小説やシナリオの真似事は高校生の頃からしていましたが、ここまで長期の話を書いたのは生まれて初めてです。
これは見ていてくれた人達のおかげと言って間違いないでしょう。
次回はおまけの設定資料と反省会です。
また橘さんも書いています、お暇なら是非。
最終回
あれから約十三年たった、アルファ世界からシグマ世界に行き、トップとして平定した。
最初の頃はシグマの人たちは、明らかに俺に対して、胡散臭い目を向けていたが、真剣に仕事に対する熱意やアリサが『恋人の師匠は私の師匠とも同じ、師匠の友人は師匠も同じ』という聖闘士星矢みたいな発言もあって、彼女は一切トラブルを起こさなかった。
無論、休火山みたいなもので、いつ爆発するから分からないが、その時はケイがなんとかしてくれるだろう。
そのアリサは意外なことに、没落した井下家の娘として再び生まれ、なんとかして家を立て直すことをしている。
……結局、彼女も人の子という事だろう。
無論シグマの問題について俺はできるだけ真摯に向き合い、下の者たちに休暇を与え、現在のアルファであるサクラさんと協力してわだかまりや困っている問題を少しづつ解いた。
3年目にはほぼほぼ信頼を勝ち取っていた。
「おはよー」
「ええ、貴方、おはよう御座います……」
「今日は、二人共寮から帰っているのに、いないのか……」
「もう子供じゃないんですよ……あの子達は……」
そう言いながらもクスクスと笑い始めた。
「今日が墓参りの日というのは覚えているだろうか?」
俺は新聞をちらっとだけ見たあと、味噌汁を飲み始めた、目覚めた身体に丁度いい……
「ええ、メールでも口を酸っぱくして言ってますよ、貴方もお弁当手伝ってね……」
「やれやれ……富、名声、権力を手に入れた者が唯一敵わないものが、ハニーだとはな……」
「当たり前じゃない♡私達がいたからここまで来たんでしょう?」
そうだな……と言って外を見た、引きこもり時代では考えられないほど高い城に俺はいる。
「……そう言えば、今日変な夢を見た」
「昔の事ですか?」
「いや違うよ、子供の頃の夢だよ、俺が産まれてくる夢さ、おふくろと親父が抱いて、『この子の名前は友、友達が沢山できる様に……』と名付ける夢さ」
「いい夢ですね……」
「そこから走馬灯の様に、子供の頃の話があるんだけど……言っていいのかな……」
「良いわよ、所詮夢なんですから……」
「三日月やオルガを殺して、火星どころか、あの宇宙の王になるんだ……サクラさんも殺していると思う」
「……悪夢ですね……」
「君や他の女性を手籠めにするが、君が銃で自殺するんだよ……多分妊娠していたんだと思う……そして誰も愛さないし、愛されない、巨大な宮殿で一人寂しく砂やゴムの味がした料理を食べるんだ……」
俺はボロボロと涙を流しながら、朝ごはんのサンドイッチを食べていた、トマトの味が美味い……
「怖い夢を見たのですね……」
後ろから彼女が抱きしめてくれる、おっぱいが頭に当たる、おっぱいは彼女だけでいい……もうゴウダ・トモはハーレムは卒業した、フレはまだしていないけど……
「そして俺を殺す者が現れる、ケイに似た男だ、ただケイじゃない、だけど俺はその男を何故か知っているような気がする……多分逆夢だろう……」
「本当に変な夢ですね……クリスマス・キャロルみたいな」
ああ……確かに季節外れのクリスマス・キャロルだ……過去、現在、未来の妖精がそれぞれビジョンを見せて金持ちの男は改心する話だ……
「結局、俺は運が良かっただけの男さ、これから選択ミスで破滅するかもしれないと自戒しないといけない……」
「時間を戻すことができるのでは?」
「世界を戻してもクズな自分がかわらないと結局は意味ないよ……」
フミタンは黙っていた、改めて外を窓から見る、雲ひとつない春の空だ。
「そして彼らは戦う決意を改めてした……今日はこれぐらいでいいか……」
俺はケイ兄さんと一緒に、フミタンママのお腹から双子として再び産まれることにした。
そして小説家デビューを目指してネットで書いたり新人賞を目指したりしている。
「ええと……メールメールと……あ!今日はお墓参りと花見の日だったな!カルタママを迎えに行かないと……」
喫茶店でぼんやりとプロットを練りながら呟いた。
(助けて……助けて……)
「テレパシーかよ!おい!忙しいな……!」
俺は瞬間移動した!毒親の父親が娘に対して暴力を振るっている。
「おらっ!このクズ!タマキン潰したる!」
俺のキックで粉砕し、悶絶させる。
「……あ、あの……この前もありがとうございます……」
?俺はこんなボサボサ頭の眼鏡女を助けたのか?まぁいいや、あとは組織の息がかかった警察に任せてさっさといこう。
道路に出ると、赤いスポーツカーが止まった。
「やあ、坊っちゃん!花見に行かないか?」
「カルタおばさま、いやお母様はあいも変わらず息災だな!」
「じゃあ飛ばすぞ!」
十三年間という月日は俺とカルタママのいざこざが取り除かれるのに十分だった。、
「仕事はどう?」
「貧乏暇なしというが、金持ちでも暇なしだ!」
更にアクセルを踏む、高速道路を猛スピードで進む。
「おいおい、事故っても知らないぞ?」
「するものか!」
カルマママは現実世界では後歌留多と名乗り、つまりはフミタンの姉という設定になった、働く場所は親父の経営している会社だ。
……愛人疑惑は今の所一切ないのが逆に怖い、因みに彼女の趣味は旅行と読書(俺の小説)
「この前、読んだダークな魔法少女モノ、すごく良かったぞ!特にタイムスリップで未来の自分と出会う所!」
「アレはこれからハッピーエンドになるので心配しないでください、というメッセージだよ、読んでくれてありがとうございます……」
「照れるなよ」と言ったが流石に照れる。
トンネルを出ると美しい雲ひとつない春の空だった。
「これで今日の朝のノルマは終了と……」
イラストレーターと正義の味方の二足のわらじは大変ではあるが助手がいる。
「ダーリン……♡この服でほんとうにいいの?地味じゃない?」
「逆に着物とかゴテゴテのやつを着たら、おふくろにまた怒られるよ!」
それは何処にでもある女性の私服だった。
「それにしても春かぁ……色んなことがあったよね……♡」
そう言いながらも大量のお弁当箱を担ぎ、腕に抱きつく。
「ホント……色んな名作や駄作があったよなぁ……」
「私、春は大好き、新しい出会いの季節だし、色んな番組が始まるし!」
「君、夏の時は水着があるから!とか秋は食欲の秋!とか冬は色んなイベントがあるから!とかテキトーな事ばっかり言っているじゃん!」
「だって……」
一呼吸置いてこういった。
『今が最高にクールで素晴らしいもん♡』
「あ〜僕がいるからでしょ……」
そうよね、と呟きながら、彼女は桜並木を歩きだした。
「不思議ね……貴方がいると世界が美しく感じる……あなたが居なかった過去の思い出も美しく感じる……」
「今も昔も世界は醜いし、美しいと思うよ、僕はきっかけを作っただけに過ぎない」
「お墓参りと桜見たら、映画に行く?それともゲーム?ホテル?」
「また、母さんに怒られそうなことを……ガンプラでも別にいいでしょ?」
「ええへ……♡だ~いすき♡」
一体どこが良いんだ?と思う人もいるが、約束はできるだけ守るし、金遣いも荒くないし、家事洗濯料理もできる、理想の女子だと思う、……かなり変な子なだけで。
墓参りが終わり、花見パーティーが始まる。
ズラッと、アルファとシグマの関係者が並び、俺は挨拶をする。
「正直、私は運が良いだけの男です、友人や生涯の伴侶である妻、そして私より遥かに優秀な息子が二人も生まれたのですから」
二人共頭を掻く、ドッと笑いが起きた。
「しかし、もっと運がよかったのは、両親のおかげだと思っています」
もう白髪交じりの両親の方を向く。
「父も母も他人から見れば、どこにでもいる平凡な人間に思えるでしょう、しかし私をここまで育ててくれた、というのは一種の超人であり、ヒーローと言えます、そうです正しい心を持つ限り、人は誰でもヒーローに慣れます」
ふと横を見る、巨大ロボットの玩具を持っていた子供の頃の俺が見えた、……いや気のせいか。
そして割れんばかりの拍手が響いた。
「貴方、もうビール飲まないの?」
「そうだよ、少しぐらいいいじゃないか」
「いや、健康が気になるしな……」
フミタンとサクラさんに言われるが、俺は断った、既に酔っている。
「じゃあー♡私達が飲もう♡ね!ダーリン♡」
「駄目に決まっているでしょう!!」
フミタンママの雷が鳴った。
「もう〜お母様ったらジョークですのに……そんなに怒るとシワができますわよホホホ!!!まぁもう出来ていますけど!!!」
まるで悪魔のような笑い声が響く。
「ケイ!さっさといい加減別れなさい!」
「考えとく」と言い、その後ジュースや只管豪華なオードブルを黙って食べていた。
一方、アリサ氏は遠くから俺の母を見つめていた、あえて会わないのだろう……
一方、そんな光景に呆れながら、海寺先生とタツは話をしている。
「先生、新作読んだよ、良かったと思います」
「君だってバリバリに頑張っているし…、負けられないなぁ……」
先生は奇跡の復活を遂げて、シリーズを完結させ、未だに作家を続けて、実写化やアニメ化に成功している、彼もまたヒーローである。
二人の会話をカルタママが横で聞いていた。
ふと俺は上を見上げる、サクラさんや能力者達もだ。
「なんだ?アレは?」
そこにはみたこともないデザインの巨大なロボットが空に浮いていた、そこから男女一組のカップルが出てきた。
「ねえさん、ここで間違いないよ、成功だ」
「本当ね!わぁーー!!お母様もおばあさまも若い〜!!あ、カルタおばさまはいつもどおりの17歳ね……」
「「「はぁ???」」」
流石に三人は同じ声を上げる、俺は少年の方を見た……夢で見た少年だ!
「郷田家の皆さん、僕はゴウダ・オウと言います、応援の応です」
「で!!私は得!エールって読んでね!!未来から来ました〜♡」
「ちょっとあなた、未来から来た?バカバカしい……そんなSF小説みたいな事あるわけないじゃない」
流石にアリサ氏のツッコミに対して男性陣は白い目を向けた。
「「「「「いやあるんですよ……」」」」」
「おばあさま……これ未来のハンドクリームです、勿論我社の製品」
「まぁ……ありがとう……見たこともない成分とデサインね……」
「あ〜あ、毒なら良いのにね……」
小声でアリサ氏は言ったが完全に無視している。
しかし夢で見た、少年にそっくりだ。
「おじ様、にはこれ!」
「うおっ!モバイルバッテリーだ!ありがたいな!」
「おじ様、まさかああいう人と付き合うことになるなんて……もう出会っているけど……」
「まさかボサボサ頭の女か!?」
「大師匠にはこれ!」
「鉄道模型かぁ〜!!」
「ひいおじいちゃんとひいおばあさまにはこの饅頭をプレゼントしてください!」
「それにしても……エールって言ったけど、本当に私の子供なの?」
ギクッ!という仕草を二人がした、ハハーン未来で何かあったな……
「貴方……もしかして浮気したの?」
嘗てのラスボス的な目をした!
「まぁ、そこはのちのち分かりますので……母さん、これ商品券とコンドームセット……」
「まぁ!嬉しい!ありがとう!そういえばあなたは私達に似ているね♡」
オウくん、扱いがめちゃくちゃ上手いな……
「で、君達は何しに来たの?」
サクラさんがそういう、明らかにトラブルか?という目をしている。
「いえ、ただお祖父様の髪の毛が欲しいだけです、DNAサンプルというか……」
「込み入った事情がありそうだが……まぁ聞くだけ野暮というものであろう」
「ただし条件がある、抱きしめさせてくれないか……」
俺の……俺のやった事は無駄じゃない……そう神様が教えてくれるような気がした……
「勿論です!御祖父様!」
「恐縮です、光栄です……」
俺は二人を抱きしめた……懐かしい匂いが何故かする……
そうして、二人は俺の髪の毛を手に入れるとまた何処かに行ってしまった。
「本当に、私の子なのかなぁ?浮気したのかしら」
「あらあら自分の子供を疑うなんて親失格ね……ホホホ!!!あの二人の孫は気に入りましたよ!!!ホホホ!!!」
「ムキーッ!旦那を信じていますから疑いたくなるんです!」
ヤレヤレ、嫁姑バトルは未来でも起こりそうだな……俺とケイは二人を引き離した。
「しかしまぁ、嵐の様な二人だったな……」
タツはそういう、ああ全くだ、という顔をサクラさんもした。
「……でもホッとしたぜ、兄さんがインポじゃないってこともそうだけど……」
「インポってあーた……」
「親父や師匠の精神は間違いなく受け継がれているよ……」
「アリサちゃんに似ているけど……何より……父さんに似ていることがホッとした、あと母さんにも……」
フライドチキンやポテトを食べながらケイはそういった。
「……血の繋がりは関係ない……大切なのは精神だ……」
師匠はそういった、ケイは頷く。
「多分、あのエールって子は血の繋がりがないと思う」
流石に俺達はえっマジか?と思った。
「家族に敬意を払うあたり悪い子じゃないよ、まぁ未来の事は分からないけど」
「俺達の精神って多分、親父が鉄血のオルフェンズの世界を作り出しても三日月さんやオルガおじさんたちを助ける様な精神だと思うよ……」
「まぁ最初の頃は……やりたい放題だったけどな……」
「俺だって最初の頃ロボットアニメ嫌いだったし!食わず嫌いだけど!」
「僕も色々と変わったよ……」
「こいつも初対面の頃はハヤトくんの格好でセックスだもんなぁ……」
「僕は……変わってないかも……」
「お前は夢を見つける前から完成されていたよほぼほぼ」
俺はフミタンのところに戻った、彼女は座って桜を見ている。
「綺麗ね……」
「ああ、もちろんさ」
「私の事?」
「いや、何もかもだよ……膝枕してもいいか?」
「勿論、減るもんじゃないし……♡」
俺はクスッと笑った、彼女をブラウン管で見た時から運命は決まっていたのかもな……
桜吹雪が舞い散る中、俺とケイとタツは空を見ていた、あの空の向こう側も人はいつか、いや再び行くだろう。
「人生は俺たちの戦いはこれからだ!だけど、今はこうやってヒロインの元で休ませてくれ……」
『『『主にロボットアニメで生きる俺達は、今日も生きる』』』
おしまい。